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June 23, 2008

あの事件で思うこと

あの問題の青年は、「現実でも、インターネットでも孤独だった」と言ったそうだ。実社会でコミュニケーションを取れなかったのだから、ネットでもそうだったのだろう。ブログとか掲示板でみんな何をやっているかというと、現実社会のことを、遠くの人と、または会うことのできない人と話しているのだ。それは、「会社でこんなことあってさー」とか「うちの旦那、もう信じられないくらい○○なんですよ~」から、国会で討議されていること、教育・社会問題までに及ぶ。「現実生活」がなければ、ネットでまともなことなど話せないだろう。

よく、社会学の教授がコメントを求められて「仮想現実を実際のリアルな世界と混同し」と言っているが、ネットはネット社会というリアルワールドである。家庭も学校も会社も全てリアルな世界だ。パソコンに向かってチャットをしている人が、これらの社会を混同するというのはまずあり得ない。そもそも「仮想現実」という言葉の使い方がおかしい。ここで(このような事件で)語られているのは、パソコンや携帯電話でアクセスできる掲示板のことである。ならば、そう書くべきだ。SF小説に見られるように、ある部屋に入ったら、見たこともない、想像だにしなかった空間が広がっている、というのは仮想現実であろう(ネット掲示板も仮想現実と呼べるが、加藤なにがしの行動を語るのにその言葉を使うのは、問題のすり替えなのである)。

ちょっとそれたけれども、彼が孤独なのは当然だ。大人になれば、こちらから話しかけなければ、対話してくれる人などいない。話すと言っても自分の自慢話や、「独創的な」自作学説なんかを蕩々と述べても人は聞くまい(ネットではこのような自分勝手な発言は「荒らし」と呼ばれる)。自分のことを話すと同時に、君は最近どう?と問いかけなければ対話にならない。首相のあの発言はまずいと思うんだよね、など、誰も知っているニューステーマを語れば、いや、そんなことないんじゃないかな、など、意見を述べてくれるだろう。

雑談と言っても、コミュニケーションというのは、結構難しいものだ。こんなこと言って笑われないかな、無視されたりしないかな、あんまり話かけられるの好きじゃない人かもしれない、などといろいろ考えてしまう。この障壁を小中学生のときの乗り越えられる人もいるし、社会人になってようやく乗り越える人もいる。また、子供時代、学生時代は、なんでもなかったけれど、会社員のつきあいはまた違うなあ、うまくいかないなあ、と考える人もいるだろう。いちいち口に出して言わないけれど、コミュニケーションに悩みのない人などいないだろう。自分はどこ行っても孤独だ、と思いながら、生きている人も少なくないと思う。

マスコミはどうしても、ネット-仮想現実と犯罪の関わり合いを見いだしたいようだ。いくら探しても彼自身が言うように、彼が孤独だったということしかわからないだろう。

実質的に引き籠もっていた彼が起こした行動が無差別殺人とは、なんともやりきれない。


今日のはエッセイというより散文なんでそこんとこよろしく。ぷちっとな。【押す】
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