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March 22, 2006

売れるということ。

ご贔屓の作家が公に広く認知されるのはうれしいことである。
もう、東野圭吾を語るときに
広末凉子主演の『秘密』の原作者の人と言わなくて済む。うれしいぞ。

これ、賞を取っていなかったら、

藤木直人くんの出た『ゲームの名は殺人』の原作者の人でも、無理であろうし、

山田孝之くんと綾瀬がでてる『白夜行』の、なんて言ったら返って知名度を低くするのではないかとさえ思う。

こやつもどうやら、読み始めているようであるし、

やはり、直木賞は偉大である。

で、竹内薫著『99.9%は仮説』である。
(ここでは物理学の私の師匠というより作家という距離をおいて語る)

先週18万部を突破したのだが、どうも複雑である。
竹内氏もメジャー作家、と思うが、やはり複雑である。

ここまで落とさないと本というのは科学書というのは売れないものなのか。
まず、字が大きい大きすぎる、絵本じゃないんだから。
内容も微妙に薄まっている。
もちろん、日本屈指の科学作家たる竹内氏であるから、コンセプトを押さえて、わかりやすい文章にしている。

が、しかし、ここまで易しく書かないと本いうのは科学書というのは売れないものなのか。

『よくわかる最新時間論の基本と仕組み』だってやさしいぞ、よくわかるぞ。

『物質をめぐる冒険-万有引力からホーキングまで-』だってやさしいぞ、よくわかるぞ。
まあ、『仮説本』は物理とか宇宙とかに限定せず、科学全般に言及したところがうける理由であるが。

実は、仮説という言葉ですべて括るのもあまり感心しない。全部仮説と呼ぶには無理があるんじゃないの。うまいカテゴリーつくり(簡単にネーミングと言ってもいいだろう)は、難しいことを伝達するのに優れたツールである。『バカの壁』もあれは単に書名の「発明」ではなく、全てのことを「バカの壁」でカテゴライズしたことに意義があると思う。

でもそんな安直な作り方で売れていいのだろうか(これは編集段階のことであって、竹内氏が手抜きをしたのではない)。

長年(?)のファンとしては、また度々、この手のものを要求されるのではないかと心配である。人間の能力は有限である。竹内氏も自ら中年であると言っておられる。時間も有限である。そんなものに腐心するよりも、専門書と啓蒙書の中間に立つちょびっと専門的な科学書をこれからも量産していただきたいと思う次第である。

これは老婆心、または取り越し苦労というものであろうか。

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