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December 14, 2006

書談:田辺聖子『私の大阪八景』

019671570000■『私の大阪八景』
著者:田辺聖子
価格:\945 (本体 : \900)
出版:岩波書店(岩波現代文庫 文芸)
発行:2000.12
bk1


岩波に収録されるということは末永く販売してくれるっちゅうことかな。
著者の自伝的エッセイ。太平洋戦争にある時代の大阪下町。開戦から終戦までを軍国少女トキコの日常で描く。夢の中で女兵士となり天皇陛下をお守りするトキコ。『宮本武蔵』を尊敬し、女も武士道をもって生きなくてはいけないと友人に説くトキコ。大人達のおちゃらけに非国民と怒るトキコ。どれもほほえましく楽しいのだけれど、戦時下であり、誰もが死と隣り合わせになっていると思うと何かがこみ上げてくる。

NHK朝ドラマ『芋たこなんきん』の町子少女時代は、このエッセイがベースのようだ。

大人になってしまったアマサイは、「トキコちゃん、そんな一所懸命になっても日本は負けるんやで」と言ってみたくなる。「なにゆうてんの。今は日本国民が一丸となって戦うべきときなんよ。そんな日和見みたいこと言ってどないすんの!」と叱咤されたくなる。

東京と大阪では、戦争観・天皇観が若干違うような気がする。大阪の方がそれは「ゆるい」。東京のような悲壮感は薄い(別のエッセイのカモカのおっちゃんの言によれば、そんなゆるいのは大阪だけのようだ)。

反戦!と声高に叫ぶのは必要だけれど、
平和というのは、自分の家族と、モノと、風景を守ることなのかなあと「ゆるく」考えさせるのは、田辺聖子ならではだなと思った。

同著者『残花亭日暦』はさくさく読めない。先に進むとカモカのおっちゃんが臨終に遭遇するから。悲しくって読めない。(;_;) ぷちっとな。【押す】
≪コメントは応接室にお願いします。≫

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