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September 19, 2006

書談:松本清張『ガラスの城』

『ガラスの城』
著者 :松本 清張
価格 : \600 (本体 : \571)
出版 : 講談社
発行 : 1979年
bk1

週末は科学モードにならず、予定していた科学啓蒙書を読めなかった。
買い置きしておいた本書を手にとる。

表題は、一流大手企業の外形とその中の人間関係の空虚さを意味してしている。優秀な女性が会社組織では出世できないことを「ガラスの天井」(上が見えるけれど阻まれる)と呼ばれた時期があるが、延長するとそういうことも示している。

とある建設会社の営業部長が殺される状況を二人の女性、三田と的場の手記、メモによって語れる。なかなか当該事件にたどり着かないのでちょっとイライラした。が、そこは清張節、企業内の男女関係が興味深く描かれる。

最初手記が異様に長いのはさておき、途中でこれは誰かに書かされているのか、ということは気づく。この女は首謀者の一人か、それとも殺されるのか。そしてその手記は完結しないまま、的場のメモに移る。ここからは、だっーとクライマックスにいくわけである。ここで状況が逆転、また逆転していくのが清張の真骨頂である。

二人ではなく、せめて三人くらいの手記にすれば、もっとよい構成になったと思う。たぶん初めはそういうつもりだったのではないか。人気作家ともなるといろいろあるんではないか。

本書の解説者氏が「清張は女性を描くのがうまい」と評しているが、それには同感である。職場の湯沸かし器の部屋で交わされる会話など非常にリアルに感じる。男性作家が誰でも書けるとは考えられない。

清張作品の水準から言っても十分におもしろい。

※これは新潮文庫ではなく、講談社なので注意されたし。

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