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November 17, 2018

訃報 ミスター半導体 西澤潤一

西澤潤一先生がお亡くなりになりました。
哀悼の意を表します。
巨星墜つという感があります。
西澤先生の人となりは東北大学のサイトに詳しいです。

・東北ひと語録:西澤潤一
https://www.bureau.tohoku.ac.jp/alumni/hitogoroku/vol_022/index.html
西澤先生は「ミスター半導体」と呼ばれており、大学院3年目の弱冠24歳で、「PINダイオード」を発明しました。発光ダイオード開発の先駆けでもあります。また光通信の研究にも一役かいました。


アマサイが西澤先生を知っているのは、西澤先生のエッセイを読んでいたからです。

・独創は闘いにあり (新潮文庫)
https://www.amazon.co.jp/dp/4101124213/

・私のロマンと科学(中公新書)
https://www.amazon.co.jp//dp/4121009665/

・独創技術の発想法(講談社文庫)
https://www.amazon.co.jp/dp/4061840878/

・「十年先を読む」発想法(講談社文庫)
https://www.amazon.co.jp/dp/4061836803/

先生が亡くなってからか、中古文庫本なのにすごい値段がついてますね。
西澤先生は常に闘ってきた、何とか、主に権威ですね。
出る杭釘は打たれる、という見本のような方です。
でも、なぜ日本では独創が否定されるんでしょうか。横並びでは新しいものはなにも生まれないのに。

東洋経済の脇英世先生が西澤先生の功績を記しています。
「闘う独創研究者」西澤潤一博士が逃した大魚
「ミスター半導体」の功績を振り返る
https://toyokeizai.net/articles/print/245941

光ファイバーの特許出願と特許庁との係争 西澤博士は1962年に東北大学電気通信研究所教授となった。

1964年、光通信用の集束性光ファイバーの特許を出願した。ガラスのファイバーの屈折率を中心で大きくし、周辺に行くにしたがって、徐々に落とすことで、光をガラスのファイバー内部に集束させ閉じ込め、外部への漏洩を防ぎ、通信効率を上げる技術である。

ここで問題になったのが、西澤氏が特許申請専門の弁理士を使わず、全て自分で書類を書き上げたことである。書類不備、書式不備として、何度も却下され返戻の扱いを受けた。やっと特許出願公告が出ると、異議申し立てが出た。拒絶査定ということで、裁判に持ち込み、地裁、高裁で争われることになった。

特許庁との係争は続き、1984年には期限切れとなった。弁理士を使えば、そこまでもつれることはなかったようにも思われるが、あくまで自分の特許の書類は全て自分で書くという、いかにも西澤博士らしいこだわりと思い入れが感じられる。

そののち2009年のノーベル物理学賞は、光ファイバー関連の研究に対して与えられた。具体的にはチャールズ・カオ(高?)のグラス・ファイバーの研究、ウィラード・ボイル、ジョージ・スミスのCCDの発明に対して与えられた。

チャールズ・カオはITT傘下のスタンダード・テレコミュニケーション・ラボラトリーズ(STL)の研究者であった1966年に米国電気電子技術者協会(当時はIEE後にIEEE)のプロシーディング誌に「光周波数における誘電体ファイバー表面導波路」という論文を書いている。これがチャールズ・カオのノーベル賞の主たる授賞理由となった。

この論文の引用文献の先頭にはR.E.コリンの『Field Theory of Guided Waves』という本が載っている。ああ、そこにルーツがあったのだと思った。私も若い大学院生のころ、友人達と読破したことを懐かしく思い出した。

西澤博士は2009年当時、ノーベル賞候補と期待されていたが、惜しくも逸した。特許係争などで海外論文誌への投稿が遅れたこともネックになったのだろう。特許出願自体はチャールズ・カオより2年早かったのだから海外論文誌へ投稿しなかったことが惜しまれる。

2014年の青色発光ダイオードがノーベル物理学賞に輝いた時にも、「高輝度の赤色LED、黄色LED、緑色LEDは東北大学発だったのに」と残念がる声があった。

最近、過去の事柄を検索すると
「最近の若い方にはなじみが薄いかもしれないが、」
と書かれている場合が多く、ああ、アマサイも中高年なんだなあ、と哀しい思いをいたします。

一部で「掛け算の順序」というのが話題になっています。
西澤先生は小学生のとき、
みかん3つとりんご4つを合わせるといくつ?
という問題の意味がわからなかったそうです。
みかんとりんごは違うものだから足すことはできないという考えです。

今の小学校だったら西澤少年は不登校になっていそうですね。

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