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June 02, 2008

書談:井上夢人『パワー・オフ』

ここ半年、書評、感想文などの投稿が少ない。まあ、お勉強本以外ほどんど読んでいないし。全然読んでいないわけじゃないんだけど、ここにアップするのはめんどくさい、アップするほどではないと言った感じ。さすがに緊張が切れて、先々週からどばっと、読んだ。

Poweroff■『パワー・オフ』
著者:井上 夢人著
価格 : ¥840 (本体 : ¥800)
出版 : 集英社
発行 : 1999.7
bk1

機種を選ばずに感染する新型コンピュータウイルスのお話。それを人工生命が増殖バージョンアップさせていく。コンピュータウイルスはすでに人工生命になったのか。この操作を行っているのは何者なのか。最終章は、実に井上夢人らしい。岡嶋二人時代の『クラインの壺』を思わせる。

井上の情報科学に対する先見性はすごい。インターネットが世に知られるか知られていないかの時点でこれを執筆している。パソコンを早い時期から使用し、関連情報を追い続けており、その蓄積がなせる技だ。なんていうと、こんなシチュエーション、パソコンを多少知ってれば、誰でも思いつく、ラストだって前半から十分予想できた、なんていう奴がいる。

だったら、小説書いてみろ、って話である。

設定が陳腐だっていう奴って、要は小説が読めない奴なんだよね。

びっくりしちゃうのが、そのウイルスって、「おきのどくさまウイルス」って作中で呼ばれているわけだけど、wikiにあるんだねえ、その項目が。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8A%E3%81%8D%E3%81%AE%E3%81%A9%E3%81%8F%E3%81%95%E3%81%BE%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%82%B9
でも、元の『パワーオフ』の項目がないってのはどうなの?

登場人物のキャラが立っている、というか、どっちかっていうと、技術解説をするだけに居る気がしないでもない。コンピュータエンジニアの平石瑞穂と夫で営業マンの智之なんかがそうだねえ。

そういえば、この小説、黒幕みたいのが居てもよそうさうなんだが、そういう構造にはなっていない。情報化が進むと世の中がフラットになる、ということを意識しているのか。


一昔前の時代設定だけど、そんなに古くは感じない。
コンピュータウイルスの問題を知る為の必読書、とか書いてあったけど、いや、変わり種ミステリとして読めばいいんじゃないの。


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