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October 11, 2014

ノーベル化学賞 2014

ノーベル賞は物理学賞だけでなく化学賞もあったんですね(棒ー

2014年ノーベル化学賞:細胞内の生命現象を見る超高解像度の蛍光顕微鏡の開発で3氏に

細胞内にある小器官の詳しい構造やタンパク質の移動を見ることは,生物研究者の長年の願いだった。今年のノーベル化学賞は,それを可能にする超高解像度の顕微鏡を開発した米ハワード・ヒューズ医学研究所のベッツィヒ(Eric Betzig)博士,独マックスプランク研究所のヘル(Stefan W. Hell)博士,米スタンフォード大学のモーナー(William E. Moerner)博士に授与されることが決まった。

物理法則により,極めて近接した2点から発した光は重なり合って識別できない。識別可能な最小距離(回折限界と呼ぶ)は可視光の場合約200nmで,これ以上細かい部分はひとかたまりになってしまう。細胞内の小器官やタンパク質複合体は数10nm?数100nmで,従来の光学顕微鏡は,これらを詳しく見るには不十分だった。3氏はこの200nmのカベを越える顕微鏡につながる成果を上げた。

目的のタンパク質に蛍光物質を結合させ,これが出す光を観察するものを蛍光顕微鏡という。ヘル博士は観測するスポットを取り囲む領域に別の光(STED光と呼ぶ)を当てることで蛍光を止め,観測スポットから出てくる蛍光だけを捉える新たな蛍光顕微鏡を発明した。

色素分子に光(励起光)を当てると,いったんエネルギー状態の高い励起状態になり,自然に低い基底状態へと落ちて蛍光を発する。だが励起状態でSTED光を当てると「誘導放出」と呼ばれる現象が起き,色素は蛍光を出さず,強制的に基底状態に落ちていく(このとき光が出るが,蛍光とはタイプの違う光で容易に区別できる)。観測スポットのサイズは,STED光を強くしていけば,原理的にはどこまでも小さくできる。実際には強度の制約から数10nm程度だ。

2つの光を試料の上で走らせ,各点での蛍光を検出して画像化する(下の図)。ヘル博士はこのSTED顕微鏡を実際に作り,2000年,従来を超える高解像度で大腸菌を撮影して注目を集めた。

Chemistryprize2014_1

STED顕微鏡は,色素分子集団の蛍光から見たい部分だけを切り出す手法だ。これに対して,色素分子1個からの蛍光をとらえることで高解像度を実現したのがベッツィヒ博士で,その基本技術を実証したのがモーナー博士だ。

モーナー博士は1989年,1分子の光吸収を測定し,単一分子分光の先鞭をつけた。8年後の1997年,今度は紫外光によって蛍光をオンオフできる色素分子を発見。この色素分子をゲルに分散し,個々の分子の蛍光を紫外線によってスイッチして通常の光学顕微鏡で観察した。

ベッツィヒ博士は2005年,オンオフ可能な色素分子の存在を知り,これを使えば,かつて考えた新しい蛍光顕微鏡を実現できると考えた。

まず観察する対象の全体に弱い紫外光を当てる。弱いので全体がオンにはならず,一部の色素分子だけが確率的にパラパラとオンになる。これに励起光を当てて蛍光を測定し,個々の色素分子の位置を確定する。オンになった色素同士は十分離れているので隣と重ならず,精密に位置を確定できる。

いったん蛍光を消し,再び全体に弱い紫外光を当てる。すると,先ほどとは違う色素分子がオンになる。これをくり返して大量の画像を撮り,すべて重ね合わせると,色素分子の点で描いた画像が得られる(下の図)。ベッツィヒ博士は2006年,こうして撮影した画像を発表した。この方法は「光活性化局在性顕微鏡法」(PALM)と呼ばれている。

Chemistryprize2014_2

顕微鏡なら物理学賞という気がしますが、化学分野に貢献したからですね。
そういえば応用化学に蛍光顕微鏡の勉強会がありますな。

どの賞でもそうですが、この人が取れてなぜあの人が取れないのかということがあります。今回も涙を飲んだ人がいたようです。

ノーベル賞:化学賞に米独3氏 柳田敏雄・大阪大大学院特任教授の話 毎日新聞 2014年10月09日 大阪朝刊 ◇進化途上の技術  受賞者は、特殊な光で1分子を見る私が開発した技術を改良し、より高度な顕微鏡に結びつけた。進化の途上にある技術で、まだ早い気もするし、自分が選ばれなかったことも悔しいが、基礎科学の分野が評価され、喜ばしい。

柳田先生、よく知りません。

独立行政法人理化学研究所 2013年10月25日 柳田 敏雄 センター長(生命システム研究センター)が文化功労者に選出 生命システム研究センターの柳田 敏雄センター長(大阪大学 特任教授)が平成25年度文化功労者に選ばれました。

柳田敏雄センター長は、タンパク質を1分子レベルで観察可能な高性能顕微鏡を開発し、筋肉の駆動力を生み出す分子モーターの動作原理を解明するなど、生命システムを構成する分子機械に関する生物物理学研究で世界をリードしてきました。その卓越した見識で、生命システム研究センターをけん引しています。また、HPCI計算生命科学推進プログラムディレクターを兼任し、新しい計算生命科学の開拓にも当たっています。さらに、大阪大学大学院生命機能研究科の特任教授として、また、情報通信研究機構/大阪大学 脳情報通信融合研究センター長として分子から個体まで広く生命現象に関わる原理を追求し、基礎研究と科学技術の発展に尽力しています。

という化学界の大御所なのだそうです。


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