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July 30, 2010

ヒッグス!

「神の素粒子」に迫る、大型ハドロン衝突型加速器
2010年07月28日 17:12 発信地:パリ/フランス

【7月28日 AFP】欧州合同原子核研究機構(European Organisation for Nuclear Research、CERN)は26日、2月末に再稼働した世界最大の粒子加速器「大型ハドロン衝突型加速器(Large Hadron Collider、LHC)」がすでに予想を上回る実績を挙げ、このペースが続けば今後数か月以内にも宇宙の基本法則についての新発見が期待できると報告した。LHCは再稼働後の4か月間で、ライバルである米国のテバトロン加速器(Tevatron Collider)が10年かけて成し遂げた数の発見に追いつくほどの成果をものにしている。LHCのほうが強力な加速器であることから、さらなる成果が見込まれている。LHCではすでに3月、光速に近い速度で陽子同士を衝突させ、宇宙を生んだ「ビッグバン」直後に近い状況をつくることに成功している。
LHCは順調稼働しているようですね。 成果をバシバシだして物理帝国主義者としてはうれしい限りです。
また、理論的に存在が予言されながらまだ見つかっていない粒子で、「神の粒子」とも呼ばれるヒッグス粒子(Higgs Boson)の発見さえ、LHCならば可能かもしれないとの期待がかかる。ウォルムセ氏は「ヒッグス粒子は2014年か15年に見つかるかもしれない」と意気込む。「ヒッグス粒子の質量が大きければ、今年か来年に見つかる可能性もある」ヒッグス粒子が発見できたとしても、その詳細な研究にはさらに建設に20年、総工費100億ユーロ(1兆1400億円)を要する新たな設備が必要となるという。しかもその研究が進んだとしても、宇宙に存在するエネルギーや物質の中で、標準理論が説明するのはわずか5%にすぎない。残りはいまだ発見されていない暗黒物質や暗黒エネルギーでできていると考えられている。
これが物理帝國主義者の悩みである。 一体いくらかけたら宇宙のなぞは解けるのであろうか。 そこに人類は投資する価値はどれほどあるのか。 個人的には、限界を定めてそれ以上はコンピュータシュミレーション等で解析していけばよいと思う。

いや、スパコンは別に日本じゃなくても、実質的に1番のとこで解析すりゃいいじゃねえの。

ヒッグス粒子 KEKキッズサイエンティスト

ではヒッグス場は本当に存在するのだろうか?
電磁場が存在すれば光子があるように、ヒッグズ場が存在すればヒッグス粒子が最低1種類あるはずです。ヒッグス粒子の性質は理論でよく予言されているので、どのような方法で発見するかはわかっています。

これまでの実験でまだ発見されていないので、ヒッグス粒子は114 GeV より重いはずです。理論の予言もまた間接的実験結果も、ヒッグス粒子は 1000 GeV (1兆電子ボルト)より低い領域に存在すると強く示唆しています。とくに 200 GeV より低い事がかなりの程度の確率で示唆されています。このエネルギー領域には次世代の加速器LHC(スイスで建設中、2007年完成予定)やILC(計画中)で到達できるので、ここ10年以内にヒッグス粒子は発見される可能性が非常に高いのです。


KEKのこのHP、よく出来ているよね。人気ブログランキングぷちっとな。【押す】≪コメントはここ

July 28, 2010

特許年次報告2010

2010年7月26日 (月) 薬事日報
【特許庁】10年版特許年次報告‐特許件数は大幅に減少、製薬でグローバル出願

特許制度125周年を迎える今年の白書は、年間40万件を超える高い水準で推移してきた特許出願が、06年以降は減少が続き、ついに昨年は二桁減となったことで、「景気後退の影響が表れていると考えられるが、量から質へ特許出願戦略を転換する考え方が、出願人に浸透しつつあることも背景にあると考えられる」と指摘。「このまま出願件数が減少を続けていくのかどうか、10年以降の出願動向に注意を払う必要がある」としている。

特許庁長官が、大手企業やセミナーに出向いて、「審査が追いつきませんから、無駄な出願はしないでちょ」と話てるんだから、減って万々歳じゃねえの( ̄▽ ̄;)

ここにあるように景気の後退が出願減となったのであろうが。量から質へ、ってきっとまだないよ。重要度の低いのから削除していっただけさ。

なお、05年の日本国籍による出願について、技術分野別に全出願数に占める3極コア出願の比率を比べると、医薬品は20%程度で国内トップにあり、積極的にグローバルな出願が行われている分野として、生物材料分析、バイオ、有機化学・農薬、デジタル通信と共に挙げている。

医薬品は1つの製品で何十個も出願する必要ないから元々、量より質だったのさ。海外にもそりゃ、出すでしょう。日本で作った抗ガン剤が、アメリカでは効かないとはあまり考えられんからな。

しかし、医薬品は国の利益が大きく絡んでくるから、その土地の薬事法とかではどうなんですかね。


出願が下がり続けるというのは、業界にとっていいことではありません、もちろん。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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July 27, 2010

インナーレンズシフト方式

手ぶれ補正は何度か取り上げているのですが、特に歴史を振り返ったわけではありません。

http://page-only-one.cocolog-nifty.com/imotora7/2009/05/post-a22d.html
・手ぶれ補正

http://page-only-one.cocolog-nifty.com/imotora7/2009/07/post-1416.html
・かつての憧れ一眼レフ

Tech-onでおもしろい連載をやっていたので。

手ブレ補正技術の軌跡 第6回:ブレにブレる開発方針

林らは当初,インナー・レンズ・シフト方式を推す。手ブレをジャイロ・センサで検知し,鏡筒内部のレンズを動かして光軸を補正する手法だ。1988年に実用化した鏡筒補正方式に比べて寸法も小さく,駆動の機構も小さくて済む。消費電力も低く抑えられ,いわば光学式にとっての理想型だ。事業部門は,林らの意見に耳を傾けインナー・レンズ・シフト方式に興味を示す。しかしその中身を知ると,逃げ腰になる。ジャイロ・センサという新たな部品が必要らしい。(中略)そんな折り,支えとなったのが「光学式こそ手ブレ補正技術の主流になる」という林の信念だった。林の頭の中には,1つのイメージがあった。難易度は高いが,インナー・レンズ・シフト方式であれば小型で高性能の光学式手ブレ補正を確立できるはずだと。

以下のような駆動がインナーレンズシフト方式なんだそうです。
Innerlensshift

単純にフリーワード検索したら2件出てきて、ごく最近のものですね。それでも、初学者には参考になるので、載せておきます。

■特開2008-177972
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【発明の名称】撮像装置
【出願日】平成19年1月22日(2007.1.22)
【出願人】松下電器産業株式会社

【発明を実施するための最良の形態】
 図1は、デモモード時における、デジタルカメラ1の表示部100の表示画面を示す模式図である。手振れインジケータD1及び画像ぶれインジケータD2が、撮像画像D3の上にスーパーインポーズされた状態で、表示されている。手振れインジケータD1及び画像ぶれインジケータD2は、数ブロックの表示ブロックからなり、デジタルカメラ1のぶれ量や撮像画像のぶれ量に応じて、各ブロックの色が変わる。これにより、使用者は、デジタルカメラ1のぶれ量や撮像画像のぶれ量を把握できる。
 図2は、デジタルカメラ1の構成を示すブロック図である。デジタルカメラ1は、光学系10とCCDイメージセンサ20とADコンバータ30と画像処理部40とコントローラ50とバッファメモリ60とジャイロセンサー70とモータ80と操作部90と表示部100とを備える。
光学系10は、ズームレンズ11、補正レンズ12、フォーカスレンズ13を備える。補正レンズ12は、光学系10の光軸に垂直な面内で移動可能である。補正レンズ12が光学系10の光軸に垂直な面内で移動することにより、光学系10の光軸を曲げることができる。後述するジャイロセンサー70で検出したデジタルカメラ1のぶれを相殺する方向に補正レンズ12を移動することにより、デジタルカメラ1のぶれに起因する像ぶれを防止できる。
 ジャイロセンサー70、OIS処理部51、モータ80及び補正レンズ12によって、光学式像ぶれ補正機能を実現できる。ジャイロセンサー70は、デジタルカメラ1の動きの角速度を検出する。OIS処理部51は、ジャイロセンサー70で検出された角速度を積分して、デジタルカメラ1の角度を算出する。これが、デジタルカメラ1のぶれ量である。そして、OIS処理部51は、デジタルカメラ1の動きを相殺して、被写体像がCCDイメージセンサ20上で極力動かないように、補正レンズ12を駆動するよう、モータ80に指示する。モータ80は、この指示に従って、補正レンズ12を駆動する。補正レンズ12は、上述のように、光学系10の光軸の垂直面内で移動することにより、光学系10の光軸を曲げることができる。これにより、被写体像がCCDイメージセンサ20上で極力動かないようにすることができる。
2008182629

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うちでも似たようなの出しているんですが、何が特徴なのやら、よく特許になったものだ(私は要らないから放棄しようと言ったんですけどね、いろいろ大人の事情が)。

この連載まだ後半があるので楽しみです。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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July 26, 2010

液晶2つ合わせると♪

「単なる性能向上品ではない」,シャープが2画面表示向け液晶コントロールICの新製品

シャープは,携帯機器向けの液晶コントロールICの新製品として「LR388G9」を開発した。画素数が最大1024×480画素(ハーフXGA相当)の異なった動画像データを,二つの液晶パネルに同時に表示できる。HDMI経由で外部接続した液晶テレビやプロジェクターなどに,1920×1080画素のいわゆるフルHDの動画を出力させることも可能だ。 同社従来品は,2008年7月に発表した「LR388D8」。画素数が最大864×480画素(ワイドVGA相当)の異なった動画像データの2画面表示に対応していた。それを今回,内蔵するメモリ容量を16Mビットから32Mビットに増やしたほか画像処理速度を向上させることで,より高画質な画像の表示を実現したという。

 「単なる性能向上品ではない」――。開発者の一人である片山修一氏(同社 電子デバイス事業本部 システムデバイス第二事業部 企画部 参事)は,今回発表したLR388G9を従来品の延長線上にはない製品だと位置付ける。同じく開発を担当した堀川豊史氏(同社 電子デバイス事業本部 NB事業化推進センター システム開発部 副参事)も「これまでメイン画面とサブ画面という役割分担がなされてきた二つの液晶ディスプレイを,いずれも高画質化できたことで両方をメイン画面として捉えられるようになった」と続ける。これまでのスマートフォン向けだけでなく,新規市場での需要喚起を狙う。例えば,電子書籍端末やフォトフレーム,ネットブックなどを挙げた。


今更2画面だなんて。改良発明じゃねえの。しかし、単なる性能向上ではないとエライ方がおっしゃってますな。

両方をメイン画面。。。それは性能向上ではないのだろうか。

まあ、図をふんだんにプレゼンされたようですから、性能向上により、分野が拡がる、新たなビジネスモデルとおっしゃりたいのですかね。たぶん、そうですね。

いろんな技術が必要なので、1つの特許に集約されていないだろうと思いますし、まだ公開されていないのかもしれません。

探すのも大変です。たぶん輝度の問題はあるだろうな、ということでこの公開公報をご紹介しておきます。

■特開2010-85807
【公開日】平成22年4月15日
【発明の名称】表示装置
【出願日】平成20年10月1日
【出願人】シャープ株式会社

【発明が解決しようとする課題】
 複数の表示部に異なる画像を表示し、表示する画像に応じてダイナミックにバックライトの輝度を調整する表示装置においては、各表示部によっても時間によってもバックライトの設定輝度が異なる。それゆえ、特許文献1(特開2007-183397号公報)のように輝度検出センサによって各表示部の実際の輝度を検出しても、表示部毎に設定輝度が異なるため共通の目標輝度を設定できず、各表示部間の輝度差の調整が困難であるという問題がある。
 本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、表示部毎に設定輝度が変化しても、各表示部間の同一設定輝度に対する輝度差を低減することができる表示装置を実現することにある。

【要約】表示部毎に設定輝度が変化しても、各表示部間の同一設定輝度に対する輝度差を低減することができる表示装置を実現する。
 本発明の液晶表示装置1は、複数の表示画面61・62を備え、各表示画面61・62はバックライト71・72を備え、表示する画像に応じて各バックライトの輝度を変化させる液晶表示装置1であって、各バックライト71・72の設定輝度を決定する表示データ生成回路10と、検出輝度を検出する輝度検出センサ81・82と、各バックライトの所定の設定輝度に対する検出輝度を記憶しておき、所定の設定輝度に対する検出輝度同士を比較して、各バックライト間の同一設定輝度に対する検出輝度の差を小さくするような輝度補正値を算出する輝度比較部15と、輝度補正値に基づき各バックライト71・72の輝度を補正する輝度補正部とを備えるので、各表示画面間の同一設定輝度に対する輝度差を低減することができる。

2010858071

2010858072

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アマサイの会社も液晶関係の製品あるので、お仕事メモですね♪

ああ、暑い。ああ、うなぎ食べたい。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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訃報:森毅先生

今年調理中に大火傷をしてずっと療養中であったようです。

森先生の著作から、勉強する学問する喜びを学びました。

「ぼちぼちやったらええ」「後ろから2番目くらいが丁度いい」など、几帳面な私の緩和剤になりました。

『微積分の意味』『数学の歴史』等は実際の数学の知見を高めました。

明文化していなかったと思いますが、文系・理系の断絶、数学は理系のもの、文系はしなくていいという風潮に危惧を抱いておられたと思います。そのアプローチの仕方は好きでしたし、私の考えとも一致していました。

森作品は私の二十代を支えていました。

寂しいけれどもう森節は聞けないのです。

感謝と哀悼の意をお送りしたいです。

最初に読んだのはこれ。青土社の単行本のときでした。太郎・次郎社のもよく読みました。
Photo■『ものぐさのすすめ 』
森 毅 著
ちくま文庫
定価:591円(税込)
刊行日: 1994/05/24
判型:文庫判
ISBN:4-480-02861-7

追記:検索すると妙な記事がひっかかる。「森が怠けろというから、そうしたら希望大学にいけなかった。多くの受験生が迷惑した」という主旨らしい。まあ、おふざけだと思うが。それに、そいつは森先生の真意がわからず、読んでいたのだろう。森先生が「ものぐさ」とか「ふまじめ」とか、言われたのは、勉強しないということではない、一口に言って、リラックスするとか、細々したことにとらわれず、大局を見る訓練を、ということである。一時期、数学は暗記、という学習法が流行ったが、それに対して「何いうてんやろうなあ」という軽い批判をしていらした。中道というニュアンスがわからない近頃にワカモノ、いやもうオジサンか、には困ったものである。

私淑してる方がどんどん居なくなってしまうなあ。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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July 22, 2010

超短パルス半導体レーザ

東北大とソニーが超短パルス半導体レーザを開発,単一材料の光ディスクでテラバイト級の実現に近づく

東北大学とソニーは,Blu-ray Discで用いている波長405nmの青紫色超短パルス半導体レーザを開発した。これによって,単一材料の光ディスクへの多層記録,つまりテラバイト級の記録容量を備えた低コストな光ディスクの実現に大きく近づいたとする。「今回は原理検証ができたという段階。まだ実現時期を言える状態ではないが,実現に向けての大きなハードルをクリアできた」(ソニー)とする。

レーザに関しても何度か取り上げているので、どの技術をアップしたか、忘れてしまう。よくよく読んでみると、なんだ、まだ、実現していないわけ?と思ってしまう。

 今回の開発はこの光源を,大きさで1/50以下,レーザのピーク出力で100倍以上にした。多光子吸収の効果はピーク出力の2乗かそれ以上で効いてくるという。価格は,量産時に現在のBlu-ray Discに用いているレーザ素子と同じ数百円になるとすると,1万分の1以下という劇的なコストダウンになる。「学会発表では,(ディスクの記録技術はできても)では光源はどうするのかという質問がつきまとっていた。今回の開発で,実現性に対する従来の懐疑論を一掃できる」(ソニー)。 (中略)  具体的には,「モード同期型」と呼ばれるGaNから成る青紫色半導体レーザ素子,およびその出力をさらに増幅する半導体増幅器をそれぞれ新たに開発した。半導体レーザ素子の特徴は,導波路の一部に逆バイアスを印加し,材料による光の吸収を制御するようにしたり,一般の半導体レーザ素子にある反射層の一つを反射防止膜で無効にした上で反射鏡を外付けして,共振器長を大きくしたりした点などである。超短パルスが発生する原理は「光周波数コムと出発点が同じ」(東北大学の横山氏)という

企業はコストダウンをはかり、大学は、素子を開発した、という理解で宜しいのでしょうか。

まあ、そうでないと、大学と企業が組む意味ないもんね。

しかし、東北大学の工学部って優秀なのかしらね。ここからいろんな技術が出ていますね。

西澤潤一氏によれば、東北は昔から独創の精神が根付いているとか。
本多 光太郎のKS綱、八木アンテナの八木秀次。

・日本の十大発明家
http://www.jpo.go.jp/seido/rekishi/judai.htm

・東北大学概要
http://www.bureau.tohoku.ac.jp/koho/pub/gaiyou/gaiyou2004/33.html

まあ、東大も京大も東北大も名大も九大も北大もがんばってください。

ノーベル化学賞が取れる以前は、東大と京大、どっちが独創性に優れているか、なんて不毛な議論してましたね。ちんまい話じゃ。【押す】
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July 21, 2010

失敗も科学のうち

真っ当なことを真っ当に言ってくれる人がいてちょっとびっくり。

科学政策と参議院選挙 八代嘉美 2010年07月20日 @asahi.com

◇「一番じゃなきゃダメですか?」◇
彼女を一躍有名にし、本人の著書のタイトルにまでなった「一番じゃなきゃダメですか?」。この言葉の矛先が向けられたのは、科学研究予算に対してでした。個人的には、彼女がこの言葉に込めて問うた、「国の予算を使ってでも、一番を取らなければならない理由を明確にするべきだ」という点に関しては、国費を使う研究者が心に留めておくべき、重要な指摘だったと思っています。そんな仕分けでの出来事をよそに、先日の惑星探査機「はやぶさ」の一件もあり、科学研究についてはずいぶんと世論の追い風をうけているように思えます。当の蓮舫氏自身が「はやぶさ」を称え、科学予算の重要さをコメントしたことも報道されています。

◇失敗を検証することから進歩がはじまる◇  研究とは失敗するものであり、失敗を検証することから進歩がはじまります。マスメディアや科学コミュニケーションがしなければいけないことは、はやぶさの帰還を賞賛すると同時に、失敗がもつ意味をきちんと説明することです。あえて誤解を招きかねない言葉にすれば、「はやぶさ」は帰還すれども失敗だった、と語る方がよかったのではないかとすら思います。科学は失敗をするものであること、そして失敗することが、決してたんなる予算の損失ではないことを市民に告げる機会であったはず。マスメディアとも共同し、それを理解してもらう言語や方法を模索していかなければ、いつまでたっても「一番じゃなきゃダメですか?」に応える方法はみつからないのです。

表題通り、目先の利益でない科学、文化、芸術こそ、参議院で推進してほしい、という主旨の文章である。

そうなのだ。参議院の価値がまたもや語られないまま、行われ、終了してしまった。これでは、先の衆議院選が冬の陣、今回の参議院が夏の陣となって、二つ合わせて関ヶ原の戦いのような形態になっているではないか。

まっ、それはともかく。彼らが、6年間何を成していくのか、監視すればよいのである。庶民の監視こそが民主主義の要諦であると、アマサイは思うであります。

多くの人には、失敗も科学研究の過程で一部だということが理解されていない。日本製宇宙ロケットなどは、失敗例があまりにも報道されすぎて、メイドジャパンは無理、と烙印を押された感がある。

ん~、でも、ロケットは日本では無理かなあ。失敗は折り込み済みとしても、金がかかりすぎるよ。それに使うくらいなら他の科学や文化に投じた方がましかな。そんなこと言ったら「はやぶさ」だって、たまたま、成功しただけだけどね。

失敗の科学、なんてことは、実業界ではずっと以前から言われていることで、かなり浸透はしている。それにしても、小さい失敗から大きい失敗を防ごう、的なことではあるんだけどね。企業がプロジェクトに失敗したら、存亡の危機でありますからね。

しかし、国家事業は、失敗しても、あまりある利益が得られるという科学研究というものがあると思うんだ。やっぱりそれを実現するのは、比較的暇な?参議院かな。

科学者集団は、今度の政権は科学にお金を投じてくれるかしら、なんて乙女の祈り、みたいなことをやってんじゃないよ。ロビー活動でもしろってんだ!

科学者・研究者の無責任さにはほとほとあきれる。それを助長している科学コミュニケータと自称している奴らには目も当てられない。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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July 20, 2010

『科学史の時代』に(3)

何か回顧録のような匂いがするが(^_^;)。まあ、私のブログを読んで下さっている方には楽しんでいただけるでしょう。
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伊藤笏康先生のこと

伊藤先生と出会ったことは、私の人生の大きな財産となった。
今そう思っているし、今後何十年生きてもそう思うことだろう。

放送大学には、面接授業と言って、他の通信制の大学のスクーリングのようなものがある。もちろん、伊藤先生が担当になられたものをイの一番に取った。早く教室について前の席を陣取った。

私はそのころ、大学での哲学の勉強をし始めたばかりだったので、講談社新書の哲学事典を持ち歩いて、先生の授業にも机の上のおいていた。そして、先生が何か哲学用語を使われるとその事典をひいた。

休み時間に先生が「私の言ったことは合っていましたか?(事典通りでしたか)」と声をかけられた。私は先生を不機嫌にしたのかと思って、あわてて、そういうつもりではなく、自分の勉強のためにそうしています、と答えた。

「そうですね、それはとてもいい勉強法ですね」
と言ってくださった。

それから、先生が参加される授業や行事などには必ず参加し、お話しするようにした。
まだ私は科学哲学自体はあんまり知らなくて、科学理論の哲学的解釈のように思っていた。実験的方法を用いないで、科学を学ぶ方法みたいに思っていた(かなり勘違いなわけだが)。
だから、そのころ興味を持ったハイゼンベルグに関して何かやりたいと思っていた。

「卒論のテーマなんですけど、ハイゼンベルグの科学的業績と哲学的業績をまとめてみたいんですが」
「うーん、それは量子論の観測問題ですか?」

観測問題が哲学的テーマということは知っていたが、そんなものが学部生の論文になるのかどうかも判断つかなかった。

「ええ、まあ、そうな感じです」
「あんまりお勧めしないなあ。アマサイさんはハイゼンベルグがお好きなようだけれど、彼は哲学的な発言はそんな深いものじゃありませんよ。まあ、言ってみれば、となりの隠居オヤジの雑談のようなものです」
「そうですか。。。」
「何か、哲学者の作品を1つ自分なりに解析するというのを僕は勧めています。今勉強している中で気になる作品とかはないですか」
「えーと、トーマス・クーンの『科学革命の構造』を前からきちんと読みたいと考えているんですが」
「クーンですか。それはいいですね。それなら僕も自信を持って指導できますよ」

というわけで、私の卒論は『科学革命の構造』になった。

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July 16, 2010

iPhoneふぉ~

iPhoneで脳画像、出先の医師が手術判断

病院のコンピューターから送られた脳血管の立体画像(9日、東京・港区の慈恵医大病院で) iPhone(アイフォーン)やiPad(アイパッド)などの高機能携帯電話や情報端末を、医療現場で活用する動きが広がっている。

 慈恵医大病院(東京都港区)は今月、脳卒中患者の診断に役立てる取り組みを始めた。
 同病院脳神経外科の高尾洋之医師が、脳のCT(コンピューター断層撮影)画像を医師のiPhoneに転送し、3D(3次元)画像で自由に角度を変えて見られるアプリ(ソフト)を開発。脳血管のこぶ(動脈瘤(りゅう))の形状から手術が可能かどうかなど、自宅や出先にいる医師の意見も聞きながら迅速な判断ができる。

 他の病院でも使えるようなシステム開発のため、富士フイルムとの共同研究も今月開始。同科の村山雄一教授は、「医師不足のなか、効率的な医療が可能になり、患者にも医師にとってもメリットがある」と話す。

 往診に利用しているケースもある。桜新町アーバンクリニック(東京都世田谷区)では、遠矢純一郎院長ら6人の医師・看護師がiPhoneを携帯。患者の自宅からインターネットを通じてクリニックの診療記録に接続したり、写真を撮って送ったりできる。その場で紹介状を作成し、救急搬送先の病院に直接データを送ることも可能だ。患者への説明には、画面の大きなiPadも利用している。


そうだすなあ。手術室にノートパソコン持ち込むわけにもいかず、片手で画像が見られれば便利なことは確かです。

しかし、こんな記事もあるでよ~

「iPhone 4は推奨できない」、Consumer Reports誌が表明

消費者団体が発行するConsumer Reports誌は米国時間2010年7月12日、米Appleの新型スマートフォン「iPhone 4」の受信性能に問題があるため、同端末を推奨しないという方針を明らかにした。 同誌のエンジニアが同日までに行った製品テストの結果を踏まえた結論だとしている。それによると、電波の弱い場所でiPhone 4の左下側面の黒いスリット部分に手で触れたとき、接続が完全に切れるほどに信号が著しく低下することが分かった。

でも病院で使って、電磁波の問題はないんでしょうか。

あいふぉん、なんて、あいふぉん、なんて。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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July 15, 2010

飲まなきゃいいのに。

「酒豪伝説」訴訟合戦へ 西原の会社と県保健食組合 商標権めぐり 企業側 使用中止の仮処分社会 2010年7月14日 09時35分

 ウコンを主原料とした自社製の健康食品「琉球 酒豪伝説」と類似した商品を販売し、商標権を侵害しているとして、県保健食品開発協同組合(南城市)は13日までに、同業の「SUGURIおきなわ」(西原町)を相手に、商品の販売差し止めと約1415万円の損害賠償などを求める訴えを那覇地裁に起こした。提訴は6月11日付。

 訴状によると、両社の商品はいずれも「琉球 酒豪伝説」と表記。ウコンなど主原料も同一と指摘している。同組合は2003年から同商品を販売し、05年9月に登録商標を取得。SUGURI社は同組合員ではなくなった06年11月以降、同じ名称の商品を販売しているという。組合側は販売差し止めや損害賠償のほかに、同社のウェブページ上での謝罪を求めている。


健康食品なのに酒豪伝説って、いいんですかね(^^;)。アマサイは酒ほとんど飲まないのですが、ちょっとは飲みたいなあ、というときウコンのなんたら、を事前に飲んだことがります。アマサイのベスト記録、(最低度数の)カクテル1杯、チューハイ1/2以上飲もうとは思いませんでしたが。

ウコンを常用するなら飲み会くるな、と酒道の達人?はおっしゃっていましたが。

それにしても、争うほどの商標なんでしょうか。


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July 14, 2010

三次元画像処理onFPGA

いくつかの研究機構のHPを巡回して、見つけました。

国立情報研究所

伊澤逸平太君(東京理科大学 大学院生(NII共同研究員))、児玉和也准教授らが3次元画像コンファレンス 優秀論文賞を受賞しました。

平成22年7月8日から9日に東京大学で開催された3次元画像コンファレンス2010において、以下の論文に対し優秀論文賞が授与されました

「焦点ボケ画像群からの自由視点画像生成手法のFPGAへの実装の検討」
伊澤逸平太(東京理科大学), 児玉和也(国立情報学研究所), 浜本隆之(東京理科大学)
本論文は3次元画像コンファレンス2009(平成21年7月9日から10日、東京大学で開催)において発表されたものです。

元はこれらしい。発明者は、岡っ引きみたいな名前のいっぺいた君じゃなくて、児玉和也準教授です。

■特許第4437228号
【発明の名称】焦点ぼけ構造を用いたイメージング装置及びイメージング方法
【登録日】平成22年1月15日(2010.1.15)
【出願日】平成17年11月7日(2005.11.7)
【公開番号】特開2007-128009
【特許権者】大学共同利用機関法人情報・システム研究機構
【発明者】児玉 和也
【参考文献】
【文献】児玉和也,多数の焦点合わせ画像群の統合的変換処理に基づく画像生成の検討,映像メディア処理シンポジウム 第8回シンポジウム資料,日本,2003年11月14日,73-74頁
【文献】児玉和也ほか,複数の異なる焦点画像からの多様な映像生成,映像情報メディア学会誌,日本,社団法人映像情報メディア学会,2000年 3月20日,第54巻 第3号,426-430頁
【発明の詳細な説明】
図4に、3次元ぼけフィルタを介した実空間情報(+z側)(Scene)と撮影画像(-z側)(Image)群との関係を示す。図4(a)は撮影対象を含む実空間情報、撮影画像、3次元ぼけフィルタの関係を模式的に示し、図4(b)は3次元ぼけフィルタの概念を模式的に示す。実空間情報f(X,Y,Z)と撮影画像群gn(X,Y)を統合した統合的撮影画像g(X,Y,Z)とはフィルタh(X,Y,Z)により関係付けられる。すなわち、実空間情報f(X,Y,Z)にフィルタh(X,Y,Z)を作用することにより、統合的撮影画像g(X,Y,Z)を得る。撮像画像群g(X,Y,Zn)=gn(X,Y)は焦点合わせを変化させて、すなわち撮像面を変えて撮影した画像群であり、焦点が合う平面上の物体は明瞭な画像として、焦点が合わない平面上の物体は焦点ぼけした不明瞭な画像として撮影される。そして、撮像画像群gn(X,Y)を統合したものが統合的撮影画像g(X,Y,Z)といえる。フィルタは、各XY平面上(1=<n=<N)で焦点が合うように撮影した場合の、各XY撮像面(1=<n=<N)で得られる焦点ぼけの程度を表すフィルタである。模式的には、焦点が合う平面を頂点とする+-両側に広がる円錐で表される。すなわち、図4(b)に示すように焦点に近いほどXY平面と交わる円は小さく、ぼけの程度が低く、焦点から遠いほどXY平面と交わる円は大きく、ぼけの程度も大きくなる。

Photo

Photo_2

Photo_3


明細書本文にもありますが、スタンドフォードが開発したカメラが従来例のようです。
Light Field Photography with aHand-Held Plenoptic Camera Ren Ng
http://graphics.stanford.edu/papers/lfcamera/lfcamera-150dpi.pdf

浜本隆之氏は理科大の准教授でいっぺいた君はそこの院生です。

プログラムをFPGAに実装するのは、なかなか難しいのです。なんかめちゃくちゃ重そうなアルゴリズムですね。だから実際ソフトを動かしたんじゃないですかね、シンポジウムでは。

ところで、特許審査も発明者が大学や研究所の先生とかだと、甘いんですかね。中間処理見てたらそんな気がしたんで。そもそも難しくて発明がわかんないじゃないか、そんで下手に拒絶とか出すと、あの審査官は馬鹿だとか、学会で話題になるとか、
というのはアマサイの妄想なので本気にしないように。


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July 13, 2010

スタンダードでいこう。

わが社の知財戦略 ~東京エレクトロン株式会社 執行役員 法務部・知的財産部担当 堀 哲朗氏~

Q2. 貴社の知財戦略はどのようなものでしょうか。

正直なところ、世の中一般で言われている「知財戦略」という言葉には違和感があります。発明は製品開発に伴って出てくるものなので、製品開発がない中で発明だけが出てくるということはありえません。つまり、技術を主とすれば、知財は従の関係にありますので、知財だけの独立した戦略というのは存在しないと考えています。

私どもは、競争の激しいエレクトロニクス分野で事業展開していますので、技術開発は何よりも優先されなければなりません。つまり技術戦略は他の事項より優先されなければなりません。技術戦略の結果として生み出される技術開発の成果を、権利化して保護するのが知財戦略です。その意味では我が社の知財戦略は、技術開発をフォローするものです。

「知財で稼ぐ」といった記事が雑誌等に掲載されることがありますが、私自身はミスリードするような内容だと感じています。そのような記事を読んだ人は、特許を持っているだけで、お金が得られるように思うのではないでしょうか?しかし、実際にお金を得ようとすると、他社が侵害している証拠の収集や、粘り強い交渉が必要で、時には訴訟を起こすことも考えなくてはならず、多くの手間と費用が必要になります。

「知財で稼ぐ」ということは、自社の技術を他社に供与するということになるのでしょうが、業界の中で自社だけが使っている技術であれば、他社は使う必要がないわけで、知財で稼ぐこともできません。


ほぼ同意。知財戦略と聞いて、即胡散臭く思うのは、私が昔ながらの知財担当者で、勤め先がものづくりを主としているだからだろうな。

だがしかし、堀氏もこうは言っているけど、防衛特許とか、係争を意識した明細書作りは当然やっているだろう。そこだけは「技術を主とすれば、知財は従の関係」とはちと違う。まあ、そんなことはインタビューで答えることじゃないがね。

そうそう、知財で稼ぐ、なんてまさしくミスリード。知財に詳しい人なら、そういうこともあるだろう、という認識を保てるが、そうでない人は絶対勘違いして、それこそ道を誤るね。

いろんな人が知財業界に入ってきて、弁理士も技術系以外の人がなって、それは好ましい。だけど、「知財で稼ぐ」って主に非技術系、金融機関なんかから参入してくる人がいっておるのだよ。だから、私もつい、元銀行マンの弁理士なんか、という言い草になってしまう。

そういう意味では、知財業界は、過渡期というか、プチ混乱期なのかもしれない。しかし、これは、非常によいことだ。ときどき渦を巻かないと物事は向上しない。

そして、この連載の中でスタンダードな企業のスタンダードな意見を採り上げるのはよいのだ、よいのだ。

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July 12, 2010

レーザープリンタには必要です。

キヤノンに228万支払い命令=元社員の発明対価訴訟-東京地裁

 レーザープリンターの画質向上を可能にするキヤノンの特許について、技術を発明した元社員の箕浦一雄さんが1億円の対価支払いを求めた訴訟で、東京地裁(大鷹一郎裁判長)は8日、約228万円の支払いを命じる判決を言い渡した。箕浦さんは判決を不服として控訴する方針。
 キヤノンによると、箕浦さんは在職中の1978年、ビーム光の形を制御する技術を発明。同社は報奨金として約55万円を支払っていた。
 レーザープリンターをめぐっては、知財高裁が昨年、箕浦さんが発明した別の技術の対価として、キヤノンに約7000万円の支払いを命じた。双方が上告している。

この人、裁判にはまっているね。どうせ新興した法律事務所にそそのかされたのでしょう。会社もさあ、退職する技術者の話をよく聞いておいた方がいいよ。弁護士が接触してくる前に。先に辞めた人から名簿もらっているかもねん。相次いで裁判を起こされるのは会社にとってマイナスにしかならない。

前の裁判は年代的にこれじゃないかな、と思う。
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【公告番号】特公平6-52339(←特許番号とほぼ同一意味)
【発明の名称】ゴースト像を除去する走査光学系
【公告日】平成6年(1994)7月6日
【分割の表示】特願昭56-167385の分割
【出願日】昭和56年(1981)10月20日
【公開番号】特開平5-127119
【公開日】平成5年(1993)5月25日
【出願人】キヤノン株式会社
【発明者】箕浦 一雄

これに対しては、上記走査光学系のような偏向器3の反射面3a近傍に線像を形成しない光学系、例えば図5に示すように偏向器3の反射面3aに平行光束Lcが入射し、その偏向光束Ldが回転対称の光軸7で被走査媒体6上に結像するような走査光学系を用いて、更に偏向器3の回転軸8と垂直な平面に対して傾けて光束Lcを入射させれば、ゴーストの除去が可能となる。即ち光軸7と被走査媒体6との間で、かつ被走査媒体6の近傍にスリット9を配置することにより、走査線10と直交する方向に形成されるゴースト像Pgを遮光することができる。

発明が解決しようとする課題) 然し本発明が対象とする走査光学系は、図3に示すように偏向反射面3a近傍の線像と被走査媒体6の面上の点とが共役関係にあるので、図5に示すように入射光束Lを傾けても、ゴースト像は同一走査線上に形成されてしまう問題点がある。
 本発明の目的は、上述のような問題点を解消し、偏向器の回転に関係なく、ゴースト像を静止させると共に、ゴースト像を遮光手段により完全に除去するゴースト像を除去する。

H0652339


30年前だったら、有益な技術だったのかなあ、という気がしないでもない。
でもね、改良発明だよね。。。。以下自粛

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July 09, 2010

『科学史』の時代に(2)

シリーズA、2回目
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クーンから科学哲学

2006年07月25日1

 科学革命とかパラダイムという用語を知ったのはいつのことだろう。放送大学に入る前か後か、ちょっとよく覚えていない。

これも今はなき、『朝日科学』でトーマス・クーンが来日したときのミニ特集が組まれたものを読んだのがターニングポイントであったのは確かである。
そのときのクーンの理論を理解していたとは思えないが、 「パラダイムの変換」という言葉がとても美しいように思った。
「耕地面積」の広いクーンの顔が男前に見えたから不思議である。
(まあ、若い頃はもてたんじゃないかと思うが)

放送大学は通信制の大学で唯一理学系があり、物理学が勉強できるから入学したのであるが、卒業研究をみてくれる物理教員がその当時いなかった。相談にのってくれた講師の方は「いつとはいえないが、物理専任の先生はきていただく予定ではあります」とおっしゃっていたが、そんないつ出るかわからないオバケは待っていられない。文献読んでまとめるなら、大学に再入学した意味が半減する。どうしたものかとしばらく考えていた。

そのころ、科学史と関連して科学哲学という学問があることを知る。そして、なんと、そのときに放送大学に科学哲学を専門とする先生が赴任なされたのであった。
伊藤笏康(現聖徳大学教授)
http://www.seitoku.ac.jp/daigaku/briame/staff.html

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July 08, 2010

基礎と応用どっちもやろう。

榎木英介さんのツイッターで知りました。

基礎より応用、稼ぐ韓国 日本の大学研究成果を採用

日本の大学が生み出した最先端の基礎研究の成果を、日本の電機大手ではなく、韓国の企業が採り入れて応用する例が相次いでいる。基礎より応用に強く、そうして生み出した液晶テレビや携帯電話などが世界で高いシェアを占める韓国勢。だが「基礎より応用」は強みである一方で弱みにもなり、韓国にも不安感があるようだ。

 液晶化学が専門の九州大の菊池裕嗣教授の研究室。パソコンとつながった特殊な顕微鏡で、プレパラート上の液晶物質の温度を38度前後まで下げていくと、画面に映った液晶物質が青みを帯びた。さらに温度が下がると、アメーバが増殖するように、いたるところで白や灰色が広がり、やがて青をすべて浸食した。
(中略)
 学会発表の後、菊池教授に接触したのは、液晶パネルの国内大手メーカー。研究者同士の話にとどまり、実用化の話まで進まなかった。

 ところが08年5月、研究者やディスプレー業界に衝撃が走る。液晶パネル世界シェア首位の韓国サムスン電子が、ブルー相の特性を使ったパネルの試作機を発表。「10~20年に一度の画期的な発明」と評価を受けた。菊池教授は「寝耳に水だった」というが、「自分の研究も参考にして、サムスンが水面下で研究を続けて開発までこぎつけたのだろう」とみる。


嘗て、日本は米国での基礎研究をかっさらって、応用製品を作り、金儲けしていると批判されました。日本は応用するにも技術開発が必要なのだ、と抗弁していました。全く同じ構造で、韓国を非難する故はないと思います。

後段にこうあります。
だが韓国に落とし穴がないわけではない。世界シェア上位を占める半導体や液晶パネル、携帯電話、造船について、深川教授は「韓国自身が生み出したオリジナル製品はみられない」と厳しい。

これもまた、昔の日本に向けられた批判です。つまり、(言葉は悪いですが)基礎研泥棒は長くは続かないということではないでしょうか。

日本も韓国も米国にくらべれば、小国であることに注目です。これも、昔の日本では、「米国のようにパワーの必要な基礎研究は日本には荷が重い。やはり体力を作るまでは応用に力を入れて、人力、インフラを蓄えていきたい」と言われてきました。(大国でない)普通の国家が技術立国に成長するまでの典型的過程なのでしょうね。

Tech総研には、日本人技術者が中国からラブコールされているとの記事もあります。
やっぱり技術!中国企業が求める日本人エンジニアの姿
慎重なアマサイもこれに関しては、万事塞翁が馬です。

物性系は今も日本はいい感じで進んでいると思いますけどね。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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July 07, 2010

リアル地球儀

知的財産関係月刊誌『発明』の今月の特集記事の1つが、地球儀なんかを作っている渡辺教具製作所である。


ほしかったんだよね、地球儀。今でも1万円はするんだね。アマサイが欲しかったのはその当時で5千円くらいだったかな。もちろん、アマサイ家の予算申請で受理されるわけもなく却下です。

そんで、5年生になったときに学習教材でね、地球儀が配布されたのです。なんつーですか、楕円の短冊でできた地図をハサミで切って、プラスチックの球形に貼るのです。

「アマサイ、よかったな。地球儀を欲しがってたじゃないか」という父。

違うんだよん。地表のでこぼこがあるリアルな地球儀がっ!

工作好きのアマサイでしたが、これを球に貼るのは単純作業、全然面白くなかったです。いやいややっていたら、表面はでこぼこ、益々、愛着がわかなくなりました。

が、しかし、渡辺教具では今でも、球体に紙を貼るという作業をしているそうなのです。球体はもっと頑丈なもので、紙も特殊な布で教材用のぺらぺらしたものではありません。職人が、縦横に延ばしながら、ぴったりと球面を埋めるのであります。さすがに実際に職人がやるのは、特注品であり、全体の一割ですが、機械製作でも「貼る」という作業は同じなのだそうです。

ふ~む、ものづくり日本、素晴らしい!

シーラカンスの棲息がわかる大陸移動対応の球儀、星座天球儀など、特注、新製品が毎年あるんだそうです。

次の予定は金星儀。あかつきの情報が待ち遠しいです。

Tikyugi

こげなの1つほしいね。
http://blue-terra.jp/products/2302.html

『発明』も夏休み特集らしい。他の記事はメガスター、バンダイのガンプラ。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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July 06, 2010

トポロジカル絶縁体・超伝導体

久々にアマサイ好みの物性関係ニュースです。理研ニュース7月号より

トポロジカル絶縁体・超伝導体と質量ゼロの粒子の不思議な世界
理化学研究所 基幹研究所 古崎物性理論研究室 主任研究員 古崎昭

「これまでトポロジーは物理学にあまり用いられてきませんでした。しかしここ数年の研究で、ある種の物質では、電子状態がすでに知られている絶縁体や超伝導体とは異なり、トポロジカル数を持つ“トポロジカル絶縁体”や“トポロジカル超伝導体”となることが分かったのです。量子力学では、物質中の電子状態(電子の波動関数)の集合は数学的には空間と見なせます。その空間の“形”の特徴を表す数が、トポロジカル数です。物質のまったく新しい状態が明らかになり始め、私たち物性物理の研究者が今、とても興奮していることを皆さんにも感じ取っていただきたいと思います」

ほう、トポロジーというのは知っていましたが(啓蒙書レベル程度で)、物性に使えるとは知りませんでした。最近の研究のようですし。ここがインターネットの良いとこですね。研究所広報誌を講読しなくても、最新技術を知ることができるのですから。

 「トポロジカル絶縁体と、その外側に広がる真空(絶縁体)のトポロジカル数は異なります。トポロジカル数が変わる境界、つまり物質の端や表面で質量ゼロの粒子が現れるのです。例えば量子スピンホール効果を示す2次元物質の端では、アップスピンとダウンスピンの電子が互いに逆方向に動いています。本来、電子は陽子の1836分の1の質量があるのですが、端で運動するアップスピンとダウンスピンの電子は、質量ゼロの粒子として振る舞います。端にいる電子は、真空中の電子の運動方程式(ディラック方程式)において電子質量をゼロとしたものと同じ方程式に従って運動するので、質量ゼロの粒子と見なせるのです」

ふむふむ、おぼろげながら物性で習った知識が出てきました。

 「ここまで紹介したトポロジカル絶縁体・超伝導体の研究は、主に米国の研究者によって進められてきました。では、どのような種類のトポロジカル絶縁体・超伝導体が理論的に存在し得るのか。私たちは米国の研究者と共同で、その分類に取り組みました」  どのような視点で分類を行うのか。「トポロジカル絶縁体・超伝導体の表面では電子などの粒子が自由に動き回っています。普通の物質に不純物や結晶の欠陥などの乱れがあると、電子の波同士の干渉によって電子が局在して動けなくなり、電流が流れない“アンダーソン局在”という状態になります。ところが、トポロジカル絶縁体・超伝導体に不純物を入れて乱れを大きくしても、その表面では電子が自由に流れるのです。では、どのような条件で電子は局在できずに自由に流れるのか。私たちはアンダーソン局在の理論を応用して分析し、その条件をピックアップして分類表をつくり上げたのです」

以降、70年前に予言されたマヨラナ粒子なるものの振る舞いが観測できるそうです。「トポロジカル超伝導体の表面(端)にできるマヨラナ粒子は、外部からの影響を受けにくく、コヒーレンス状態を長く保つことができると理論的に予想されています。そのため、マヨラナ粒子を量子コンピュータに応用することが考えられ始めたのです」というわけでここでも量子コンピュータのネタがまた一つできたようです。

Andersonfig

●アンダーソン局在の研究例
古崎物性理論研究室では、アンダーソン局在の理論研究も精力的に進めてきた。この数値シミュレーションは、アンダーソン局在による絶縁体が、金属に変わる相転移での電子の局在(波動関数の振幅)を示している。山の高いところに電子が局在している。その振幅の等高線はフラクタルという性質を持つことを古崎主任研究員たちは突き止めた。

量子コンピュータ、ネタは出てくるのに実現化はまだかいなあ。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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July 02, 2010

NEC中央研究所

「何でもできると思う驕りがあった」,NECが中央研究所の方針を発表

NECは,7月1日に同社の中央研究所(全社レベルの研究開発)の方針などについて,報道機関に説明した。同社の國尾武光氏(執行役員常務)は「これまで,当社を含めて電子/電気メーカーの研究開発者は,自分たちで何でもできると思っていた。これは驕り(おごり)だった」として,新たな研究開発マネジメントの二つの柱を紹介した。

 一つは「コンカレントR&D」と呼ぶもので,成果の市場性を考えて研究開発を進めることを言う。あるいは「顧客視点を入れた研究開発を行ったり,顧客と共に新たな価値を創造する」ことを意味する。ひらたく言えば,「独り善がりで研究開発せずに,顧客に売れて利益を生む成果を出せ」だろう。

 もう一つの柱は「オープン・イノベーションの活用促進」である。研究開発で外部機関と積極的に組んで,研究開発のROI(return on investment)を向上させることを意味する。ひらたく言えば,「差異化につながらない部分では,外部の力をなるべく使え」だろう。
--------------
http://www.nec.co.jp/press/ja/1006/3002.html
米国国立標準技術研究所(NIST)のベンチマークテストにおいて、NECの顔認証技術が第1位の評価を獲得 2010年6月30日 日本電気株式会社

クラウド環境においてIT資源とネットワーク資源を統合制御できる技術を開発
2010年7月1日 日本電気株式会社
http://www.nec.co.jp/press/ja/1007/0101.html

こういうことをわざわざ報道発表するってどういうことなのかしらね。株主に対してなの?基礎研究所じゃないんだから、顧客ニーズに適う研究をするって当たり前と思うのだけれど。どのくらいの期間「驕って」いらしたのかしら。

今どき、一企業研究所が何でもできるって(思っていた)どれだけ脳天気なのだろう。

リーマンショックでさすがに、上から中央研は何をやっている、無駄なことしてんじゃないかってお叱りを受けたのであろうか。それは遅いやろ。どんだけ鈍いんじゃ。

アマサイにとっては、日電さんは好ましい企業の1つので、そんなに批判する気はありません(目黒区の秘密結社のお友達に怒られてしまうし、コソッ)。

ご自慢の顔認証もアマサイはNECさんのを取り上げておりますぞ。
・アマチュアサイエンティスト・三次元顔認証
http://page-only-one.cocolog-nifty.com/imotora7/2009/04/post-f9db.html

残念ながらクラウドコンピューティングはNTTさんであった。
・アマチュアサイエンティスト・NTTクラウド戦略「Setten」
http://page-only-one.cocolog-nifty.com/imotora7/2009/05/nttsetten-a343.html

歴史在る研究所ですから、がんばってほしいですよ。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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July 01, 2010

弁理士の日によせて

ツイッター仲間のドクガクさんという方が7月1日弁理士の日を盛り上げよう宣言をなさっているので、それに賛同し一文を書くことにしました。
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弁理士ではありませんが、知的財産・特許業界に16+1年おります。

弁理士という職業を知ったのは学校を出て、アルバイト生活をしているときです。体力的にフルタイムの仕事は無理と思っていたので、技術翻訳の勉強をほそぼそとしながら日々を送っていました。

何か有益な資格を取って、定職につかないとなあ、と漠然と思っていました。理系の資格は無線技士、電気工事士、情報処理、いろいろありますが、それのみで収入を得られるものではありません。会社勤めをしてその中のキャリアアップに役立つものです。その中で弁理士、という資格は私の中で燦然と輝いていました。法律知識のある国家資格、これを取れば、国をバックにしたものと同じ、ではないですけれど、弁護士や会計士のような権威があるように思いました。

それよりもどうやら、特許明細書という技術文書を書くのが主な仕事のようです。翻訳の勉強をしていたのは、理系の文章を書く仕事、例えば科学雑誌の編集者のようなものへの憧れがあったからです。

「これは私にとっては適職なのではないか」と思うようになりました。そして、その弁理士の見習いのようなものとして、特許技術者という職種がある。おお!これなら私にも出来るのではないか。

そのころ、放送大学の学生でもあったので、技術系学生の派遣会社に登録していました。タイムリーなことに特許事務所の仕事があるので、やってみませんかという話が担当者から来ました。

先方の所長さんにも気に入られたようで、千代田区の事務所に決まりました。1つ残念だったのは、最先端の技術を扱う仕事と聞いていたわりには、古い雑居ビルでインフラもイマイチなとこだったことです(^^;)。いや、私も二十代でしたら、見かけが一番( ̄▽ ̄;)、かっこいいガラス張りのインテリジェントビルにスーツをばしっと着た大人が流れ込んでいく、社内はすべてコンピュータ管理、を想像していたので。

所長は親切な方で、「この仕事はやりがいがあるし、社会的にも評価されるものです。女性にも向いていると思う」ということを最初の日に話してくださいました。多くの職種を知っているわけではありませんが、その第一線の人が、この仕事は素晴らしいという人にはじめて出会いました。やはり私が思ったとおりの仕事なのだと確信しました。

実際の業務は事務を兼任しながら、明細書の書き方を習うということです。技術書を読みながら文章を書くというのは、まるで研究者にでもなった気がいたしました(それは研究とは違うものですが)。

そして、弁理士さんの履歴には学歴や職歴の他に専門分野として通信工学、コンピュータ等の言葉が並んでいたことも好感を持ちました。実は研究者にも憧れていて出来れば大学院に行って、ということも進路として持っていました。フルタイムの仕事もできないようでは、進学してもやっていけるはずもありません。自分には縁がないものと諦めていました。しかし、ここでは、事務所で受けた分野には習熟していくので、その技術を専門分野と履歴に記してもいいようです。

仕事の内容といい、タイトルといい、研究者と並ぶプロフェッショナルな職種とわかり、大いに特許という仕事に意欲を持ちました。

その派遣の仕事は1年の契約でしたので、その後は特許に関係ない仕事を何年かやりました。放送大学も卒業しなくてはいけないので、仕事の勉強にプライベート時間も割くのはあまり好ましくはなかった、という私の都合もありました。

その後、卒業して、特許事務所勤務7年、現在の企業知財部に来て丸9年です。

フルタイムの仕事が無理と思っていたのにも関わらず、一応ブランクもなく勤め人生活をしています。やはり、天職(に近い)特許という仕事に巡り会ったから成し得たことでしょう。弁理士ほどの権威はありませんが、この業界を知る友人には、「事務所も企業も体験できて素晴らしいですね」と言われたりもします。自分でもよくここまで来たなあ、とう感はあります。

弁理士という職種がなければ、この業界にこれほど惹きつけられていなかったかもしれません(米国のような特許弁護士がトップだとまた違うと思います)

奇しくも、知的財産が世界的に注目される前夜から今日まで興隆に身を置いていたことになります。

知財という世界のほんの小さい領域で働いているだけですが、それは主流のど真ん中であるという自負があります。

7月1日というと梅雨が明け夏に入る時期でもあります。知的財産という業界が、弁理士が担う職務が真夏のごとく盛んで意気揚々としたものであり続けることを願い、その中で仕事ができる自分を誉れとして今後も地道に確実にやっていく決意です。

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