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September 11, 2009

アナログ回路の真髄

アマサイとしたことが、Tech-On!でこげな連載をしていたとは。

アナログを使いこなす勘所(1) アナログが難しい理由

デジタル設計者は「アナログは分からない」と避け,アナログ設計者は「デジタル設計者は苦労を理解できない」と不満を漏らす――。こういう現場は少なくありません。本来,アナログ技術者とデジタル技術者が相互理解を進め,両方の技術をうまく使いこなさなければなりません。
(中略)

インバータでは,ゲートに電源電圧VDDもしくは接地電圧VSS(0V)を印加します。入力がVDDのときnMOSはオン,pMOSはオフとなり出力電圧は0Vになります。逆に入力が0VのときnMOSはオフ,pMOSはオンとなり,出力電圧はVDDになります。ここで入力信号が多少変化しても,出力電圧は変わりません。従って,極めて安定性が高くなります。

 これに対し増幅器では,入力電圧がVDD/2近傍で,出力電圧が最も変化するところを用います。入力信号に対して出力が大きく変化すれば,利得が高くなるからです。入力信号電圧がわずかでもずれてしまうと,出力電圧はVDDか0Vに張り付いてしまい,所望の増幅作用が得られません。このようにアナログ回路は本質的に不安定な要素を持っています。

 これは,わざと機体を不安定にして,交戦時に高い機動性を発揮できるようにした戦闘機の考え方と似ています。機体が不安定でも,コンピュータ制御で高い運動性と安定性を両立できるようにしています。アナログ回路でも同様に,高感度と安定性を両立できるようにすることが鍵になります。

いや~、アナログ回路技術者は概ねプライドが高いです(5513様のことではありませぬ)。新米知財担当者であったアマサイは「それで、これはシミュレーションとかないんですかね」と訊いたら、「そんなもんで解析できたら苦労しねえんだよ」と叱られてしまいました。まあ、発明者さんはプライドがあるということはよいことなんですが。

アナログを使いこなす勘所(2) デジタル技術をうまく利用する

例えば,A-D変換器の方式はいろいろあります(図8)。精度と速度のグラフで見ると,大別しただけでも8種類の方式があり,部品の選択で迷うことがあります。自社でSoCを設計する企業において,どの方式のA-D変換器をチップ上に搭載するかを選択するときに,方式ごとに最適な製造プロセスが異なり悩むことがあります。例えば,パイプライン方式や逐次比較方式では高精度の容量が必要になりますが,ほかの方式では要りません。製造プロセスを開発する部門から,高精度の容量が必要なのかどうかを尋ねられ,判断に迷うことがあります。


A-D変換器の例です。方式によって,要求されるプロセス性能(バラつきなど)が異なります。どれが良いとズバッと言えないのがアナログ設計者の悩みです。

 技術者によって方式の好みが違ったり,設計ルールによって適する方式が変わってきたりするのも,問題を複雑にします。自分が手掛けたものは安心できるが,ほかの方式ではどんな問題が起こるのか分からず恐い,という気持ちがアナログ回路では出てくるものです。どれを選ぶのか,人それぞれの得意なやり方,いわば“流派”があります。
(中略)

大事なのは,アナログをなるべく使わないことです。せっかくアナログ回路を勉強しているのに変なことを言うと思うかもしれませんが,安定な回路を使えるのなら使うべきです。なるべくデジタル回路で処理を行い,アナログ回路への負担を減らした方がよいのです。例えばA-D変換器/D-A変換器の特性が優れていれば,アナログ・フィルタや可変利得増幅器に求められる仕様は緩くなることもあります。


知っててアナログ回路を使わない、言い得手妙です。これは現場ではよく言われていることです。ですから、アマサイは、アナログ回路は衰退していらなくなるものと、勘違いしていました。ごめんなさい、5513様。

アナログ技術者さんの発明を見て、アナログ回路のすばらしさを実感しているアマサイです。

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