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June 06, 2005

書談:松本清張『ゼロの焦点』

『点と線』『砂の器』と並ぶ清張の代表作。
もう読んでたかなと思ったら、読んでいなかった。
『点と線』はたぶんトリックの巧妙さが受けたのだろう。
(鉄道トリックの初期のムーブメントと聞いたような気がしたが)
それに対し『砂の器』と『ゼロの焦点』は本格社会派、人間ドラマが主題と思う。
インパクトとダイナミズムからいうと『砂の器』の方が上かな。

ここでも戦争とその後の生活がキーとなっている。
連載が昭和33~35年で小説の舞台もそのころらしい。
問題となるのは、昭和24,25年の婦女子の生活である。
つまり、戦後4,5年までと戦後13年を経た世相の違いから物語りが生まれた。
今の感覚からいうと、そんな10年未満の違いなどわからない。戦後の混乱期だから1年1年が大きい。
犯人とその動機が明かされてもちょっとぴんとこなかった。
ふーん、そういう時代だったのかあという感じである。
実際現代でも同じ動機で殺人が起きてもおかしくないが、その当時の深刻性はイマイチ理解できなかった。いや、さすがに想像はできますが。

これを世相ではなく、実際の人に置き換えてみると理解の助けになるかな。
「20代のころはバカやってたけど、私も30過ぎたんだから落ち着かないとね」
みたいな感じ。

うーむ、ネタばれしないように感想を書くのはちょっとたいへん。
文庫の裏表紙のあらすじの欄以上のことを書くと、核心に触れてしまうので。新妻が失踪した夫を捜す話なんだが、犯人自体は物語の前半に登場する。
まあ、有名な作品だし、昔映画化されたから、知っている人も多いと思うけど。
それに清張作品はプロセスが大事で、犯人探しじゃないからね。

映画化作品の検索していたら、
有馬稲子が主役に抜擢されたにもかかわらず、キーパーソンの室井社長夫人をやりたいとごり押ししたなんて話が出てきた(主役の新妻は久我美子)。
そうだろうな、室井夫人の方が高度な演技を要求されるし、有馬稲子のイメージにぴったりだもん。

次は『霧の旗』でも読むかな。

今は短編集『水の肌』が通勤のお供。

ところで、清張作品はいつも題名がイカシテるが、これはどういう意味だろう。ゼロとは合焦点がないということか。それとも散乱していた複線が一点に集まるということなのか。

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