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January 27, 2017

京都賞2016

京都賞2016年度の発表がありました。
http://www.kyotoprize.org/

<先端技術部門 情報科学>
金出 武雄
日本 / 1945年10月24日
ロボット工学者
カーネギーメロン大学 ワイタカー記念全学教授

<基礎科学部門 生命科学(分子生物学・細胞生物学・神経生物学)>
本庶 佑
日本 / 1942年1月27日
医学者
京都大学 名誉教授

<思想・芸術部門 思想・倫理>
マーサ・クレイヴン・ヌスバウム
(Martha Craven Nussbaum)
アメリカ / 1947年5月6日
哲学者
シカゴ大学 エルンスト・フロインド法学・倫理学特別功労教授

どなたもしらん(*´Д`)

金出 武雄


コンピュータビジョンとロボティクス分野での先駆的かつ実践的研究

金出博士はコンピュータによる画像認識研究の先駆的研究にまず取り組み、ニューラルネットワークによる学習に基づく顔検出手法を提案した。この手法は顔検出率を飛躍的に向上させて、実用的に利用ができるレベルにまで押し上げた。
さらに、動画像をもとに外界の立体構造と運動を認識する問題に取り組み、物体の動きを表すオプティカルフローの推定の基礎となる頑健なアルゴリズムを提案した。加えて、物体の動きから3次元形状を復元する問題に対して特異値分解に基づく3次元復元法を提案した。これらは今日の映像処理の基本となっており、画像をもとに動的な3次元世界を認識する手法を大きく進展させたのである。
特に注目すべきは、自動運転の研究である。1985年から始まった自動走行車のプロジェクトは、今日の自動運転技術のさきがけとなった。車に設置した距離センサとカメラからの情報に基づいて、レーンの認識と変更、障害物の検出と回避、他の車の検出などをリアルタイムで行う人工知能システムを世界で初めて構築した。その成果を実証するために“No Hands Across America”という壮大なデモンストレーションを行ったのである。これはアメリカ大陸を横断するもので、東部のピッツバーグから西海岸のサンディエゴまで約4,500kmをほとんどハンドルから手を放して走行するという画期的な成果を残した。このデモンストレーションが自動運転の実現に道筋をつけた意義は大変大きいものであった。

本庶 佑

抗体の機能性獲得機構の解明ならびに免疫細胞制御分子の発見と医療への展開

我々の体で生体防衛に働く抗体は骨髄に由来するB細胞で作られる。B細胞の発生過程で、抗体遺伝子は可変部領域の遺伝子断片の組換えを受け、様々な抗原に結合する多様性を身に付ける。その後リンパ組織でB細胞が抗原に曝され活性化されると、可変部領域に体細胞超突然変異(SHM)が起こり抗原結合の親和性が増すとともに、IgM、IgG、IgE、IgAなどクラスと呼ばれる異なった定常領域を持ち、異なった生物活性を発揮する抗体が産生される。しかし、異なったクラスの抗体が産生される機構もSHMの機構も不明であった。

本庶佑博士は、1978年に前者に関して抗体の重鎖遺伝子が部分的に欠損して異なったクラスの抗体遺伝子を作り出すクラススイッチ組換え(CSR)モデルを提唱し、その後多くの論文でこれを実証した。ついで、1999年に活性化誘導シチジンデアミナーゼ(AID)を発見し、引き続く研究で、これがCSRのみならず、SHMにも必須の酵素であることを明らかにした。これにより、免疫の基本原理の一つである抗体の機能性獲得のメカニズムが明らかになった。

マーサ・クレイヴン・ヌスバウム

ケイパビリティ・アプローチによる正義論の深化とその実践

ヌスバウム博士の仕事の中でも特に有名なのが、人間におけるケイパビリティ(capability:潜勢能力)の開花をめぐる理論である。これは、経済学者アマルティア・セン博士との長年にわたる共同研究の成果をさらに独自に展開したもので、ヌスバウム博士は、各人が「何かになったり何かをしたりする」可能性としてのケイパビリティを拡げ、十分に開花させることを、政治が実現すべき正義の基準であると提唱した。たとえば貧困問題も単なる財の欠如ではなく、ケイパビリティの発展が閉ざされていることと捉え直し、そうした角度から、具体的な福祉政策や発展途上国への開発援助を論じてきた。
ヌスバウム博士は、健康や身体の不可侵性のみならず、自由な想像力、批判的な思考、他者や他の生きものに対する濃やかな気遣いなどを個人のケイパビリティとしてリストアップする。そのリストは、ジェンダーの平等や児童福祉の政策に関する議論と人間開発の評価の基軸として活用され、さらには人権学習における教材として各国で使用されている。博士はまた、民主主義の基礎となるリベラル・エデュケーションと、異なる文化への想像力を陶冶しそれらとの共存を模索する多文化主義教育の必要を強く唱え、インドをはじめとして文化的背景を異にする人々とのきめ細かな論議をも数多く試みてきた。
ヌスバウム博士はまた、法の感情的な起源についての研究、とりわけ怒りや嫌悪、羞恥などのネガティブな感情の本性が犯罪やそれに対する制裁といかに結びついているかの分析を重ね、刑罰政策や立法論にも影響を与えてきた。こうした研究は、「異なる者」への排撃が日々昂進しつつある現代世界において、その根源的問題性を摘出し、解決に向けた新たな指針を示すという実践的な意義をもつものである。

アマサイの範疇にあるのはかろうじて金出先生の自動運転の研究か。
本庶先生の業績至っては目がテンである(´・ω・`)
ヌスバウム博士の正義論の研究も興味あります。
日本語で読める本はないのか。

ぐぐったら邦訳もありました。
・Women and Human Development: the Capabilities Approach, (Cambridge University Press, 2000).
池本幸生・田口さつき・坪井ひろみ訳『女性と人間開発――潜在能力アプローチ』(岩波書店, 2005年)

・Hiding from Humanity: Disgust, Shame, and the Law, (Princeton University Press, 2004).
『感情と法―現代アメリカ社会の政治的リベラリズム』河野哲也訳、慶應義塾大学出版会、2010年

・Frontiers of Justice: Disability, Nationality, Species Membership, (Belknap Press, 2006).
『正義のフロンティア――障碍者・外国人・動物という境界を越えて』、神島裕子訳、法政大学出版局、

・Liberty of Conscience: In Defense of America's Tradition of Religious Equality, (Basic Books, 2008). 『良心の自由―アメリカの宗教的平等の伝統』河野哲也監訳、慶應義塾大学出版会、2011年

・Not for profit: why democracy needs the humanities, Princeton University Press, 2010.
『経済成長がすべてか?―デモクラシーが人文学を必要とする理由』、小沢自然・小野正嗣訳、岩波書店, 2013年

さっそく、『経済成長がすべてか?―デモクラシーが人文学を必要とする理由』を読んでみよう。

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