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April 01, 2007

書談:田辺聖子『残花亭日暦』

Zankatei
■『残花亭日暦』
著者 :田辺 聖子
価格 : \500 (本体 : \476)
出版 : 角川書店(文庫)
発行 : 2006.7
bk1

とむ影さんが紹介していらしたのアマサイも読んでいましたが、途中で辛くなって、読むのを止めてしまった。

NHKの『芋たこなんきん』もカモカのおっちゃんが亡くなって終わったし、また本書をひもといた。

どこまで読んだかなと思ったら、こういう箇所だった。

「夜おそく、誰もいないリビングで、私はスヌーにいってみる。スヌー、もうあーたんは死にたいよ。スヌーは垂れ目をきっとみひらき、<あーたん、そんなこと、おっしゃらないでくださいまし、あーたんになにかあったら、ぼくたち、どうなるのでせう。無責任なご発言と思ひますう・・・・>私はふき出したが、いっしょに涙もこぼれた。私にとっていつも、(実は)非現実的なこの子たちが、一ばんの現実」

o(;△;)o ぉぃぉぃぉぃ。。。。。。

これが泣かずにいられよか。涙で潤んで読めんがな。

がんばって、ページをめくったら、

「<かわいそに。 わしは あんたの。 味方やで>
--ここでわっと泣ければよかったのだが私は涙が引っこんで、思わず笑ってしまい
<なにも五七五でいわなくてもいいやないの、パパ!・・・それ、川柳のつもり?!>
うるわしい夫婦愛の愁嘆場がお笑いになって、彼もにやりとした。そして再びいう。
<アンタかわいそうや、いうとんねん>
<?>
<味方って?>
彼は疲れたように目を瞑り、口もとざす。静かだ。窓の外の夕焼けは蒼褪めて、トリたちが街の低い屋根の上を、声もなく渡っていく。」

うぅぅ。。。( p_q) 

これは、夜一人では読めん。

とやっと、今日、喫茶店で読み終わりました。

『芋たこ』でカモカのおっちゃんが死ぬとこは、本書にのっとっています。実際は半年ほど入院生活を送っています。それ以前に医者を引退していますから、テレビでは、闘病生活のあとしばらく二人で悠々自適の生活を送り、臨終を迎えるとなっています。タイムスパンは短いですが、これも現実のおっちゃんとおせいさんを踏襲しています。

現実のおせいさんは高齢の上仕事を抱えて、おっちゃんの病室にほぼ毎日通います。おせいさんもおっちゃんも戦っていたのです。でも、仕事があったから、看護もできたのかしら。ふーむ。半年、1年未満、という短期決戦?だからできたのでしょうか。どこの夫婦も多くは晩年にこういう戦いをするわけですね。苦楽共に合わせて、でございますねえ。

日記の名をかりたフィクションとしていますが、大半は事実でしょう。スヌーに愚痴をこぼしたのを含めて。

なんだかしんみりしつつも元気の出るエッセイでした。

文庫本を介しておっちゃんと同時代に生きていたことを誇りに思います。

田辺さんにはこれから1日でも長生きして、作品を残していただきたいと思います。

『芋たこ』で板尾なんたらやっていた町子の作家仲間って藤本義一だったんですね。それはそれとして、アマサイに1日1回ぷちっとな、お願いしますね。【押す】
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