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March 03, 2009

書談:松本清張著『けものみち』

ついに読んでしまいました。けものみち。

Kemonomiti『けものみち』 新潮文庫
著者:松本 清張
価格: \660 (本体 : \629)
出版: 新潮社
発行: 2005.12
bk1
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成沢民子は、脳軟化症のために動けなくなった夫を養うため、旅館で住み込みの女中をしていた。週一回帰宅する民子に夫は、猜疑心をもちいたぶる行為に及ぶ。ある日、旅館に滞在した有名ホテル支配人小滝がやってくる。小滝は民子にもっと金になる良い仕事を世話すると持ちかける。それは政財界にフィクサー鬼頭洪太の愛人になることだった。民子は、新しい生活に望みをかけ夫が在宅していることを確認し、家に火を放つ。鬼頭家に仕える民子。そこにいる人間たちは誰もが民子と似たような境遇を持っているのだった。
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清張作品を読む前のアマサイは、この作品が松本清張を象徴していると思っていました。金と権力と色欲が渦巻く畜生の世界です。おのこの世界ですなあ。象徴というのはあながち間違いではないです。清張先生がのりのっている昭和30~40年に書かれた作品だからです。

この作品が原型なんでしょうかねえ。このあとにも政財界の黒幕うんたらかんたらって作品はありますよね。それとも鬼頭のモデルなる人物がいるんでしょうか。戦時中、特に日本占領下の中国大陸はなんでもありなんですねえ。

いや、こわ~い話ですよ。人の道を一度外した人間は同類と集い、同じけものみちを歩む。本当のけものはなわばり争いだけで、こんなふうに仲間を殺戮したりしませんが。

おもしろいと言えばこれほどおもしろい小説もありません。人間の欲望をとこんとまで追求してますからね。しかし、こんなばかり読んでいると心がすさみます。
( ̄△ ̄;)。

歴代の映像化キャストはなかなか興味深いです。

●1965年 東宝映画
成沢民子:池内淳子
小滝章二郎:池部良
鬼頭洪太:小沢栄太郎
久恒義三:小林桂樹
秦野重武:伊藤雄之助
成沢寛次:森塚敏


●1982 NHKテレビ
成沢民子:名取裕子
小滝章二郎:山崎努
鬼頭洪太:西村晃
久恒義夫:伊東四朗
秦野重武:永井智雄
成沢寛次:石橋蓮司

●1991 NTV火曜サスペンス
成沢民子:十朱幸代
小滝章二郎:草刈正雄
鬼頭洪太:大滝秀治
久恒義夫:河原崎長一郎
秦野重武:名古屋章
成沢寛次:森本レオ

●2006 キャスト
成沢民子(30):米倉涼子
久恒春樹(40):仲村トオル
成沢寛次(35):田中哲司
秦野重武(47):吹越満
鬼頭供太(72):平幹二朗
小滝章二郎(44):佐藤浩市
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キャストのポイントは民子の夫・寛次と鬼頭じゃないかな。情けなくイカレタ男をどの男優で表現しているのか、というとこ。

鬼頭は言うまでもなく、その時代の大御所が演じています。

清張作品に語るときに、アマサイ、ほぼ毎回言及していますが、年齢です。鬼頭はもうよぼよぼで、あちらの方はてんでダメだが、スケベ心だけは生き生きと、という老人なのですが、原作では60を過ぎていると記しています。今の60代ってかなり元気です。まあ、60はすぎて70くらい、という意味かもしれませんが。しかし、「もう27,8の年増だよ」という表現はびっくらこいてしまいますが。

テレ朝版ではわざわざ年齢を記しています。

米倉凉子は一連の清張作品で演技力がついたでしょうね。
悪女顔で得してます(^^;)
あんまし好きじゃないけど。

やはり、あまりにどろどろしちゃったんでもうちょっとさわやかなのを読みました。同じ松本清張だけど。人気ブログランキングぷちっとな。【押す】≪コメントはここ

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