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June 30, 2010

『科学史』の時代に(1)

伊藤憲二さんのツイッターを見ていて、ぶつぶつつぶやこうかなと思っていたら、これって、前に似たようなこと書いたな、と気付いた。ああ、mixiだ。

というわけで4年前に書いたmixi日記を数回に分けて転送します。今言いたいことはこれではないんだけど、その差分は別途書きます。
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科学史に出会ったとき 2006年07月25日

「科学史」という領域が存在すると知ったときの喜びは今も忘れることができない。

哲学の歴史、政治の歴史、経済の歴史、というように、それぞれの学問に歴史を検証する分野はあるだろう。科学史と名の付く本も出版されているし。

しかし、それは学問として大きなシェアを持つものではなく、好事家がほそぼそとやるものだと思っていた。事実、「科学史の研究というものは、とうの立った科学者が晩年行う、落ち葉拾いのような作業である」という記載を見たことがある。

でも、そうではなかった。科学史を専門とする学者が相当数居て、ちゃんとした学会もあるのだった。

それを知ったのは、今はなきNHK市民大学講座で中山茂先生が『天の科学史』をレクチャーしたときであった。

シリーズAとして連載します。放送大学と密接な関係があるので、カテゴリはそれにしました。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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June 28, 2010

巌流島の決闘のような。

最近読んだ本のこととか、ぶりがに先生のような機知に富んだエントリをできるとよいのですが、なかなかまとめる時間がなく、センスもなく。
いつものように知財ネタで。

特許紛争でSalesforceがMicrosoftを反訴–切れ者弁護士David Boiesを起用
2010年6月26日

5月にMicrosoftから仕掛けられたパテント訴訟に対抗してSalesforceが、今度は逆にMicrosoftを特許権侵害で訴えた(訴状を下に埋め込み)。しかしCEOのMarc Benioffは、反訴だけでは満足しなかった。彼はこのチャンバラに勝利するための剣客として、1990年代から独禁法裁判で辣腕を揮ってきたMicrosoftの天敵、David Boiesを起用した。

Salesforceのこの前の決算報告でBenioffは、Microsoftを指すと思われる企業に言及し、”卑怯なパテント荒らし”、”路地裏の通り魔強盗”と呼んだ。Microsoftの訴訟について質問されたBenioffは、ZDNetによれば次のように答えた:

“個人的には、かつて業界のリーダーだった企業がやることとは思えないと感じ、たいへん幻滅している。しかしそれは簡単に解決できる問題であり、弊社の日常業務には何の影響も与えない。当社にとってまったく実害のない状況であり、ことさらに対応策を講ずべき事態でもない。”


新しく顧問弁護士を起用しただけでニュースになるなんて、不思議な国ですな。願わくは、そげな訴訟ゲームは米国国内で国内企業だけを相手にしてほしいものです(その範疇から出てはいませんがね)。

他の国は友好的にライセンス契約をしているのですから(友好的というのも実は非常に怪しいのですけど。交渉テーブルの下で足のつつき合いをしているような)。

しかし、MSはMSでそれに対抗できる弁護士軍団を用意してきたり、やられたらやりかえす的な復讐の連鎖を予感させます。

かと言っても、訴訟がほとんど起こらないのもどうかと思います。

大事な権利が傷つけられて怒らないのは男じゃない(いや、性別は関係なかった)。

「あそこのお宅またやってらっしゃるわ。お盛んねえ」と軽く流せたらいいかもね♪

また、誤魔化して書いているですと?こんなホットイッシュー、これ以上言及したら大やけどします。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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June 25, 2010

先制医療、パラダイムシフトではない。

先制医療って最近よく聞くダスね。

第13回「医療のパラダイムシフト~先制医療~」

辻 真博 氏(科学技術振興機構研究開発戦略センター臨床医学ユニット フェロー) (掲載日:2010年6月25日) 筆者は、科学技術振興機構(JST)研究開発戦略センター(CRDS)臨床医学ユニットで、医療に関する規制環境および研究開発戦略の調査、分析、提言活動に携わっている。本稿では、現在検討を進めている「新しい医療~先制医療~」という考え方について紹介したい。

・従来の予防医学
国民の健康を守りつつ医療費の高騰を抑えるための最善の方法は、「国民ができるだけ病気にならないようにすること」であろう。この考え方を実現するため、従来の予防医学は、主に経験的事実を根拠として、すべての人を対象に展開されてきた(例:生活習慣の改善など)。このような従来型の予防は一定の効果を上げてきたと考えられるが、今後より多くの人々が病気にならないようにするためには、発想の転換が必要なのではないかと考えられる。
(中略)
・先制医療とは
先制医療(Preemptive medicine)とは、発症前に高い精度で発症予測(Predictive diagnosis)あるいは正確な発症前診断(Precise medicine)を行い、病気の症状や重大な組織の障害が起こる前の適切な時期に治療的介入を実施して発症を防止するか遅らせるという、新しい医療のパラダイムである。本パラダイムは、今後の医療の進むべき方向の1つであると考えられる(図参照)。先制医療が従来の予防医療と異なるところは、病態・病因の発生や進行のメカニズムにあわせて、予見的に介入する点である。
(中略)
先制医療の実現に向けてなすべきこと
先制医療の基盤となるのは、高い精度の発症予測、あるいは正確な発症前診断である。そのために重要なのは、各種疾患の診断に有効な(バイオ)マーカー候補(例えばゲノム、エピゲノム、タンパク、メタボロームや、CT・MRIなどの画像)の探索および、疫学研究などによる有効性、妥当性の確認であろう。全国民に対して先制医療のパラダイムを適用するためには、例えば尿や血液など、安全・安価で簡便に採取可能で、予測精度の高いバイオマーカーであることが求められる。疾患によってはバイオマーカーでハイリスク群を絞った後、コスト面を考慮した上で高感度な検査を実施し、正確な発症前診断を行う必要もあるだろう。また、先制医療の実現には発症前の治療的介入方法の確立も必須である。廉価で副作用の少ない治療法のシーズ探索、および臨床研究での安全性、有効性の確認を実施する必要がある。

今までは、病気にならないよう気を付けましょう的だったものを、金かかる検査をやって、病気を予想しようということでしょうか。

そげなものが、安くできるならば庶民は大賛成です。検査と新規病原のイタチごっこにならないといいですけどね。

でも、新しい検査を導入するだけじゃ、パラダイムシフトとは言わないよね。今までの検査類も病気を初期段階で見つけようということには変わりないんですから。

ワタクシもparadigmerだから定義にはうるさいざんすよ。

只今、ブリガニブログ浮上中。知らない人は⇒人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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June 24, 2010

なかなかのビッグ発明ではございますが。

風邪熱でうとうとしてたら、はつめいのたいか、という懐かしい言葉がテレビから聞こえてきた。

日立に6300万円支払い命令=半導体特許の発明対価-東京地裁

 半導体集積回路の製造に関して日立製作所が取得した特許について、正当な発明対価を受け取っていないとして、元社員岡本好彦さん(59)が日立に6億円の支払いを求めた訴訟で、東京地裁は23日、約6300万円の支払いを命じる判決を言い渡した。
 判決後に記者会見した岡本さんは「ほとんど日立の主張をのんだような判決で、額も満足できない」と批判し、控訴する意向を示した。日立側も同日控訴した。
判決で清水節裁判長は、岡本さんの発明が商業的には実用化されなかったと認定し、特許で利益が得られたのは、特許請求の範囲を工夫するなどした日立の役割が大きかったと判断。岡本さんの貢献割合を4%とした上で、支払い済みの報奨金約2200万円を差し引いて額を算定した。
 岡本さんは日立在籍中の1988年、半導体集積回路の精度を高める「位相シフトマスク」という技術を発明。日立が97年までに日米韓各国で特許登録した。(2010/06/23-19:25)

2200万円ももらえたんだから別にいいじゃん。ん?20年前にそんなにもらえるってすごくないか?

■特許第3306052号(P3306052)
【登録日】平成14年5月10日(2002.5.10)
【発明の名称】位相シフトマスクの製造方法
【出願番号】特願2000-314208
【分割の表示】特願平10-70992の分割
【出願日】昭和63年11月22日(1988.11.22)
【公開番号】特開2001-142196
【特許権者】株式会社日立製作所
【発明者】岡本 好彦
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【従来の技術】
 位相推移マスクについては、例えば、特公昭62-59296号公報に記載があり、上記公報には、遮光領域と透過領域とを備えたマスクにおいて、遮光領域を挟む一対の透過領域の少なくとも一方に透明材料を設け、露光の際に各々の透過領域を透過した光の間に位相差を生じさせ、これらの光がウエハ上の本来遮光領域となる領域において干渉して強め合わないようにしたマスク構造について説明されている。
 このようなマスクにおける透過光の作用を図19(a)~(d)により説明すると以下のとおりである。
 すなわち、図19(a)に示すマスク51上の所定の集積回路パターンを投影露光法などによりウエハ(図示せず)上に転写する際、遮光領域Nを挟む一対の透過領域P1 ,P2 のうち、透明材料52の設けられた透過領域P2 を透過した光の位相と、通常の透過領域P1 を透過した光の位相との間には、図19(b),(c)に示すように180度の位相差が生じている。
 したがって、一対の透過領域P1 ,P2 を透過した光が、これら透過領域P1,P2 に挟まれた遮光領域Nにおいて干渉して打ち消し合うため、図19(d)に示すように、ウエハ上における光強度分布のモジュレーションが改善され、マスク51のパターン転写精度が良好となる。

【発明が解決しようとする課題】上記のように半導体集積回路においては、回路を構成する素子や配線の微細化、並びに素子間隔や配線間隔の狭小化が益々進められていることから、如何にしてパターン転写精度の高い位相シフトマスクを製造するかが課題となる。
 本発明の目的は、位相シフタパターンと遮光膜との位置合わせを良好に行えるマスクの製造方法を提供することにある。

【発明の実施の形態】
 次に、本実施の形態2のマスク1bの作用を図7(a)~(d)により説明する。
 図7(a)に示すマスク1b上の所定の集積回路パターンの原画を転写する露光工程の際、マスク1bの各々の透過領域Bにおいて、位相シフト溝7aを
透過した光と、通常の透過領域Bを透過した光との間には、180度の位相差が生じる(図7(b),(c))。
 そして、位相シフト溝7aは、各金属層3の端部に配置されているため、一つの透過領域Bを透過した光のうち、位相シフト溝7aを透過した光と通常の透過領域Bを透過した光とが、透過領域Bに隣接する遮光領域A,Aとの境界部分において弱め合う。
 したがって、ウエハ上の光強度分布のモジュレーションが大幅に改善される(図7(d))。特に、ウエハ上に投影される各々の遮光領域Aの端部のぼけが大幅に低減され、ウエハ上に投影されるパターンの転写精度が大幅に向上する。
 なお、光強度は、光の振幅の2乗となるため、ウエハ上における光振幅の負側の波形は、図7(d)に示すように、正側に反転される。

3306052zu

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位相シフトマスク法というのはすごい技術らしく、それを発展させたさせた岡本さんはすごい技術者さんです。

これが問題の特許かどうかわかりませんが、88年の出願を分割しているので、当たらずとも遠からじ、ではないかと。

しかしねえ、+三倍もらえたんだから、これで止めとけばいいのに。ああ、日立も控訴しているのか。そうするとまた、いいとこで和解になっちゃうのかね。

この額が妥当かですと?そんなのアマサイにはわからんよ。貢献度4%ってちょっと、大きいね。2、3%が妥当だとアマサイは思いまする。

でも、きっと、岡本さん、弁護士にそそのかされたんだと思いますよ。


特許庁電子図書館、ずいぶん重かったですが、知財関係のみなさん、アクセスしてました?人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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June 22, 2010

実在の個人、企業、団体とは何の関係もありません。

こげなニュースが。

日経新聞

「特許庁は、特許を横取りされた発明者を救済するための法改正を検討し始めた。具体的には、本来の発明者ではない者が出願して取得した特許の名義を、真の発明者に変更できるようにする。今は偽の発明者に登録された特許であっても原則、名義が変更できず、特許庁に無効審判を請求するしか手はない。名義変更ならば迅速な対応が可能で、権利者の保護につながると判断した」。
例え話として聞いてくんな。

某企業開発部長:A山B夫「おお、例の製品できあがったか。どれどれ。性能も予想以上だな。では、特許出願をしといてくれたまえ。なになに、難しいことではない、今までのデータをまとめて弁理士さんに渡せばよいのだ。では、提案書の表紙は私が書こう。発明者:A山B夫、以下4名」

某中小企業社長:C河D彦「うちは中小企業といえどもたくさんの特許発明を出しております。えっ、発明は私じゃないですよ。開発部の諸君ががんばってくれて。いやいや、特許出願書面を作るまではいろいろたいへんなのですよ。私が弁理士さんに渡す書類を作って説明しておるのです。発明者なんて便宜上ですからな。部下に面倒はかけられません。私が仮に発明者に名を連ねているのですよ、なにか?」

他にも事例が浮かぶが書けん。

記事とは関係ありませんよ。いつもアマサイブログはそうじゃないですか。ネット記事から妄想をふくらますのがアマサイブログの特徴で、はははは。。。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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June 21, 2010

蛍光物質利用・光学顕微鏡

静岡大学ってじみーちにがんばるっとる気がするでガス。

10倍高性能の光学顕微鏡 蛍光物質を利用、静岡大

 識別できる大きさ(分解能)が50ナノメートル(ナノは10億分の1)と、従来より10倍高性能な光学顕微鏡を、川田善正静岡大教授(応用光学)らが20日までに開発した。電子顕微鏡はより詳しく観察できるが、真空にしたり表面をコーティングしたりしなければならない。開発した光学顕微鏡は、生きた試料をリアルタイムに微細にわたり観察するのに役立つという。光学顕微鏡は、観察対象の試料に当てる光によって分解能が決まるが、光を絞り込むには限界があり、分解能は500ナノメートル程度が最高だった。川田教授らは、試料を載せる台に蛍光物質を利用。この蛍光物質に電子線を当てて出る光を利用した光学顕微鏡システムを開発した。
静岡大学・川田研究室 http://optsci.eng.shizuoka.ac.jp/

光が拡散しない点が蛍光のよいとこだそうです。

やはり看板教授、特許もたくさん出していらっしゃいます。
それらしきもの、というと10年前になってしまいますが。
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■特開2002-116149
【発明の名称】表面プラズモンを利用した顕微鏡システム
【出願日】平成12年10月10日
【出願人】科学技術振興事業団
【発明者】川田 善正
【要約】目的: 表面プラズモンを局在化させる円錐プリズム12を使用することによって、空間分解能及び電場増強効果を両立させ、コントラストが高く鮮明な画像が得られる光学顕微鏡を提供する。
 構成:この顕微鏡システムは、三次元駆動する走査ステージに搭載された蛍光試料sを挟む位置関係で円錐プリズム12及び対物レンズ13が配置されている。円錐プリズム12は、表面プラズモンの励起角に対応する頂角をもち、円錐側面に金属薄膜が蒸着され、円錐頂点が前記蛍光試料を指向している。円錐底面に入射されるレーザ光Lin(励起光)によって生じる表面プラズモンが円錐頂点に移動し、円錐頂点で増強された電場によって蛍光試料sが励起される。励起によって蛍光試料sから発した蛍光信号Loutは、フィルタ15でレーザ光Linを除去した後、光検出器17に入射される。

2002116149

顕微鏡には詳しくないので、他の方式も知らないのですが、蛍光は、なんだか便利なしろもののようですね。

ところで、先々週の日曜日、一日で↓この記事が3000ヒットをはじき出したんですが、なぜでしょう。ぐぐってみましたが、よくわからず。それも1日だけって。

お仕事メモ:光学迷彩と再帰性反射材

ブログって誰が見ているかわかりませんね。言動には気を付けないと。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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June 18, 2010

一番が全てじゃないです。

不良社員さんがツイッターで引用していたのを拾ってきました。

研究開発はなぜ一番でなければならないのか

一番乗り競争では1番手以外の利益がゼロ  特許権は排他権であるので、仮に同時期に複数の企業が同じ発明をしていた場合、先に特許権を獲得した企業のみがその技術を独占して利用することができる。  すなわち、一番乗りになった場合とそうでない場合を比べると、発明からの利得の構造は以下のようになる。 ・発明の一番乗り=発明の独占実施の利益を得る ・発明の2番手以降=自分の発明も実施できなくなるので、発明の利益はゼロ  このように一番乗り競争の勝者がすべてを獲得するので、2番手以降は利得がゼロとなる。したがって、研究開発の競争ではスピードが非常に重要であり、1番になることの意味が非常に大きい。  特許権の取得ができたとして、どれだけ広い権利を獲得できるかどうかにおいても、研究開発のスピードが重要である。 (中略)  次に、遠藤博士は三共から東京農工大学に異動した直後に、もう1つのスタチン(モナコリンK)を紅麹菌から発見し(79年1月)、同年2月に日本特許を申請した。  実は遠藤博士が特許申請した物質は、米国の製薬会社メルクが発見し、かつ世界で最初に「ロスバスタチン」として高コレステロール血症への薬として承認されることとなる物質と同一物質であった。  メルクの米国特許庁への特許出願は、遠藤博士の特許出願よりも遅かったが(79年6月)、先発明主義の米国ではメルクが特許を取得した(78年11月に発見したとされている)。その特許が同社による臨床開発投資の基礎となった。 コンパクチンのケースと背景は異なるが、このケースも企業の研究開発にはあまねく競争相手がいることを示している。
長岡 貞男 Sadao Nagaoka 一橋大学イノベーション研究センター教授。75年東京大学工学部卒業後、通商産業省入省(~92年)。80年マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院よりM.S.(経営学)取得。世界銀行エコノミストを経て90年マサチューセッツ工科大学よりPh.D(経済学)取得。92年成蹊大学経済学部教授、96年一橋大学商学部産業経営研究所教授、97年一橋大学イノベーション研究センター教授、2004年より同センター長(~2008年)。

経済・経営学者の短絡思考には頭痛がします。
薬品や物質は確かに一番乗りでないとあまり意味がありません。
しかし、科学・技術の世界で薬剤は、特殊な分野となります。
このブログでは何度か言及していますが、薬品の特許の場合、その出願は1つで足ります(基本的には)。しかし、電気、電子製品であると、新製品のたびに何十、何百という出願をすることは珍しくありません。

これは、何を示しているかというと、逃げ道がたくさんあるのです。Xという冷却装置を発明したら、その方法、他の機構との関連回路、筐体に入れたときの構造いろいろな形態で特許を取ります。他の会社もXを目指して開発していて、すでに公開になったXを知ってしまったとしたなら、他の機構との関連回路に新たな発明を見いだすかもしれません。あるいはいっそのこと、Xと同じ効果をもつYという冷却装置にプロジェクトを変更してしまうのもアリです。

文系の輩は、こういう複雑な技術機構の考察を避けて、なんとかを直しちゃうHIJというお薬で考えて、そのお薬の化学式なんかをブラックボックスで取られるから、長岡さんのような脳天気な論説が出てしまうのです。

イノベーションを考えるのに、青色ダイオードは、良きサンプルであると思いますが、経済学者がこれを語ったのは見たことがありません(あるかもしれませんが)。青色ダイオード技術を理解にするには、中村特許だけでなく、それ以前の技術を記した論文や特許公報を多く読む必要があります。これは生粋の文系にはおそらく無理でしょう。AとBとCを合わせたら青色に発光するダイオードができちゃったよーん、というわけにはいかないからです。

まあ、研究開発するわけではなく、エレクトロニクス産業を語る程度の勉強なら、それなりに時間を割けば、そんなたいへんなことではないんですけれどね。

昔は趣味で電子工作をしていた人も多くいて、エレクトロニクスは必ずしも生粋の理系のものではないんですけどね。

理系離れは、社会人においてより深刻だと思いますね。

ここは、アマサイが経営学を勉強して、産業構造を語るしかないのかな(^^;)。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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June 17, 2010

スパコン、目標世界2位

他に取り上げたいニュースがあったのですが、いや、今の時期スパコンは外せないでしょう(^^;)。

「世界トップ・クラス」の東工大のスパコン,今秋に稼働へ

東京工業大学は,2010年秋に稼働する予定で,同大学にとっての次世代スーパーコンピュータ・システムとなる「TSUBAME2.0」の技術的詳細を発表した。システムの演算容量は倍精度で2.39ペタ(P)FLOPS(関連記事)。2010年6月時点でのスーパーコンピュータのランキング「TOP500」では世界2位の水準で,「日本では初のペタ級,東工大としては初めて世界一の水準に並ぶシステムになる」(同大学 学術国際情報センター 教授の松岡聡氏)という。ただし,実際のシステム構築作業はこれから。これは,NECと米Hewlett-Packard Co.(HP社)が共同で担当する。
松岡聡さんのツイッターでは、 http://twitter.com/ProfMatsuoka 『ピーク性能では世界二位ですが、それでも良いそうなので。』 とおっしゃられています。

理研は1位じゃないとダメなんですけど、東工大は2位で大丈夫だそうなんです、蓮舫議員

システム性能を高める上で東工大が工夫した点は大きく二つある。一つは,メモリ帯域幅の強化である。具体的には,ネットワーク・バイセクション・バンド幅(システムを任意の部分で二つに分断した断面の最小通信容量)が約200Tビット/秒で,東工大が2006年に構築したTSUBAME1.0の約33倍。メモリ帯域幅の合計が720Tバイト/秒で,同42倍となったもう一つの工夫は,メモリとその構成にある。DDR3などDRAM系だけでなく,フラッシュ・メモリからなるSSD(solid state drive)を用いて,多段階ストレージを構成した点だ。基幹システムのDRAM系メモリの合計がマイクロプロセサ向けで80.6Tバイト,GPU向けで12.7Tバイトであるのに対し,SSDは173.9Tバイトと2倍近い。
要するにメモリを大きくしたんだ(^^;)。すんません。専門外なんで、パソコンの新製品みたいな感覚しかなくって。
今回のシステムには,演算の性能以外にもう一つ注目すべき性能がある。消費電力の低さだ。TSUBAME1.0の消費電力が冷却システムを含めて0.85MWだったのに対し,30倍の演算容量を持つTSUBAME2.0ではわずか1MWで,単位演算容量当たりで約1/25に大幅削減した。単位演算容量当たりの消費電力の大幅削減は,コスト削減の点でも大きい。全体の機器の調達費と4年間の基本的な運用費の合計は32億円。この額自体低い。

そうですね、そんなに高速なもの作るんですから、消費電力は抑えてくれないとね。エコですから。日エレサイトのカテゴリもグリーンデバイスです。


松岡研究室で資料がそのうち公開されるでしょう。
http://matsu-www.is.titech.ac.jp/

そうそう、初めから企業の力借りればよかったじゃん。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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June 16, 2010

こういうの特許ビジネスっていうのかな。

MotorolaとRIMの特許侵害係争が和解、ライセンス契約を締結

米MotorolaとカナダResearch In Motion(RIM)は米国時間2010年6月11日、両社間で争われていた特許侵害問題で和解したと発表した。すべての訴訟を取り下げ、クロスライセンス契約を結ぶ。 (中略) Motorolaは今年1月、RIMの製品が同社特許を侵害しているとして、米国際貿易委員会(ITC)に苦情を申請。RIMに対する調査と、輸入販売の差し止め命令などを要請していた(関連記事:Motorola、RIM製品の輸入・販売禁止命令をITCに要請)。米メディアの報道(Businessweek)によると、両社は2003年から2007年の間にライセンス契約を結んでいたが、契約更新の交渉がまとまらなかった。ITCのほか、テキサス州の裁判所でも複数の訴訟で争っていた。

♪最近ね、Motorolaはね、過去の契約ひっくりかえして、なんとか因縁つけて、金を取れないかってね♪
♪いろいろやっているみたいなのさ♪

多くは語れないのさ、秘密が一杯だからね。

いつもご協力ありがとうございますm(_ _)m。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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June 15, 2010

はやぶさ、イオンエンジン

今回のはやぶさは、イオンエンジンがウリのようですな

はやぶさ支えた技術、受注に弾み NEC開発のエンジン

 7年ぶりに地球に帰還した小惑星探査機「はやぶさ」。数々の深刻なトラブルを乗り越え、回収カプセルの帰還という成果を支えたのが、NECの人工衛星技術だ。同社は今回の成功を機に、宇宙事業の展開に弾みをつけたい考えだ。
 NECは宇宙航空研究開発機構から、はやぶさの開発や製造、運用を100億円弱で請け負った。今回最大の成功は「イオンエンジン」と呼ばれる、新しいエンジンの信頼性が証明されたことだ。
 イオンエンジンは、キセノンを電気の力でイオン化し、高速で噴射して推進力を生み出す仕組み。従来の化学エンジンより効率が良いことはわかっていたが、今回、宇宙で超長時間航行ができることが実証された。
 今回の航行では、別に積んでいた化学エンジンから燃料が漏れ、はやぶさと地球の通信が不能になるトラブルが発生した。その結果、帰還が遅れ、イオンエンジンは「寿命」より長い時間、使われることになった。

子供百科のようなものにもイオンエンジンというのが書かれていたと野尻先生などはおっしゃっているのですが、アマサイはてんで記憶にありません。
(ここでも本当に物理学者になる乙女とアマサイとの差が。。。)

JAXAはやぶさのイオンエンジン

NECチームはやぶさの挑戦

堀内:例えば2005年11月に2回目のイトカワへのタッチダウンを行った後、化学推進スラスターが燃料漏れで全部使えなくなりました。その状態で姿勢制御を行うということになって、イオンエンジンの燃料であるキセノンを中和器からガスを噴射して、姿勢を制御しました。そんなことは事前には全然考えていなかった使い方です。 そもそも、正常な運転状態では、中和器から噴くガスで推力が発生しちゃいけないんです。だから発生する推力もたったマイクロニュートン単位ですし、ロケットの性能指標である比推力もお話にならないぐらい小さいのです。ところが、それで姿勢をたて直してしまった。こんな使い方は、打ち上げ前はおろか、このトラブルに直面するまで考えもしませんでした。
宇宙開発はニューフロンティアですから、確実なものなど何もありません。しかし、開発者があり得ない、と断言する状態ですから、想像を絶する困難さですね。

特許検索すると東芝さんの方が多いのですが。堀内さんの発明を1つ書いておきます(アマサイはこの分野に不案内なので、優れた発明なのか否かまではわかりません)。

■特開平9-209914
【公開日】平成9年(1997)8月12日
【発明の名称】イオンエンジン
【出願日】平成8年(1996)1月30日
【出願人】日本電気株式会社
【発明者】堀内 康男
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【要約】【課題】 アクセルグリッドへのイオン衝突に基づくイオンインピンジメント電流を少なくしてホールアライメントに沿うイオンビームを得ることにより、性能が良く寿命の長いイオンエンジンを得る。
【解決手段】 アクセルグリッド9の開口部94の周囲に分割した加速電極91,92を備え、これらに別々の電源61,62にて電圧を加え、イオンビームを静電的に開口部94の中心に絞り込ませ、また、アクセルグリッド9を微小位置制御してイオンビームのホールアライメント調整をした。
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【特許請求の範囲】
【請求項1】 放電室内に生成されたプラズマ中のイオンを抽出するスクリーングリッドとこのスクリーングリッドとの間で電位差を有するアクセルグリッドとを有するイオンエンジンにおいて、前記アクセルグリッドの開口部周囲に加速電極を分割して備え、この分割した加速電極それぞれを別々のアクセル電源に接続したことを特徴とするイオンエンジン。
【請求項2】 前記スクリーングリッドに接続されたスクリーン電源と前記分割した加速電極それぞれに接続された別々のアクセル電源とを制御する電源制御回路と、前記別々のアクセル電源の各イオンインピンジメント電流を検出する電流検出回路とを備え、更に前記イオンインピンジメント電流の差にて前記電源制御回路を制御する機能を有するエンジン制御器を有することを特徴とする請求項1記載のイオンエンジン。
【請求項3】 前記アクセルグリッドには微小位置制御装置を備えたことを特徴とする請求項1に記載のイオンエンジン。
【請求項4】 前記アクセルグリッドに備えられた微小位置制御装置と、前記電源制御回路との少なくとも一方を、前記電流検出回路によって検出したイオニンピンジメント電流の差に基づき制御することを特徴とする請求項2記載のイオンエンジン。
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H09209914

コンシューマー製品だと、アップルとかアジア企業に負けちゃうけど、産業機械、宇宙衛星なんかは思いっきし、性能を追求できるじゃん。いえ、皮肉のつもりはありませんがっ。


これを機に宇宙開発に予算がつくといいんだが。今日も宜しくお願いします。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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June 14, 2010

おかえりなさい、はやぶささん。

科学ファンにとっては、これ以外のニュースはないでしょう。

しかし、映像があまりにも素晴らしいためにその目的を知らない方が多いようです。ニュースでは説明していたんですけどね。
ミッションは、小惑星からのサンプル採取。太陽系誕生の謎を探る「はやぶさ」@JAXA

「はやぶさ」(MUSES-C)は、小惑星探査を目的に開発された探査機です。「はやぶさ」が探査するのは、地球の軌道と似た軌道を持ち、日本のロケット開発の父である故糸川英夫博士にちなんで「ITOKAWA」(イトカワ)と名付けられた小惑星です。小惑星までイオンエンジンを使った飛行を行い、自律的に小惑星に近づき、その表面から、物質のサンプルを持ち帰ることを目的にしています。

これまで人類がサンプルを持ち帰った天体は月だけですが、月は変成してしまったため、太陽系初期のころの物質について知ることができません。小惑星は惑星が誕生するころの記録を比較的よくとどめている化石のような天体で、この小惑星からサンプルを持ち帰る技術(サンプル・リターン)が確立されれば、「惑星を作るもとになった材料がどんなものか」「惑星が誕生するころの太陽系星雲内の様子はどうか」についての手がかりが得られるのです。また地球上でサンプルの分析が行えるため、回収される量が少量であってもその科学的意義は極めて大きいといえます。


せめて目的ぐらいは知ってから喜んでください。

アマサイは、宇宙飛行士になりたいというより、このニュースを見てこういう探査機を開発したいと思うワカモノが増えることを願っています。

現実性が高いし、いろんな技術が必要ですから、多くの人を巻き込めます。

まあ、そのころには宇宙パイロットはだいぶ増えますから、どちらを目指してもよいかもしれません。

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June 11, 2010

Joe Cool

ジョー・クール、イーストマンコートに面した校舎にたたずむ。
東洋の数学者が是非会いたいというので待っている。
奇遇なことに同じ名前だ。

四色問題を解決したときのことを訊きたいのだろうか。
ポアンカレ予想では、ペレルマンにタッチの差で負けてしまった。
フェルマーの最終定理の解法、ワイルズの証明に手を加えたのはこのジョー・クールだ。

ああ、彼がやってきた。
なんだって、
僕のサインがほしいって?

ジョー・クール、その姿は、極東のエリートでさえ魅了する。

http://www.cotton-tree.com/garyu/archives/2007/08/snoopys_joe_coo.html

※よいこさんの投稿へのコメントとして書きました。
http://josephyoiko.blog49.fc2.com/blog-entry-2425.html

お家芸は使えない。

6月8日日経新聞

世界各国で太陽光・風力発電や次世代送電網(スマートグリッド)の本格導入が始まり、グリーンインダストリーの競争軸は「開発」から「量産」に移った。開発で世界に先行した日本企業は量産のステージでも勝てるのか。日本の競争力を検証する。

「日本のお家芸」とされる太陽電池の世界市場で異変が起きてい2012年の稼働を目指すタイの大型太陽光発電所プロジェクト。79億6000万バーツ(約220億円)を投じ7万3千キロワット世界最大級の出力規模を予定している。三菱商事などが出資する現地の太陽光発電会社が事業主体で、資金面はアジア開発銀行の主導。日本にゆかりの深い案件だけに薄膜型太陽電池の供給メーカーはシャープが有力視されていた。しかし実際にはシャープの「楽勝」ではなかった。中国のサンテックパワーが結晶型太陽電池で破格の条件を提示し、タイ側が一時、サンテックに傾いたのだ。シャープが条件面で応戦し、最後は受注を守ったが、中国勢の価格競争力は日本勢の驚異になってきた。

Taiyodenchi2009

瞬間速度が何年か世界最高だったからと言って、お家芸とかいうのいい加減やめんかい!ここでも、やっぱり価格競争で負けとるやないか。

やっぱり技術も価格も「最高」であったのだろう?これ以降の段落には、「性能より規模」と書かれている。安価で規模を拡大する、これこそが太陽発電での技術革新であり、イノベーションなんでしょう、ということは素人のアマサイも記事を読んでわかりました。

さらにそのあとに「DRAMや液晶テレビと同様コモディティ化が太陽電池に始まった」とか書いてあるが、産業人は、それも総合メーカーならいろいろな事業所を持っているはずなのに、なぜ他の技術のビジネス展開に学ばないのであろうか。

不思議である。

取り敢えず、「お家芸」と付く分野は、ダメダメで商売ができないと認識しなくてはいけないな。週末も宜しくお願いします。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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June 10, 2010

石油会社発-有機EL-

出光興産、有機EL事業を強化 米特許保有会社の株式33%取得 2010.6.8

 石油元売り大手の出光興産は7日、韓国のLGグループが保有する有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)関連特許の保有会社、米グローバル・オーレッド・テクノロジー(GTO)の発行済み株式の32.73%を取得することで合意した、と発表した。買収金額は明らかにしていないが、数十億円規模にのぼるとみられる。

 GTOはLGグループが昨年12月に米コダック社の有機EL関連特許2000件を買収し、設立した特許保有会社で、有機EL関連の重要技術を保有している。


これが前に出てたからなんだろうかなあ、と思っていたのさ。
米国「グローバル オーレッド テクノロジー社」に出資します

石油、石油関連製品だけでは、とっくの昔にやっていけないんだろうな。それはわかるけどね。本業さえきちっとしてれば大丈夫なんでしょう。

社史ってなかなかおもしろいものですね。

社史-出光興産-

1990年 イラク、クウェートへ侵攻
1991年 湾岸戦争勃発

1993年 出光スーパーゼアス、出光ゼアスを発売

2002年 電子材料室設置/エネルギーソリューション事業室設置
---------------

『不毛地帯』の石油業界編を思わせます。あそこにも出てきたのかな。

ここじゃないけど、2001年の知財戦略構想が出来たとき慌てて知財部作ったとこが結構ありましたが、その後どうなったんでしょうね。

てか、私も今の会社に知財力強化ってことで雇われたんだけどね。夏日は今週までだそうで。梅雨に入っても宜しくお願いします。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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June 08, 2010

超伝導体と磁性体

東北大ら、超伝導体へ磁気を注入し超伝導を制御することに成功

1999年、今回の研究グループにも属している前川氏と高橋氏は、電気抵抗がゼロの超伝導体を2つの強磁性体(磁石)で挟み、超伝導体と強磁性体の間に薄い絶縁膜を挿入した積層構造のトンネル接合デバイスでは、電圧を印加することにより超伝導体にスピンを注入できること、磁石の相対的な向きを変えることにより超伝導を制御できること、それにより大きな抵抗の変化(トンネル磁気抵抗効果)を引き起こすことを理論的に予言した。

しかし、その実験的検証が国内外で行われたものの、トンネル障壁として酸化アルミニウムを用いたため障壁内の原子の乱れや膜厚の不均一性が問題となり、明確な実験的検証が得られていなかった。

今回の研究では、これらの問題を解決するために、超伝導体としてアルミニウム(Al)、強磁性電極としてコバルト鉄(CoFe)、トンネル障壁として酸化マグネシウム(MgO)を用いて、高品質の2重トンネル接合デバイス(CoFe/MgO/Al/MgO/CoFe)を開発した。


Tohikudaisc

Tech-On!よりマイコミジャーナルの方がわかりやすかったです。
文章の段落入れ替えただけなんですけどね。

材料を変えただけで著しい効果が出るものですね。一定量実験をしなくてはいけないので簡単には変えられないのでしょうけど。

青色ダイオードも材料の選択が決め手でしたしね。

東北大学プレスリリース

特許も出願しています。

■特開2005-19561(P2005-19561A)
【発明の名称】スピン注入素子及びそれを用いた磁気装置
【出願日】平成15年6月24日(2003.6.24)
【出願人】独立行政法人科学技術振興機構
【発明者】前川 禎通、猪俣 浩一郎、高橋 三郎
【要約】課題:スピン注入効率を高めることでスピン注入磁化反転が可能である新規なスピン注入素子及びそれを用いた磁気装置を提供する。
 解決手段:非磁性導電体4を共通の電極とし他方の電極を強磁性体6とするトンネル接合を有する第1の接合2と、非磁性導電体4を共通の電極とし他方の電極を強磁性体7とする第2の接合3と、を備え、第1の接合2及び第2の接合3が、非磁性導電体4のスピン拡散長よりも短い間隔を置いて配置され、第1の接合2は強磁性体6から非磁性導電体4にスピンを注入するトンネル接合であり、第2の接合3の強磁性体7は注入されたスピン電流の吸収体である。低電流で大きな信号電圧が得られる。磁気装置として使用すれば、高感度磁界センサ、高感度磁気ヘッド、信号電圧の大きいMRAMなどを提供できる。
200519561

人こういう地道な研究で変革が起こるのですね。アマサイも地道にやっていきます。気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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June 07, 2010

生命科学データベース

情報資源から生物資源をつくり出す

生命科学研究においてデータベースの重要性は高まり、その活用が研究の成果を左右する時代になっている。生命情報基盤研究部門では、日々の研究活動で生み出される膨大なデータを、コンピュータで自動解析可能なデータベースとして公開するための情報基盤“サイネス”を開発し、世界から注目を集めている。 「データベースは単なるデータの入れ物ではありません。新しいタイプの生命進化を生み出す場です。データベースから有用な遺伝子を選択し、ゲノムを設計して生物に戻すことで、情報資源から有用な生物資源をつくり出すことができるようになってきました。では、どのようなデータベースがあれば合理的な設計“ラショナルデザイン”を実現できるか。

なんか壮大すぎて浅学のアマサイにはよくわかりませぬ。

また、データベース上で有用な遺伝子の選択もできる。そして、その遺伝子をさらに良いものへと合理的に設計し、DNA合成技術を使って実際に生物のゲノムに導入すれば、新たな有用生物資源をつくり出すことができる。「データベースは遺伝情報の複製と選択を行う場、つまり新しい生命進化の場なのです」それは夢ではなく、生命はすでにデータベースによって進化を始めている。「私たちは、データベースからγPGAという納豆のネバネバ成分をつくる酵素群を選び、合理的なゲノム設計を行って植物に導入することで、乾燥に強い植物をつくり出すことに成功しました」
おおっ!そういうふうに説明してもらうと少しわかります。

先日、素人が農業を始めて会社経営で運営しているというドキュメンタリをやっていましたが、そこでも「カン」をDB化にするというのが課題でしたね。

豊田部門長がまず手掛けたのが、ライフサイエンス分野を主体にしたデータベースの総合インキュベーション基盤システム“サイネス”(SciNeS:Scientists’ Networking System)である。「サイネスの最大の特徴は、次世代ウェブの国際標準規格“セマンティックウェブ”と“クラウドコンピューティング”を採用したことです」セマンティックウェブとは、現在広く使われているワールドワイドウェブ(WWW)の発展形だ。WWWは、ネットワーク上に置かれた文書などをハイパーリンクでつないでいるため、人が文書を読み、内容を解釈してリンクをたどりながら調べていくのには適している。しかし、ハイパーリンクは位置情報だけで、文書の間にどういう関連性があるかまでは表現していないので、コンピュータが自動でアクセスして解析することはできない。一方、セマンティックウェブでは、すべてのデータに意味を付け、リンクにその関連性を表現している。それならば多様なデータでもコンピュータが自動アクセスして解析が可能だ。
なるほど、クラウドはここでも役だっているのですね。

ちょっと話が違いますが、ノートPCのメモリが4ギガとかHDDが320ギガとか単位に間違えてとるんとちゃうの。そんなにメモリやら容量やら、何に使うんじゃいと言っているアマサイは時代遅れなのだなあ、やっぱり容量は大きい方がいいし、CPUは速いに越したことはないのだね。

いや、昔はフロッピーディスクに入る程度のプログラムで十分遊べたのにね、と思ってしまったのさ。

少なくとも容量大で解決する問題ってたくさんあるのね。今週も宜しくお願いします。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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June 04, 2010

KBフィルム

電子デバイスを虜にするタッチパネルの秘密

そのタッチパネルを構成する部品の中でも、格段に過酷な環境にさらされているのは、何といっても入力画面の表面部分だ。常に手や機器で触れられ、製品によっては強くこすられるストレスは、透明樹脂にとって相当なもの。そのタッチパネル表面に、スチールウールでこすっても傷が付かないくらい強固な皮膜を生成する企業がある。特殊フィルム製品やグラフィック技術を主力とするきもとである。
そうなのだよ、スマートフォン様もあいぱっど様もみなタッチパネル素材がなけりゃ実現しない。
タッチパネルには、表面に指や物体が触れた圧力で電極が接触する抵抗膜方式、触れた静電容量の変化を感知する静電容量方式、電磁誘導方式などさまざまな方式があるが、きもとは最も多く使われている抵抗膜方式の表面材で、世界トップシェアを誇っている。 「弊社は以前は、防水性があり伸び縮みの少ない地籍図や製図フィルム、印刷工程に使う製版用マスキングフィルムを開発し、その後は液晶のバックライトに使う光拡散用フィルムをはじめとする電子工業用材料などをつくってきました。それらに使うコーティング技術を高く評価してくれたお客様からあるとき、傷付きにくいタッチパネルの相談がありました。そこからPETの表面に硬い膜を生成する研究を始め、タッチパネル用表面材『KBフィルム』が生まれたのです」 取締役技術本部長の下里桂司氏は、タッチパネルの事業背景をこう説明する。

おいらの会社も製品に搭載している、らしい。これはすごい技術だよね。タッチパネルによってどれほどエレクトロニクスが進歩したか。ジョブズくんもきもとさんにお礼にいかないとね。

3Hの鉛筆の硬度に耐え、スチールウールでも擦り傷が付かないというタッチパネル向け表面材料、KBフィルム。そのつくり方は、厚さ188ミクロンのPET樹脂フィルムの上に紫外線硬化樹脂を特殊コーティング装置にて硬化させ、前出のCHC層を生成するというもの。その層の厚さは、わずか5ミクロン程度にすぎないという。その薄さで高硬度を確保するための組成は企業秘密だ。また、CHCほどの強さは必要ないが、グレア(外部光の反射)を低減するマットHCという層を生成させた製品もある。

アマサイが、化学ってエレクトロニクスに関係が深いんだとわかったのは、放送大学の材料工学の授業をとったときでした。それまでは化学は試験管振って液体をまぜまぜするものと思っていた。かなりな無知である。

だから電子材料研究もよいなと思っていた。青色ダイオードも化学そのもですからね。

Tech総研は技術誌なんだから、こういう特集を増やさないとね。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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June 03, 2010

模様替え2010

長いことたれぱんだテンプレートを使っていましたが、ココログさんでの使用期限がもうすぐ切れるそうです。詳しく言うと、すでに提供期間はすでに切れているのですが、システムの不具合で、ユーザには警告など発生せずなぜか使えてしまうので、今月末をもって自動的にたれぱんだは消え失せ、ココログ標準仕様に自動的になってしまうそうです。

ですから、手動でこのようにいたしました。ここはアマサイサイトではないのか、と思われると困るので、前テンプレートに似たピンキッシュにしました。

今後とも、アマサイブログをご贔屓に。

June 02, 2010

ゴジラは良い奴なんだが。

ある日、漫画家永井豪のとこに米国訴訟弁護士がやってくる。
「映画監督○○が、貴方のアニメやキャラクターモデルを使いながらSF映画の演出をしている。これは訴訟すれば絶対に勝てますよ」
永井氏曰く、
「○○は私が最も尊敬する監督だ。それはとても光栄ですね」
と言って取り合わなかった。

日本人の感覚としては、永井ちゃんエライ!となるんではないだろうか。

『ゴジラ』より怖い、その著作権

ゴジラのオーナーである東宝は、ハリウッドの映画会社や、自動車メーカー、おもちゃメーカー、ロックバンド、書籍出版社、全米規模の食品チェーン、レコードレーベル、ブロガー、ワイン醸造業者など、ゴジラの独特の姿形や呼び名やテーマ音楽を使って金儲けを図っていると見られるあらゆる相手に、火を吹くような勢いで攻撃をしかけてきた。つまり、幾多の訴訟を起こし、削除通告を連発してきたのだ。

米国における商標を保護し、著作権を認めさせる裁判にかける情熱において、東宝は、米ウォルト・ディズニー社や米20世紀フォックス社、米Lucasfilm社に勝るとも劣らない。


映画会社なら永井氏のような悠長なことは言っていらない。大切な資産が目減りしてしまう。

東宝は、「○○zilla」という接尾語の使用にも目を光らせている(ゴジラという言葉はもともと、日本語の「ゴリラ」と「クジラ」を合わせた言葉だ)。例えばユーモアサイトの『Davezilla』はその使用をあきらめた。ただし東宝側は、その使い方や営利目的かどうかなど、ケースバイケースで判断しているという。この理由から東宝は、[ブラウザー『Firefox』等を提供する米国の公益法人]Mozilla Foundationには文句をつけることなく、そのオープンソース・ソフトウェアに有名な恐竜のアイコンを使い続けるのを容認している。

東宝は、ゴジラの姿形についても著作権を主張しており、ティラノサウルス・レックスとの違いについても明確にしている(「ティラノの腕は小さく鳥のようで、45度の角度で立つが、ゴジラのほうは人間に近い形で垂直に立ち、腕の筋肉も発達しており、背中と尻尾にはゴツゴツしたヒレ状のものがあり、炎を吐く」など)


やりすぎじゃね?こんなこと著作権主張できるのか?ケースバイケース、と言っているから、悪質と思われるものに難癖つけてなんとしても金を取ろうという算段だ。

最近思うのだが、米国の知財判決って馬鹿じゃねえの。

米国は法文解釈より、判例みたいだから、裁判官は自分出した判決を前例にしてほしい、と苦慮してるんじゃないか。

国会以外で「法案」通すのが裁判所なのか?

まっ、本気にしないように。アマサイは法律には無知だかんねん。

無意味な攻撃は受けたくないので。今日もぷちっとな宜しくお願いいたします。【押す】
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June 01, 2010

グラフェン

日経新聞本紙の独自取材というのもあるんですなあ。ニュースリリース出てない感じ。

大型ディスプレー用次世代炭素材 日経新聞2010年5月 31日

産業技術総合研究所の長谷川雅考チームは、大型ディスプレーの透朋導電材料などに期待される膜状の炭素素材「グラフェン」の量産手法を開発した。原料物質をプラズマと呼ばれる状態にして金属箔(はく)に当てると、1分前後でA4サイズのグラフェンを作れる。連続生産も可能。国内企業などへの提供や応用に取り組みハ海外に比べ出遅れている国内研究の巻き返しにつなげる

グラフェンは炭素原子が多数平面的につながった新素材。厚みは原子個分だが丈夫で、電気妾よく通す。現在のディスプレーに使われている導電剤の酸化インジウムすず(ITO)は希少金属(レアメタル)のインジウムを使うため、長期的な安定調達が難しいなどの指摘がある。グラフェンは折り曲げられるディスプレーなどに必須の導電材として期待されており「効率的な生産法の開発が課題になっている。産総研のチームはプラズマ発生装置を使い、グラフェンの原料であるメタンや水素などの混合ガスを電離させ、プラズマ化した。このガスを摂氏400度の環境で金属箔に当てて、表面にグラフェンを作った。ガスを当てる位置をずらしていけば、連続して作れる。


Grafen

なかなかスゴイ技術だと思いまふ。だから、紙面も大きくとってあるんでしょう。産総研の未公開特許に長谷川さんのお名前がありますが、これがかもしれませんね。

グラフェンはちょー注目材料のようです。

グラフェンの物性的な特徴としては,キャリア移動度が20万cm2/Vsと金属やカーボン・ナノチューブを超える値を示すことが挙げられる。このほか,(1)ナノデバイス特有の1/f雑音を大幅に抑制できる,(2)負の屈折率を示す,(3)グラフェン上の電子はあたかも質量がゼロであるかのように振舞う,といった特性があることが報告されている。また,金属と半導体の中間的な特異な性質をいくつも備えている,という指摘もあり,その多様な特性に俄然興味が深まってきた,という状況だ。

炭素って働き者なんですね。

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