無料ブログはココログ

« 流体回路シートとは、 | Main | 学習機器の今・昔 »

August 31, 2007

書談:真山仁著『ハゲタカⅡ』

Hagetaka2_gekan■『ハゲタカ Ⅱ』
著者 : 真山 仁
価格 : ¥750 (本体 : ¥714)
出版 : 講談社文庫
発行 : 2007年3月
bk1

単行本のときのタイトルは『バイアウト』。経済小説家の先輩格である幸田真音さんに同名の小説があるんで遠慮したんでしょうな、出版社が。読者も同じタイトルが同時期に発刊されると紛らわしいったらありゃしない。真山さんには「ハゲタカ思想」では続編はできない、と思っていたらしいので、不本意かもしれない。

ここに書いたようにすぐ『ハゲタカⅡ』にかかったのだが、恒例のイベントが入り忙しくなってしまい、本書から気持ちが離れ、下巻2/3のとこでほうりっぱなしになってしまった。

本書は、放浪の旅から戻ってきた鷲津政彦が再び買収の世界に身を投じる。狙うは総合化学メーカーとなった鈴紡。ここで立ちはだかるのは、前回まで銀行マンだった鈴紡CRO(最高事業再構築責任者)芝野健夫。さらに金融界の妖怪、UTB銀行頭取・飯島亮介が入って三つ巴の闘いとなる。下巻ではいよいよ総合家電メーカー曙電機の買収劇に入っていく。

また、夫不在の家庭でアルコール依存症になってしまった芝野の妻や、いかにも大企業のテキトー社員村岡なんか加わり、物語をほどよくふくらませている。

おもしろい小説ではあるが、そんな大企業の買収なんて、中小企業に勤める庶民のアマサイにはどうだっていいや、って気にもさせる。なんか上の方でマネーゲームやってるわい。って感じですね。
真山さんは、前回は『武士道』を、今回は坂口安吾の『堕落論』をモチーフにしたと書いているが(章ごとに抜粋が引用されている)それがあまり活きていないんじゃないかな。大仰に構えすぎたというか、たかだかTOBの話だし。バイアウトに思想を持ち込むのには早すぎた感があります。

超近未来小説として楽しむのが正解でしょう。

ああ、そうそう、鷲津が買収業界に戻るのは親友であり、同志であるアラン・ウォードが暗殺される?という事件がきっかけです。この謎解きはⅡでは解決されず、Ⅲ?に続くようです。
-----------------------
しかし、Ⅰ、Ⅱを読んでもどうしてこの小説の鷲津政彦が、テレビの鷲津政彦に再生されるのか、わからんなあ。テレビの鷲津は、物語以前、芝野の下で銀行マンをやっていて、顧客の工場に負債を追わせてしまい、工場長は自殺する、自責の念にかられ、遺族に土下座をする、ということが彼の原点になっている(そんでアメリカに修行に行くわけだ)。小説鷲津には、どこを探してもそんな要素はない。原作と映像とは別物と言ってもこれは納得できまへん。

先週、再放送してましたね、『ハゲタカ』。冨士眞奈美さんの女社長役は何度見ても爽快です。今日も人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
≪コメントは応接室にお願いします。≫

« 流体回路シートとは、 | Main | 学習機器の今・昔 »

「書籍・雑誌」カテゴリの記事

TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/61116/16295213

Listed below are links to weblogs that reference 書談:真山仁著『ハゲタカⅡ』:

« 流体回路シートとは、 | Main | 学習機器の今・昔 »

サイト内検索
ココログ最強検索 by 暴想

更新情報

August 2017
Sun Mon Tue Wed Thu Fri Sat
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31