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April 21, 2014

太陽電池の分子構造

太陽電池のエネルギー変換効率のカギは分子混合
~有機太陽電池材料のナノ構造を解明~ 平成26年4月17日 @KEK

【研究成果のポイント】 1. バルクヘテロジャンクション型有機太陽電池に用いる材料の状態を、軟X線顕微鏡で調べ、ナノ分子領域内で分子が混合していることを発見しました。 2. 分子混合が、有機太陽電池のエネルギー変換効率向上のカギであることを、初めて実験により示しました。 3. この発見により、より高いエネルギー変換効率の有機太陽電池の実現が期待されます。

【研究の背景】

有機太陽電池は、従来、有機電子供与体(有機p型半導体)と有機電子受容体(有機n型半導体)を層状に接合した構造(p-nヘテロ接合)が用いられていましたが、近年、これら2つの材料を混合して作製するバルクヘテロジャンクション型のものが開発され、エネルギー変換効率の高さから、次世代太陽電池として期待されています。このタイプの太陽電池が高いエネルギー変換効率を示す理由としては、電子供与体である高分子材料と電子受容体であるフラーレンとのナノドメインが接合することにより、大きな接合面を持つためと考えられていました。しかしながら、実際に各分子領域内の構造を調べた報告例は極めて少なく、特に、熱処理条件を変えてエネルギー変換効率を最適化した混合膜において、接合状態などの詳細は明らかにされていませんでした。

そこで本研究グループは、高エネルギー加速器研究機構フォトンファクトリーの軟X線顕微鏡という新しい手法を用いて、変換効率を最適化した試料のドメイン構造を調べました。その結果、それぞれのドメインで分子が混ざっていることが明らかとなりました(図1)。つまり、むしろ界面は「汚い」ほうが電池としての性能が優れる、ということが初めて分かりました。

Kek


Photo


注1) 軟X線顕微鏡
透過力が弱く薄い物質にも吸収されやすい軟X線(波長:0.1~数十 nm)を光源とする顕微鏡。元素に固有の吸収端を用いることにより、元素や化学状態を識別したコントラストが得られる。

軟X線をフレネルゾーンプレート(FZP)とオーダーソーティングアパーチャ(OSA)を用いて試料(Sample)上に集光する。試料を透過したX線強度を検出器(Detector)でモニターしながら、試料ステージをXY方向にスキャンすることにより、試料の透過像を得る。入射する軟X線のエネルギーを変えることで、元素や化学状態が識別できる。高エネルギー加速器研究機構フォトンファクトリーでは、S型利用実験課題(2013S2-003:代表 高橋 嘉夫)として軟X線顕微鏡を用いたサイエンスの開拓を行っている。本成果は、上記S型課題の成果の一部である。

軟X線顕微鏡というのが興味深いですね。
他の材料でもミクロの状態がわかるのでしょうか。

太陽電池には期待しています。

KEKもいろんなことをしているのですね。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】≪応接室、ちょっと不具合が出ています。少々お待ちください≫

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