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May 15, 2005

経済と科学

20世紀の最大の特色はそれが科学の時代であるということです。(中略)そのような背景を考えれば、学者や学生はもちろん、産業人も、セールスマンも、ジャーナリストも、家庭の主婦も、みんなが科学を知らなければ、時代の流れに逆らうことになるでしょう。

講談社ブルーバックスの発刊の言葉にこのように書いてある。
科学の時代は21世紀も続くだろう。しかし「みんなが科学を知らなければ」ということはどれほど主張できることであろうか。

近年科学はIT技術という言葉に集約されてしまう。IT技術を知る、というより使える、使いこなせるということである。パソコン、携帯はいうに及ばず、炊飯器、電子レンジという家電機器までマイコンを搭載した機材となってしまった。うちの母などは銀行のATMが銀行員の指導なしで使えるようになったのは、数年前である。先日は定期の買い方が難しくなったので、やってほしいと言われ、Suica定期券を自販機で発行した。
(これは科学ではなく、技術だとの主張は不毛である。科学と技術と科学技術とを境界にこだわるのは不毛な議論が好きな哲学者達だけである)

それだけではなくて、生命科学や環境科学も市民が学ぶべき科学ではあろう。しかし、こちらは、広く、深くなりすぎて、ほんの少し、表出したキーワードでしか、理解できなくなっている。DNA、遺伝子組み替え食物、オゾン層、ダイオキシンなどなど。

ブルーバックスが発刊された1963年とは明らかに様相が変わってきてしまった。

前出の言葉の科学を経済に置き換えると不思議なことに腑に落ちる。現代人が知らなくてはいけないのは科学よりもむしろ経済であろう。税金のしくみ、郵政民営化の利益・不利益、株式の購入、老後のための貯蓄術。
経済を扱っている本はどれもそこそこ売れているのではないだろうか。

日本でも株券の個人購入が普通になった今、経済というものは誰かが動かしているわけのわからないもの、ではなく、自分も経済社会の構成員であることが自覚できるようになった。

それに比べ、科学は、益々専門化し、市民の手の届かないものになっている。そして、当たり前のことではあるが、科学は経済なしでは駆動できず、経済の一つのトピックスに成り下がっている。

こんなことを考え、それをなんだか、ヘン、と思うのは私だけだろうか。
拝金主義が、科学や文化を隅に追いやっていると考えるのは安直であろうか。

昨日、本屋の各棚をぼんやりみていてそんなことを思った次第である。

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【アマサイは勝手に2005年国際物理年に参画しています】
(^_^)リンク集をここ作ってあります。

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