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December 17, 2006

書談:東野圭吾『使命と魂のリミット』

Tamasisimei『使命と魂のリミット』
著者 :東野 圭吾著
価格 : \1,680 (本体 : \1,600)
出版 : 新潮社
発行 : 2006.12
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研修医夕紀は、帝都大学付属病院で西園教授の元で心臓外科医を目指す。夕紀は大動脈瘤で父を亡くしている。その執刀医は西園だった。名医の誉れ高い西園はなぜ父を救えなかったのか。医師なることで夕紀はその謎を解き明かそうとする。そんな中、帝都大学付属病院を何者かが狙う。
* * * *

ありえない、ありえない、この題名はありえない。小説のタイトルはまず作家の意思が通ることは少ないと聞く。これも新潮社の編集者が決めたものだろう。ブンガクってのは比喩とか暗示とか使ってさあ、まあ、いいや、もう東野ブランドで本が売れるんだから。うーん、でも、表紙カバーもどうよって、気がするんだが、ドキュメンタリーじゃないんだからさ。まあ、これもいい。

東野さんは、「女性を描くのが苦手」と言っているわりには女性主人公多いよな。男性より女性の方がドラマチックじゃけんのう。

医療現場が舞台なのでその描写は細かい。もう、現代において専門分野の知識を導入するのは当たり前であるが、「それをどれほど読ませるか」がミステリ作家の力量である。本書の描写を読者を退屈させない(『天空の蜂』はちょっと辛かった)。海外ミステリってあまり読まないんだが、名のある欧米作家はきっと、そういうのもうまいんだろうな。日本では東野圭吾くらいしか思い浮かばない(すいません、日本の作家もそんなにたくさん読んでいるわけじゃないんで)。

もうひとつのファクタ、電気・電子機器関係。これもなかなかおもしろく記述できるのではないか。本当の専門家(アマサイのように「似非理系」ではなく)の意見も聞きたいところである。

夕紀とその家族の歴史、サブキャラクタである譲治と望の日常、そして病院で起こるさまざまな出来事。これらが微妙にからみあい、全体を重厚に仕上げている。東野作品には珍しく?登場人物はみんな「いい人」である。メインテーマが「人間の使命」ということだから、そうなっているだろう。それを夕紀の父に言わせているので説教臭さ、押し付けがましさはない。

最新作が常に最高作品と言わしめる(アマサイが言っているだが)東野圭吾ならでは出来となっている。

次に映像化するのはこれだな。

本当の理系を語るのは『理系白書』じゃなくて東野圭吾ら、理系作家である(この言葉好きじゃないんだけど仕方がない)。じゃあ、ランキング「自然科学」に ぷちっとな。【押す】
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» 使命と魂のリミット 著者:東野 圭吾 [読むなび!(裏)]
≪採点(読むなび!参照)≫ 合計:87点 採点内訳へ ≪梗概≫ 心臓外科医を目指す夕紀は、誰にも言えないある目的を胸に秘めていた。その目的を果たすべき日に、手術室を前代未聞の危機が襲う。あの日、手術室で何が... [Read More]

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