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February 09, 2005

書談:司馬遼版『義経』

■『義経』 上下
 著者: 司馬 遼太郎
 価格: \700(各々)
 出版:文春文庫
 発行:2004.2(新装版)

司馬遼太郎は、義経、そんなに興味があるわけじゃないのかな、と思った。上下二巻じゃ、ちと短い。義経が奥州に行くまでを書いていない。壇ノ浦後は、小説というより歴史解説みたいになっている。この部分は司馬遼が好きか嫌いかわかれるとこだ。嫌いな人は能書きが多いという。私は元々史学好きなので全く問題ない。

でも、読み終わって、ああ、と思った。司馬遼は、鎌倉・武家システムと京都・朝廷システムの違いを書きたかったのだ。義経という"新物質"によって二つのシステムの不整合が如実に現れてくる。それを記述するのに登場人物にセリフを言わせていては間に合わない。それで、例の司馬遼節が出てくるのである。

先に書いたように私は判官びいきならぬ、右兵衛(頼朝)びいきなんでこのへんのことは平均的日本人よりよく知っているつもり。でも、なぜあそこまで頼朝は義経を追いつめたか(一応同父の兄弟なのにね)、ってのはこれを読まないとわからなかったかもしれない。

幕末ものを多く書いている司馬さんとしてはここを抑えておかなくてはいけなかったのだ。ここから幕府が始まり、信長・秀吉・家康を経て、3つ目の武家政権が滅ぶところまでが、日本の精神的骨髄になっているわけだから。

勧進帳(伝説らしいが)まで書かなくても、司馬さんのお仕事は十分なんだろう。でも、ラストは頼朝がこれで悪は滅んだと言わせ、「悪とはなんだろうか」とつぶやいて(つぶやかせて)終わるにはちょいとまた解せないでごんす。

二つのシステムの違いとして貞操観念を描いていたのもおもしろかった。北条政子の嫉妬は有名だが、それは関東武家独特の結婚観。半貴族の頼朝には理解できんかったのね。

義経は性欲のままに生きてるし。これ、そのまんま描いてエロい映画とか作ったらおもしろいよね。(見てないけど)『カリギュラ』より高質な映像になりそうだ。大河はここいらへんどう描くのか。女好きをロマンティストとして婉曲に描くのか、それとも女性関係は静と良子に限定するのか。

「義経」で検索したらおもしろいの当たった。
http://www.rbsaika.com/yoshitsune/
大河を見ていて、お父さん、お母さんが、あれだれだっけと言っていたら教えてあげましょう、コーナー、最高です。

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