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March 05, 2005

書談:『義経の登場 王権論の視座から』

■『義経の登場 王権論の視座から』
著者:保立道久
出版:NHKブックス
価格:1200円(税別)


義経ミニ知識本、研究本がたくさん発売されている。
本書は、義経だけでなく、その人間関係、父・義朝、母・常磐のことが多く書かれている。
知らないことがいろいろわかった。
知らなかったのは私だけでない。義経研究自体が遅れており、日本中世史研究の障壁となっているそうだ。

常磐は、公家の従女であり、当時としてはそこそこの身分であったこと、常磐親子が生き延びたのもそのコネクションが平清盛に利いたこと、などは私にとって有益な発見であった。

頼朝の助命も、池禅尼が死んだ息子に似ていて不憫に思った、とは少し違うようだ。池禅尼の親戚筋と頼朝とにつながりがある。それ以前に平治の乱が源氏と平家を二分するものではなく、両家がもっと複雑に絡んでいたことである。清盛も「義朝は我が敵にあらず」と述べているらしい。清盛は戦後処理を委託されたわけである。いろいろ諸先輩方の意見を聞かないと源氏の遺族の処遇は独断できなかった。清盛の判断をうんぬんされるのは、その後の平家の興隆から対源氏のような構図が生まれたためであろう。

特筆すべきは、当時の女性は夫や父に依存する弱い存在ではなく、政治力を持っているということが伺える点である。

と半分弱読んだだけでもいろいろ得るところの大きい本である。
頼朝、義経以前の歴史が知りたくて同じNHKブックス元木泰雄著『保元・平治の乱を読みなおす』を読んでいたのだが、知らない人ばっか出てきてなかなか進まなかった(藤原忠通とかそういう人)。これで少し筋道がわかるので、再読できる。保立氏も元木氏の説を参考にしている。

日本人って自分の国結構好きなのかなって思う。歴史啓蒙書(新書版とかのことね)は毎年たくさん出版されている。大河ドラマもなんだかんだ言って視聴率を稼いでいる。意識下で自分のオリジンを確認したいではないかな。
日本史にふれる度に日本人の精神性の深さを感じるアマサイでした。

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