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September 28, 2008

書談:折原一『叔母殺人事件』

Obasatujin■『叔母殺人事件-偽りの館-』
著者:折原 一
価格: ¥770 (本体 : ¥733)
出版: 講談社
発行: 2007.9
bk1

一代で富を築いた清瀬富子。彼女は、お手伝いの春とその娘美咲と昭和初期に建てられた洋館で生活している。何の気まぐれか彼女は甥・名倉智樹を遺産相続人に指定する。しかし、智樹はこの叔母を憎むようになる。彼は殺人計画を思いつく。

智樹の殺人計画は実行され、身内を殺める。すぐさま警察にやってきて智樹は容疑者として捕らえられる。もぬけの殻になった洋館にやってきたは、自称ノンフィクション作家の「私」である。

「私」の記述により殺人事件の全貌が明らかになっていく。富子の人間関係は、初期段階から明らかにされるので、こいつがあいつで、こいつはあいつか?ということは段々特定できるようになっている。最終章はどんでん返しと言えるけれども、読者にとっては想定範囲内だろう。

しかし、折原一、どこまで性格が悪いのか(^^;)。かなり、緻密に文章表現しないとここまで読者を引き込むことはできない。叙述ミステリは人間性が歪んでないと書けないと思う。叙述ミステリは、文章の表現の仕方にトリックがあるものとアマサイは認識している。例えば、「私」は事件を第三者的に語っているが、実は当事者が「私」だったりする技法である。本書はそのものではないが、その変形バージョン、叙述ミステリはすべてが、書き手と登場人物を微妙に錯誤させる、ところに特徴があると言っていいだろう。

叙述ミステリはミステリなんかではないと怒る人がいるのだが、それも無理はない。ミステリ、推理小説とは、状況を全て文章に明かして、「さあ、どうだ、誰が犯人だ?」あるいは「刑事はどこで犯行を見破るか?」を問うものとされている。それが、じゃーん、実はこの文章の「私」が犯人でーーす、なんてことが起こるわけなのだから。

しかし、折原にはかなり固定ファンがいるらしい。それは、やっぱり騙されたいからじゃないのか。日常で騙されるのは御免だが、小説の中で欺かれるのは大好き、というマゾ的な人間が多いのかもしれない。

いや~、折原さん、本当は作家じゃなくて詐欺師になりたかったんじゃないですか。

認めたくはないが、アマサイも結構マゾなのか。人気ブログランキングぷちっとな。【押す】≪コメントはここ

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