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September 23, 2005

書談:『容疑者Xの献身』

■『容疑者Xの献身』東野 圭吾著
税込価格 : \1,680 (本体 : \1,600)
出版 : 文芸春秋
発行年月 : 2005.8

bk1
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あらすじ
石神は数学研究への思いを断ち切れないまま、高校の教員として勤めている。彼の楽しみは、ある数学理論を構築するため勉学を行うことと、アパートの隣室の花岡母娘と挨拶を交わすことである。ある日彼女たちは、殺人を犯すはめになる。そのことを知ってしまった石神は母娘を救うため壮大な計画を思いつき、実行する。このまま、誰もが何事もなく、過ごせるはずであった。しかし、その計画を崩したのは、ある人物の以外な行動であった。

うーむ、久しぶりに東野圭吾ばんざーい!と叫びたくなってしまった。柱となるトリックの綿密さ、複線の合理性、登場人物の人間性、どれをとっても過不足ない完璧なものだ。良質のミステリは良質の科学理論のようだ。うーむ、あんまり誉めているような表現ではないな。

私としては石神という人物に一番惹かれる。数学一筋だが、うちに秘めた大感情がその五体には眠っている。こう描かれると好感を持てる人物なのだが、実際はもてないでしょう。いや、自分からアプローチすれば何勝かできると思うんですけどねえ。ゴリラタイプで、頭がよくて、シャイで、っていいと思うんですけど。えっ、それはアマサイの好みでしょうって?いや、私は飽くまで阿部ちゃんなんですけど(^_^)。それにしても構築しようとしたのはどんな数学理論?東野さん、そこまでは考えていないだろう。っていうか、これはミステリなんだからそこまで書いちゃいけないな。この人なら書くかもしれん。

東野さん、以前は女性は描けない、って言っていたけど、結構うまく書いてるよね。まあ、この花岡靖子って女性もステレオタイプっていう感じがしないでもないが。物語が異質にできているかそれでいいのでしょう。『白夜行』や『幻夜』では非凡な女性が主人公でした。今思うと、あれは男性的性格を女性に移し替えたのかな。邪推ですね。。。

言い忘れましたが、ここではガリレオシリーズの湯川学が出てきます。物語では中立的立場、補完的な立場と思います。これに湯川が出なかったらのっぺりとしたメリハリのない話になっていたでしょう。

もう、とにかくお勧めです。ミステリを軽んじるつもりはない、でも、これはブンガクと呼ぶのがふさわしいと思います。

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【アマサイは勝手に2005年国際物理年に参画しています】
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