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January 05, 2008

青春の書(*^^*) その3

藤原美子さんの『我が家の流儀』を読んでいたら、自ずと夫の藤原正彦氏の著作を思い出した。当たり前だが、美子夫人の子育て記が、そのまま正彦氏のエッセイ群と符合しているのだ。「検便事件」に関しては正彦氏の本にも書かれていたはずだ。彼の著書は『若き数学者のアメリカ』からずっと読んでいる。

初めての出会いは高校生のとき。高校の3年のときの担任の家にはよく遊びに行った。数学担当の彼女は、練習問題の添削などまめに面倒をみてくれた。読書家でもあったので、アマサイの知らない分野の本を教えてくれた。彼女の部屋の本棚にあったのが『若き数学者のアメリカ』である。なんかタイトルがキザだよなと思ってその時は借りていかなかった。

そして、その数ヶ月後アマサイは、大学生になった。ある日の午後、学校付近駅構内書店にぶらりと立ち寄った。ここで、藤原正彦氏と再会する。『若き数学者~』が文庫になっていたのだった。ああ、K先生のとこにあったやつだ、なにげに手にとって読み始めた。どういう始まりだったか忘れたが、藤原氏の渡米記にどんどん引き込まれていった。レジで精算し、本を開いたまま、電車に乗り、下宿の最寄り駅を降り、7,8分間ずっーと手に持ち活字を追い続け、家の中で仕事に出る1時間ちょっとの間読み続けた(勤労学生だったので)。

何がよかったのかと今では思う。30くらいの青年が、アメリカという異文化に遭遇し、体当たりで、数学を学び、アメリカ人と対決?している姿に、同じ理系のワカモノとして、共感するところがあったのだと思う。理系でなくても大学生でなくても共感はできるはずであるが。

ミシガンの寒さで鬱病になり、悶々つている姿には、私自身が何らかの理由で落ち込んだときを思い出し、書誌を挟んで応援したくなってしまった。美しい(数学の)証明、という表現もここで初めて知った。奨学金をもらって勉強していたが、帰郷しなくてはならなくなった学生には、そのまま我が身を重ねた。つまり、そのときでも、今でも珍しい、正統派青春小説(ノンフィクションだけれど)なのである。

大志というのはどのワカモノにもあり、それに到達できる術は必ずある、そんなことを教えてくれる一冊である。

ワカモノが混沌とした世間を生き抜いていくには成功物語が必要だ。本書は多くの人にとって生きる支えになるのではないかと思う。

Wakisugakusha■『若き数学者のアメリカ改版』
著者 :藤原 正彦
価格 : \540 (本体 : \514)
出版 : 新潮文庫
発行 : 2003.9
bk1
なんかポップな表紙になってしまったが、前の装丁の方が好きだったなあ。

書名からハンサムな人を想像していたのですが、お若いころから野武士を思わせる風貌でしたね、藤原センセ。いや、ニッポン男児らしくていいと思います。人気ブログランキングぷちっとな。【押す】≪コメントはここ

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