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September 30, 2008

高感度・広DRのCCDセンサ

画像処理は日々進歩しているので、どれが臨界点かわからないのですが、まあ、これは中進歩と言って良いのではないでしょうか。

富士フイルム,1個で高感度や広いダイナミック・レンジでの撮影が可能なCCDセンサ

富士フイルムは,1個のCCDセンサで(1)感度が高く雑音の少ない画像,(2)ダイナミック・レンジの広い画像,(3)解像感の高い画像,の3種類を撮影できる「スーパーCCD ハニカム EXR」を開発した(発表資料)。人間の眼が明るさによって解像力や感度を変化させるメカニズムに着目して開発したという。撮影環境や撮影目的に応じて3種類を切り替えることで,人間の眼が感じ取る画像により近付けた撮影が可能になるとする。

日エレの記者が追加情報をレポートしていますが、
まあ、こちらの発表資料で十分わかるでしょう。

これまでデジタルカメラの開発においては、主として画素を高密度化することで高い解像力を実現することが重要とされてきました。しかし、画素を高密度化すると「高解像度」が得られる一方で、1画素あたりの受光部(フォトダイオード)が小さくなり、「高感度撮影時にノイズが多くなる」、「豊かな階調の表現が難しい」などの問題が生じています。

 富士フイルムでは、写真メーカーとして長年培ってきた画像に関する高度な技術とノウハウを生かし、眼で見たままの自然な写真画質をデジタルカメラでも実現するため、「人間の眼に近いCCD」の開発を続けてきました。そして、今回、人間の眼が明るさによって解像力や感度を変化させるメカニズムに着目し、1つのセンサーで被写体に合わせて、「低ノイズの高感度撮影重視」/「広ダイナミックレンジ重視」/「高解像度重視」の画像をキャプチャーすることができる画期的なCCDを開発しました。「スーパーCCD ハニカム EXR」は、撮影シーンや撮影者の表現意図に合わせて、最適な絵作りを実現します。

「人間の目」を目指すということは、2つの画像を処理する、ということらしいですね。


これから発売するものですから、特許出願していたとしても公開は見られないでしょう。こげな過去の技術を使用しているのかなと。

【公開番号】特開2008-206168
【発明の名称】画像処理装置、方法及びプログラム
【出願日】平成20年3月11日
【分割の表示】特願2003-36959の分割
【原出願日】平成15年2月14日
【出願人】富士フイルム株式会社
【要約】
【課題】標準再現域画像と拡張再現域画像との差異を確認できるようにする。
【解決手段】相対的にダイナミックレンジが狭い高感度の主感光画素と相対的にダイナミックレンジの広い低感度の従感光画素とが所定の配列形態に従って多数配置されたCCDを用いて、一度の露光で主感光画素及び従感光画素から画像信号を取り出し、主感光画素から得られた第1の画像情報から作成された第1の画像を画像表示手段に表示させるとともに、第1の画像に対して前記第2の画像情報によって再現域が拡張される画像部分を第1の画像の表示画面上で強調表示させる。

【0006】
ところで、ブライダル衣裳(白のウエディングドレス)の撮影、自動車のような金属光沢のある被写体の撮影、近接ストロボでの撮影、更には逆光撮影のような特殊な被写体又は撮影状況においては、露出を主要被写体に適切に合わせることが困難であり、広い輝度レンジをカバーした高画質の画像を得ることができない。このようなシーンについては、撮影した画像を後で(プリント工程で)補正するシステムを用い、より広いダイナミックレンジで画像を記録し、その情報をもとにプリント時に最適な画像を作成する方が好都合な画像が得られることが多い。
【0007】
しかしながら、このような場合でも現状のような限られたダイナミックレンジの画像情報からでは十分な画質が得られないという問題がある。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、通常のPC出力などについては定められたダイナミックレンジの画像で表示を行い、デスクトップパブリッシングのプリント用途など特別な用途に対して、必要に応じて更に広ダイナミックレンジ撮像で得られた情報から画像処理により最適な画像を作成できるような画像処理装置、方法及びプログラムを提供することを目的とする。
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いや、この特許公開、代表図面が結婚式の写真(に似せた絵)になっているところが面白い(^^;)。
難解な技術の割に事例がわかりやすいですな。

この文献読んでたら、本来業務ができません。でも、おもしろなあ。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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September 29, 2008

ガチャガチャはバンダイです

以前記事にした案件です。

おお!丁度1年前ですね。

「ガチャガチャ」特許訴訟、二審もバンダイ勝訴

「ガチャガチャ」と呼ばれる玩具入りカプセルやカードの販売機をめぐり、特許権を侵害されたとして「バンダイ」(東京都台東区)など2社が「エポック社」(同)を相手に販売機の廃棄や計約9500万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審で、知財高裁は29日、バンダイ側の主張を認める判断を示した。

 中野哲弘裁判長は、一審・東京地裁判決と同様に、販売機にカプセルがなくなった時に補充しやすかったり、硬貨以外で不正にカードを取り出すことを防いだりする構造について、エポック社がバンダイ側の特許を侵害したと認定。計約880万円を支払うようエポック社に命じた。

何か、こういう機構設計系の発明って特許論争のどまんなかって感じがします。
でも、880万円って安すぎない?
開発損ではないきゃ?!

あとはアジア諸国での模倣をどうするかってことですねえ。

うちの会社もいつ訴えられるかわかりませんのですじゃ。『クリティカル』な分野なもので。人気ブログランキングぷちっとな。【押す】≪コメントはここ

September 28, 2008

書談:折原一『叔母殺人事件』

Obasatujin■『叔母殺人事件-偽りの館-』
著者:折原 一
価格: ¥770 (本体 : ¥733)
出版: 講談社
発行: 2007.9
bk1

一代で富を築いた清瀬富子。彼女は、お手伝いの春とその娘美咲と昭和初期に建てられた洋館で生活している。何の気まぐれか彼女は甥・名倉智樹を遺産相続人に指定する。しかし、智樹はこの叔母を憎むようになる。彼は殺人計画を思いつく。

智樹の殺人計画は実行され、身内を殺める。すぐさま警察にやってきて智樹は容疑者として捕らえられる。もぬけの殻になった洋館にやってきたは、自称ノンフィクション作家の「私」である。

「私」の記述により殺人事件の全貌が明らかになっていく。富子の人間関係は、初期段階から明らかにされるので、こいつがあいつで、こいつはあいつか?ということは段々特定できるようになっている。最終章はどんでん返しと言えるけれども、読者にとっては想定範囲内だろう。

しかし、折原一、どこまで性格が悪いのか(^^;)。かなり、緻密に文章表現しないとここまで読者を引き込むことはできない。叙述ミステリは人間性が歪んでないと書けないと思う。叙述ミステリは、文章の表現の仕方にトリックがあるものとアマサイは認識している。例えば、「私」は事件を第三者的に語っているが、実は当事者が「私」だったりする技法である。本書はそのものではないが、その変形バージョン、叙述ミステリはすべてが、書き手と登場人物を微妙に錯誤させる、ところに特徴があると言っていいだろう。

叙述ミステリはミステリなんかではないと怒る人がいるのだが、それも無理はない。ミステリ、推理小説とは、状況を全て文章に明かして、「さあ、どうだ、誰が犯人だ?」あるいは「刑事はどこで犯行を見破るか?」を問うものとされている。それが、じゃーん、実はこの文章の「私」が犯人でーーす、なんてことが起こるわけなのだから。

しかし、折原にはかなり固定ファンがいるらしい。それは、やっぱり騙されたいからじゃないのか。日常で騙されるのは御免だが、小説の中で欺かれるのは大好き、というマゾ的な人間が多いのかもしれない。

いや~、折原さん、本当は作家じゃなくて詐欺師になりたかったんじゃないですか。

認めたくはないが、アマサイも結構マゾなのか。人気ブログランキングぷちっとな。【押す】≪コメントはここ

September 26, 2008

新クリエイティブ・コモンズ

クリエイティブコモンズ(CC)に関してはイマイチ把握しきれていない。初めはフリーライセンス運動なのかと思っていたが、それだけではなさそうだ。

Wikiによれば

情報を共有しようとすると、知的所有権法や著作権法が障害になる場合があるが、この運動の基本的なねらいは、そのような法的問題を回避することにある。

これを達成するために同プロジェクトは、著作権者が作品のリリースにあたって無料で利用できるようなライセンスのプロトタイプを作成、提供し、作品がウェブ上で公開される際に検索や機械処理をしやすいようなRDF(XML)によるメタデータのフォーマットを提案している。

著作権を全て留保する"All Rights Reserved"と、いわゆるパブリックドメインである"No Rights Reserved"の中間の"Some Rights Reserved"が、クリエイティブ・コモンズ・ライセンスが規定する領域である。

発起人は、ローレンス・レッシグを始め、知的所有権問題、インターネット法などの専門家を多く含む。

ライセンス(Licence)は文書、動画、音楽、写真など多様な作品を前提としている。ただし、ソフトウェアについては既にGPLなどが存在することから特に対象としていない、としている。


こんな感じでの理解でよいのだと思う。

結局、知的財産のネット上での活用なのではないか。

なぜ、こんな話なのかというとCCの創始者レッシング教授がCCから撤退したという文言をみつけたからである。


レッシングの本文を読んでみたが、それはあまりにアバウトな解釈と言わざる得ない。

Lessig Blog (JP) 必読:これからの10年

しかし繰り返すが、これは今後沈黙するという決断ではない。チャンネルを変えるという決断だ。この新しい課題は、わたしの考えでは決定的に重要だ。どころか、この「腐敗」にかかわる問題が解決するまで、IP関連の問題も解決することはないだろうと確信している。だからこのページを読んでいるあなた方の一部でも、この新しい課題について興味を持ってくれることを願う。これまでそうであったように、この場所がわたしの活動の中心となるだろうから。

最後に、ある友人の表現とは違って、わたしは「運動から離れる」わけではない。ネットや著作権をめぐる「運動」に対しては、今後もつねにいまと変わらぬ忠誠を持ちつづける。だがわたしは、もっと根本的な問題が直らないかぎり、われわれの「運動」もまた成功できないだろうと信じるに至ったのだ。例えていえば、自由な文化の問題に献身する誰かが、自由なソフトウェアの力を得られないかぎりフリーカルチャーもまた実現しないと考えるようになり、フリーソフトウェアの実現に取りかかったようなものだ。わたしは自由な社会、現在のわれらの社会を支配する「腐敗」から自由な社会こそ、自由な文化にとって、さらに重要な多くのことにとっても必須であると信じるようになった。それを理由に、いまはまた新しい目標にわたしのエネルギーを振り向けることに決めた。

翻訳がアップされているのにこのお姉さん最後まで読まなかったんとちゃうか。因みにここで「腐敗」とは各国で議論されている著作権延長のことである。また、腐敗とは「政治プロセス」とも言い換えている。

本文が、レッシングの引退と解釈されるのは、この腐敗への失望感があるからではないか。どう考えてみても著作権延長は、CCとは対極の場所にある。だから、レッシングは、今までの考えを再構築しなくてはいけなくなった。シフトとかチャンネル変更と言っているが、再構築という言葉が相応しいと思っている。

(読解力のない人たちは、こういうのを書いてもないことを読み取る、というらしいが、これは解釈というべきものである。読解力のない人間には科学研究も法律学習も無理であろう)

法律の大家、レッシング教授でさえ、著作権問題の取扱には試行錯誤している。凡才アマサイには手が余るのは当然であろう。でも、アマサイなりのプリンシパルを見いだしたいというのが、知財人アマサイの野望(?)である。

特許と違って、著作権は全ての市民に関わり合いのあることだ。もっといろんな人の意見が反映されていいいはずだ。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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September 25, 2008

受難者:通信トラフィック

トラフィック、ファイル共有、ビジネスモデル~P2Pの課題を議論

NECビッグローブの飯塚氏は、ISPの台所事情を「火の車」と訴える。同社は上場していないため具体的な数字は挙げられないとして、同様の事業形態であるニフティを例に挙げた。「ニフティの売上は1000億円だが、利益は1%。売り上げの30%はネットワーク増強の設備投資に充てている」とした。これに対して「ヤフーは2600億円の売り上げのうち、50%は利益。設備投資はほとんどない。同じインターネット事業をやっている人たちでも、だいぶ違う」と説明する。

BIGLOBEのトラフィックは、毎年1.7倍の勢いで増えており、これが設備投資の増大につながっている。「わずか10%のユーザーが回線の60~90%を占有している」というのが大きな原因だ。「これはネットワークのただ乗り問題。帯域制限をしないとお客さんに迷惑をかける。P2Pソフトの利用制限などを行い、権利を否定するつもりはないが、権利には義務がつきまとう。インターネット産業では、このバランスがとれていない。受益者負担がないと日本のインターネットは持たない。ある上限に行ったら、料金を上げるという議論をしていってもいいんじゃないか」とした。

ITってどこも儲かっているわけじゃないのね。当たり前だけど。

情報セキュリティの本を読んでいて、
「このようにして、有限であったIPアドレスを増やしているのです。パソコンでもメインメモリは当初640kバイトで十分と言われました。プログラマは何年もその狭い領域での設計に苦労しました先駆者たちのメモリ予測の甘さが後世に負担をかけるのです」
みたいなことが書いてあった。

そうりゃ、無理でしょう。パソコンでこんなに重い画像を大量に扱うなんてだれも思っていなかったし。WIN95当時ハードディスクがギガバイトなんて何悪いことに使っているんだろう、と疑っていましたから(^^;)。

携帯電話を小学生が使うなんて誰も考えなかったですよね。

で、トラフィックのからくり、一筋縄ではいかないようですね。10%のユーザで誰なんでしょう。


このような日本のISPの現状で、P2P技術を用いたコンテンツ配信を導入したらコストはどれくらい削減できるのだろうか。飯塚氏は「このまま行くと設備投資が売上の4割に達してしまう。コンテンツ配信にP2P技術を導入することでこれを2割や3割にしたい」との考えを示した。

壇氏は、P2Pソフトウェアを用いて著作権者に無断にコンテンツを配信した場合において「キャッシュは著作権法違反なのかという問題もある」との法的に曖昧な部分を示した。

津田氏は、これら「ファイル共有ソフトとどう向き合っていくのか」としてエピソードを語った。実家に帰省したときに、親戚の中学生の女の子がインターネットからダウンロードしたアニメをiPodに入れていて衝撃を受けたという。「この時代、中学生の女の子が動画をインターネットから落として変換してiPodに入れている。いいとか、悪いとかの世界を超えている。これとどう向き合っていくのかが問題だ」というのだ。


法律は技術の後追いというけれど、もう全然追いつかなくて、法律専門家たちは息切れして座り込んでいる、って状態ですね。

まあ、著作権の問題だから、人が死ぬとか怪我するってことは起きないわけで。でも、私たちの持っている文化というものが、徐々に崩れて行っているのかなあ。

もう、壮大すぎてアマサイの頭では解析できまへん。なげやり。

知財人にとっては、Hot!Hot!な話題です。熱すぎてやけどしそうです。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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September 24, 2008

SFヒーローと物理学の関係性

物理学者が語る『アイアンマン』:SFアイテムの実現可能性は?

『アイアンマン』の主人公、Tony Starkのパワードスーツは実現にはほど遠い。主な理由は、駆動のためのエネルギーに制約があることだ。

私は物理学教授で、コミックブックのファンでもあるので、『アイアンマン』の劇場公開を楽しみにしている[原文記事は米国公開前に書かれている。日本公開は9月27日]。

期待する理由の1つは、科学者でもある実業家のTony Starkが、自分の工学の才能によってスーパーパワーを手に入れた、という設定が私好みだからだ。彼は、超人『ハルク』のようにガンマ線を浴びたり、『ヘルボーイ』のように悪魔に生まれついたりしたわけではない。

だが、Starkが装着するパワードスーツは、どの程度現実味があるのだろうか?

残念ながら、『アイアンマン』に登場するパワードスーツの機能は、1つの重要な機能を除いて、ほぼすべて当分実現する見込みがない。ではこれから、パワードスーツの主な要素を順に見ていこう。

ジェットブーツ

われわれがアイアンマンのようにジェットブーツを利用して職場に飛んで行かない理由は、技術とは関係ない。すべてはエネルギーに関係がある。

われわれは、個人用ジェットパックを利用して推進力を得る方法を知っているし、人は実際に、SFコミック『Buck Rogers』の主人公であるBuck Rogersや、『DC Universe』のAdam Strangeのように、自宅から職場まで飛んでいくことは可能だ――ただし、職場から30秒以内のところに住んでいればだが。

問題は、大人1人を約30メートル浮上させると位置エネルギーが大幅に増すが、このエネルギーの増加分は、ジェットパックに蓄えられた化学エネルギーからもたらされる必要がある点だ。浮上後の高速飛行に必要なエネルギーについても、同じことが言える。

長時間飛行できるだけのエネルギーを貯蔵するには、装着できないほど大きなスーツを作らないといけない。したがって、ジェットブーツを装着するだけでは、アイアンマンが空を飛ぶことはできない。ただし、Starkが30秒以上飛行するのに十分なエネルギーをパワードスーツに蓄えることができるなら、可能性はある。

いや~、アメリカでも柳田理科雄みたい人いるんだ、って感心しちゃったよ。
てか、アメリカが本家なの?こういうSF解析みたいなの。

そりゃそうだよね、スタートレックとかスーパーマンとか、アメコミからの映像化って数多くあるもんね。

と思ったらやっぱり出ていた。日本でいうガンダム解析本に相当するもの
Physicsst_2・The Physics of Star Trek


Physicsw_2・The Science of Star Wars

そういえば、科学者にとってSFはよい教材ですよね。
書談:福江純『シネマ天文楽入門 』

SFヒーローモノ大国の日本にとっては、『アイアン・マン』なんて別に語るようなものじゃないよね。

SFは日本では受け入れられない、って言われているけど、形態が違うわけだよね。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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September 22, 2008

系外惑星の直接検出はちょー難しい

先週記事にした「300個に1個」ですが、これはどうやらガセある可能性が高いです。

※9月20日時点で系外惑星(らしきもの)は320個を越えたそうです。

というのは土曜日に横浜朝カルの天文学講座、夏の陣?の最終回でした。
講師の方が丁度、系外惑星の話をされて、おばかなアマサイは
「こないだ、初めて直接観測された系外惑星がありましたよね!」
と得意げに発言したのですが。

「えっ、いつのことですか。一昨日?私は把握してないのですが。ああ、そういうのはね、結構あるんです。可能性はあるけれども、確定まだ先という意味ではないでしょうか」

そ、そうなんだ。恥かいた( ̄△ ̄;)。
でも、聞いてみてよかったけれども(^_^;)。

そうそう先に記事にもこう書いてあった。

しかしながら天体が恒星から離れすぎているせいで、はっきりと「惑星」と断定することもできない。天体がたまたま近くを通っていたのではなく、恒星の重力の影響を受けて回っていることを証明するには、今後数年間観測を続ける必要がある。

なるほど、天文ニュースってそうそう学説につながるものではないのね。へたに一般紙に流せないということか。

講師の本田充彦先生(現神奈川大学)はすばる望遠鏡を使い太陽系外の惑星形成現場の観測的研究をされています。


すばる望遠鏡を用いて HD 142527 と呼ばれる若い星を撮影し、奇妙な形の原始惑星系円盤を発見しました。近赤外線から中間赤外線にかけて4つの波長で観測を行い、この円盤の構造や温度が詳しく解明されたのです。新たに発見された円盤はバナナ状の弧が向かい合った形をしており、以前に報告したドーナツ型やうずまき状の円盤などと併せると、惑星誕生の場である原始惑星系円盤がさまざまな形をとりうることが明らかになってきました。全体の形ばかりでなく、HD 142527 では星のすぐ近くにも内側の円盤が存在し、外側の円盤との間に「すきま」があるという特徴も分かりました。このすきまで既に惑星が誕生した可能性もあります。円盤の一部から外側に円弧状にうすく伸びる「角」のようなものは、他の恒星との接近遭遇のような歴史を反映していると思われます。

作成者のプロフィルは不明なのですが、系外惑星は、ここのHPが詳しかったです。
系外惑星の検出方法(1)直接検出
 1.恒星と惑星の像の分解
 2.星像のゆらぎ
  スペックル干渉法 
 3.恒星の惑星の放つ光の強度差
  ステラコロナグラフ
  ナル干渉計

(2)間接検出
 1.スペクトル線のドップラーシフトによる視線速度検出法
 2.恒星の固有運動の測定による方法
 3.惑星による恒星の掩蔽
 4.重力マイクロレンズ効果の利用

天文学はロマン!ロマン!ロマン!だ人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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September 19, 2008

300個のうち1個だけ

恒星のそばに小さな点 初めて写った系外惑星か

【2008年9月17日 Gemini Observatory】

ハワイのジェミニ北望遠鏡が太陽と似た恒星を撮影したところ、すぐ近くに惑星状の天体が写っていた。この天体が恒星のまわりを回っていることが確認されれば、人類が初めて直接撮影した系外惑星の画像ということになる。

これまでに300個を超える系外惑星が見つかっているが、どれも惑星の影響で中心の恒星の光などが変化する間接的証拠によるものだ。本当の意味で惑星を「見つけた」と言える例はまだない。惑星と呼べる質量を持つ天体の姿が撮影されたことはあったが、それは単独で浮遊していたり、褐色矮星(持続的に輝くことができない小さくて暗い天体)のまわりを回っていた。恒星のまわりを回る正真正銘の「太陽系外惑星」の姿は、誰もとらえたことがない。

天体が惑星だと確認されれば、系外惑星の研究者にとっては「初めての直接観測」という記録以上に重要な意味を持つ。かつては恒星のすぐ近くを回る大質量の惑星しか知られていなかったのに対して、近年では軌道も質量もさまざまな惑星が発見されるようになった。その中にあっても、1RXS J160929.1-210524から惑星候補天体までの距離は異常と言えるほど遠く、系外惑星の多様性がぐっと広がることになる。惑星の誕生プロセスを考える上で、欠かせない研究対象となるかもしれない。

ざっと、見た感じ、何が重要なのかわからなかったのですが。

ふーむ、そういうことか。

しかし、太陽系外惑星の直接観測が今までできなかったという方が、不思議ですね。

てか、
系外惑星、ついに300個時代に突入とか堂々と言っておいて全部、間接観測かい!

一番近い月にもまだまだわからないことがあるというし。

まあ、この地球でさえ、探査できない領域があるのですから、大気圏の外に出てしまって、さらに太陽系外なんてわかるはずもないですね。

COBEで全天マップなんか作ってすごい、って思ってたのは間違いです。

もっと謙虚に天文学を学びましょう、と思った自分。

こんな大事なニュース、なぜ一般メディアで報道しない!人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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September 18, 2008

Suicaは使ってますが。

電子マネー巡る特許権侵害訴訟、大学教授側が敗訴 東京地裁
 

電子マネーなどに使われる非接触ICカード技術を巡る特許権侵害訴訟の判決で、東京地裁(市川正巳裁判長)は17日、ソニーと東日本旅客鉄道(JR東日本)に対して計20億円の損害賠償を求めていた神奈川大学の松下昭名誉教授らの訴えを退けた。

 松下氏側が訴えていたのは、ソニーの非接触ICカード技術「フェリカ」と同技術を採用したJR東日本のIC乗車券「スイカ」。同地裁はフェリカとスイカの技術について、松下氏側が発明したカードと読み取り機の間のデータ伝送技術とは異なり、特許権を侵害しないと判断した。(20:01)


そういえば、そういう訴訟ありましたっけね。

ソニーとJR東日本,非接触ICカード技術の特許侵害で20億円の賠償を請求される

神奈川大学名誉教授の松下昭氏,および同氏が取締役社長を務める日本システム研究所は,非接触ICカード技術の特許を侵害されたとして,非接触ICカード「FeliCa」を開発したソニーおよび同カードを採用する「Suica」サービスを展開したJR東日本に対し,損害賠償を求める訴訟を東京地方裁判所に起こした。請求した賠償額は計20億円。

松下氏は1997年ごろからソニーに対して特許のライセンスを求めていたが,ソニーはライセンスを拒否していたという。「知的財産立国を標榜するにも関わらず,基本特許が顧みられないという日本の現状に一石を投じたかった」(松下氏)。

基本特許かぁ。はっきし言って、そんなこと日本の地裁にわかるわけないよね。技術が同一か否かはなんとか判断できるけど、その基本特許を使っているか否かなんてねえ。

ライセンス依頼を拒否したって、なんだか、怪しい。身に覚えがあったんじゃないか。Sさん。

知的財産立国を標榜するのに値するってどうすればいいのか。

いまのところ知財高裁が実績を積んでいくしかない。
独創的な発明をした人が満足する社会になるのはいつのことやら。

松下氏の主張が万が一正しいとするならば、技術立国日本はなかなか厳しいものがある。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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September 16, 2008

女子工生になろう、だそうです。

昨日の日経で、野依さんの息子さんが、文系出身新聞社の科学記者であることを知った。

父親がノーベル賞をとったとき、寄稿しているくらいだからよく知られていることなのだろう。

検索したら、こげな記事があたった。

先輩女性技術者が情報誌で魅力紹介
その名の通り、情報誌の紹介なので、彼の考えが書いてあるわけではないのだが、内容は興味深い。

文部科学省の学校基本調査によると、工学系学部に所属する女子学生数は約4万4000人。全体の10・5%で、理学(25・3%)、農学(39・5%)などほかの理系学部に比べて低い。工学系学部への進学数も、減少傾向にある。

創刊号に協力した神奈川工科大の河野隆二理事は「身の回りに家電製品などが多いのに、仕組みを知る機会がない。工学に興味を持つ前に、早い段階から理系・文系の進路が決まってしまうのも問題。工学を知るための良い材料になる」と期待する。

興味があるからって、その分野を選ぶとは、選ばないといけないとは限らない。平均して一割なら別に騒ぐことはないんじゃないか。たぶん、私のころよりは若干割合が高く成っていると思う。コンピュータ情報処理分野の拡充が起因しているのだろう。

家電に製造に関わりたいから工学部って、ちょっとどうだろうか。別に志望理由として悪くはないが、当たり前だが、そのためには、まずは家電を作ってる会社に入らないといけない。入ったとしても、ノンコンシューマの製品部門に配属されてがっかりってことにならないだろうか。女性は志向のフォーカスが高いので(まあ、好き嫌いがはっきりしてるって意味である)、そこに誘導するのは間違いだと思う。

これだけ情報が流通し、それを選択するツールもある世のかなで、素養と嗜好のある人が工学部を志望しないとちょっと考えられないのだが。

情報誌を作るにしても、工学部というターゲットで、男性も女性も紹介するっていう方が現場がわかってよいと思う。
---------------
このように男性優位の場で女性の活躍というカテゴライズには、不信を感じる。自分の時代にそういう情報がほしかったのになかった、という軽い嫉妬なのかもしれない。

だがしかし、マドンナという表現には、未だ持って納得がいかない。

野依さんは「息子は違う道に」とおっしゃっているが、隣接した業界に入ったのですからやはり、父の背中を見ていたのではないでしょうか。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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September 12, 2008

SED キヤノンVSアプナノ訴訟

キヤノン、SED関連特許訴訟で勝訴。

キヤノンは、Applied Nanotech HoldingsとのSED関連特許訴訟において、控訴裁判所がキヤノンの特許ライセンス契約を有効とする判決を下したことを明らかにした。

Applied Nanotech Holdings(旧社名Nano-Proprietary)とキヤノンの訴訟では、第一審判決で、キヤノンがNano-Proprietaryとのライセンスに違反し、契約が終了したと判断。キヤノンはこれを不服として、控訴していた。控訴審では一転してキヤノンの主張どおり、ライセンス契約が有効であることが認められ、控訴審についてのApplied Nanotechによる異議申し立ても却下された。

キヤノンでは、判決について「当社の主張を認めたもの」としているが、今後Applied Nanotechが、最高裁に上告する可能性もあるため、係争が終結したとは限らないという。SEDの事業化についても、「現時点では特に決定事項はない」としている。


どこの技術・知財系ニュースwebを見てもこれが当たります。知財人としては無視できませんな。

がしかし、両社とも情報を証さないのでどの特許における契約かわかりません。

まっ、そりゃそうである。内容がわかったらライセンス戦略の意味がありません。
Applied Nanotech (旧Nano-Proprietary)の公開方法は見つかるのですが、どれとどれがそれに相当するのかもよくわかりません。日本語のは見あたらないし。

因みに、SED:次世代薄型ディスプレイSED(Surface-conduction Electron-emitter Display)の説明はキヤノンさんのHPにございます。


電子銃があるということは次世代ブラウン管ということですか。

以前「液晶やプラズマになったら"ブラウン管の中"という比喩が使えなくなる」と申しましたが、これが幅を利かせると、
やっぱだめか"ブラウン管"ではないからな。

テレビっ子(テレビ技術好きという意味)としてはこれからもこの分野のウオッチがかかせません。

知財著名人Mさんを輩出したキヤノンさん。これからどんな特許戦略をみせてくれるでしょうか。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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September 11, 2008

ブラックホールの話でもしようか

ブラックホールの素顔を暴く@理研ニュース9月号

「今日はブラックホールの話をしましょう」と 牧島一夫主任研究員は話し始めた。 「理研では宇宙の研究もやっているのか?」と 疑問に思う人もいるだろう。

アマサイも理研で宇宙の研究をしていると知らなかった、わけではないが、あまり認識していなかった。

牧島宇宙放射線研究室は、理研で活躍した日本の現代物理学の父、仁科芳雄先生(1890~1951年)の直系の研究室の一つです。仁科先生の宇宙線研究以来、理研では宇宙の研究が脈々と続き、画期的な成果が続出しています」。牧島宇宙放射線研究室では、HETE(ヘティ)-2衛星によって“謎の天体現象”ガンマ線バーストの正体を明らかにした。また、X線天文衛星「すざく」でブラックホールの進化を探り、国際宇宙ステーションにMAXI(マキシ)(全天X線監視装置)を設置してブラックホールの合体の瞬間を見ようとしている。

そうですか。仁科先生の後継研究であればね、そうでしょうね。

しかも、強烈なガンマ線は数秒から数分で消えてしまい、ガンマ線がやって来た方向を望遠鏡で観測しても、怪しい天体は見当たらない。“謎の天体現象”と呼ばれていたガンマ線バーストに初めて本格的に挑んだのが、HETE-2です」HETE-2は、ガンマ線バーストをとらえると、その位置を自動的に求め、すぐに地上局に通報する。位置情報はインターネットで世界中の天文台やアマチュア天文家に即時配信される。すると、ガンマ線バーストの残光を観測しようと、望遠鏡が一斉にその方向に向けられる。「衛星と地上観測の連携が最高にうまくいったのが、2003年3月29日に発生したガンマ線バースト(GRB030329)です」と牧島主任研究員。その位置情報は発生から73分後、世界中に通報された。そして理研和光キャンパスにある研究本館の屋上に設置した口径20cmの自動望遠鏡が、世界で最も早く、ガンマ線バーストの残光の観測に成功した。今まで何もなかった位置に、13等級の天体が出現していたのだ。

なるほど、宇宙線の研究ならばね。

GRB030329までの距離は約18億光年。距離が測定されたガンマ線バーストの中で2番目に近かったことから長期間詳しい観測ができ、画期的な成果がもたらされた。「大型望遠鏡で残光を波長ごとに詳しく観測したところ、発生直後はこれまで観測されたガンマ線バーストの典型的な様子でした。しかし、10日ほどたつと様子が変わっていったのです。それは、“極超新星”と呼ばれる種類の超新星爆発で観測されるものとよく一致していました。私たちは、とうとうガンマ線バーストの正体を暴いたのです。非常に重い星が一生の最後に重力でつぶれて極超新星爆発を起こすとき、ある確率でガンマ線バーストが発生すると考えられます」。この発見は、ガンマ線バーストの発生源を明らかにしたと同時に、もう一つ大きな意味を持つ。「極超新星爆発の後にはブラックホールができます。私たちは、ブラックホール誕生の瞬間を見たのです」(中略)HETE-2は目的を達し、2007年3月末に運用を終了した。ガンマ線バーストはもう謎の天体現象ではない。

そうであるか、そげなすごい実績があるとは知りませんでした。
牧島研究室どの、はははぁ~m(_ _)m

三つ目はMAXI(マキシ)(Monitor of All-sky X-Ray Image:全天X線監視装置)のプロジェクトだ。「巨大ブラックホールが合体してできたのなら、合体寸前のブラックホールがあるはずです。松岡前主任研究員がMAXIを提案した1997年当時、こうしたシナリオは知られていませんでしたが、私は着任するや、MAXIこそブラックホールの合体をとらえるのに絶好の装置であることに気付いたのです」

合体しつつあるブラックホールは、互いの周りを回転し、ガスを吸い込み合っているはずだ。すると、二つのブラックホールの位置関係によって吸い込むガスの量が変わるため、X線の強度は周期的に変化するだろう。全天のX線源を観測するMAXIで約100個の巨大ブラックホールを監視し、その中から周期的にX線の明るさが変化する天体を探し出す。「数ヶ月周期で変化する天体があれば、それは合体寸前のブラックホールでしょう」

ふ~む、合体ブラックホールね、なんだか壮大なお話。
宇宙はどこまでもロマンですね。

土曜の午後、大人達が憩いで集まるオープンカフェ。

今日は、ブラックホールの話でもしようか、

と気軽に語らえる世の中のは、貧困も殺人も振り込め詐欺もないような気がするなあ。

もっと、天文学や地球科学を啓蒙しよう。戦争なんてばかばかしくってやってられなくなるよ。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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September 09, 2008

化学の時代

日経『私の履歴書』ノーベル化学賞受賞者・野依良治氏である。

ご自分の化学者としての原点をこのように回想している。
9月4日第4回

化学技術者の自宅にはガラス容器に入った化成品、多数の学術書や英語の化学雑薫物置には使うことのないフラスコなどがあふれていた。父は皮製よりも珍重された透明な塩ビ製ベルト、母はやはり流行の真っ白な塩ビ製のハンドバッグを持ち、後に子供たちは試験を兼ねて試作のポリアクリロニトリル繊維の学生服を着させられたりした。 (中略) 「化学の力はすごい」。聴衆の中の子供は私一人であった。感動した私は、帰宅して弟たちにも吹聴したようだ。サンプルとして配られた漁網の感触もよくおぼえている。「将来、企業で化学を研究し社会に役立ちたい」。私の志の原点と振り返っている。
父上が、化学技術者のであったのだから、影響は絶大であろう。しかし、野依さんの子供時代、1950年代は化学の時代だったのだろう。人工で材料、素材なんかが何でも作れるというのは、ワクワクすることだ。小中学生の理科実験では、ポリエチレンなんかを作ったりはしないけれど、加熱したり、薬品を加えて物が変容する過程はおもしろい。時代は違っても野依氏の感動は共有できる。アマサイもそういう意味では化学は楽しいと思う。

しかし、おそらく、この二十年後、化学は公害の原因として追求される。たぶん、工業化学科という学校の名称は変わっているのではないか。材料科学とかに。に一気に悪者にされる化学という分野も気の毒?だが。

このあと中学高校時代の思い出が続く。

灘中高でも立派な先生に恵まれた。清水実校長の統率のもと、実力派の先生方が責任をもって教えるので、授業についていけば課外学習塾など全く無用、大学入試は問題ない。ただし、年六回もある中間、期末試験は大変だった。充実した教科内容も大切だが、生徒たちは先生の人柄を慕い、個性に魅了されてついて行った。数学の毎野正典先生かみ漢詩と人生訓を学び、英語の俵倫一元生には映画評諭や女優論をせがんだ。国語の大原光雄先生の名調子の講義と達筆ぶりに感心した。こんな余談につられて授業内容は自然に頭に入るのである。

旧制高校の香を残した私立高校、ってな雰囲気である。まあ、こんな中で過ごしたら今の公立ゆとり教育は批判もしたくなるだろう。この時代は戦後復員にしてきた(順当にいっていたら学術者になっていた)学徒たちが教職に居場所を求めたのだから特殊な時代だったけどね。

なにかここに優秀な科学者が、生まれる背景があるように思う。
社会全体が科学高揚の雰囲気があること、
学術の基礎たる小中高で知的好奇心を満喫すること、
などである。

これからも科学は進歩していくだろうし、日本に科学系ノーベル賞の種火がなくなることはないだろう。

しかし、やはり野依さんの時代とは少しばかり変わっていくのかなあ、という気がしないでもない。どう変わるのか凡才アマサイにはわからないけれど。

私の履歴書、久々に科学者さんなので毎日楽しみです。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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September 08, 2008

書談:井上夢人著『メドゥサ、鏡をごらん』

Medusaiy
■『メドゥサ、鏡をごらん』 講談社文庫
著者:井上 夢人著
価格: ¥800 (本体 : ¥762)
出版: 講談社
発行: 2002.8
bk1
<内容>
作家・藤井陽造は、コンクリートを満たした木枠の中に全身を塗り固めて絶命していた。傍らには自筆で〈メドゥサを見た〉と記したメモが遺されており、娘とその婚約者は、異様な死の謎を解くため、藤井が死ぬ直前に書いていた原稿を探し始める。だが、何かがおかしい。次第に高まる恐怖。そして連鎖する怪死!
--------------

上記のメモに石海という地名が出てくる。主人公、陽造の娘の婚約者は、この石海とメデゥサの関係を追うわけである。メデゥサの正体は悲しく残酷である。

ちょっと、横溝正史入ってるっぽい、ホラー的なノリがある。小心者のアマサイは、夜、自室で一人で読んでいると怖かった。ああ、ちょっと私用でホテルに居たんだよね、だから余計に。。。

文庫本の解説はネジネジの妻、女優・池波志乃が書いている。彼女は結構な読書家として通っている。志乃さんに言わせれば、本書は、「井上夢人作品の私的ベスト1」なのだそうだ。やはり、ネジネジの伴侶だけあって少しばかり志向が変わっている。評価には賛否両論あると思う。

アマサイとしては、なんだろう、最後まで騙してくれたから、OKだけど、最高点は上げられないなあ。もうちょっと締まった最後にしてほしかった。他によりよいラストがあったと言われると、ない、だろうなとは思う。しかし、すっきりしない、という循環型感想?になってしまう。

ちょっとネタバレせずに、感想を書くのは難しい。このストーリーの構造は、後のページをパラパラみればわかるかもしれない。

この作品でも、小道具としてのパソコンが効果的に使われている。ある意味、ストーリーの決め手かもしれない。

一押しではないが、まあまあお薦めできる作品である。

岡嶋二人時代の流れを汲みながら井上独自の香もします。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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September 05, 2008

大学知的財産事情

岩波書店の月刊誌『科学』が知財の特集してます。
9月号なんだけどHPのトップが8月号のままってどういうこと?
項目は以下の通りです。

特集 知財をめぐる期待と誤解
   ──大学から企業,そして社会へ

新しい研究者像と求められる創造的知財戦略 石川正俊
いま大学では何が起きているか 隅藏康一
米大統領選の行方:経済スパイ法に注意! 清貞智会

[事例でよむ]
特許をめぐる時代の変化 掘越弘毅
オリジナリティから特許へ 柴?正勝
大学の特許が実用化されない理由 細野秀雄

[産学連携への提言]
日本の大学研究者の発明活動の特徴と課題 長岡貞男
地方大学が挑戦すべき新たな産学連携 小林信一
----------------------------------------
パラパラのめくってみたんだがね、いや、なんだかね、買う気なくしましたよ。大学の知財活動でまだまだ発展途上なのだな、と。
これ、十年前に特集組んでも同じ項目、同じ内容かもね。
大学サイドには同情するがね、いきなり産学連携と言われも困るでしょう。何年も前から始動しているんだから急じゃないと思うけどね。独立法人になってから、しなきゃいけないこともいろいろ多いでしょうし。

「科学」いう雑誌なんでね、大学の現状を話すのは結構なんだけど、企業とか世界(即ち米国ってことになるのだが)動向もね、踏まえたらどうかなと。

これじゃあね、大学の図書館しか買わないでしょ。個人には売らなくていいの?岩波さんは、科学と社会のインタフェースっていうスタンスで編集しているのではないの?だったら大学の愚痴ばっかり載せたってしょうがない。産学連携で成功例もいくつかあるはずだからそれを載っけたら?

大学特許が実用化されない理由なんてね、誰も聞きたくはない。当事者はわかっているだろうし、一般市民はそんなこと知らされても何の足しにもならんよ。

Scientific American みたいに翻訳して海外にも売れる雑誌にしてくださいよ。お願いします。

きちんと批判するために買おうと思いましたが、1400円ですからね。私のすぬー財布が「わん!(Yes)」と言いませんでした。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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September 03, 2008

知的財産業界という村

知財人材祭というのに行ってきました。祭?要するに知財関連のワークショップです。

私が参加したのは、
・特許ライセンス模擬交渉と解説@(社)発明協会

・知財ロイヤリング@日本弁護士連合会&日本弁理士会
です。

どちらも特許に関するシミュレーションというかお芝居です。

発明協会のお米ラーメンという商品を特許コーディネータが他社にセールをするというお話。コーディネータのセールストークやライセンス契約書要点がわかって、なかなかよかったのだけれど、時間がなくて本編を削ったのに、協会主催の講習会をだらだら説明したのは、よくなかったと思う。

弁護士・弁理士会の方は、
大学の発明が企業に盗まれたのではないか、ということを教授と知財本部の人が、弁護士に相談に行くという小芝居。

弁護士役の弁護士さんには、シナリオを渡されたのではなく、その場で事案を聞くというので、臨場感があった。

ロイヤリングとは法律専門家が、相談されるとき、どのように話を引き出していくかの技、ということらしい。

まあ、ワタクシ共も発明者にインタビューするときは、発明の本質を見極めるテクニークのようなものはある。中には「本質」がなくだらだらしゃべる人もいる。そういう方には、宿題を出してそれをやってからいらしてね♪とあしらうしかない。

意外に?おもしろかったのは、東海大学の知財の歴史であった。創立以来、イノベーション政策を多角的におこなってきたというお話。

中でも世界人権宣言を引用して、
第27条
1 すべて人は、自由に社会の文化生活に参加し、芸術を鑑賞し、及び科学の進歩とその恩恵とにあずかる権利を有する。  
2 すべて人は、その創作した科学的、文学的又は美術的作品から生ずる精神的及び物質的利益を保護される権利を有する。
発明をする自由がある、みたいなことを言うのには驚いた。

知財で人権宣言を引用する人なんて初めてである。

また、あの放送大学の知財の授業を担当している。
妹尾 堅一郎さんの話も聴けた。
彼の示す知的財産人材構想は、なんだか過度に美化された理想論に思えた。
知財プロフェッショナルを支える知財サポート人材(翻訳、法律、技術)というカテゴリを示していたが、そんなもの企業では一人の人間が全部やっている。大手では多少分業体制だろうが、うちみたい中小企業はメインもサポートもない。外注もするが、できることは全部自前である。

絵空事、とは言わないが、経営学のセンセってあんなモデルを提示することでお金もらえちゃうんだな、ってちょっと冷めた目で見ていた。経営学ってほんと役に立たない。

知財人材育成って叫ぶ人たちって一体何がやりたいんだろう。

まあ、お上とかそれの付随する財団法人、社団法人に頼っていてもいいことはないなということは非常によくわかった。うまく利用することだな。彼らも頼られても困るだろう。

知財現場で大学が弱者ってありえない。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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September 02, 2008

書談:有吉佐和子著『悪女について』

次は何読むべえかと文庫の棚をうろちょろしてたら、
そうだ、有吉佐和子がいるでねえの、と思った次第。

なんかちゃんと読んだ記憶がない。
私の好きな「おなご物語」をたくさん書いているのに。

そういえば、「不信のとき」がドラマ化されるようですな。
って、また米倉凉子かよ。

Akujonituite■『悪女について』 改版 新潮文庫
著者 : 有吉 佐和子著
価格 : \740 (本体 : \705)
出版 : 新潮社
発行 : 2006.6
bk1

新潮社解説
《自殺か、他殺か、虚飾の女王、謎の死》――醜聞(スキャンダル)にまみれて謎の死を遂げた美貌の女実業家富小路公子。彼女に関わった二十七人の男女へのインタビューで浮び上がってきたのは、騙された男たちにもそれと気付かれぬ、恐ろしくも奇想天外な女の悪の愉しみ方だった。男社会を逆手にとり、しかも女の魅力を完璧に発揮して男たちを翻弄しながら、豪奢に悪を愉しんだ女の一生を綴る長編小説。

なぜかTVドラマ化されたのは覚えているのだ。
いえ、ほんのご幼少のころですよ。

悪女について×ドラマでぐぐってみてください。おもしろい配役ですよ。

本人は一切出てこず、知人、血縁者のインタビューだけでその人となりが語られる。
そういう手法は今までもあったのだろうけれど、ここまで徹底して描いているのは無いに等しいのではないか。

男を翻弄して有名実業家にのし上がる富小路公子。ある人は稀代の悪女と呼び、ある人は少女の心を持った心優しい人という。どちらがほんとうの公子なのか。

それぞれ、27人の見た公子がそれぞれ真実なのだろう、と結論づけてはおもしろくない。女性は27通りくらいの見方ができるのはごく普通だろう。子供、親に情愛を尽くすのは当然であり、その受け取り方も子供によって違うのもまた当然だ、彼女は悪女でも功利主義者でもなく、ただの女性なのだろう。

私もおっきいお姉さんになればこそ、このような見解をもてるのである。

20年後、読んだらまた違う感想を持つことだろう。


今は有吉作品の基本書『紀ノ川』を読んでいます。人気ブログランキングぷちっとな。【押す】≪コメントはここ

September 01, 2008

フレキシブルスキャナ

森山さんが、有機トランジスタ研究で有名な(って今知ったけど)染谷隆夫東大准教授にインタビューをした。ビジネスアスキー?月刊アスキーの名称が変わったそうで。いや、アスキーどころかパソコン関連雑誌なんていつ買ったかな?てな感じ。
染谷さんのお仕事は、アマサイのかがくごころにジャストフィットです。

・シート型スキャナ(大面積エレクトロニクス)
新型画像スキャナーは、有機半導体で出来ています。このスキャナーは機械的に動かす部品が一切必要ないため、軽くてかつ薄い。また、プラスティックフィルム上に作製されており、曲げることができるという特徴があります。

・ナノ印刷
ナノテクノロジーを駆使して,ナノ粒子を高精細の印刷技術で塗布します.特に,高性能な有機トランジスタ集積回路への応用を目指します.具体的には,スクリーン印刷とインクジェット印刷による有機デバイスの大面積化と微細化に取り組んでいます.

・有機デバイス
有機トランジスタや有機ダイオードのデバイス物理を明らかにします.最近では,プラスティックシート上の有機デバイスを繰り返し折り曲げて,歪がキャリア移動度に与える効果を解明しました.さらに,温度特性やホール効果を計測し,有機デバイスの物理を探求しています.

・有機分子の新物性探索
有機半導体や導電性高分子などソフトマテリアルの新物性を探索しています.特に,アントラセンなどアセン系有機分子の単結晶における新物理現象の発見を目指します.また,分子の自己組織化現象を利用した分子デバイスに関する研究を進めます.

特許はこげなものが出ています。

【公開番号】特開2007-79172(P2007-79172A)
【発明の名称】触覚ディスプレイ及びその製造方法
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【出願人】財団法人生産技術研究奨励会

Fexscanner一実施形態による点字ディスプレイは、主として、フレーム層100,高分子アクチュエータで構成されているアクチュエータ層200、及び有機トランジスタから構成されているトランジスタシート300が結合された構造となっている。図1は、上記点字ディスプレイを上部から見た平面図を示しているが、下層の状態が確認できるよう、フレーム層100およびアクチュエータ層200を部分的に取り外した構成を示している。
フレーム層100を見て判るように、触覚表示部が複数のブロックからなり、各ブロックが点字1文字の分解能の刺激部位がマトリクス状(例えば、刺激部位1つが1ドットとして、縦3×横2ドット)に配置して構成されている。この刺激部位は、後に説明するが高分子アクチュエータにより上下し、指の皮膚を刺激し、情報を神経の刺激として、利用者に知覚させて、情報の伝達を行うものである。
また、上記有機トランジスタは、上記高分子アクチュエータを上下に駆動させる制御を行い、駆動対象の高分子アクチュエータと平面視でほぼ重なる位置に対向して配置されている。
-------------
どの研究室、どの企業がやっている方式がスタンダードになるのでしょうね。
まだ、決着がつきそうにありません。

電子科学雑誌では成立しなくなって、パソコンハードウエア雑誌に転向し、まもなく廃刊になったのは昨日のことのようです(某国営放送出版)。今はパソコン専門誌も淘汰されるのですね。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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