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October 04, 2006

書談:『神様のパズル』

Kamisamapazzle
■神様のパズル (ハルキ文庫)
著者 : 機本 伸司著
価格 : \714 (本体 : \680)
出版 : ハルキ文庫
発行年月 : 2006.5


物理学科4年生、劣等生の綿貫はゼミの鳩村教授に、同じゼミ生である16歳の天才児・穂瑞沙羅華の「お守り」を依頼される。すでにドクターレベルの能力をもっている穂瑞は、「宇宙は作ることができる」という命題に挑戦する。お人好しの綿貫は彼女の片棒を担がされるのである。でこぼこコンビ、穂瑞と綿貫、ついに宇宙の生成法を発見。果たして彼らは宇宙開闢を発表することができるのか。

こんな小説が今までなかったことが不思議である。作者機本氏は物理学科卒のPR映画のディレクター、本作品は46歳にしてデビュー作である。ネタの中心である「宇宙の作り方」を半年間、仕事の終わったあと各種専門誌を読み、うんうんうなって考え続けたという。そこまで思索した甲斐あって、穂瑞の宇宙論の弁は誰もが引き込まれることだろう。
残念なのは、人物の書き込みがイマイチ薄いことである(SFとしては十分だという意見もあろう)。主人公は穂瑞でも綿貫でもなく、宇宙論なのだから仕方ないと思うが。

来年、映画化の予定だそうである。その際は人間ドラマとして描かれるのだろうと思う。『神様のパズルExtra』となることを期待する。

穂瑞や聴講生の橋詰老人のように、宇宙がどうして存在するのか、わからなくては死んでも死にきれない、と思っている人、結構いるのではないかな。過去の天文学者はその衝動を抑えきれず、研究に邁進したのだろうと思う。

宇宙論で語られる人間原理は思いの外真実に迫っているのではないかと思った。

登場人物全員が、明るい未来を獲得したラストシーンはとてもいいものだった。物理劣等生の綿貫が、穂瑞との研究で新しい人生観を見いだしたのは感動すらしてしまった。 日本のSFに一石を投じうるすばらしい作品だと思う。

こんな小説なら書いてみたいな。それはともかく、今日も1日1回ぷちっとな、しといてください。【押す】
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