なんと我々は少しのことしか知らないのだろう、
ある銀河の中心に位置する太陽180億個分の質量を持つ巨大ブラックホールのまわりを、小さなブラックホールが回っているとする研究結果が発表された。小さなブラックホールの軌道は変化していて、一般相対性理論が予言する「重力波」の存在が証明できるという。
---------------------------------------------
OJ287とそのまわりを回るブラックホールの想像図。円盤の中心がOJ287で、小さなブラックホールがガス円盤に突っ込む際に急激な明るさの変化が起きる。クリックで拡大(提供:Calar Alto Observatoryのリリースページより) かに座の方向約35億光年の距離にある銀河の中心には、OJ287と呼ばれる巨大なブラックホールが存在している。OJ287は、ガスの円盤に取り巻かれているとみられ、円盤の輝きが観測できるのだが、その明るさは約12年の周期で変化することが知られている。フィンランド・トゥルク大学のMauri Valtonen博士が率いた研究グループは、この明るさの変化は、小さなブラックホールが引き起こしていると発表した。
それによれば、小さなブラックホールは、約12年の周期でOJ287の周りを回るごとに、ガスの円盤を2回突き抜けている。小さなブラックホールの軌道から、OJ287の質量が太陽の約180億倍であると求められた。
さらに、小さなブラックホールの軌道は、じょじょに縮んでいるという。研究グループでは、この軌道の変化は、一般相対性理論が予測する重力場の変化によるものであると発表した。
例のごとく例によって、よくわかりませんが、重力波を証明する重要な知見なんだそうです。
今月発売の『日経サイエンス6月号』に興味深い記事があります。
宇宙の歴史が消える日L. M. クラウス/R. J. シェラー
まず,加速膨張のせいで宇宙に関する情報が失われたことが過去にもあったと考えられる。宇宙の最初期にインフレーションが起こったなら,その急膨張によって,それ以前に存在していた物質とエネルギーに関する詳細はほとんどすべて,現在の観測可能な宇宙の外側へと放り出されただろう。実のところ,インフレーションモデルを構築するそもそもの動機の1つは,インフレーション以前の宇宙にたくさんあったと考えられる磁気単極子(モノポール)などの厄介なしろものを排除することだった。さらに重要なことに,私たちがビッグバンの証拠となる観測事実をすべて検出できる幸運な時代に生きているのは確かだとはいえ,宇宙の他の基本的な側面が現在すでに観測不能になっているということも容易に想像できる。私たちがすでに失ってしまったものは何なのか?独りよがりにならず,謙虚に考えるべきだ。おそらくいつの日か,宇宙に関する現在の完全なように思える理解が,ひどく不十分なものだと気づくことになるだろう。
ちょっと、ざっとしか読んでいないのですが、多様な観測結果を得ても我々は、宇宙について少しのことしかわからない、と言いたいのでしょうかねえ。
日経サイエンス1400円は高すぎるぞ。1000円くらいにしなさい。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
≪コメントは応接室にお願いします。≫
« 大坪さん、しっかりして下さい(^^;) | Main | 1テラヘルツの同期光クロック信号発生 »
「自然科学・工学」カテゴリの記事
- 量子コンピューティングシンポジウム(2019.03.18)
- 第14回 テキストアナリティックシンポジウム@関西(2019.02.18)
- 【訃報】米澤富美子さん(2019.01.23)
- アジア特許情報研究会10周年記念講演会(2018.12.02)
- 16眼カメラ?(2018.11.27)