経営学の意義

経営学なんて、(社会)科学と違う。二流のガクモンだ。せめて社会哲学って名前を変えろ、と恐いもの知らず発言をしているアマサイである。

といいながら、こげな本は買ってしまうのである。
●中野明『ポケット図解 ジェフリー・ムーアの「キャズム理論」がわかる本』
●中野明『ポケット図解 クレイトン・クリステンセンの「破壊的イノベーション論」がわかる本 』
Shuwa2satu


経営学を専門としない者にはこのような要約書は便利である。やはり、原著訳書は読まなくても一応こういう説のストーリーを知っておいて方が断然便利である。
ムーアって、ムーアの法則の人?なんて言ったら恥ずかしいのである。

で、アマサイは、これらの本を読んでやっと経営学の意義がわかった。このような説を物理学理論と対比するからいかんのである。物理理論はその理論で全ての事象の説明がつく。そうでなければ、理論とか法則と呼ばない。

しかし、社会科学では違う。いつかの典型的事象がその説によって説明できればよいのである。大事なのはこれら事象に整合性があることなのだ。ハイテク産業の全てに当てはまる必然性はない。破壊的イノベーションの場合、ハードディスク、ノートパソコンあたりに適用できれば十分なのである。これらは、現代ハイテクの代表格と言ってもよいし、それを誰も疑わない。(例えば)いや、コンピュータゲーム機には当てはまらないじゃないか、という反論があったとしてもそれで、本説を覆したことにはならない。これが反対にゲーム機であるとか、マニアックな製品のみ、例えば、そうだなあ、つり具?ハイテクじゃないけど(^^;)、で支持できても認めることはできない。

経営学の事例は、サンプリングが非常に重要だ。

あまり、うまい例えではないけれど、ニュートン力学で当てはまることだけを扱い、量子力学の領域は無視する、といった感じである。もう、ニュートンですべて済ます。量子論も相対論も必要ない。その理論で構築できる世界観を示せばよいのである。

で、その理論が適応できない事例がどんどん生まれたら、どうするのか。その理論を捨てるのである。物理学のように、ニュートンの領域とアインシュタインの領域と区切る必要はない。それがおそらく経営学、社会科学の発展というものだろう。

実質的には、旧理論を完全に捨ててしまうことはなくて、新理論と並行して語られるのだと思う。今までの、経済学・経営学から逸脱した、全く別物が生まれるわけでもないからだ。

と考えが至ったらなんだかすっきりしました。

キャズム@ITマネージメント情報用語辞典

普及学の基礎理論として知られるエベレット・M・ロジャーズ(Everett M. Rogers)のモデルでは、顧客は「イノベーター」「アーリーアダプター」「アーリーマジョリティ」「レイトマジョリティ」「ラガード」の5つの採用者タイプに区分される。この理論ではイノベーターとアーリーアダプターを合わせた層に普及した段階(普及率16%超)で、新技術や新流行は急激に拡がっていくとしている。そこで、イノベーターとアーリーアダプターにアピールすることが新製品普及のポイントであるとされてきた。

 これに対してムーアは、利用者の行動様式に変化を強いるハイテク製品においては、5つの採用者区分の間にクラック(断絶)があると主張した。その中でも特にアーリーアダプターとアーリーマジョリティの間には「深く大きな溝」があるとし、これをキャズムと呼んだ。
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破壊的イノベーション@ITマネージメント情報用語辞典
クリステンセンは、特に繰り返し業界リーダーが入れ替わったHDD業界を取り上げ、この現象を説明している。1980年代の8インチドライブから5.25インチドライブへのアーキテクチャの移行についていえば、1981年の時点で8インチドライブの容量は60MBであるのに対して、5.25インチドライブの容量は10MBしかなかった。8インチドライブの主要顧客であるミニコンメーカーにとって、5.25インチドライブの記憶容量は性能的に不足していたのである。しかし、別市場(このときはデスクトップPC市場)で5.25インチドライブは受け入れられ、その結果として5.25インチドライブの継続的な技術改良が始まり、数年のうちに主要指標でも8インチドライブの性能を凌駕(りょうが)し、8インチドライブ市場は縮小することになった。

 すなわち「破壊的イノベーション」とは、狭義には一時的に主要性能を下げながら異なる価値を提供する“技術イノベーション”をいうが、広義には別市場で根付いた後に持続的な改良によって性能向上を果たし、既存の主要市場をも浸食してしまう“産業イノベーション”のモデルを意味している


要するにクリステンセンはシュンペーターのイノベーション理論を現代産業に適用しただけなんだよね。良い仕事してますね、とは思うけど。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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書談:田辺聖子『欲しがりません勝つまでは』

Hoshigarimasen■『欲しがりません勝つまでは』 ポプラ文庫
著者:田辺 聖子
価格: ¥609 (本体 : ¥580)
出版: ポプラ社
発行: 2009.6

アマサイ、思い出の書です。その名のとおり、田辺さん過ごした戦中の記録です。あとがきには、あの時代の生活記なるものを誰かが書き残さねばならないという趣旨のことが書いてあります。

田辺家は比較的裕福であったので、大阪空襲までは、楽しい学生生活が続きます。学友と小説集『少女草(おとめぐさ)』の作成にいそしんだりします。10代の女の子のやることはここ何十年かわらないのだなと思います。今で言うミニコミ誌と同じようなものでしょう。漫画ではなく文章が中心であったことくらいです。その当時の少女誌を真似ているのも似ています。『宮本武蔵』を読めば剣豪ものを、蒙古活劇を読めばモンゴル帝国の建設記をというように、当時のベストセラーにすぐ影響を受けてしまいます。今のコミュニティ誌を作っている子たちもそうでしょう。しかし、読んだだけで、類似の小説が書けるというのはすごい才能です。もう作家になるべくしてなった片鱗がうかがえます。

田辺さんは当時の少女がそうであったように、軍国少女です。日本軍の必勝を祈り、いざとなったらアメリカ軍と戦う心意気です。大人たちが、この戦争は勝てんとちゃうか、みたいことをいうものなら、激怒するそんな少女です。

楽しい、と書きましたが、実はそうでなかったのかもしれません。だんだんに男衆が戦地に出向いて、死んでいくの少女といえども知らぬはずありません。軍国少女でも演じなくては日常を耐え切れません。でも、そればかりでは、心が乾きます。少しでもそれを潤すために自分たちで作った物語に没頭していったのでしょう。

子供にまで「欲しがりません勝つまでは」と強いた戦争は、結局日本全国を焦土し、一般市民を多く殺戮します。

大阪空襲では、軍人が教えた消火法など役には立ちません。生き残った人さえ、流浪し、行き倒れになることも少なくありません。幸い田辺一家は全員無事でした。

その夜、どこから女性の声がします。「トミちゃーん、トミちゃーん」生き別れになった子供を捜しているのでしょう。荒地となった都市に母の叫びが響きます。

田辺さんはしばらく経って、あの声を戦争を起こした人に聞かせたい、といいます。

結局、多くの人命を失い、国民総ざんげという不可解なフレーズで戦争は終わりました。

どんな世になろうと生きねばならない、いや、生きていたい、それは、あの当時の日本人が同じように思ったのでしょう。

反戦文学であり、青春文学である本書は、田辺さんの代表作であると思います。

「芋たこなんきん」で主演をした藤山直美が田辺さんの役でドラマ化されたことがあります

「欲しがりません勝つまでは」という歌があるんですね。本書を読んで聞くとなんだか悲しい、切ない気持ちになります。
http://www.youtube.com/watch?v=azXI6GZ5AlE&hl=ja


1977年出版当時の高橋孟さんのイラストが入っていないのが残念です。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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松本清張『波の塔』

松本清張『波の塔』
■『波の塔』 上・下新装版
著者:松本 清張
松本清張記念館監修
価格 : \680 (本体 : \648)
出版 : 文春文庫
発行 : 2009.9

清張生誕100周年で、復刊、新装版が次々と出てうれしいアマサイです。
昔の文庫はなんであんなに字がちっこいのかなあ。まだ、老眼ではありませんが、新装版のきれいな活字はありがたい。

田沢輪香子という若い女性が、旅先で青年と出会うことから物語は始まります。取り敢えず、汚職とか不倫とかどろどろしたものはありません。その青年・小野木は新米検事です。輪香子は帰郷してから、小野木と偶然に出会います。ここでも、旅先であった若者達が交流を深める、と言ったところで、まるで青春ドラマです。しかし輪香子の父は、国土省の局長です。ここで、小野木とのなにか接触あるんだろうな、とは予想できます。しかし、この青年検事は人妻・頼子と深い仲です。そして、頼子の夫が何者か段々に明らかになると、役人、ブローカー、検事の三人の男達が徐々に近接していきます。

そして、最終章。不幸になるのは、何の罪もない者なのでありました。

殺人は全く起きません。でも、サスペンス満載。おまけにラブロマンス。もっとも清張らしく、もっとも清張らしくない作品とアマサイは思います。

すごいですね。もう6回以上映像化されているそうです。
一番最近なのは、TBSです。いや、全く記憶にないんですが。
松本清張ドラマスペシャル「波の塔」
結城頼子 (ゆうきよりこ) : 麻生 祐未
小野木喬夫 (おのぎたかお) : 小泉孝太郎
田沢局長 (たざわきょくちょう) : 風間 杜夫
田沢美子 (たざわよしこ) : 中田 喜子
田沢輪香子 (たざわりかこ) : 高橋かおり
辺見博 (へんみひろし) : 田口 浩正

小泉孝太郎が小野木ってどうなのさ。やっぱり、現代に置き換えているのかな。そうするとラストに無理があると思うけど。

映画で有名なのは、中村登監督のやつですね。
出演:有馬稲子, 津川雅彦, 桑野みゆき,

なかなか、いいですよ、波の塔の世界。要はメロドラマなんだけど。

松本清張、女性向きの物語結構あります。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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書談『まだ生きている・我が老後6』『娘と私と娘のムスメ』

書談『まだ生きている・我が老後6』『娘と私と娘のムスメ』

■『まだ生きている 我が老後6』
著者:佐藤 愛子著
価格:¥530 (本体 : ¥505)
出版:文春文庫
発行年月 : 2009.9

■娘と私と娘のムスメ
著者:佐藤 愛子著
価格: ¥480 (本体 : ¥457)
出版: 集英社文庫
発行: 1997.10

エッセイというものがいかに面白く含蓄が深いかをアマサイに教えてくださったのは大・佐藤愛子先生である。愛子先生は昭和50年代にかの「non・no」に「娘と私の部屋」という連載をしていて若い女性にも広く知られる存在だったのである。アマサイはさすがにその連載をリアルタイムでは知らないが、集英社文庫を友人が熱心に読んでいて触発され、手に取るようになった。その娘さんの響子さんが高校生からのお話なので、シリーズを読んでいくとアマサイたち女の子が追体験のようになっていたのですね。アマサイは大・佐藤先生の小説も読み、ファンの1人となっていったのであった。

よくテレビドラマ化もされているので有名作家の1人でだろう、と思っていたが、最近はいささか違うようである。大・佐藤先生の渾身の作「血族」またはそのドラマ化のネット評を見ると「佐藤愛子とサトウ・ハチローて兄妹なんですね」というのが結構ある。

大・佐藤が作家・佐藤紅緑の娘で、兄が元不良青年で国民的作詞家というのは、常識だと思っていたのたが(紅緑先生の作品は読んだことないけれど)。

まあ、両氏の名を知っているだけでもヨシとするか。

『我が老後6』にはその『血族』のドラマ版について語っておられる章がある。原作にない人物を脚本に入れるのはドラマの常套であるが、どうも意味の分からない挿入がある。ハチローと幼なじみのアインと名乗る人物である。ああ、今井雅之がやった奴だ、アマサイも思い出した。確かにあの役は一体何だったのかと思う。アマサイは原作は途中で投げてしまった。トーンがあまりに暗いからである。暗いことは悪くはないが、その時の気分もあって萎えてしまった。制作者側もそこを考えたのかもしれない。メリハリをつけるために今井を用意したねか?大・佐藤は、ドラマ化というのは自作・娘を嫁にやったのだから、その婚家で好きにしてくださいというお考えなのだが、友人たちは大・佐藤に「佐藤さん、あれ、どうなってんの?」訪ねられるわけである。訊かれて、そんなの知らんわ、と毎度言うわけにも行かず、NHKが悪いのか?了承した原作者がわるのか?と自問するわけである。


大・佐藤、意外にデリケートである。「そんなん知るかいな」でよいと思うが。


青春の書、大・佐藤愛子先生の最新作が読めて幸せなアマサイである。

是非100歳まで書き続けてください。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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松本清張著『連環』

松本清張著『連環』
清張読みのアマサイです。今月だけで三冊読みました。

面白いという確証があるものが良かったので。

主人公・笹井はワルです。東京で横領事件を起こし、九州に流れ印刷屋の経理として勤めます。給料が安い割に従業員をこき使う職場です。社長は商売上手ですが、内部の者には厳しい人間です。

笹井は何とか印刷屋の金をせしめ逃亡できないかと思案します。

思案する箇所が違うと思うが。

社長の正妻と愛人を誘惑し、社長を殺すことを思い付きます。

そんなに女たらしならジゴロとして生活すればいいと思うが。

笹井はまんまと数百万を手に入れ東京で出版業を始めます。そして転落の道を進んで行きます。

まあ、面白く、次の展開が楽しみでなりませんでした。

しかし、彼を嵌めるのが、かつての同僚なのはわかりますが、協力者とはどこで打ち合わせをしたのでしょう。不思議です。

月刊誌の連載ぽいですが、結末を急がれたのでしょうか。もう一本伏線があればよいと思いました。

やはり、テレビドラマになっていました。

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書談:長沼毅著『宇宙がよろこぶ生命論』

書談:長沼毅著『宇宙がよろこぶ生命論』
■『宇宙がよろこぶ生命論』
著者:長沼毅
出版:筑摩書房(ちくまプリマー新書)
発行:2009年7月

アマサイの好きな男前センセです(^_^;)。
でもなぜ着物に煙管?

長沼さんNHKブックスにすでに二冊書いてます。啓蒙書も書ける男です。

今回のエッセイ風でありながら、長沼生物学のエッセンスがつまっています。

長沼さんについては、『プロフェッショナル』にでたときにこのブログで取り上げています

とにかく僻地が好きなおっさんで北極南極、活火山、深海、おおよそ生物が住みにくいとこで生物の研究をしています。

そういうとこだから、生物の起源が探れるらしい。

物理、工学系のアマサイは生物学というと敬遠してしまうのだが、長沼センセの文章はすきです。物理、化学、地学の側面から語っているからでしょう。

でも、この本の編集者はクオおじの紹介らしい。一抹の不安が。

まあ、本書はおもしろいからいいでしょう。題名もいいね。
(-^〇^-)

結婚してらっしゃるのがちょっと残念(^^;)。人気ブログランキングぷちっとな。【押す】≪コメントはここ

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書談:影木栄貴『ぶっちゃけ隊』

書談:影木栄貴『ぶっちゃけ隊』
今話題のDAIGOの姉の作品です。ひまつぶしに買ってみたんですが、案外面白かったです。画も今風じゃなくて、アマサイが知ってる少女漫画です。そもそも今風もよくわからないんですが。

『トリビアの泉』に家族して出ちゃったのが事の発端らしいです。そこでDAIGOがにわかに竹下の孫と認知され。

お姉さんの影木さんはもう10年以上のベテラン漫画家さんです。そーですねえ、ボーイズラブを描いていてどこでじーちゃんの話を出すのか。難しいですね(^_^;)。てか、若い人知らないし。

影木さんにとっても祖父は簡単に話題にしていい存在ではなかったようです。DAIGOがふつーにテレビではなしてるのを見て目からウロコだったようです。彼は嫌みにならないから得な性格ですね。

当たり前といえば、そうですが、普通のじいと孫の交流がいいですね。

しかし、漫画のコミュニケーション機能とはすごいです。同じ内容をエッセイ文で書いてもここまでインパクトがあるでしょうか。筆力がかなりないと難しいでしょう。

竹下登氏の子供は三人とも女の子です。婿をとって跡継ぎにしようとは思わなかったのでしょうか。彼にそういう欲があればまた孫たちの人生も違っていたでしょう。

政治家としての評価は別れますが、家庭人としてははなまるじーちゃんだったようです。

影木栄貴さんのインタビュー

芸術家が2人も出るなんて「まる子」さんのご家族はたいしたものです。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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数理科学7月号「現代物理の世界像- 素粒子と物性の対話 -」

大好きな(?)数理科学、隔月くらいにほしくなるのだが、巻頭言読んでツンドク状態になるのは、目に見えているので、買えない。

今回はパラパラ眺めてアマサイでも通読できそうなので買いました。

20094910054690798_2○数理科学 2009年7月号 No.553

特集:「現代物理の世界像」
- 素粒子と物性の対話 -

■特集
・「対談:現代物理の世界像」
  ~素粒子と物性の対話~ 阿部龍蔵、米谷民明

-素粒子-
・「光から始まったゲージ場」
  ~素粒子を語る深遠な言葉~ 坂井典佑

・「“繰り込み”という立役者」
  ~無限大との付き合い方~ 青木慎也

・「双対性という概念」 高柳 匡

・「理論と実験の関係:現状と課題」 岡田安弘

-物性-
・「ゲージ場をめぐって」
  ~固体の中で~ 永長直人

・「繰り込み群と物性物理学」
  ~臨界現象,そして多様な展開へ~ 菊池 誠、岡部 豊

・「対称性の考察」
  ~物理における重要性~ 高橋 實

・「理論におけるモデルの役割と実験」 今田正俊
-----------
この目次では、素粒子と物性が別になっていますが、ゲージ場で素粒子と物性、繰り込みで素粒子と物性、という具合に両分野がサンドイッチになっています。

さくさく読めてます。

対談で阿部龍蔵先生が放送大学教授時代のことを述べていらしてうれしかったです。
「私が放送大学にいたころは科学史に興味を持つ人が多かったですが、今はどうなんでしょう」と言われていました。物性とか相対性理論は難しくすぎてマスターが困難という背景があったと思いますが、阿部先生がそのような言葉で放大を懐かしんでおられるのが、卒業生としてうれしいです。

対談相手の米谷民明先生は「最近はあまりいません、歴史から学べることが多いのでバランスが大事ですね」
と答えていました。

科学史は難しい数式が出てこないから、ではなく、理論と歴史とを両方学ぶとよいということが偉い先生から聞けて、自信を持ちました。

いや~、物理学って本当にいいですね。

すぬー「きくまこのおぢちゃんも書いてますよ。読んであげてね、アマサイちゃん」人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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書談:松本茂他『英語ディベート理論と実践』

書談:松本茂他『英語ディベート理論と実践』
■『英語ディベート理論と実践』
著者:松本茂、鈴木健、青沼智
出版:玉川大学出版部
発行:2009.03.01
価格:4500円

批判的思考力や論理的思考力が重視され、高校や大学でも「議論」を展開する活動が積極的に取り入れられている。英語教育においてディベートをどうとらえるべきか、指導上のポイントを示し、実例からどんな理論を活用したうえで戦術や議論を準備し、論証すべきかを解説。日本のディベート教育をリードしてきた著者陣による一冊。

主な目次

【第1部 授業ディベート編】
1 指導者として知っておきたいディベートの基礎知識
2 何をどのように教えるか

【第2部 競技ディベート編】
1 1AC(肯定側第1立論)
2 1NC(否定側第1立論)
3 2AC(肯定側第2立論)
4 2NC/1NR(否定側第2立論/否定側第1反駁)
5 1AR(肯定側第1反駁)
6 2NR/2AR(否定側第2反駁/肯定側第2反駁)
7 Cross-Examination(質疑応答)
8 審査方法

参考文献
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紹介するのをついぞ忘れていました。10万人のディベートファン待望の書です。

第一部は日本で教授される競技ディベートの概要、第二部は、立論から反駁まで各スピーチをディベートの英文原書を参照しながら詳細に説明しています。

日本語ディベータも通読しておけばESS出身者にも負けません?!(マニアックなお話)。

ちょっとこの価格設定はいかがなものか。しかし、内容は濃いので元は取れるでしょう。

ディベートを学んでいる人、ディベートでつくスキルとはいかなるものかと思ってる人にもおすすめです。

私が勉強を始めたころには、英語上達の道はディベートにあり、と言われそれは半ば常識ですらありました。

語学力向上としてのディベート、是非復権してもらいたいものです。

著者の氏名、姓+名3文字ですね。いや、別に意味はないですが、人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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『素粒子論の一世紀-湯川,朝永,南部そして小林・益川-』

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別冊日経サイエンス
『素粒子論の一世紀-湯川,朝永,南部そして小林・益川-』
日経サイエンス編集部 編

いや~、一日も早く読みたかった。入手できて満足満足。
だめよ~ん、買っただけで読んだ気になっちゃ。

最近ミニ素粒子ブームなんですかね。『わかる量子力学』っ工学社の本にわざわざ、

「素粒子物理学への基礎知識」

って書いてありましたよ。

素粒子を学ぶ前に量子力学を経るのは物理学習者には、常識中の常識。

おもしろおじさん益川センセの業績が知りたい、って量子力学の専門書読む人いるんですかね(厳密には学習書であるが、門外漢の人には同じでしょう)。

それはともかく、

この一冊で日本人に生まれてよかったと思わぬ人はいないでしょう。

こんな巨人を何人も輩出しているのだから。
日経サイエンスの編集長あとがきにいいこと書いています。

益川先生は受賞発表後の記者会見で諷々とした受け答えをされていました。ところが南部陽一郎先生との同時受賞の感想を聞かれると絶句。しばらく後,ハンカチで目頭を押さえました。南部先生は長らく米国におられ,その研究も一般の人にはほとんど知られていませんでした。しかし,益川先生が絶句された姿をテレビで見た人の多くは,南部先生の業績の中身はわからないにしても,成し遂げたことの大きさは直観的に理解したのではないかと思いました。そしてもちろん益川先生の人となりをも。

そうだねえ。益川さんの言動から南部さんの偉大さがわかり、南部さん、西島さん、小柴の言葉から湯川・朝永の偉大さがわかるねえ。

はじめに

第1章 湯川秀樹と朝永振一郎
・中間子論が拓いた核力の世界 坂井典佑

・「くりこみ」が拓く量子の世界 金谷和至

・朝永先生に酒を学んだ30年 小柴昌俊

・湯川と朝永から受け継がれたもの 南部陽一郎

第2章 南部陽一郎の世界
・対称性の破れが生む多様性 初田哲男・橋本省二(協力)/中島林彦

・ひも理論とは何か 南部陽一郎

・素粒子物理学の予言者 南部陽一郎/M. ムカジー

・対称性の自発的破れとひも理論 南部陽一郎

・南部さんと始まった研究人生 西島和彦

・南部さん,西島さんとの60年 小柴昌俊

第3章 小林・益川理論とBファクトリー
・6元モデルへの道 小林誠(協力)/中島林彦

・CP対称性の破れの起源 三田一郎(協力)/中島林彦

・巨大加速器実験,日米の闘い 高エネルギー加速器研究機構(協力)/中島林彦

第4章 不確定性原理をめぐって

・新たな不確定性原理を求めて 山崎和夫・小澤正直(協力)/中島林彦

・ハイゼンベルク先生と統一理論に挑んだ10年 山崎和夫

あとがき

物理書どころか小説も読む間がありません。シクシク。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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書談:小池真理子『レモン・インセスト』

書談:小池真理子『レモン・インセンス』
赤ん坊のころに誘拐され行方知れずになった弟と成人になって対面するってサスペンスを感じるけれども、あまりそこを掘り下げていない。

才色兼備で弁護士である叔母。父とは生前ただならぬ関係だったが、澪は特にそのことにこだわっていない。叔母は、現在妻子ある男性とパートナー的に付き合っている。

澪自身は勤め先の喫茶店店主とは愛人関係である。ご丁寧に給料の他お手当てまでもらっている。

この二人の生き方も個別に各々の事情という感じで伏線ではないんだよね。何だか素材だけちりばめて、そのまま放置、といった感じ。

叔母は義理の兄たる澪の父を求め、澪はまあ、所謂ファザコンなんでしょうね。

で二人の共通の「男」にクリソツの肉親が現れた(澪の弟昭吾)。

それで澪が昭吾に恋して、ハッピーエンドにはならないんだろうな、と思ってその通りなんだけど、ラストに行く動機付けが慌ただしくてこれまたしっくりこない。

小池真理子とあろう者がこと失態はなんたることじゃい、というのがアマサイの感想。

ページ数とか制限があったのかなあ。彼女の『恋』『欲望』に匹敵する名作になりうるのに。

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アマサイはずっとレモン・イノセントだと思ってました。
(^_^;)
意味違っちゃうよね。

昨日小池さんの写真が日経に載ってました。相変わらずお美しいですね。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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書談:道尾秀介著『向日葵の咲かない夏』

書談:道尾秀介著『向日葵の咲かない夏』
気まぐれに買って大当たり、と私には珍しい本。

ミチオは登校拒否ぎみのS君の家にプリント類を届ける。そこでミチオを見たのは天井からぶら下がるS君の死体。ミチオはどうすればいいかわからずあわてて学校に戻る。担任の教師から警察に連絡が行く。ミチオの家に出向いた刑事と教師は驚くべきことを伝える。S君はどこにもいないのだと。彼は何処へ行ってしまったのか。
------------------
こういうのもどんでん返しっていうのかね。教師の素行に目を向けさせるのはなんだかズルッちい。

確かに、妹は登場シーンからへんだった。そういうことなら後の展開も頷ける。

でも、彼だけイニシャルなのはなぜ?ひょっとして種明かしは、作品中に書かれてるの?

それとも、全部がそういう仕組みなのか?

日常に刺激がなくせめて妄想したいという人にはうってつけです。

予想外におもしろかったので、一日で読んでしまいました。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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書談:竹内薫著『理系バカと文系バカ』

Rikeibunkeibaka■理系バカと文系バカ PHP新書
著者:竹内 薫
構成:嵯峨野 功一
価格: \756 (本体 : \720)
出版: PHP研究所
発行: 2009.3

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北地方某理学大学教員のブログに以前コメントしたら「書いてないこと読み取られても答えられない」とお叱りを受けた。大の大人がいうようなことぢゃないね。要するに「自分の知性が及ばないので答えられない」だけなのだ。こんな奴が准教授とはちゃんちゃらおかしい。

で、そういうことをうちの応接室でかいたら、前記ブログの取り巻きが「アマサイって奴が先生のことを揶揄してます。酷いですよね」って言い付けていた。

馬鹿、あれは揶揄とは言わない、批難・批判というのだ。

前者が理系バカで、後者が文系バカとアマサイは理解している。

自分の文章が悪いのを読み手のせいにする。是・非の二値化表現を「揶揄」という自分でも意味の解せない用語で、正しくあてつける。

そんなバカ同士で構成しているバカブログには近づかない方が懸命である
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題名からすると、理系、文系、互いに足りないところを補って、バランスのとれた思考法を身につけましょう、みたいな結論だと思うが、

違う。

筆者は筋金入りの理系バカなので、文系の人にはちょっとおもしろくないかもしれませんな。

アマサイ的に本書の狙いは、理系も文系も「バランス感覚を持った」理系になりましょう、ということだと思う。

筆者は、そうではない、というかもしれないが、そんなものは読み手にゆだねられるものなのだから、アマサイの言うことが正しいのだ。

先に述べた「書いてもいないことを」などと能書きをたれる理系バカは本のなど書く資格はない(まあ、あの人は単著なんて書けない、依頼はないと思うので心配ない)。

「理系、文系なんて分け方は無意味だ。他にもカテゴリはあるはずだし」という弁は、ここでは有効ではない。実際に多くの現場で(主に学校であるけれども)この二値化が働いているのだから、否定しても仕方がないことである。

また敢えて誤解を恐れずに言えば、文系的思考はあまり具象化できないに対し、理系的思考はなんとはなしに形態があるものである。また、後者は努力しなければ習得できないものであろう。

本書を読むとなんとなくその思考法の全貌が見えてくるのはお得である。

それにまた、多くに国の政治、行政に理系出身者が幅を利かせているのは注目に値する。
因数分解は社会に出たらいらないでしょう、
iPS細胞なんて知らない、
ノーベル物理学賞、へぇ~、すごい、なんだかわからないけど、

このような考えはすでに時代遅れである。

筆者が体験した、報道番組制作部での理系知識の無さには、ちょっと背筋が寒くなる。

数学、理科が得意な人間はえばっていいのだ、少なくとも、英語ができる人間くらいには。

本書中に資料として、「理系白書」のデータが使われているがこれは飽くまでデータとして使われてるだけですから。あそこが文系バカだということは、あちこちで暴かれている通りであるから。

理系バカも文系バカも、どちらでもないと自負する人も読むべき一書でしょう。

これは売れてほしいし、売れるんじゃないかと思います。。人気ブログランキングぷちっとな。【押す】≪コメントはここ

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書談:『テーマ別英単語 Academic [上級] 自然科学編』

いや、我ながらびょーきです。
こげな本、英語でサイエンス、みたい本はすぐ買ってしまいます。ペーパーバックの科学書でも読めばいいやん、と思うのですけれどね。何か「お勉強」という形がすぎなのですねえ、アマサイは。Z会のは大学受験学習書で成功しているから良くできている。

Adbancesci■『テーマ別英単語 Academic [上級] 自然科学編』
著者:中澤幸夫
価格:1800円(税別)
発行:2009年1月
出版:Z会

類書はいくつか持っているのですが、これは冒頭に「科学一般」と題して科学哲学的テーマが入っているのです。4つのエッセイを収録しています。

Bhomgenshoおお!いきなりデイビット・ボームかい。"Science,Order and Creativity"って渋すぎない?Frangematation of Science ですよ。

アマサイブログ:デイビット・ボーム

Samir_okasha「科学とニセ科学」は今トレンドでポッパーの反証不可能性が出てくるのは普通なんだか、読んだことある文章だと思ったら、Samir Okasha"Philosophy of Science"でした。オックスフォードの入門シリーズですね。

「黒鳥の論理」は、論理学で出てくる、「黒い白鳥がいないということは証明できない。しかし、黒い白鳥が居るということは、その一羽でも見つけてくれば足りる」という話かと思いました。まあ、そういう論証から起因しているのだけれど、Nassim Nicholas Taleb という人の「The Black Swan」/という著書から引用しており、本書は経済学書のようですね。全然知りませんでした。いくらなんでも、経済学までは網羅してませんので。勉強になる本だ。

以後、「科学各論」「環境問題」「医学・医療」のセクションと続く。

しかし、不満はある。物質科学、数学、工学の文章が少なすぎることだ。「科学各論」には、暗号理論の基礎があるだけで、あと3つは遺伝子、生物、心身問題とバイオ系ばかりである。

自然科学編と書いてあるのにこれでは困りますなあ。

天文学、物理学の章があってもよいくらいだ。

そうそう、このように私の満足する科学英語学習書が出ないので次々と買ってしまうのである。

中澤幸夫さんて大学教授とばから思っていましたが、著述業・予備校講師という肩書きなのですね。受験勉強教授法に魅入られた人って予備校の先生に多いですよね。単にそれしか自分に有効な職はなかったという以外に。中澤さんもそうなのかしらね。

しげる先生の『速読速聴・英単語Business1200』も宜しくね。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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■書談:奥田英朗著『ガール』

『マドンナ』に続き、奥田英朗の会社員人生シリーズ?第2段が文庫になりました。今回は全員30代中盤の女性が主人公です。アラフォーとアラサーの間くらい。

Okudagirl■『ガール』 講談社文庫
著者:奥田 英朗
価格: ¥580 (本体 : ¥552)
出版 : 講談社
発行 : 2009.1
http://www.bk1.jp/product/03078832
・ヒロくん
武田聖子は、大手不動産会社の営業部。この度目出度く、第三課の課長に任命されることとなった。聖子の実績に、年次昇進廃止と女性積極起用の社の方針が後押しした。若い男女4人の部下とはなんとかやっていけそうだが、年上で課長昇進間近と思われていた今井とはどうも初めからしっくりいかない。おたくでのんびりした聖子の夫・博樹とは正反対のバリバリの体育会系だからかもしれない。

・マンション
石原ゆかりは、大手生保会社の広報課勤務。友達のめぐみがマンションを購入したことから、自分も賃貸アパート生活から抜け出たいと思い始める。しかし、独身女がマンション購入となると、周りはいろいろ騒がしい。

・ガール
滝川由紀子は、広告代理店の企画部。仕事柄、通常の会社ではとてもお目にかかれない、個性的な人材がそろう。6歳年上のお光こと光山晴美もその一人。仕事はかなりできるのだが、格好も身のこなしも20代のかわいい乙女系。愛読書は「CanCan」。由紀子は、お光も見て、女性はいつまで「ガール」でいられるのか、不思議に思う。

・ワーキングマザー
平井孝子は自動車メーカーの営業部員、かつ小学一年生の息子をシングルマザーでもある。若いころは、職場に「母親」を持ち出す先輩社員に嫌悪感を抱いていた。自分が母となった今、決して家庭を言い訳にしない仕事ぶりを目指してきた。しかし、そこは母一人、子一人、ひずみが出ないわけがない。

・一回り
小坂容子は老舗文具メーカーの営業部。社のしきたりに従って、新人の教育係を仰せつかる。長年勤めていればだれしも通る道。しかし、その新人がイケメンさわやか青年である慎太郎であることから、容子の日常は少し違ったものとなってきた。
-----------
どれもよかったが、ヒロくんが秀逸だった。
今井に仕事を任せたはいいが、チームを組んでいる女子社員をアシスタントとしかみなさない。課長として客先に出席した聖子の立場を無視して話を進めようとする。さすがの聖子もここで切れる。コインを取り出し「表か裏かどっちか賭けて。負けた方が明日辞表を出すの」と言い放つ。唖然する今井。「女の上司がいやなら、相撲協会にでも転職すれば?どこに行っても女はいるの。女の子じゃない。大人の女性がね」と啖呵を切る聖子。

いや~、かっこういいですな。ハンサムウーマンです。
女性を仕事の補助としか思わないなんてトンデモない男です。全員抹殺です。
( ̄▽ ̄;)

聖子は、夫よりも収入がよく、今回の昇進で博樹よりも先んじて役付になった。思い切って夫に聞いてみる。
「女房の方が給料多ってどう思っているの?」
「ほんとのこと言っていい?」
「うん、言って」
「全然やじゃない」

割れ鍋に綴じ蓋ですね。社会でどうあっても、神様は、その女と釣り合いのいい男を差し向けるのか。聖子は夫・博樹、ヒロくんがいることの幸せを感じるのでありました。

どの話もリアルさを感じます。

ってか、奥田英朗って、なんでこんなお年頃の女性の気持ちがわかるのだ?
それも全部パターンが違う女性である。
ひょっとして、
変態なのか(^_^;)?

夫、恋人、上司のしての自分を射影して見えてくる女性像なのか?

奥田先生、このシリーズ、どんどん続けてください。

先日は精神科医伊良部シリーズの「町長選挙」が文庫になり買いました。っちょっと奥田英郎付いています。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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書談:松本清張著『けものみち』

ついに読んでしまいました。けものみち。

Kemonomiti『けものみち』 新潮文庫
著者:松本 清張
価格: \660 (本体 : \629)
出版: 新潮社
発行: 2005.12
bk1
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成沢民子は、脳軟化症のために動けなくなった夫を養うため、旅館で住み込みの女中をしていた。週一回帰宅する民子に夫は、猜疑心をもちいたぶる行為に及ぶ。ある日、旅館に滞在した有名ホテル支配人小滝がやってくる。小滝は民子にもっと金になる良い仕事を世話すると持ちかける。それは政財界にフィクサー鬼頭洪太の愛人になることだった。民子は、新しい生活に望みをかけ夫が在宅していることを確認し、家に火を放つ。鬼頭家に仕える民子。そこにいる人間たちは誰もが民子と似たような境遇を持っているのだった。
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清張作品を読む前のアマサイは、この作品が松本清張を象徴していると思っていました。金と権力と色欲が渦巻く畜生の世界です。おのこの世界ですなあ。象徴というのはあながち間違いではないです。清張先生がのりのっている昭和30~40年に書かれた作品だからです。

この作品が原型なんでしょうかねえ。このあとにも政財界の黒幕うんたらかんたらって作品はありますよね。それとも鬼頭のモデルなる人物がいるんでしょうか。戦時中、特に日本占領下の中国大陸はなんでもありなんですねえ。

いや、こわ~い話ですよ。人の道を一度外した人間は同類と集い、同じけものみちを歩む。本当のけものはなわばり争いだけで、こんなふうに仲間を殺戮したりしませんが。

おもしろいと言えばこれほどおもしろい小説もありません。人間の欲望をとこんとまで追求してますからね。しかし、こんなばかり読んでいると心がすさみます。
( ̄△ ̄;)。

歴代の映像化キャストはなかなか興味深いです。

●1965年 東宝映画
成沢民子:池内淳子
小滝章二郎:池部良
鬼頭洪太:小沢栄太郎
久恒義三:小林桂樹
秦野重武:伊藤雄之助
成沢寛次:森塚敏


●1982 NHKテレビ
成沢民子:名取裕子
小滝章二郎:山崎努
鬼頭洪太:西村晃
久恒義夫:伊東四朗
秦野重武:永井智雄
成沢寛次:石橋蓮司

●1991 NTV火曜サスペンス
成沢民子:十朱幸代
小滝章二郎:草刈正雄
鬼頭洪太:大滝秀治
久恒義夫:河原崎長一郎
秦野重武:名古屋章
成沢寛次:森本レオ

●2006 キャスト
成沢民子(30):米倉涼子
久恒春樹(40):仲村トオル
成沢寛次(35):田中哲司
秦野重武(47):吹越満
鬼頭供太(72):平幹二朗
小滝章二郎(44):佐藤浩市
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キャストのポイントは民子の夫・寛次と鬼頭じゃないかな。情けなくイカレタ男をどの男優で表現しているのか、というとこ。

鬼頭は言うまでもなく、その時代の大御所が演じています。

清張作品に語るときに、アマサイ、ほぼ毎回言及していますが、年齢です。鬼頭はもうよぼよぼで、あちらの方はてんでダメだが、スケベ心だけは生き生きと、という老人なのですが、原作では60を過ぎていると記しています。今の60代ってかなり元気です。まあ、60はすぎて70くらい、という意味かもしれませんが。しかし、「もう27,8の年増だよ」という表現はびっくらこいてしまいますが。

テレ朝版ではわざわざ年齢を記しています。

米倉凉子は一連の清張作品で演技力がついたでしょうね。
悪女顔で得してます(^^;)
あんまし好きじゃないけど。

やはり、あまりにどろどろしちゃったんでもうちょっとさわやかなのを読みました。同じ松本清張だけど。人気ブログランキングぷちっとな。【押す】≪コメントはここ

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書談:江上剛著『小説 金融庁』

Shousetukinyucho■『小説 金融庁』
著者:江上 剛
価格: \750 (本体 : \714)
出版: 講談社文庫
発行: 2008.11

松崎哲夫はノンキャリア金融庁検査官。幼いころに父の事業の倒産に出会う。銀行の理不尽さを肌で感じる。弟松崎直哉は、大東五輪銀行に勤める実力派銀行マン。兄と違い、父の悲しい姿は記憶にない。父代わりの哲夫によって育てられた。 合併後のガバナンスが問題となる大東五輪への検査の命が哲夫に下る。検査する側とされる側、奇しくも兄と弟との対決という形相になった。

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いやね、途中で読むのやめちゃったんですよ。銀行ちゅうのは、なんて汚いとこなんだ~。こんな奴らが日本を支配しているなんて許せん!えっ、そうですよ、わかってますよ、フィクションでしょう、小説なんだから。

最近、少し経済小説づいているアマサイだが、こういうのは読みたくなかったね。銀行なんてほんとに必要なのか。ええ、ええ、そりゃ、現代は金融社会なんだから必要なんでしょうね。江戸時代の両替屋じゃ用をなさないでしょう。

読むもんがなくなって仕方なく後半から開いたら、俄然おもしろくなりました。人間ドラマが色濃くなりましたからね。会社を守るってのは、自分と組織の利益が一体になったときだけでしょう。侍の滅私奉公とは違いますね。そういうオジサン多いんでしょうね。自分には自分成りの義があると勘違いしてるのが。それは利であって義ではない。結局、それで組織が腐り、自分の居場所さえなくなる。盛者必衰の理と、歴史が教えてくれています。

最終章でやっとわかったんですが。これ実話でしょう。まあ、事実を元にしたフィクションってことで。近年の銀行合併劇ってこういうことだったのか。学者あがりの金融担当大臣って間違いなくあの人なんだけどかっこよすぎです。

哲夫、直哉の葛藤を軸に銀行検査を描いているとこがいいですね。小説にはドキュメンタリになり力があると感じました。

みなさんも是非一読を。


やはり、金融・経済を知らなければ社会人としていけませんな。人気ブログランキングぷちっとな。【押す】≪コメントはここ

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書談:竹内薫著『ねこ耳少女の量子論 』

もちろん、ワタクシ
竹内薫非公式ファンクラブ事務局長ですから、
買いましたよ。

■ねこ耳少女の量子論 -萌える最新物理学-
著者:竹内 薫著
漫画:松野 時緒
価格: ¥500 (本体 : ¥476)
出版 : PHP研究所
発行 : 2009.2
内容説明
超ひも理論、量子暗号、量子テレポーテーション、光の正体とは…? 「素粒子理論」ってナニ?と思っている人のために、ストーリー漫画とビジュアル解説で、敷居の高い量子の素顔をわかりやすく紹介する。
bk1

bk1ではお届けまでに一週間かかるそうです。これって品切れ状態ってこと?

で、先日始めて開いて見てみました。
これだっ!
Nekoryoshi1Nekoryoshi2


いや、読めない読めない(^_^;)。
硬派な物理帝国主義者で通っているアマサイがこげなもの。

って、なんだか恥ずかしくない?

裸のおっきいお姉さんの絵が大写しになっているより、恥ずかしいわい。
( ̄▽ ̄;)

そのうち、読みますけどね、てか、眺めますけどね、と言うべき。

しかし、竹内物理本(物理なのか?)にしては売れているようで喜ばしい。
( ̄▽ ̄)v

物理ファンでも評価している方もおられます。
とね日記


目次もあるみたいなんで転載しときます。
って、こんなにたくさんのこと、この漫画にほんとに書いてあんの?!

はじめに - 量子がわかれば物理学なんて怖くない
プロローグ - 耳、とがってますけど!
・第1章:量子は挙動不審です
はじめに量子ありき/量子という言葉の意味
・第2章:量子は『態度』なんだよね
どこにでもある量子
・第3章:量子には個性がないのです
量子がもつ三つの性質
・第4章:量子テレポーテーション
量子と人の心の共通点
・第5章:量子はデジタルな感じデス
量子を発見した人々(1)
・第6章:光は波でツブで量子です
量子を発見した人々(2)/量子のからみあい
・第7章:超ひも理論ってなんですか?
量子と重力
・第8章:量子の天気予報
喧嘩を始めた物理学者たち/シュレディンガー方程式
・第9章:シュレディンガーはヒドイです
シュレディンガーの猫
・第10章:量子の暗号なら安心です
量子暗号
・第11章:さよなら、あいりちゃん
エピローグ - 彼女のいない世界

竹内師匠がへんな方向に行ってしまうのではないかと、心配でならない。まあ、元々異端児だから、いいか。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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書談:奥田英郎著『最悪』

Saiaku■『最悪』
著者:奥田 英朗
価格: ¥920 (本体 : ¥876)
出版 : 講談社
発行 : 2002.9
bk1


川谷は小さな鉄工所を営む中年オヤジ。小さいながらも仕事はそこそこうまくいき、妻と年頃の娘と息子と小市民的生活をしている。しかし、近年は仕事場の周辺にマンションが建ち近所の住民が鉄工所の騒音をなんとかしろと文句を言い始めた。それだけでも頭が痛いのに、得意先から新規工作機械を入れるよう打診され、その資金繰りに奔走する日々が始まる。

みどりは大手都市銀行かめも銀行の女子社員。実家から通う彼女は、女性蔑視の環境に耐えながらもOL生活を満喫している。拒否したい労組関係の親睦旅行もつき合いで仕方なく参加。楽しいことは望んでいないが、まさか上司にセクハラ行為をされるとは。

和也はパチンコで生計を立てるプー太郎。ほんとどパチプロの彼は、真面目に働く同世代よりも僅かに上回る収入を得ている。ときどき勝てばちょっとした豪遊ができるくらいだ。昔なじみの大阪男と工場からトルエンを盗み出そうと持ちかけられた。以前にもやったことのある悪行で、彼には手軽に金を稼げる良いバイト?となっている。成功したはいいが、相棒はやくざのチンピラで、兄貴分からとんでもない「お仕置き」を受けることになる。

この三人の迷路がどこで合流するかは後半ですでにわかるし、何がおこるかもある程度予想が付く。

が、しかし、しかし、このような顛末となるとはなあ。

さすが、奥田英郎、イカシタラストシーンである。

読者は三人のうちの誰かに感情移入できるだろう。

アマサイは川谷である。オヤジでも家族持ちでもないが、メーカーの経営者の悲哀はアマサイにもなんだかよくわかる。

みどりは「銀行という所は中年の中小企業経営者という生き物と多く遭遇する」と言っている。なんだか、弱者の最大公約数みたいな人たちだな、町工場のオヤジというのは。

もう、川谷の一途な生き方が痛々しくて途中で読みたくなくなっちゃったよ。

しかし、最後は三人とも
3分得
3分損
で終わったのが爽快だった。

人生それぞれ苦楽はあるけれど、結局決算するとみんな同じなのかな。生きるってそんな悪いことじゃないな、と思わせる良書である。

フィクションと言えども、銀行屋にはほんとむかつく。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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黒川博行著『大阪ばかぼんど 夫婦萬歳』他

黒川博行著『大阪ばかぼんど 夫婦萬歳』他
アマサイ勝手に再評価、黒川博行である。東野圭吾氏が絶賛している同業者である。アマサイは東野絶賛とは別ルートで知りました。こちらの『大阪ばかぼんど』が単行本の『よめはん人類学』のときのことです。図書館で偶然見掛けたのです。

いや〜、面白いおっちゃんやなあ、それ以前によめはんが面白いわけです。

「生まれ変わったら、またわたしと一緒になる?」
「なる。よろこんでなります」
「わたしはあかんわ」
「なんでや」
「今度はムササビに生まれ変わるんやもん」

「この本売れるかな」
「一つだけいい方法があ」
「なんやて・・・」
「名前変えるねん。赤川次郎とか西村京太郎とか」

大阪の夫婦はみんなこうなのでしょうか。奥さんは明るくていいですが、アマサイはこんなウザイ旦那勘弁です。
(^_^;)
吉本は週一でたくさんです( ̄▽ ̄;)。

もう一個の『暗闇のセレナーデ』は初期の作品です。大阪の美大生のでこぼこコンビが殺人事件を追跡。美術の闇に迫ります。

トリックもキャラクタもまとまって読みごたえがあります。映像化もされたみたいですね。

この辺の作品を探ってみたいと思います。


大阪男は好きやあらしまへん。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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書談:サイモン・シン著『宇宙創成』

Uchhsouseisin■『宇宙創成』
著者:サイモン・シン著
翻訳:青木 薫
価格: ¥660 (本体 : ¥629)
出版: 新潮社
発行: 2009.2
bk1

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いや~、待っててよかったよ。文庫落ちになるの。サイモン・シンの既書は全部文庫落ちになってるからさ、『ビックバン宇宙論』(単行本題名)も何れはなるだろうと思っていた。でも、早く読みたかったんだよね。先月当たりもどうしようかなと悩んでいたところだ。お金っていうよりさ、単行本を毎日持ち歩けるかってことなんだよね。

しかし、新潮社、大胆、単行本発刊から3年経っていないのだけど。
帯にあるように、世界天文年に合わせたようです。
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第I章 はじめに神は……
天地創造の巨人からギリシャの哲学者まで/円に円を重ねる/革命もしくは回転/天の城/望遠鏡による躍進/究極の問い

第II章 宇宙の理論
アインシュタインの思考実験/重力の闘い ニュートンvsアインシュタイン/究極のパートナーシップ 理論と実験/アインシュタインの宇宙

第III章 大論争
宇宙を見つめる/消えますよ、ホラ消えた。/天文学の巨人/運動する宇宙/ハッブルの法則

第IV章 宇宙論の一匹狼たち
宇宙から原子へ/最初の五分間/宇宙創造の神の曲線/定常宇宙モデルの誕生

第V章 パラダイム・シフト
時間尺度の困難/より暗く、より遠く、より古く/宇宙の錬金術/企業による宇宙研究/ペンジアスとウィルソンの発見/密度のさざなみは存在するのか
--------------
この種の本にしては、ダントツに読みやすいのに、宇宙論史をうまく網羅しているようです。向こうは博士号持ちのサイエンスライターが非常に多い。シン氏も素粒子物理学が専攻である。それはサイエンスライターの地位が高く、日本のように、研究者の余技とか、研究職に就けないので仕方なく文章書いて、ということはないからであろう。

どっから読んでもおもしろい。古代宇宙論ってのは、一回知ってしまえば、たいくつでしかないのだが、本書はそんなことはない。天文学史の本を何冊か読んでいても新しい知見があるように思う。

それに章ごとに「まとめ」がついているのも親切だ。

でも、なんで題名変えちゃったのかなあ。原題に近い「ビッグバン」っていう言葉は入れるべきだと思うが。

間違って「宇宙創造」と入れたら摩訶不思議な世界に誘われました。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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書談:松本清張著『黒の様式』

Kuronoyoshiki■『黒の様式』
著者:松本清張
出版:新潮文庫
発行:1973.9.25
価格:552円(税別)


品切れ絶版状態になっていたやつの復刊です。清張センセにはそういうのまだまだあるんでしょうね。3月まで1冊づつ発売です。今回は中編3編収録

「歯止め」
結婚二年たらずで自殺した姉。月日が流れ、妹は高校生の息子を持つ母に。義兄は高名な大学教授として成功し、時折会うこともある。思春期の息子の行動から、妹は姉の死因に辿り着く。

「犯罪広告」
母は自分が幼い頃に養父に殺されたと詳細に記されたチラシ。小さな港町に配布され、一大事件となる。母の死体が埋まっているという養父の自宅床下の掘り返しまでに行われることになった。

「微笑の儀式」
笑顔のまま固まったままけいれん発作によって絶命した女性の死体。専門書に載った米国と同じ事例が日本でも起こった。数奇な運命にたぐり寄せられ老法医学者がそのなぞを解く。

清張センセの魅力はこのくらいの中編小説にあると思うのですよね。『砂の器』『点と線』などの長編ももちろんよいですが、初心者にはこちらをお勧めします。でも、3編も読むとどんより、しちゃうかもしれませんね(^^;)。とくに「歯止め」なんか、なんだか、なんだか。こういうことってよくあるんでしょうかねえ。話には聞きますが。

前記最初に2編は、時効切れということで、その事件自体を起訴することはできません。それがポイントであります。でも、民事では争えるんじゃなかったでしたっけ。

とにかく清張はおもしろいですよ。実に現代です。人間の本性など50年くらいじゃ、代わりようがないですね。

今年は松本清張生誕100年です。生きてらしたらまだまだ書いていたでしょうね。

田村正和主演の『疑惑』も楽しみです。

田村高広/安田成美で『霧の旗』がやってました。やっぱり、へんてこな話ですね。だからこそ、平成的な小説です。人気ブログランキングぷちっとな。【押す】≪コメントはここ

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書談:東野圭吾著『聖女の救済』

書談:東野圭吾著『聖女の救済』
先月読んだ。現時点で東野圭吾の最高傑作と言ってよい。トリックといい、動機といい、人物といい、東野ミステリーの全てが結晶している。

惜しむべくは、被害者の精神的バックグラウンドをもう少し掘り下げて欲しかったということだ。

今時、結婚は子孫を遺すためだけに存在する、それが達成できない場合は離婚すべき、との考えの男性がいるとは想定しずらい。家庭に恵まれないだけでは納得できない。

そこが、素養があるにも関わらず東野が松本清張になれない所以である。まあ、誰も望んでいないかもしれないが。

シリーズ化を好まない東野圭吾がなぜこれだけガリレオ湯川学シリーズを構成したいのか、結構なぞである。

随分ランキングが下がってしまった。なんとか取り戻したい。宜しくお願いします。人気ブログランキングぷちっとな。【押す】≪コメントはここ

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書談:北森鴻著『狐罠』

書談:北森鴻著『狐罠』
■『狐罠』
著者:北森鴻
出版:講談社文庫
発行:2000.5.15
価格:743円(税別)
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黒川博行の『蒼煌』を読んで、美術業界ものってなんちゅーおもしろいのじゃ、と類書を探していた。類書がおもしろいとは限らないが。
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骨董商・宇佐見陶子は同業者・橘薫堂から贋作の唐様切子椀をつかまされる。それは公にすることはできない。ここでは目利きができない者が負けなのだ。陶子は意趣返しの罠を橘薫堂を仕掛けようとする。その最中、橘薫堂の外商・田倉俊子が殺される。また大英博物を辞めた研究員シンイチ・ホシノはどこへ行ったのか。
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ミステリーの肝はどのくらいの悪人を描けるにかかっているのかなあ、と思ったりする。

この橘薫堂の橘秀曳という極悪人?が興味深い。東京オリンピック時に橘薫堂を買い取ったという経緯、知識だけでは思い付かない。悪が光る物語は力強いであるな。江戸末期~明治にかけて欧米に盗み同然に取られた日本美術を取り戻したいという哲学はいかかがなものであろう。こじつけにしか聞こえません。

中国籍らしき男、何となく正体分かっちゃったけどな。

解説にもあったけど、贋作モノって結構あるんだね。贋作はなんでこんなにも人を惹き付けるのかねえ。

主人公の陶子、イメージできるようでできない。女優さんがやるとだれか、というのが思い付かない。ああ、小雪とか合うかも。

北森鴻の底力がわかる作品でした。

最近はミステリー三昧です。人気ブログランキングぷちっとな。【押す】≪コメントはここ

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北森鴻はおもしろい

北森鴻はおもしろい
謹賀新年、今年もよろしこぉ〜( ̄▽ ̄)v

正月だからって、何も特別なことはないわけで、たまっていた「書談」をひたすら書こうかなと。

表題ですが、短編集・香菜里屋シリーズを読んでみたわけだが、どうってことなかったね。こんなもんなのか、北森鴻って。うむ、あの世界観にハマれる人もいるか、まあ。

で、最近、書店で北森イチオシしてるでしょ。売れてるならあの程度じゃないわな、と講談社文庫の棚を睨んで見てたのがこれ、

『メビウスレター』
-------------------
作家・阿坂龍一郎の元に数年前、高校生が焼身自殺した事件の謎解きが送られてくる。それと同時に阿坂の周辺に殺人事件が起こる。阿坂と焼身事件との関係は?殺人事件は阿坂を狙ったものなのか?全ては手紙を辿ることで明かされていく。
-------------------
井上夢人とノリが似てるけどそこまで深みはない。でも、水準は越えている。一歩手前で次が読めてしまうなあ。『トリック』がわかるのは欠点ではないとアマサイは思っている。筆力はある作家である。たしかに売れる要素はある。では次、読んでみるか。

明日も北森鴻を語ります。人気ブログランキングぷちっとな。【押す】≪コメントはここ

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書談:松本茂監修・著『速読速聴・英単語Business1200 』

しげる先生、るるるるぅ~(←意味不明)
新著の贈呈ありがとうございます。

Bissiness■『速読速聴・英単語Business1200 』
監修:松本 茂
著者:松本 茂、Robert Gaynor、Gail Oura
出版:Z会出版
価格2,205円(本体 2,100円)
CD付/3枚組/
発行:2008年12月
Z会出版HP
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●速読、速聴、単語、熟語、ビジネス知識が同時に身につく!
「経済全般」「経営戦略」「財務・金融」「マーケティング」「有名経営者」など、おもしろく、読みごたえのあるビジネス英語に触れながら、重要語が学習できます。本書1冊を終えれば、語彙力、速読力、聴解力のみならず、ビジネス英語の背景知識までも身につきます。

●ニュース記事だけでなく、大学生用テキストの英文も抜粋!
『速読速聴シリーズ』では英字新聞や雑誌の記事の抜粋やネイティブ・スピーカーによる書き下ろしの英文を掲載してきましたが、本書では、大学生用テキストからも英文を抜粋しました。ビジネス分野に特有の単語や用語には簡単な解説も掲載してあるので、これからビジネス分野の学習を始める方も無理なく学習することができます。
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ちょ~ベストセラー速読速聴シリーズの最新刊だよ~ん。
今回はビジネス編ではないか。
全国100万人のビジネスパースンがこの発刊も待っていた。
 (↑数の根拠が不明)
ビジネス英語学習本は数々あれど、これほど充実したものはみたことがありません。経済誌や実際に使われている文書が元となっている。第9章 交渉・会議ではその名の通りビジネスミーティングでそのまま活用できるし、第10章 有名経営者・起業家は楽しい読み物になっている。第11章ビジネス環境、第12章ビジネス倫理はこれまでにない切り口である。

もちろん、全文朗読CD付きなので、速聴の実践もできるね~。

少し残念なのは、近年のホットトピックである知的財産の項目がないことだ。
Ver.2では是非、最新特許訴訟、M$の悪事?なんかを挿入してほしいな。

これで2200円なんてめちゃ安いがな。
みなさん、買いましょう。

テーマ別英単語 Academic [上級] 01 人文・社会科学編
テーマ別英単語 Academic [上級] 02 自然科学編
の発刊も楽しみです。

あ”これはしげる先生の著書じゃないんだね(^_^;)。

これからもお体に気を付けて良書は作ってください。
しげる先生、るるるるぅ~

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書談:『死刑執行人サンソン』

Sanson■死刑執行人サンソン
-国王ルイ十六世の首を刎ねた男-
著者:安達 正勝著
価格: \735 (本体 : \700)
出版: 集英社
発行: 2003.12
bk1

ひさびさに新書の大作を読みました。アマサイにとって新書とは単にお手軽な知識を注入するためのものではなく、現代に生きていく指針、感動さえももたらすものでした。それはこれほど新書が乱立する前のことです。

御三家、勝手にいっちゃいますが、講談社、中央公論、岩波が市場を閉めていたころ(+講談社ブルーバックスであるな)、毎月、どれを買うべきか迷うほど良書が出ていました。

しかし、こうも新書だらけになると、質が低下するのはやむえないですな。

そのなかで本書は光り輝いていた~!

って5年前に出てたんですね。

駅内書店にあったのでてっきり新刊とばかり、アマサイセンサもにぶってきたか。

ここでのサンソンは、シャルル=アンリ・サンソン。パリの死刑執行人を勤めたサンソン家の4代目当主です。どこの国でも同じでしょうが、執行人は親子代々執行人です。しかもフランスでは、忌み嫌われ、町中には住めなかったそうです。市民が彼とその家族の接触を拒んだからです。商品さえも売ってくれないのです。子供を学校に通わせるのも困難です。日本でいうと江戸時代のエタ・非人のようですね。

しかし、国から相当の給料はもらっているし、教養も豊かです。ムッシュ・ド・パリと呼ばれるにふさわしい。自分の仕事に対してたいへんな誇りを持っています。刑の執行は国王の名義で下されます。国王を敬愛してるからこそできる仕事であると。そもそも、彼が刑を行わなければ、罪人は逃げてまた罪を犯してしまうかもしれない。また、刑が決まってもそれを苦痛を最小限にして執行するのが彼の倫理観です。実際、死刑囚の遺族の中にはサンソンの心配りに感謝をしている人も少なくありません。高潔な死刑執行人なのです。

しかも、彼は早くから死刑廃止論者です。命を奪うことは何人足りともしてはならないという哲学を心に秘めています。

そして、革命の大河の中に彼は飲み込まれていきます。彼は死刑廃止が叶わないならば、せめて楽に死なせてあげるべきと考えています。そして、医学的も技術的も最高の死刑器具が発明されます。ギロチンです。彼は医者や職人とともに最良のギロチンを作るために腐心します。しかし、まさか尊敬するルイ16世をこの器具で自らの手で刑に処すとは。
いや、どきどきしますねえ、これからどうなるんでしょう。前半、本書の1/3のほどのところまでは、彼の祖父と彼の青年期を描いています。それでもかなりエキサイティングな人生です。こんな薄い本なのにどれだけ波瀾万丈があるねんといった感じです。

最終章のナポレオン1世との会話は、感動のあまり涙がこぼれそうです。

こんな著作があるのは、サンソンや彼の子孫たちが記録を残しているからです。後世に自分たちの生き様を残し、息子や孫たちに誇り高く生きてほしかったからでありましょう。現代に通じる高い志を感じます。

これを読んでから、もっとフランス史を知りたいと思い物色中です。フランス革命以前、中世、ブルボン王朝ができまでを特に知りたいです。革命ものは結構あるんですが、フランスの起こりから書いたものはあまりないんですね。まあ、地続きですから、ドイツ史やオーストラリア史も読めばいいんでしょうね。

今は岩波の『フランス史10講』を読んでいます。


安達さんに言わせるとルイ16世は賢帝の部類に入るそうです。数百年の王朝の責任を全て彼になすりつけられたのは気の毒です。人気ブログランキングぷちっとな。【押す】≪コメントはここ

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書談:折原一『叔母殺人事件』

Obasatujin■『叔母殺人事件-偽りの館-』
著者:折原 一
価格: ¥770 (本体 : ¥733)
出版: 講談社
発行: 2007.9
bk1

一代で富を築いた清瀬富子。彼女は、お手伝いの春とその娘美咲と昭和初期に建てられた洋館で生活している。何の気まぐれか彼女は甥・名倉智樹を遺産相続人に指定する。しかし、智樹はこの叔母を憎むようになる。彼は殺人計画を思いつく。

智樹の殺人計画は実行され、身内を殺める。すぐさま警察にやってきて智樹は容疑者として捕らえられる。もぬけの殻になった洋館にやってきたは、自称ノンフィクション作家の「私」である。

「私」の記述により殺人事件の全貌が明らかになっていく。富子の人間関係は、初期段階から明らかにされるので、こいつがあいつで、こいつはあいつか?ということは段々特定できるようになっている。最終章はどんでん返しと言えるけれども、読者にとっては想定範囲内だろう。

しかし、折原一、どこまで性格が悪いのか(^^;)。かなり、緻密に文章表現しないとここまで読者を引き込むことはできない。叙述ミステリは人間性が歪んでないと書けないと思う。叙述ミステリは、文章の表現の仕方にトリックがあるものとアマサイは認識している。例えば、「私」は事件を第三者的に語っているが、実は当事者が「私」だったりする技法である。本書はそのものではないが、その変形バージョン、叙述ミステリはすべてが、書き手と登場人物を微妙に錯誤させる、ところに特徴があると言っていいだろう。

叙述ミステリはミステリなんかではないと怒る人がいるのだが、それも無理はない。ミステリ、推理小説とは、状況を全て文章に明かして、「さあ、どうだ、誰が犯人だ?」あるいは「刑事はどこで犯行を見破るか?」を問うものとされている。それが、じゃーん、実はこの文章の「私」が犯人でーーす、なんてことが起こるわけなのだから。

しかし、折原にはかなり固定ファンがいるらしい。それは、やっぱり騙されたいからじゃないのか。日常で騙されるのは御免だが、小説の中で欺かれるのは大好き、というマゾ的な人間が多いのかもしれない。

いや~、折原さん、本当は作家じゃなくて詐欺師になりたかったんじゃないですか。

認めたくはないが、アマサイも結構マゾなのか。人気ブログランキングぷちっとな。【押す】≪コメントはここ

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書談:井上夢人著『メドゥサ、鏡をごらん』

Medusaiy
■『メドゥサ、鏡をごらん』 講談社文庫
著者:井上 夢人著
価格: ¥800 (本体 : ¥762)
出版: 講談社
発行: 2002.8
bk1
<内容>
作家・藤井陽造は、コンクリートを満たした木枠の中に全身を塗り固めて絶命していた。傍らには自筆で〈メドゥサを見た〉と記したメモが遺されており、娘とその婚約者は、異様な死の謎を解くため、藤井が死ぬ直前に書いていた原稿を探し始める。だが、何かがおかしい。次第に高まる恐怖。そして連鎖する怪死!
--------------

上記のメモに石海という地名が出てくる。主人公、陽造の娘の婚約者は、この石海とメデゥサの関係を追うわけである。メデゥサの正体は悲しく残酷である。

ちょっと、横溝正史入ってるっぽい、ホラー的なノリがある。小心者のアマサイは、夜、自室で一人で読んでいると怖かった。ああ、ちょっと私用でホテルに居たんだよね、だから余計に。。。

文庫本の解説はネジネジの妻、女優・池波志乃が書いている。彼女は結構な読書家として通っている。志乃さんに言わせれば、本書は、「井上夢人作品の私的ベスト1」なのだそうだ。やはり、ネジネジの伴侶だけあって少しばかり志向が変わっている。評価には賛否両論あると思う。

アマサイとしては、なんだろう、最後まで騙してくれたから、OKだけど、最高点は上げられないなあ。もうちょっと締まった最後にしてほしかった。他によりよいラストがあったと言われると、ない、だろうなとは思う。しかし、すっきりしない、という循環型感想?になってしまう。

ちょっとネタバレせずに、感想を書くのは難しい。このストーリーの構造は、後のページをパラパラみればわかるかもしれない。

この作品でも、小道具としてのパソコンが効果的に使われている。ある意味、ストーリーの決め手かもしれない。

一押しではないが、まあまあお薦めできる作品である。

岡嶋二人時代の流れを汲みながら井上独自の香もします。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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書談:有吉佐和子著『悪女について』

次は何読むべえかと文庫の棚をうろちょろしてたら、
そうだ、有吉佐和子がいるでねえの、と思った次第。

なんかちゃんと読んだ記憶がない。
私の好きな「おなご物語」をたくさん書いているのに。

そういえば、「不信のとき」がドラマ化されるようですな。
って、また米倉凉子かよ。

Akujonituite■『悪女について』 改版 新潮文庫
著者 : 有吉 佐和子著
価格 : \740 (本体 : \705)
出版 : 新潮社
発行 : 2006.6
bk1

新潮社解説
《自殺か、他殺か、虚飾の女王、謎の死》――醜聞(スキャンダル)にまみれて謎の死を遂げた美貌の女実業家富小路公子。彼女に関わった二十七人の男女へのインタビューで浮び上がってきたのは、騙された男たちにもそれと気付かれぬ、恐ろしくも奇想天外な女の悪の愉しみ方だった。男社会を逆手にとり、しかも女の魅力を完璧に発揮して男たちを翻弄しながら、豪奢に悪を愉しんだ女の一生を綴る長編小説。

なぜかTVドラマ化されたのは覚えているのだ。
いえ、ほんのご幼少のころですよ。

悪女について×ドラマでぐぐってみてください。おもしろい配役ですよ。

本人は一切出てこず、知人、血縁者のインタビューだけでその人となりが語られる。
そういう手法は今までもあったのだろうけれど、ここまで徹底して描いているのは無いに等しいのではないか。

男を翻弄して有名実業家にのし上がる富小路公子。ある人は稀代の悪女と呼び、ある人は少女の心を持った心優しい人という。どちらがほんとうの公子なのか。

それぞれ、27人の見た公子がそれぞれ真実なのだろう、と結論づけてはおもしろくない。女性は27通りくらいの見方ができるのはごく普通だろう。子供、親に情愛を尽くすのは当然であり、その受け取り方も子供によって違うのもまた当然だ、彼女は悪女でも功利主義者でもなく、ただの女性なのだろう。

私もおっきいお姉さんになればこそ、このような見解をもてるのである。

20年後、読んだらまた違う感想を持つことだろう。


今は有吉作品の基本書『紀ノ川』を読んでいます。人気ブログランキングぷちっとな。【押す】≪コメントはここ

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情報法のお勉強

放送大学院『法システムⅢ-情報法-』の試験報告をしていなかった気がするが、、、って誰も関心ないか?

試験方法は択一式。試験は記述式の方が安心である。自分の知っていることをつなげてかけばいいのだから。択一式はかえってこわい。『複雑系システム』のときのように、教科書の内容を空で説明できるくらい理解していないと回答が難しい試験もあったりした。

今回は拍子抜けするくらい簡単だった(はず)。教科書を一読してポイントを押さえていれば満点も夢でないかもしれない(たぶん)。

「防衛省では情報漏洩に対してなんたらかたら」
おそらく、教科書には、まったくふれていない(かつ間違いだろうと思われる)選択枝もあり、もうちょっと問題も工夫してつくってほしいなあ、と思ったくらいである。

教科書、印刷教材には文句も言ったけど、この科目取ってよかったですよ。知財プロフェッショナル・メーカー勤務かとしては、知っておくべきことばかりでした。情報法を教えてくれるとこもそんなにないしね。

試験前は心配だったので、また一冊私的参考文献を購入しました。

Web20law
『Web2.0インターネット法-新時代の法規制-』
著者:高田 寛
価格: ¥2,940 (本体 : ¥2,800)
出版:文眞堂
発行:2007.4
bk1
目次:インターネットと法/インターネット上の名誉毀損・企業批判/プライバシー権とパブリシティ権/サイバーポルノと青少年保護/電子商取引/ネットビジネス/インターネットと消費者保護/サイバー犯罪/個人情報保護法/電子署名と電子認証/プロバイダ責任制限法/デジタル著作権/ビジネス方法の特許/裁判管轄と準拠法/ADRと裁判外紛争処理
当たり前ですが、情報法、サイバー法の教科書って書いてあること共通してますね。電子商取引とか個人情報保護法とか。結構、研究は進んでいるのでしょう。しかし、まだまだ一般市民には下りてこない分野です。うむ、領域が広いですからな。この本は判例も適度に載っていてよかったです。著者の高田さんは、エンジニア出身で社会人大学院等で法学を学ばれたようです。
『情報法入門』の作者の方も似たような経歴で生粋の法律家ではなかったと記憶しています。
まあ、分野的に情報系エンジニアが法律を学んで記す、というのは順当な方法でしょう。

アメリカの文献の引用が多いとこをみるとやはりこの分野も米国が進んでいるようです。日本もネット大国なのですから、法学研究もがんばってもらいたいものです。

情報法の先駆的な教科書には『デジタルコンテンツ法』という大著があるのだが、分厚い上に上下巻である。なかなか読めまへん。

サイバー法の中核にあるのはやっぱり知財でした。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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書談:『スティーブ・ジョブズ神の交渉力』

Stjobs■『スティーブ・ジョブズ神の交渉力-この「やり口」には逆らえない!-』
著者:竹内 一正
価格 : ¥840 (本体 : ¥800)
出版 : 経済界:リュウ・ブックスアステ新書
発行 : 2008.6

けっして、ウインドウズ、ビル・ゲイツ讃賞する気はないのだが、マックは使ったことないので、ジョブズのことはほとんど知らなかった。

しっかし、こいつ、

む ち ゃ く ち ゃ 性 格 悪 い や ん け ~

そもそも元祖アップルを作ったのは、友人のウォズニアックなのだが、全部オレ様がやったんだ、と一環して言い放つ、

自分がリストラを許可しといて、オレは知らない、全部社長スコッティがやったことだよ、と言い逃れるとか(実際スコッティ氏は、社員の反撃にあい、その地位を追われている)、

契約を破るなんておちゃのこさいさいである。

自分で気に入ってスカウトしてきた社員でさえ、何かカンに触ることがあると、その場でクビ。誰だって近寄りたくないよねえ。

なぜ、こげな男がアップル帝國を築くことができたのか。

本書によるとジョブズにものすごい吸引力、エネルギーがあるかららしい。

ジョブズはウケル製品をデザインする能力については、天才的である。パソコンがこんなに厚くていいいわけはない、熱発散モーターがうるさすぎる、形はもっとスタイリッシュに、ただ音楽を聴くだけなのに何故3つの操作が必要なんだ、などなど。

これらは、マーケティング調査で引き出したデータではない、消費者がほしいと思っている製品でもない、

おお!我々はこういうアイテムが必要だったんだ、と気づかせるモノなのである。

しかし、ジョブズはプログラミングも回路設計もしない。こういうのを作れ、それも最短時間で、と命じるだけである。商品発表日に間に合うことの方が奇跡な工程だ。

しかし、ジョブズは、このパーツがないとできない、この技術さえあればできる、というメンバーからの要求には応える、調達はやってのける。単に号令をかけるだけであったなら、いくら天才といえども誰もついてきはしないだろう。

彼の側にいけば、世界最高の製品が必ず作れる、そのジョブズに吸引された天才達が、アップルコンピュータ、iPodを世に出したのである。

本書の著者竹内一正氏は言っている。

「日本は今、個人所得も伸びず、ビジネスにも閉塞感がただよう。なにか、宙ぶらりんの状態だ。だからこそ、熱いジョブズの生きざまが、読者の目の前の悩を吹き飛ばし、一歩先へ進む勇気となれば、こんなうれしいことはない。」

本書の読後には、ジョブズなんかと知り合いになりたくはない、しかし、彼のファンになったという人が増えるのではないか、私もその一人である。

人に好かれるような善人は前人未踏の領域には入り込めないのねん。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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書談:『バフェット&ゲイツ後輩と語る』

仕事で英語を使っているが、実力の程は中の上ぐらいのアマサイである。もっとうまくなりたいと精進を、、、まあまあしている。ビジネスパースンとしては、英語学習のための英語ではなく、副産物も、即ち、学習課程でなんらかの知識を得られるような勉強をしなくてはならん。

よく、洋画で勉強、というキットもあるけれども、映画は映画で楽しみたい。聞き取れない、と何度もリピートボタンを押すお勉強はいやである。現在、講読しているDVD『刑事コロンボ』も小池朝雄さんの吹き替えで見ている。罪悪感からか?字幕は英語にしているけれども。

Bafetgateで、表記のは最近でた
『バフェット&ゲイツ後輩と語る-学生からの21の質問-』
を買ってみた。その名の通りお二人が大学で学生からの質問に答える、という催しを再現した本+DVDである。
いや、びっくりした。DVDがこれほど英語学習を楽しくさせるとは。本の方は和訳が載っているので、ざっと読んでからDVDを見る。なんと言ったかわからないとこは、DVDの英語字幕に切り替える(これは日本語字幕はない)。ほうほうわかった、わかった。もう一度聞いてみよう。これは、実際の対話なので、リピートをしても不快ではない。何しろ、話者同士の表情が見て取れてなかなか楽しい。

そもそも、DVDってそういうもんだろう。今更何言っているんだ?と思われるかもしれない。しかし、こういう教材はなかった。CD(音声)付きはあっても、DVDが付いていることは少ない。http://ee.asahipress.com/index.html
CNN English Expressに毎月DVDが付いていたら値が張ってしまうだろう。耳から聞けばいいのだからCDで何ら問題ないだが、インタビュー教材は、動画がついていてもいいと思った。

本書は学生との対話なので、実際に即使える英語表現もある。

お値段もほどほどなのでおためしあれ。


恥ずかしながらバフェットさん、何者か本書で初めて知りました。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。
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書談:『情報法入門 -デジタル・ネットワークの法律-』

『法システムⅢ-情報法-』の教材があまりにもつまらないので、新たに参考資料を買いました。
Johoho
■『情報法入門 -デジタル・ネットワークの法律-』
著者:小向 太郎
価格 : ¥2,730 (本体 : ¥2,600)
出版 : NTT出版
発行 : 2008.3
------------------------------
コンピュータやインターネットの劇的な普及のなか、情報技術を利用した便利なサービスが次々と開発される一方で、電子メールやWWWなどを悪用した詐欺、電子掲示板上での誹謗中傷、個人情報の流出など、これまでになかったような深刻な問題が急増している。これまでは、情報発信が可能な者は大きな影響力をもつマスコミなどに限られていたが、デジタル・ネットワークの普及によって、理論的には誰でも世界中に情報発信ができるようになった。情報というとらえどころのないものに対して、社会的なルールを定めるのは非常に難しい問題である。本書では、これらの社会の情報化によって生じるこれらの法的問題全般について、問題が生じる背景、現在の法的位置づけ、問題を解決する取組みについて、基礎的な内容から最新のトピックまでを分かりやすく解説する。
第1章:デジタル情報と法律
第2章:情報化関連政策
第3章:通信と放送
第4章:情報に起因する法的責任
第5章:ネットワークにおける媒介者責任
第6章:個人情報保護
----------------------
なかなか読みがいがあります。新しいですしね。情報法という体系が定まっているわけではなく、定本の作成は困難でしょう。5年前発行だと買おうかどうしようか迷いますね。7年前のだったら止めとこうと思います。

個人情報保護法、セキュリティに伴う行政法、電子マネーの商取引に関する法、これだけ並べても、各々別の専門家がいるだろう、ってな感じですね。

放送大学院のテキストには、知財法についても章を設けているので、アマサイ的には好感?が持てます。

まだまだ未開の分野ですからやりがいはありますね。

放送大学院のお勉強はアマサイの心の支え。。。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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書談:東野圭吾著『流星の絆』

Ryuuseikizuna■『流星の絆』
著書:東野 圭吾
価格 : ¥1,785 (本体 : ¥1,700)
出版 : 講談社
発行 : 2008.3


*-*-*-*-*-*-*-*
洋食店を営む有明夫妻の子供、功一、泰輔、静奈の3人は、ペルセウス座流星群を見るために深夜、家を抜け出す。流星は見られなかったものの、兄弟で秘密の行動した興奮で喜びに満ちて家に帰る。そのとき、長男功一が見たものは、両親の惨殺死体であった。---その後、身よりのない3人は施設で育つ。施設を卒業した3人は、いつの日か両親を殺した犯人を見つけ仇を打つこと誓う。そのきっかけは、彼らの「副業」によって遭遇する。事件は、父親が作り出した店の味が動機となっているのではないか。
*-*-*-*-*-*-*-*
東野さんの新刊は、発売からあまり間を空けず、買って読んでいる。本書は、しばらく経ってから読んだ。だいたい、週末を利用して読み切ることが多いのだが-ウィークデイに読み始めると止まらなくなって日常生活に支障が出るので-今回は、何日かに分けて断続的に読んだ。おもしろいことはおもしろいが、ページをめくるのがまどろっこしい、とまで行かなかった。謎解きは1つなので、そこに到達するまでは案外(東野作品にしては)淡々としている。

東野さんも年をとって、人に対するまなざしがやさしくなったのか、あんまり毒があるものは受けにくいと思ったのか、今までにないタイプのハッピーエンドだ。登場人物も、こいつはいくらなんでも人間としてどうよ、という人物も出てこない。犯人は酷いには酷いが同情できる面もある。物語が長い割には、最後の〆は駆け足っぽい。別にそれも悪いとは思わなかった。デビュー作から読んでいる者としては今までとは構成が違うなと思った次第。

RyuseiomoteRyuseiura
しかし、ね、この帯は何?35万部最速売上げって。後ろに印字した読後アンケートも気に入らない。東野圭吾には、この広告帯は似合わない。直木賞作家だから?長年玄人好みの言われていた反動でしょうか(編集部側の)。

名実とも大衆作家になるってこういうことなのかね。

東野圭吾は、十数年前からずっと、ミステリ小説の職人なのだ。最近のにわかファン、特にブックオフで文庫買いましたって堂々のファンコミュニティに書いてるニセファン、下がりおろう!!

ファンに優劣はないのだが、ブックオフや古本屋ってのはいくらなんでも酷いだろう。クリエータのイセンティブを削ぐ行為なのであるそ。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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科学教育書バリバリ現役2人のご老体

阿部龍蔵先生志賀浩二先生である。

お二人とも同じお年くらいであろうか。今月もまたお二人の新刊が出ていてびっくりしているとこである。70歳以上でバリバリ書いていらっしゃる方は、他にもいらっしゃるでしょうがアマサイが気づくのはこのお二人であるので。

阿部龍蔵:1953年東京大学理学部物理学科卒業。東京大学教養学部教授、放送大学教授を経て、現在東京大学名誉教授。理学博士。著書に「ベクトル解析入門」「物理のトビラをたたこう」など。

志賀浩二:1930年新潟市生まれ。東京大学大学院数物系修士課程修了。東京工業大学名誉教授。精力的に数学書を執筆。著書に「数学7日間の旅」「数の大航海」「数学の流れ30講」など。

放送大学に入ったとき、物理学教科のほとんどは阿部先生のご担当だった。演習書もたくさん書いていらっしゃるので、卒業後もお世話になった。

一方、志賀先生の方はあまり面識(書物で出会っていることもそう呼んでる)がない。数学・数学?してるからか。新書版ややさしい数学も書いていらっしゃるけれど。最もアマサイの知っている数学者って、藤原正彦氏とか森毅先生とか、数学じゃない本を書いている方々だから。

理工系のための数学、って本じゃないと買わないし。物理書は同じ分野でも説明の仕方が違えば、理解が進むということはあるが、数学はそうじゃない気がする(非数学専攻者にとっては)。

まあ、何れは大学学部レベルの数学は制覇したいと思っているので、志賀先生の本はその指針になるかしれん。

で、お二人の著書で目に留まったのこれら。

Aberyu0804■はじめて学ぶ量子力学 ライブラリはじめて学ぶ物理学
著者:阿部龍蔵
価格 : ¥1,680 (本体 : ¥1,600)
出版 : サイエンス社
発行 : 2008.4
bk1


Shigakoji0806■大人のための数学『広い世界へ向けて-解析学の展開-』
著者: 志賀 浩二著
価格 : ¥1,890 (本体 : ¥1,800)
出版 : 紀伊國屋書店
発行年月 : 2008.6
bk1

はじめて、とか、やさしい、とかが付く量子力学学習書、つい置いておきたくなってしまうが。解析学の歴史かな、読めそうだったら買おうと思う。

お二人ともこれからもお元気で活躍してください。

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書談:井上夢人『パワー・オフ』

ここ半年、書評、感想文などの投稿が少ない。まあ、お勉強本以外ほどんど読んでいないし。全然読んでいないわけじゃないんだけど、ここにアップするのはめんどくさい、アップするほどではないと言った感じ。さすがに緊張が切れて、先々週からどばっと、読んだ。

Poweroff■『パワー・オフ』
著者:井上 夢人著
価格 : ¥840 (本体 : ¥800)
出版 : 集英社
発行 : 1999.7
bk1

機種を選ばずに感染する新型コンピュータウイルスのお話。それを人工生命が増殖バージョンアップさせていく。コンピュータウイルスはすでに人工生命になったのか。この操作を行っているのは何者なのか。最終章は、実に井上夢人らしい。岡嶋二人時代の『クラインの壺』を思わせる。

井上の情報科学に対する先見性はすごい。インターネットが世に知られるか知られていないかの時点でこれを執筆している。パソコンを早い時期から使用し、関連情報を追い続けており、その蓄積がなせる技だ。なんていうと、こんなシチュエーション、パソコンを多少知ってれば、誰でも思いつく、ラストだって前半から十分予想できた、なんていう奴がいる。

だったら、小説書いてみろ、って話である。

設定が陳腐だっていう奴って、要は小説が読めない奴なんだよね。

びっくりしちゃうのが、そのウイルスって、「おきのどくさまウイルス」って作中で呼ばれているわけだけど、wikiにあるんだねえ、その項目が。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8A%E3%81%8D%E3%81%AE%E3%81%A9%E3%81%8F%E3%81%95%E3%81%BE%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%AB%E3%82%B9
でも、元の『パワーオフ』の項目がないってのはどうなの?

登場人物のキャラが立っている、というか、どっちかっていうと、技術解説をするだけに居る気がしないでもない。コンピュータエンジニアの平石瑞穂と夫で営業マンの智之なんかがそうだねえ。

そういえば、この小説、黒幕みたいのが居てもよそうさうなんだが、そういう構造にはなっていない。情報化が進むと世の中がフラットになる、ということを意識しているのか。


一昔前の時代設定だけど、そんなに古くは感じない。
コンピュータウイルスの問題を知る為の必読書、とか書いてあったけど、いや、変わり種ミステリとして読めばいいんじゃないの。


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書談:『次元とは何か』Newton別冊

アクセス解析を辿っていったら、どうも物理学ブログに入れられているらしい。じゃあ、物理的な話題でも。

Jigentowananika■『次元とは何か』Newton別冊
-「0次元の世界」から「高次元宇宙」まで-
価格 : ¥1,995 (本体 : ¥1,900)
出版 : ニュートンプレス
発行 : 2008.5
bk1

当然、リサ・ランドールブーム?に乗っかった企画でしょうね。最後にリサちゃんのインタビューが載ってます。特別インタビューってあるけれど、どこかで聞いた内容だなあ。質問が同じだから?リサちゃんの渾身の作『ワープする宇宙』だれどイマイチそそられない。レオナルド・サスキンドの『宇宙のランドスケープ』の方が読みやすいような気がする。半分弱しか読んでないけど。物理学の素養のない人には『ワープ』の方がとっつきやすいだろう。とっつきと理解は全く別のものだがな。

イラストを見て科学を分かった気になってはいけないなどと説教を書いたが、数式のない文章でなんなく分かった気になるようり五次元ってこういうイメージなんだ、とイラストをみて分かった気になる方が「理解」に近いと思うね。

物理好きには見慣れた図だけれど、こうして次元というテーマで一冊になると改めて発見することもあるものだ。

百科事典を自宅に置く習慣がない今、一連のニュートン別冊は自然科学百科として役立つだろう。ご家庭に一冊どうぞ。

1章 次元とは何か
次元の定義とは/1次元と2次元/2次元と3次元/影から形がわかるか?/2次元は3次元の影?/第4の次元「時間」/時間の「流れ」

2章 アインシュタインと次元
特殊相対性理論/時空図の基礎知識/時空図/ミンコフスキー時空図/重力と一般相対論/曲がった空間の幾何学/素粒子と力/四つの力/四つの力の統一

3章 高次元空間の世界
4次元空間とは/「超立体」とは?/4次元空間では何がおきる?/1次元に見える世界も……/第5の次元はどこに?

4章 超ひも理論とブレーン
超ひも理論の登場/丸めこまれた次元/ブレーンとは/開いたひもと閉じたひも/ほかのブレーンとの関係/ワープした余剰次元モデル/LHCでの実験

5章 ランドール教授に聞く
次元の探求 特別インタビュー

竹内薫さんの物理講義がまた聴きたいですね。どっかでやってくんないかなあ。竹内さんの後継たるサイエンスコミュニケータの出現も歓迎いたします。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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書談:トーマス・クーン『構造以来の道』

Kouzoirai■『構造以来の道 -哲学論集1970−1993-
著者:トーマス・S.クーン著
訳者:佐々木 力訳
価格 : ¥6,930 (本体 : ¥6,600)
出版 : みすず書房
発行 : 2008.1
第一部
第1章 科学革命とは何か?
第2章 通約可能性・比較可能性・意思疎通可能性
第3章 科学史の中の可能世界
第4章 『構造』以来の道
第5章 歴史的科学哲学の難点ト明
第二部 註釈と応答
第6早 私の批判者たちについての省察・再
第7章 構造変化としての理論変化-スニード形式主義への註釈-
第8早 科学の中の隠喩 ・瑚
第9章 合理性と理論選択
第10章自然科学と人間科学
第11章 あとがき
補章 歴史所産としての科学知識・
第三部 トーマス・S・クーンとの討論
トーマス・S・クーンとの討論
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去年の暮れくらいに書店に並んでいたような気がする。買おうと思ったが、読めない状況だったので見送った。『初夏の陣』が終わったので、早速入手。原書の
"The Road Since Structure: Philosophical Essays, 1970-1993,With an Autobiographical Interview"
は、4年前に買ったのだ、買ったのだ、買ったのだ。。。
えーと、翻訳文を読んでみるとそんな難しい英語じゃないそうだ、いえ、原文読んでそう思ったから、原書買ったんだけどね、って意味不明の前置きは止めよう。

その名の通り、トーマス・クーンが、『科学革命の構造』を出版して依頼の論文、講演が多いのだが、をまとめている。論文集は日本でも翻訳されている『本質的緊張』があるのだが、それよりやわい内容となっている。

晩年は、黒体放射の歴史について研究していると言っていた。これについて何人の専門家が注目してくれるだろうか、とも述べていたらしい(野家啓一『クーン』別紙の中で中山茂先生が書いておられた、と思う)。

本書をパラパラと見ると、クーンが『構造』への反論者への反論に時間をかなり割かれていたのではないかと察する。画期的な理論を構築し、それが長い間論争の的になるというのは科学史家、科学哲学者には、幸せなことなのだろうか。なんか、その気はしない。パラダイム理論はクーンにとって、科学史家へと成長する道程の1ポイントに過ぎない、それをねちねちと論じられるのは気分のいいものではないと思う。また、しかし、それは杞憂であって、クーンは他にも沢山の論文を書いている(らしい、翻訳されるのは一部だからよくわからない)。科学史・科学哲学の末端学徒・アマサイがいうことではないかもしれない。

でも、科学史・科学哲学の世界はまだ脱『パラダイム論』してないんじゃないか。クーンを抜いてしまうと、あとに残るのはちんまい「お話」になってしまうんじゃないか。

はやしさんが以前HP、「科学史っていうとクーンですか、と聞かれるのだが、それはもう古いです。古いことが悪いことではないけれど」と書かれていた。今はそのような文言はないようだ。


まあ、物理学の「歩留まり」が頭打ちになったせいもあるかもね。科哲で脚光を浴びるのは生命倫理くらいでしょう。

対象が「研究者向け」となっているのだが、『科学革命の構造』本体よりは読みやすいと思う。

※科学史、科学哲学は別のガクモンなのだが、特に区分けをしていない。クーンを語る上でそれは必要ないと思ったので。

中山茂先生が訳されるべきと思うのだが、いろいろ「大人の事情」があるのねん。。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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桜田晋也著『武神-八幡太郎義家-』

Bushinyoshiie『武神-八幡太郎義家-』
著者:桜田 晋也著
価格 : ¥819 (本体 : ¥780)
出版 : 学陽書房 人物文庫
発行 : 1997.11

頼朝様や足利尊氏が武家の棟梁と敬う義家ってどないな人やねん、というのが、アマサイの長年のなぞであった。きちんと文献を探して読めばわかるのであろうが、伝記小説なんかでお気軽に知りたいのである。って、春日局を捜していたら偶然見つけただす、本書を。

現代では、残忍なもののふとして知られているようであるが、本書では、頭は切れて、気はやさしくて力持ち、的な人物に描かれています。

前九年の役は、貞任が光貞に『蝦夷には嫁はやれぬ』と罵られたことが発端であった、と同情を寄せているし、

清衛、家衛に奥州を分割統治するように取りはからったのは、義家であるし、

後三年の役は、朝廷には私闘と片づけられているが、あれをそのままほうっておいたらどうなるねん、ということになる、

悪名高き金沢柵においては、「自分たちで事を起こしておいてぎりぎりになって勘弁してくれってどういうことやねん。大将自ら首を差し出し、他の者は許してやってくれ、というのが本筋だろが。家衛、武衛はトンデモねえ」というのは理に適っている。

まあ、殴られた方はさ、自分から手を出したとか、自分の方がひどいことしたっての忘れて、殴られた記憶だけ残るから源氏嫌いになるのは当然だと思うが。

朝廷貴族ども、武士を利用しっぱなしかい。源氏と平家を代わる代わる贔屓にし、その場を乗り切ってきたのは、このころからあったんであるな。

日本史においては、戦前に英雄視された人間は、戦後には何が何でも貶めねばらなぬ、という心理が働いているような気がするなあ。

そもそも、人殺しが生業の武士に向かって、残忍という言葉はよくよく気を付けて使わねばいけませんな。信長が寺を焼いたのと同じです。どうして、そこまでしたのか、ということを人格のせいだけにするのはいただけません。

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・義家が七代目の子孫が天下を取ると遺言したという逸話、これはないでしょう。どっかのHPに書いてあったが、この当時天下を取るという概念はないから。頼朝様のときも、ない。源氏の故郷とも言える関東地域及びその周辺を独立させたかっただけ。それに七代目は家時のはずなのに、自分ができなかったから孫にって(尊氏くんに)、予言は適わなかったってことでしょう。北条家は平氏だから、源氏に取り戻したいという願いは足利家にあったかもしれませんね。でも、平氏も源氏も途中で所々繋がっているし。


資料レベルを読んでいる間はありませんから今度は『炎立つ』と比較してみましょう。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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書談:『春日局』2品

去年の暮れにやっていた、しょーもない歴史バラエティを見て春日局に興味を持った。で、すぐ入手できたのはこれ。
Ofukusugimoto■『春日局』
著者 :杉本 苑子著
価格 : \693 (本体 : \660)
出版 : 学陽書房/人物文庫
発行 : 2001.8
bk1
これは短編集で、春日局の他に時代モノ4編を収録しています。ここでのお福さんは烈女というか毒婦というかなんだかすごいですね。夫の側室成敗しちゃうしさ(これ実話なんか?)。まあ、女性作家の多くがそう書いているように、家光様かわいさ、だけでしょうね。戦国時代は終焉し、長子が家を継ぐというのはある程度認識されていたのだから、それを反故にするって乳母(はは)ならだれでも怒るでしょう。

他の短編は沢村田之助の『女形の歯』がよかったです。 名女形が病魔のため最終的には両足、片腕をなくすという壮絶な人生です。
『栄光なき天才たち』でも取り上げられていました。

次に入手できたのは、こちらでした。他の小説はamazonのユーズドで探さないといけないですね。
Kasuganotubone■『春日局-けふぞ火宅を-』
著者:池田 理代子著
価格 : ¥560 (本体 : ¥533)
出版 : 中央公論新社 
発行 : 2000.4

中央公論のマンガシリーズって全部漫画家さんが「シナリオ」書くんでしょうかね。やはり3巻に渡って描いているのでこっちの方がよくわかりました。

ここでは、明智光秀の家臣だった父が敵として殺される、ということがお福の原点になっています。負けるとこうなる、負けてはならぬ、誓いをお福は心に刻みます。逆臣の娘というがつきまとい、方々の家に世話になるうちに、処世術みたいなものを身につけたのかな、という気がします。ああ、あと疱瘡になって見目麗しいからほど遠い容姿であることも少なからず影響がありますね。

幼少期、細川ガラシャに「みめ形などなんの努力もなしに親から譲り受けたもの。お福どのを誰よりも大切と思い必要としてくれる殿御が現れることでしょう」と言われます。

親から譲り受けたものがイマイチなアマサイには、痛い逸話ですなcoldsweats01

その殿御は家光ではないかと長じたお福は想います。家光が重病のとき、薬断ちをし、回復を祈念します。自らの病のときは、その誓いを果たすべく薬類は一切口にしません。後世に女帝とも言わしめたお福は65歳の波乱の生涯を閉じます。

大奥を、春日局を悪者にしたかった歴史家の意図がすこしばかり見えました。やはり、徳川時代は実質的に大奥が第二の権力だったのでしょう。

歴史作家って結構な数いますよね。なかなか激しい競争なわけですね、歴史小説マーケット。人気ブログランキングぷちっとな。【押す】≪コメントはここ

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メディアはマッサージ:マクルーハン理論

Marukuhan■『マクルーハン理論-電子メディアの可能性-』
著者:M.マクルーハン/E.カーペンター/編著
価格: ¥1,260 (本体 : ¥1,200)
出版: 平凡社/平凡社ライブラリー
発行年月 : 2003.3
内容説明
「メディアはメッセージ」のセンセーションを理論的に凝縮し、電子メディア時代の多様な知見を拡大深化させた論集。先駆者として甦るマクルーハンの理論を多彩な視角から浮き彫りにする。サイマル出版会81年刊の再刊。
bk1
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今週の試験のためにちょいと読んだわけである。マクルーハン旋風のいうのがその昔あったというのは知識として知っている。でも、この内容のどこがウケたのか全然わからない。唯一

メディアはマッサージである、

洒落が真実を突いている。「メディアはメッセージ」というのが本来の言だが、マッサージの方をマクルーハンは好んだという説もあるらしい。本書を読めばわかります。マクルーハンの文章はこの中の半分、あと半分は寄稿?、なので、これだけ読んで知ったかぶりしてもマクルーハンさんの罰は当たりません。

たとえば、テレビはメディアとしては映画の全面的なアンチテーゼである。映画の場合、われわれは座ってスクリーンを眺める。われわれがカメラの目なのである。テレビではわれわれがスクリーンなのである。そこでは東洋の絵画におけるように、われわれが消失点(バニシング・ポイント)なのである。絵がわれわれの内側に入ってくるのである。映画ではわれわれが外に出て世界に向かうのである。テレビではわれわれはわれわれの内側に行くのである。『テレビとは何か』

は唯一クリアに理解できたところである。

テレビによる経験の形式はきわめて深い無意識的な内省のごとき性質をもつものである。黙想的で東洋的なのである。テレビつ子というのは、深奥なところまで東洋化した人間なのある。

に至ってはなんだかわかるようなわかんないような。

メディア論ってこういう能書きをたれればいいのだということはわかりました。今日も人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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書談:小池真理子『唐沢家の四本の百合』

Karasake4lilies
■『唐沢家の四本の百合』
著者 :小池 真理子
税込 : ¥600 (本体 : ¥571)
出版 : 中央公論文庫
発行年月 : 1995.9

読んだのは、11月くらいだが、そのときからブログにアップしようと思っていた。

唐沢家の三兄弟それぞれに嫁いだ紀佐子、勢津子、夏美は実の姉妹のように仲がよかった。その中心にいるのは、兄弟の父慎介である。「三姉妹」は慎介を実の父以上に尊敬し、愛していた。「三兄弟と三姉妹」は唐沢家に敷地内にそれぞれ家を建てた。彼女たちの姑にあたる慎介の妻は、紀佐子が長男慎一と結婚したときは、病床にあり、その一年後亡くなった。洒落者で遊びも仕事も精力的な慎介は、その数年後、若い女性と再婚する。その女性には高校生の娘がいた。慎介は、その義娘と息子たちの嫁3人を唐沢家の4本の百合に例え惜しみない愛情を注ぐ。しかし、ここから唐沢家に歪みが起こり、崩壊への道を進んでいく。最初の犠牲者は、紀佐子の夫・慎一と後妻の寿美江であった。

80年代~90年代に流行った心理サスペンスの部類であろう。でも、別に推理小説でなくてもいいのになあ、と思う。義父が息子の嫁たちを「私の愛人たち」などと冗談を言って迎え入れる、そんなあり得ない?情景をもっと楽しみたかった、それこそ、サスペンスは殺人ではなく、道ならぬ恋、だとよかったのに。

アマサイは小さい頃、大家族の一員だった。父が結婚してからも狭い本家に母と住んでいたからである。よく覚えていないが、祖母、父の兄である長男夫妻、その子供たち、結婚していない叔父・叔母、長男の嫁・叔母は床屋を営んでいて、見習い理容師さんとかも勤務していて、とにかく人が大勢いたという感じ(富山県に4歳までいたというのはそのころ)。

子供の有無はあるけれど、なになに一族というと普通の日本ではアマサイ家のような形態である。唐沢家のようなおしゃれな雰囲気はないんである。ああ、そうか、貴族だと思えばいいのか、敷地内に家屋を3軒も増設できるって、普通の財産/経済状態じゃないわな。
小池さんはフランス小説の多く影響を受けたそうだが、本書の背景にそういう要素が入っているんだなあ、きっと。

後半は、寿美江の娘・有紗を中心に話が展開される。こいつ、なんかしているだろう、というのは、誰でもわかるけれど、どんでん返しが二重、三重構造になっているあたりさすが小池真理子である。これほど精度の高いミステリというのは、他にないんじゃないですかね。

小池さんが『妻の女友達』で推理作家協会短編賞を取ったのが89年、『恋』で直木賞を受賞したのが96年、本書の単行本が91年。もうすでに「恋愛小説家」の基盤はできています。ミステリー作家でデビューしたのは、その方が需要が多いからであって、89年の時点で『恋』にような作品を創出するのは折り込み済み、だったのではないでしょうか(ミステリから恋愛モノにソフトランディングしたのは自然の流れではなくて、初めから戦略なのではないかということです)。

小池さんの作品は結構読んできていますが、うーむ、日本を代表するすごい作家であるな、ということを読むたびに思うわけであります。

なんだかね、楽しいお正月休みも終わってしまったですよ。人気ブログランキングぷちっとな。【押す】≪コメントはここ

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青春の書(*^^*) その3

藤原美子さんの『我が家の流儀』を読んでいたら、自ずと夫の藤原正彦氏の著作を思い出した。当たり前だが、美子夫人の子育て記が、そのまま正彦氏のエッセイ群と符合しているのだ。「検便事件」に関しては正彦氏の本にも書かれていたはずだ。彼の著書は『若き数学者のアメリカ』からずっと読んでいる。

初めての出会いは高校生のとき。高校の3年のときの担任の家にはよく遊びに行った。数学担当の彼女は、練習問題の添削などまめに面倒をみてくれた。読書家でもあったので、アマサイの知らない分野の本を教えてくれた。彼女の部屋の本棚にあったのが『若き数学者のアメリカ』である。なんかタイトルがキザだよなと思ってその時は借りていかなかった。

そして、その数ヶ月後アマサイは、大学生になった。ある日の午後、学校付近駅構内書店にぶらりと立ち寄った。ここで、藤原正彦氏と再会する。『若き数学者~』が文庫になっていたのだった。ああ、K先生のとこにあったやつだ、なにげに手にとって読み始めた。どういう始まりだったか忘れたが、藤原氏の渡米記にどんどん引き込まれていった。レジで精算し、本を開いたまま、電車に乗り、下宿の最寄り駅を降り、7,8分間ずっーと手に持ち活字を追い続け、家の中で仕事に出る1時間ちょっとの間読み続けた(勤労学生だったので)。

何がよかったのかと今では思う。30くらいの青年が、アメリカという異文化に遭遇し、体当たりで、数学を学び、アメリカ人と対決?している姿に、同じ理系のワカモノとして、共感するところがあったのだと思う。理系でなくても大学生でなくても共感はできるはずであるが。

ミシガンの寒さで鬱病になり、悶々つている姿には、私自身が何らかの理由で落ち込んだときを思い出し、書誌を挟んで応援したくなってしまった。美しい(数学の)証明、という表現もここで初めて知った。奨学金をもらって勉強していたが、帰郷しなくてはならなくなった学生には、そのまま我が身を重ねた。つまり、そのときでも、今でも珍しい、正統派青春小説(ノンフィクションだけれど)なのである。

大志というのはどのワカモノにもあり、それに到達できる術は必ずある、そんなことを教えてくれる一冊である。

ワカモノが混沌とした世間を生き抜いていくには成功物語が必要だ。本書は多くの人にとって生きる支えになるのではないかと思う。

Wakisugakusha■『若き数学者のアメリカ改版』
著者 :藤原 正彦
価格 : \540 (本体 : \514)
出版 : 新潮文庫
発行 : 2003.9
bk1
なんかポップな表紙になってしまったが、前の装丁の方が好きだったなあ。

書名からハンサムな人を想像していたのですが、お若いころから野武士を思わせる風貌でしたね、藤原センセ。いや、ニッポン男児らしくていいと思います。人気ブログランキングぷちっとな。【押す】≪コメントはここ

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東野圭吾論1

1と書いてあるが、2,3,と続くか否かは定かではない。
それより、論、と呼べるかどうかも疑問、まあいいや、はじめましょ。

Bokuaho私と東野さんが出会ったのは(もちろん、本人じゃなくて著作で)、
集英社文庫『あの頃ぼくらはアホでした』である。ファンの間で『ぼくアホ』と呼ばれて、はいないが、アマサイはそう呼んでいる。

うーん、10年前くらいか。東野圭吾の名前だけは知っていた。というか講談社文庫には彼の著作がずらっ~とあるわけで、この人は何者だろう、と思っていた。これだけのものが文庫になるくらいだから実力のある作家に違いない、けれどアマサイは彼の著作を手に取ることはなかった。だって、他の媒体で彼の名は聞かない。テレビドラマ化、映画化されているとも聞かない。作家直撃インタビュー、みたいな記事も見たことはない。マニアックな作家なのか。後にわかるが、彼は本格派推理小説家を自身の柱としているので、マニアックでないとは言えないだろう。一体どれから読めばいいのか。

というわけで、東野圭吾に魅力ある謎の?作家だったのである。

検索してみたら、本書の文庫版は1998年に発刊されている。おそらく最新刊として他の文庫と並んでいたのであろう。おっ!あの噂の東野圭吾ではないか(誰も噂はしていない)。なんだか自伝エッセイのようだな、読んでみよう。アマサイは即座に購入した。

アマサイが未知の作家に触れるのは、まず、エッセイか短編集である。エッセイがおもしろいということはご本人がおもしろい、おもしろい人がつまらぬ小説を書くわけはないでないか、という考えからである。短編に関しては短編がダメな人が長いものは取り組めるわけない、という明白な根拠?がある。

また、なんだか、タイトルが魅力的である、アホ、ああ、大阪出身なんだ、やっぱり生活がギャグなんだろうな。

パラパラとめくってみると、「似非理系」という章がある。
なに?ニセ理系とは、、、
東野氏がいうには、自分は高校時代数学・物理で解けない問題はなかった、しかし、大学になるとてんでわからない、電磁気学という科目が電気工学科ではあるのだが、さっぱりわからない、仲間と頭よせあって、「この式にこの式を代入すると答えがでるんじゃないのか?」「それはそれで合うけれど、こっちのはどうなんだ、式は同じようだが、答えが違ってしまうぞ」「うーん」と不毛な勉強会になる。試験は問題と解答を丸覚えてして臨んだという

確かに電磁気学はようわからんかった。追試に追試をしてやっと通るもんである。似非理系とはアマサイのことじゃん、と思ったわけだ、いや、今はわかるよ、電磁気学。結構得意。

東野さんの文章では、卒業したか、卒業間近で仲間たちと「お前、電磁気学わかったか?」「えっ、電磁気?お前はわかっとるんかいな」「いや、実はわからん。マックスウエルの方程式って結局なんなん?」「えっ、お前もか!」みたいな会話をしている。理系を卒業しても基礎となる部分がわかってない人間が多いのではないか、という話である。

おもしろい以前に、このお兄さん仲間じゃん!と親近感をもったのが、アマサイが東野圭吾にのめり込むきっかけだったのであーる。

後に母校の大阪府立大(*)のインタビューに答えているけれども(http://www.osakafu-u.ac.jp/info/about/opu/vol01/pdf/P35-38.pdf)、実際は在学中はかなり勉強したらしい。つーか、電気・電子関係は、やっぱり相当勉強しないと卒業できないかんね。

アマサイは長いこと大阪市立大学卒と思っていた( ̄△ ̄;)。
えっ、じゃあ、大阪には
・大阪(旧国立)大学
・大阪府立大学
・大阪市立大学
があるんすか?ややこしいですな。

「ぼくはアホ」というのはかなり誇張があると、10年後に知ったアマサイ。まあ、そこそこ優秀じゃないと旧日本電装には入れないはな。大阪人の美学を知りました。今日も人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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書談:池井戸潤『オレたちバブル入行組』

Oretachibabblenyuko■『オレたちバブル入行組』
著者 :池井戸 潤著
価格 : ¥690 (本体 : ¥657)
出版 : 文藝春秋/文春文庫
発行 : 2007.12
bk1

最新刊の文庫には、本の後ろの方、奥付の後とか、挟んであるチラシにその出版社のお勧め本が書いてある。「ふ~ん、こんなのあるんだ、読んでみようかな」と思うが、本屋に行くと忘れてしまう。

本書はなんだか、感ずるものがあって、これのみを買うために本屋に行った。文庫新刊書の棚には同じビジネス小説ということで、『君たちに明日はない』が目に入った。これはリストラ仕置き人?の話らしい。勤め人として小説であってもクビ切り話はいやである。

で、本書。半沢はバンカーの大いなる夢をいだいて、入行した。それはバブル経済のまっさかり。銀行の位置がゆらぐことなど誰も考えもしない。それから20年、景気はどん底、半沢は中間管理職として板挟みに毎日。その上、支店長の不始末案件の責任転嫁されそうになる。そうはいくか、きさまの捨て石になぞ断じてならない。粉飾決算のからくりを暴き、損失5億円を取り戻すため、孤独な闘いが始まる。

冷めた感じで読み始めたのだが、ページを追うごとにぐいぐいと引き込まれて行った。アマサイの頭には銀行なんて日本経済を崩壊に導いた庶民の敵だからねえ、ぐらいの気持ちでいるからさ。このばやい、半沢が同世代だからだろうか、負けるな半沢!がんばるんだ!とかなにげに応援していたりする。

途中に、銀行の風習とか仕組みみたいなことが挿入されるが、ストーリーの邪魔にもなっていなし、司馬さんの歴史小説のうんちくとも違って、すんなり読める。

なんだかねえ、どこもたいへんなのね、って感じ。銀行はメーカーなんかに比べいい目見ているにしても。まあね、アマサイの職種で億という金を個人の責任にしょわされることはないがね。でも、以前の職場で100万単位の損失を、何の責任もないアマサイのせいにされそうになったことがある。詳細は言えない。

平社員なんて会社の歯車、とかいうけど、会社1つで完結したムラ社会なんだなあと感じた。学生のころ、企業は利益第一だから個人なんて、という話を聞いていたが、実際は、企業利益を第一に考えるとこなんてかなりまともな会社である。目的ははっきりしているから、社員もすごしやすいはずである。トップが利益を考えてたらつぶれることもないしね。

私たち下々の者が不安をもらすのはそういうことじゃなくて、これって誰のための仕事だよ、会社の利益とは何の関係もねえじゃん、ということが多いってことだ。だいたいは、上役のきまぐれというか、見栄というか、そんなことで私たちの労力が使われるわけだな。特に団塊及び準団塊の世代には、きさまら仕事をしろ!会社に遊びに来てんじゃねえぞ、この給料どろぼうが!といいたい。

で、何の話だっけ?ああ、そうそう、銀行の話だね。なんか銀行にはドラマがあるねえ。某文章倶楽部の先輩Fさんに「アマサイさん、特許で人が殺される話書いてください。きっとヒットミステリーになりますよ」とアドバイスされました。

特許で人は死なないんだよね。いや、文才のある人にとっては、知財業界も格好のネタになるのかもしれないが、銀行みたいに多くの人の人生が交錯する、ことはないからなあ。

やっぱりね、科学技術じゃなくて、金融・経済が第一になるのは仕方ない。国民の全員の関心事で、全国民を巻き込めるのは金回りだからね。

ちゃんとした感想文にしようと思ったのにまた与太話になってしまった。今日も人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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書談:あやしい3人の『あやしい健康法』

Ayashihenkoho■『あやしい健康法』
著者 :竹内薫、徳永太、藤井かおり
価格 : ¥735 (本体 : ¥700)
出版 : 宝島社
発行 : 2007.11
bk1

著者は三人ともアマサイのお知り合い・お友達であるわけだが。この三名の名前の並びを見ているとなんだか怪しいオーラが漂うよな気がして、って私だけ?

本書カバー赤帯のもしゃもしゃおぢさんの写真がすでに怪しいですが。

(竹)氏は東大出で、世界ランキングの上位にあるカナダの大学で理学博士号を得ている。これだけカレーな学歴なら、大学のポストとか引例○回のすごい論文が出ていてもよさそうなもんだが、、、いやこの話は止めておこう。要するに今トレンドな?博士号持ちのフリーターの先駆けで、現在売れっ子作家なのである。
なんだか、怪しい人じゃないですか?

(徳)氏は副業は精神科医で、本業は作家の自称するお方である。でもこの方のメインの作品って、、、いやこの話は止めておこう。 要するに今はともかく将来は、北杜夫、なだいなだ、渡辺淳一などの流れを汲む(それぞれ別の流派のような気もするが)、医学部出身の大作家なのである。
それって、なんだか、怪しい人じゃないですか?

(藤)氏は、ふ~む、前者2人比べればずいぶん怪し度は低いが。職業はスポーツインストラクタ。基本的にスポーツ施設で教えるようなことは一通りできるらしいが、妊婦さんの指導は知識・経験とも豊富なスーパーイントラである。最近は海外修行したヨガにも磨きがかかっております。夫(竹)氏の共著作品がすでに2つあり、作家の肩書きも大きくなりつつあります。それに夫(竹)氏に代わりむにゃむにゃむにゃ、おお、これはオフレコ情報であった。
結局、怪しい人であった。

という怪しい三人が健康法を検証する、みたいな本を書いたというから驚きである。

しかし、中身結構真面目である。
「ブルーベリー」「マイナスイオン」「ゲルマニウム温浴」など近年の話題の健康法、健康食品を全て網羅しているといっても、過言ではない。しかも、別にこれの害・益に白黒つけようというのではない。わからないものは、わからない、これから検証されるかも、ということも記載している。痩せることはないが××の効果はあるだろう、いう書き方なので健康オタクを必ずしも落胆されるものではない。

乙女アマサイとしては、美肌になる、スマートになるという文言にはどうしても引き寄せられてしまう。また、誰がなんと言おうと私にはこれが効くだということもあろう(プラシーボ効果ですな)。科学的にダメなものダメではなく、宣伝文句を鵜呑みにするのでもなく、誰にでも必要な健康法の指南役、というのが本書の役目であろうと思う。

なにか気になるものがあったら、怪しい三人組の雑談をちょっと聞いてみてはいかがでしょうか。

(竹)の健康器具オタクが一番あやしかったりする。今日も人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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書談:奥田英朗『マドンナ』

Madonna■『マドンナ』
著者 : 奥田 英朗
価格 : \620 (本体 : \590)
出版 : 講談社
発行 : 2005.12
bk1
収録作品:マドンナ、ダンス、総務は女房、ボス、パティオ

40代の中間管理職のオジサンたちの会社での日常、と言った短編集。あの奥田英郎が書いているんで、おもしろおかしく、ちょっとせつない。

「上司のこと、お父さんの事、夫のことを知りたいあなたにぴったりの一冊です」
と裏表紙に書いてある。

父は亡くなったし、夫はいなし、上司のことなんか興味はない。
(^^;)

アマサイはとって知らない世界であることは確かです。アマサイは全グループ従業員○万人とかという企業に勤めたことはないので(派遣ではあるな)、ほほっー、通常の会社とはこうなっているのか、思って読みました。

定期人事異動はないし(マドンナ)、幹部候補生は、営業を一旦退いて総務部を経験させるステップ(総務は女房)もない。営業が総務やらされたら、リストラの一環だろうな、いや、うちの会社はそんな面倒なことはしない、クビにしたかったら、役員が呼び出してネチネチ因縁つけるんだろうな。中小企業は、パワハラの巣窟ざんす。
(--メ)

「総務は女房」では、気鋭の営業マン恩蔵博史が、暗黙の了解で2年ほど総務課長をやらされる。見込みのある者は、多くの部署を回り会社の全体像をしっておけという意味らしい。深夜残業、休日出勤が当たり前だったところから、暇を潰すのが仕事みたいなところに移される。出世コースの一環と知っている恩蔵は、喜々として総務四課課長を任を受ける。ところが、社内雑貨店の松田商店の存在を知り、状況は一転。安い店舗賃貸料の変わりに松田商店は付け届けを怠らない。年長の係長は、恩蔵の歓迎会の支払いを追わせるために松田商店を呼びつける。恩蔵はお車代と称して10万渡される。

こりゃ、不正な癒着じゃないか。恩蔵は改革に乗り出す。松田商店となあなあになっていた店舗賃貸に対して正式契約書をかわすだけのことなのだが。

彼を留めようと、総務部長、局長、はては総務担当役員まで恩蔵とところにやってくる。しかし、恩蔵の決心は固い。

その恩蔵をくい止めたのは、彼の妻である。窮地を感じた松田商店が恩蔵の家まで「恩赦」願いに来たのだ。土下座をする松田商店の社長をみた妻は「年上の人に土下座させてどういうつもり?あなたはエリートだからこの人の気持ちがわからないのよ。弱い者いじめ!独裁者!土下座できるこの人の方が偉い。あなた土下座できる?」と恩蔵に詰め寄る。頭の中がまっしろの幹部候補生の恩蔵博史。

恩蔵は、翌日総務部長に現状維持の方針を伝える。

あなた土下座できる?はすごいね(^^;)。奥田さん、なんでこういう女の人が描けるのかなあ、男なのに。まあ、土下座が仕事のおじさんもいるみたいだけどね。こういう会社は、そういうのも給料に入っているんだからしょうがないよね。

それにしても総務ってそういう仕事なんだね。うちも総務は暇そうで、それじゃまずいからどうでもいい仕事作っているけどね。でも、そんなとこで4課まで作ってそれこそ無駄じゃないのかなあ(^^;)。本書にもあるように組織が大きくなれば「あそび」の部分も大きいのかなあ。

同世代の女性が上司をして移動してくる男の悲哀?を描いた「ボス」もなかなか秀作でした。

40過ぎてもね、結婚してないというのもね、ファンとしては心配だしね、普通の元OLってのもね、阿部ちゃんらしいと思うけどね。。。今日も人気ブログランキングぷちっと、ぷちっとしてくんな。【押す】≪コメントはここ

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書談:松本清張『蒼い描点』

Aoibyouten■『蒼い描点』 改版*
著者 :松本 清張著
価格 : ¥860 (本体 : ¥819)
出版 : 新潮文庫
発行 : 2002.3
*文字を見やすくしたタイプです。

新米の雑誌編集者・椎原典子は、女性作家・村谷阿沙子の担当である。気難しく神経質で、執筆中は絶対に自室にあげない人物だった。有名な文学賞を取っているが、最近は原稿が遅い上に出来もイマイチと影でうわさされている。しかし、人気作家にかわりはなく、常に新作を待望されているのだ。典子は編集長に急かされて村谷が家族総出で滞在している箱根へ原稿の督促に向かう。そこでフリーライター田倉の変死に遭遇してしまう。田倉の死を待っていたかのように村谷は、典子に原稿を渡さず、鎌倉を去る。まもなく村谷、その夫、女中の相次ぐ失踪。村谷は精神病院に入ったとわかるが、そこで謎の死を遂げる。典子は、二人の死と村谷の作品には何か関係があるのではないかと推理する。
-------------------
女性が主人公だし、裏表紙のあらすじを見てもそんな暗い感じはしないから、前々から読んでみようと思っていた。でも、書店で手に取るとまた棚に戻すことが何度かあった。菊川玲である。菊川くんが本書のドラマの主演をやるので、かなり長いこと帯に彼女の写真が載っていた。清張先生のドラマに菊川はないと思うが(なんと2年前に『黒い樹海』の主演もしている)。編集者という知的な仕事柄、菊川に目を付けたのだと思う。設定が入社して間もないところから、演技の拙さも若さでごまかせられるのだろう。

でも、菊川は止めてくれ。

で、放送も終わり、帯も替わったので読んでみました(もちろん、菊川のドラマなんか誰が見るか!)。謎が謎を呼び、人間関係が微妙に絡まり合い、広がっていく。それが編集長の白井に戻るあたり、やはりうまいなあと思わせる。ゴーストライタートリック?はよくミステリーに出てくるが、そこは清張先生なので、一筋縄ではいかない。時代背景や文芸知識のうんちくもおもしろい。そこに同僚の崎野との恋も出てくるのだから、小説の幕の内弁当のようなものだ。

箱根が何度も出てくるのもなんかいいね。観光案内も兼ねている。他にも作品はあるから、「松本清張と歩く箱根」なんてルポもあってもいいかもね。

以前も書いたと思うが、清張作品の魅力の1つは、昔の日本を体感できること。これも背景は昭和30年代なんだろうな。この時代は、こういうふうに人間も単純だった、とは思わないけど(本書は本書で複雑です)、昔の人はもっと自分に素直に生きていたような気がします。

本書も文句無くおもしろいです。

清張全巻読破ですか?しないです、しないです。品切れ絶版も結構あるし。いくら読んでも読み尽くせないのも魅力です。今日も人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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小説&映画『サウスバウンド』

Southbound『サウスバウンド』上下
著者 :奥田 英朗
価格 : ¥580 (本体 : ¥552)
出版 : 角川書店/角川文庫
発行 : 2007.8


映画のあらすじ
小学校6年生の二郎(田辺修斗)は父・一郎(豊川悦司)のことが恥ずかしくて仕方がない。税金の督促に来たおばさんが「国民の義務です」と言えば「国民やめちゃおっかなー」と返し、修学旅行の費用が高すぎると、校長との面会を求めて学校まで乗り込んできたりするのだ。ある日、二郎が学校で起こした喧嘩事件が原因で一郎は学校や相手方の親と激しくやりあい、結果、一家は沖縄への帰郷を決める。そこで一郎はこれまでにない父親の姿を目の当たりにするのだが…。
公式HP


映画の方日曜日に見てきました。親子で見て欲しいというふれこみがあり、小学生とおぼしき子供も座っていました。

まあ、原作をうまく編集しているので映像化には成功していると言えるでしょう。

トヨエツが一郎をやるというのはわかっていたので、ああいう風貌のお父さんと思って文庫を読んでいました。妻のさくらさんは天海ちゃんより地味で意志がものすごく強いと言った感じで、とくに天海祐希は意識していませんでした。

二人が80年代の学生運動闘士という設定ですが、80年代にそんな目立って活動していた運動家なんていたんでしょうかねえ。作者奥田さんと同世代のようなのですが、そういうの見聞きしていたんでしょうか。と、いうのはアマサイの無知であって、80年代、90年代にもあるにはあったようです(80年くらいから凋落していったのは事実ですが)。なんとご苦労な。

ここで、一郎とさくらが卑屈にならず悠々と生きているところに共感を持ちました。こういう経歴のおっきいお兄さん、お姉さんは現実にいらっしゃるのでしょうが、小説のようにはいきません。都市部と言わず、農業地域でも屈折して生活するのだろうな。あんまりクローズアップされませんでしたが、沖縄の環境NPOらしき人々が、一郎とさくらと対極にいる人たちなのでしょう。

一郎の子供・二郎、桃子の配役が小説のイメージ通りなのにはびっくりです。田辺修斗くんは新人で映画初出演です。ハンサムで賢そう。5,6年すると立派な俳優、青年になるでしょう(お姉さんはそれまで待ってますから(^^;))。松本梨菜ちゃんは9歳にして芸歴5年、出演作品は有名なものばかりです。映画の成功は上原一家の配役によるものでしょう。

森田芳光監督はねえ、どうなんでしょう。若い頃は注目されていましたが、今は芸術家というより技術者って感じがしますねえ。作者の奥田さんに「小説全体をよくまとめてくれた」と言われたらしいですが、まあ、そこしか褒めるとこありません。一郎の非常識ぶりをもっとアピールした方がよかったし、上原一家が沖縄に行く動機はもう少しクリアにしてもよかったです。他を削っても、主張すべきことは主張するということができん人だなあ、と思った。『模倣犯』はかなり宮部ファンから評判が悪かったし。

しかし、それだからこそ、量産できるということもあります。彼の監督履歴と日本映画の定着ぶりは一致します。北野たけしのような天才もいれば、森田監督のように定石を打てる人が複数いることが今の日本映画界なのでしょう。

最後の方で沖縄での二郎の友達が「二郎くんのお母さんってかっこいい。ブランド品買い集めているうちのお母さんよりずっとかっこいい」と言います。アマサイもそう思うです。上原さくらさんはかっこいいです。それは上原一郎さんがかっこいいからに違いないです。

アマサイもかっこいいアナーキストになりたい。無理だけど。今日も人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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青春の書(*^^*) その2

アマサイは結構若いころから理系・文系の区分けについて問題意識を持っていた。つーか、大げさにいうと自分は何者なんだろうか、工学部に進んだけれど、小説も読みたいし、哲学とか歴史も学びたい。そんなの、授業外にやってりゃいいじゃん、って話なんだけど、そうじゃなくて、そうじゃなくて、全部ちゃんとやりたいんだぁーみたいな。って、全部やりゃーいい話なんだけど、それほどおつむのスペックは高くない。そういうギャップというか大きいな空洞を抱えて20代を生きていた。友達にちょっとそういう問題提起をしてみるんだが、そんなことを考えているのはアマサイだけみたいなんだな。孤独は感じてな(若いころは誰しも、私はひとりぼっち、と思うんで、ちょっと長引いている思春期病みたいなもんで、これ自体は別に特異なことではないけれど)

後年、科学史や科学哲学という分野が確立していて、アメリカには学部も学科もあるって聞いてすごくうれしかった。日本にもあるけど、小規模すぎるんだよね、それにちゃんとあるのは東大だけだったし。そしてまた、その後、放送大学に入って、教養学部って枠組みで勉強していて、そうなんだ、これなんだよ、私の求めていた場所はこれなんだよ、って心の中で大きく叫んじまったよ。もっと早く知っていればなあ、でも、知っていても当時ではどうにもならないわけで。

私の観点とは違うけれど、理系・文系の差異について考えていたエライ人はいた。エライとは、アマサイみたいな一市民じゃなくて、発言力ある大学教員とか評論家とかジャーナリストということ。

その先駆だろうと思われるのが、太田次郎先生だ。

太田 次郎『文科の発想・理科の発想』講談社現代新書

何が書いてあったか、はっきりとは思い出せない。これは内容を忘れてしまったというよりも、今となっては常識みたいなことやアマサイが他の情報源とごっちゃにしている部分があるからだ。とにかく、文科の発想・理科の発想、というものがあり、お互いにお互いの考え方を分かり合うことでいい未来があるんじゃないかということだ。学力低下とか、理系の地位向上とか、わけわかんないことに短絡的に結びつけないところがよかった。

この一書でその空洞を少しばかり埋めることができたような気がするな。

その後文理シナジーという考え方も出てきたのだけれど、あまり一般化されていないのが現実である(だから某理系白書は、内容が大したことなくても「ラベル」だけで人気がでるのだろう。一種の隙間産業だな)。
『文理シナジーの発想-文科と理科の壁を越えて-』
丸善ライブラリー

もっとも情報学とか、複雑系とか、経済物理学とか、学際的には文理の壁はない。利益関係、と言ってしまっては言い過ぎであるが、自分の領地を広げようと思ったら、自分は文系だから、理系だからとかは言っていられない。翻訳ソフトなんかはとっくの昔に言語学者と連帯してたし、国語学者の協力なくしては日本語ワープロも難しかったろう。

文理の関係は、実用面が強い学術、ビジネスの領域ではあまり境がなく、一般、特に高校以下の学校社会では日本人の思想をしばっていると思われる。

しかし、『文科の発想・理科の発想』という発想は太田次郎という生物学者から生まれたけれども、物理学者から生まれないような気がする。なんか物理学ってどこまで行っても極右って感じがするなあ、飽くまでも感じ、フィーリングなわけですが。

今日は、今日も?とりとめのない話でしたね。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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書談:おもしろ違反だ!奥田英朗!

トヨエツと天海ちゃんが出る映画の原作『サウスバウンド』を先に読んだのだけれど、おもしろい、おもしろすぎる!こんな世界観があったとかぁぁぁ、と思うくらいにツボに嵌りました。映画みてから完読しようと、下巻を買うのは自ら押しとどめました。ふぅ~。

で買ったのが、これ。

Mayonakamarch■『真夜中のマーチ』
著者 :奥田 英朗
価格 : ¥600 (本体 : ¥571)
出版 : 集英社文庫
発行 : 2006.11

なんのことはない、ほぼ一晩で読んでしまった(他にやることたくさんあったのに何をしとるんや君は)。

怪しげなイベント会社を経営するヨコケンは、自分の主催する見合いパーティで、一流総合商社の御曹司ミタゾウを見つける。ヨコケンは知り合いのやくざフルテツに依頼してミタゾウを強請って一儲け考える。しかし、ミタゾウは単にその商社創業者と名字が同じなだけの一従業員であった。フルテツの怒りを買い、一転して強請られる同志となったヨコケンとミタゾウ。フルテツに対抗しようとコンビを組むが、ひょんなことから美女クロチェと知り合う。クロチェは大金をせしめる方法があると10億円詐欺計画を持ちかける。果たしてどうなる、凸凹♀トリオ。

いや、おもしろい。使い古されたネタと評する人もいるけれど、こういう小説はディテールが命である。主人公の三人の観点がはっきり異なっており、賭麻雀、裏美術商、中国マフィアなどのツールがジグソーパズルのようにうまく組み合わさっている(ミステリ小説家ってなんで裏社会のディテールを知っているのだろう)。

解説者氏も書いているが、この奥田英朗という人ナニモノなねん。本書はスラップスティック小説だし、ダークな犯罪小説書いたり(『最悪』)、自伝的な80年代青春グラフィティを書いてみたり(『東京物語』)、あたまた、精神科医伊良部のへんてこ治療を記してみたり、

カテゴリちゃんときめんかい!と言いたくなる。それもどれも、はずれがなく面白いってどういうことやねん。

おまけに『サウスバウンド』だけでなく、ほぼ同時に本書も映画公開中だとと!

むちゃくちゃ幸せな作家ではないか、ないか。

もう、これ以上おもしろものは書いたら逮捕する!

『サウスバウンド』の方は映画を見てから書談にするよ。今日も人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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書談:小池真理子『夜は満ちる』

Yoruhamitiru官能幻想小説、要は友人知人肉親が幽霊になって出てくる。この手のものを小池さんは短編長編、相当量書いている。

映画『ゴースト』を見たとき、恋人を幽霊にしないと恋愛映画作れんのか、ハリウッドは底が浅いのう、と思ったが、もちろん小池作品にはそんな陳腐さはない。

この中でいっとう、よかったのは『蛍の場所』。継母とうまくいかず家を出た姉のあとを追った主人公。姉は恋人の援助もあって田舎町に喫茶店を開く。主人公をまた店を手伝う。その姉は恋人と別れ、自立の道を歩むが心労が重なり、病の床に伏す。入院した姉の変わりに一人で店を切り盛りする。主人公はそこで一人の青年と出会う。彼女が想像した蛍の場所、を見つけようと青年は言う。

彼女は田舎生活に飽きて、小説を賞に投稿して、それが当選して、映画化までとんとん拍子に運ぶ、その青年は配役され、主人公と出会うのである。結局映画は頓挫するが、青年との関係はつづき、、、

短編にするにはもったないほどの密度の濃さ。作家にとっては短編は割に合わないと聞くが(構成を考えるのは長編と変わらないのにそれを複数打ち出さないと一冊にならない)、小池さんに関してはそんなことはないようだ。ストーリーはいくらでも出てくるのだろうか。同じ様であるが同じな作品は全くない(当たり前だが)。

誰が異形の世界からやってくるかは、ネタバレなので書かないが、ラストの蛍のシーンは圧巻である。蛍には確か、彼岸から来る人のための灯火、という考え方があるよね。それ以前に昆虫があの世とこの世を結ぶ逸話も結構あるみたいだ。

構成の精密さと幻想的な雰囲気は、この種の作の中でもピカイチである。

林真理子が宮部みゆきのことを「松本清張の娘」と表したことがあるが(もちろん、血縁のことではなくて、社会派推理小説という型を継承しているということである)、アマサイはどっちかっていうと小池真理子が「清張の娘」なんじゃないかと思う。いや、宮部さんは正妻の子で、小池さんは外で産ませた、といったところである。清張もラブロマンス結構書いてるしね。

おお、これはなかなか良いフレーズではないか。
盗むなよ(^_^;)

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青春の書(*^^*)

アマサイの今の仕事は、誰がなんと言おうと、「科学技術職」である。そして、誰がなんと言おうと、その職によって日本国の科学技術振興を担っている。

そうでも思ってないと、
おばかな技術者の誇大妄想を現実化するように作文してあげたり、
大事なときにしらばっくれる米国弁理士事務所とやりあったり、
できませんぜぇ、旦那。

それはさておき。
Seisintobusituまだ、アマサイがそんな仕事ができたらいいなあ、と思っていた若かりしころ読んだ一冊がこれである。
『精神と物質-分子生物学はどこまで謎を解けるのか』

利根川さんがノーベル賞を取ったのは1987年。その騒ぎ方って近年の田中さん、小柴先生の比じゃないと思うねえ。日本の科学がすげぇ~のは周知のことのはずなのに、生理学・医学賞がそれまででなかったのだから。でも、利根川さんの研究生活の大半は、海外だったから、日本人の快挙であるけれども、日本の業績ではないなあ。お約束通り、利根川の業績は新聞、雑誌に報道されたのだけれども、あんなのきっとその分野やってる専門家しかわかんないよね。まあ、一般市民にとってはノーベル賞受賞者が増えた、めでたいめでたい、でよかったんだと思う。

利根川受賞フィーバーが収まったころ、出たのが本書である。前書きでの立花隆の言葉はうっすら覚えている。「利根川さんはすごいというが、だれもそのすごさを説明してくれる人はいない。では、自分が勉強して、専門家に近いレベルでインタビューし、それをわかりやすく伝えようと思った」みたいな感じである。これぞ、まさにサンエスライターの考えなんである。立花がそれだけいうだけあって、非常にわかりやすい著書であり、文庫本興亡の今でも生き延びている。

本書は当時の分子生物学の情報だけではなくて、利根川さんの研究哲学が、披露されていた。

「利根川さんはなんでそんなに自信を持てるんですか」
「我々は何度も実験をしている。すればするほど確信が持てる。自信があるのは当然だ」
みたいなことが書いてある。研究者でなくても、仕事を持つものなら誰にとっても教訓であるような言葉だ。科学技術の仕事をしたいと思っていたアマサイには、利根川さんの言葉ずんずん伝わる。

すごいなあ、科学研究ってすごいなあ、
という言葉を何度も実際につぶやいた。科学進歩には明るい未来しかないはずなんだ、そうなんだ、今でもそう思うけど。

今の若い人は伝記とかこういう本とかって読まないのかなあ。読んでいたら理科離れなんて起きるはずないんだけど。

アマサイは学力低下なんて大した問題じゃないと思う。勉強なんて興味がわけば、必要にかられたらするはずだから。国際学力比較?そんなもの知るか!統計的数字なんてどうとでも、解釈できるよ。でも「離れ」ちゃうのは困る。学校の勉強は嫌いだけど、図書館で学ぶ理科や歴史はおもしろい、ってのが無くなるのは困る。

読書は成績と関係あるとか、ないとか言っているから、子供は本を読まないのさ。おもしろいから読んでごらんじゃないと読まないんだよなあ、子供は。

なんか話がとめどもなく飛躍していくが。

一書に遇うのは、一師に遇うのと同じなんだ。くだらない本もたくさんでてるけど、探せばきっと人生を決める一書に出会えると思う。

余談:立花隆はどこでトンデモさんになっちゃったんだろうね。まだこのころはまともだった気がするが。

今週はCEATECだね。アマサイも行く予定です。今日も人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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ルーディ・ラッカー

ルーディ・ラッカーが来月、日本にくるみたいです。

kikulogで知りました。

アマサイ的に注目の作家であります。と言ってもアマサイ、ラッカーさんの著作は読んでおりません。

『ホワイト・ライト』でしたか、昔ネット読書会で「アマサイさん、是非読んでみてください」と言われたのですが、すでに品切れ絶版。そのときはラッカーさんの他の著書もあったはずですが、『ホワイト・ライト』と言われたのですから、それをまず読みたいなと思いつつ。。。神田の古本屋に行けばあったかもしれませんが、そのときは、アマゾンのユーズドみたいにお気軽なものじゃなかったんで。

もう、『ホワイト・ライト』だけじゃなくて単著は、ユーズドじゃないと手に入りませんね。ちょっとこの際だから読んでみたいですね。

その時は知らなかったんですが、真っ当な数学者なんですねえ。次元がどうたらというSF小説は、物理学より数学の方が役にやつでしょうな。

ウィキペディアまる写し。

ケンタッキー州ルイヴェルに生まれる。スウォースモア・カレッジを経て、1972年からニューヨーク州立大学助教授を務め、1973年にニュージャージー州ラトガーズ大学で、数学の博士号を取得。1977年に数学書『かくれた世界 幾何学・四次元・相対性』を発表。1976年に処女長編SF『時空ドーナツ』を書き、1978年「Unearth」誌に掲載するが、同誌休刊により未完となる。1980年に連続体仮説をテーマにし「カントール連続体問題とは何か?」という副題のついた長編『ホワイト・ライト』でプロ作家としてデビュー。1986年からはサンノゼ州立大学准教授として数学、コンピュータ科学を教える。

1993年に東京国際美術館の「人工生命の美学」展で来日し、「A-Life、数学、SF」と題した講演、及び人工生命プログラム「人工生命細胞実験室(CA LAB:Rudy Rucker's Cellular Automata Laboratoly)」の公開を行った。

しかし、日本のSF冷遇には困ったものです(だからSF好きは原書に走るしかなく、英語がうまくなって、SF翻訳者になってしまうというルートが)。特にハードSFは生きる道がないです。とか言ってるアマサイも、へたくそなSF読まされるくらいなら、ブルーバックスの数学・物理分野のを読んだ方が楽しいですから。ああ、これだな、日本にハードSFが広まらないのは。SFよりリアルサイエンスの方がおもしろい、という志向。

翻訳者・大森望さんのラッカーファンサイト。更新は何年も滞っているようですが、インタビュー記事なんかが読めます。きくちさんとの対談もあります。
すべてはひとつ:Rudy Rucker ファンサイト

残念ながらアマサイはSF者じゃないんですねえ。うそんこよりほんとのサイエンス派なので。今日も人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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登美彦氏、長男『太陽の塔』を案ずる。

Toiyonoto■『太陽の塔』
著者 :森見 登美彦著
価格 : ¥420 (本体 : ¥400)
出版 : 新潮社文庫
発行 : 2006.6
bk

「私が手塩に育てた大切な長男です。どうぞ、かわいがってやってください」と森見氏が直々に話があったわけではないが、森見登美彦の長男『太陽の塔』をわが家に迎え入れることになった。彼は小柄なわりに態度がでかかった。日本ファンタジーノベル賞を受賞し、森見登美彦をこの世に知らしめた鳶が産ませた鷹なのであるから、それもいたしかたない。私もそれ相応な対面の仕方を考えねばなるまい。最初に問うた「貴殿はいかにして幻想小説賞を手に入れしや」。長男氏は答う「いかにも、それは神のみぞ知る」。さらに問うていわく「『私』はストーカーになしか否か」。答えていわく「おのことたるもの、女子の後を追わずにおるものいるであろうか等うんぬん」「うむ、合点」

こう硬くなっては話は遅々として済まない。これはファンタジーに名を借りた森見氏の自伝ではないか。長男氏かんらからから、と笑った。頭の中にないものは書けないからなあ、と小声につぶやくのが、東大闘争に使用された拡声器を通したかのように、家にじゅうに聞こえた。森見氏は、ストーカーで、ひきこもりで、学力劣悪のか。学校に行かないからと行って勉強ができないとは限らないよ、長男氏は不敵なまなざしにこちらを鬼のような形相で睨み付ける。やはり、長男、親父の悪口は言われたくないらしい。水尾さんとは実は架空の人物ではないか、恋敵・遠藤にニセプレゼントを渡すのも、反クリスマスの「ええじゃないか」運動も全て森見氏の頭の中で起こっていたことではないか。長男氏、小説に実体を求めるのは、阿呆のはじまりだぜ、ニヒルなチャールズ・ブロンソンのようにふぅ~とたばこの煙のようなものをはいてみせた。

そうか、そうであるな。本書はそれゆえファンタジーなのであるな。

原典:この門をくぐる者は一切の高望みを捨てよ

特にストーリーらしきものはないんで、こんな感じ。今日も人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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書談:松本清張著『断線』

Rikukosuiko■『陸行水行』
著者 : 松本 清張
価格 : ¥580 (本体 : ¥552)
出版 : 文藝春秋 文春文庫
発行 : 2007.8
bk1

清張の短編集は全部読んだと思ったが、まだ残っていた。これからも文庫未収録の作品が発掘されるのだろうか。すごい。

表題の『陸行水行』はわたし的には、それほどおもしろくなかった。サスペンスというよりも、清張の晩年の仕事になった日本古代史がモチーフとなっている。本人もストーリーはどうでもよくって、自説史観を披露したかったのかもしれない。

私が読後、「うーむ」と声を出してうなったのが、ここに収録の『断線』主人公のええ加減な男が女から女に渡り歩いて、関係を切りたいが故にそのうち二人を殺してしまう。一人目のときは、うまく遁走して、容疑者リストにもあがらないという芸をやってのけるのだが、二人目は、完璧なアリバイを作ったと思いきや、ほんの隙間から犯行がばれるのである。ラストシーンはその二人目の女の死体が見つかるところで終わる。その2,3ページの描写がすごくって、3回くらい読み直した。はじめから読まない人には、ここだけ読んでもしょうがないと思うが、それまで130ページの淡々とした積み重ねが、読み手にあっ、と言わせる。少なくとも私はそう思った。清張の良さはいまさらいうまでもないが、なんてうまいんだろうと改めて感心した。感情表現がまったくないために、読み手に感情移入させる。小説職人の真骨頂だと思う。

悪女はかわいかったりするが、男のワルはいやらしいだけである。この主人公も非常に陰湿なのだが、なぜか、この男はもっと若いころ、幼少はどんな生活だったんだろうと興味も持たせる。エピソード1を作ってもいいくらいだ。

私程度の感性で、この男はおもしろいと思うのだから、プロもそう思うらしい。その主人公が松田優作で映像化されている。http://kobe.cool.ne.jp/yusaku89/sakuhin.htm

同書収録の『形』も同じ意味ですごい短編である。

松本清張がいなかったら「2時間ドラマ枠」っていうのもなかったかもね。今日も人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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書談:山崎豊子著『女の勲章』

Onnanokunsho■『女の勲章』
著者 :山崎 豊子著
出版 :新潮文庫
発行 :2005.12
bk1
初出:毎日新聞連載小説(おそらく昭和35年)、昭和36年中央公論社単行本、昭和40年新潮文庫収録
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小さな洋裁教室を経営している大場式子は、マネージャー役の有名大学仏文科出のエリート八代銀四郎ととも、洋裁学校を事業として拡大し、ファッション界のスターとして躍り出る。それと同時に式子の教室時代からの内弟子の3人(かつ美、倫子、冨枝)を主要教員として雇い入れ学校の充実を図る。しかし、その3人はいずれ自分がトップにと競争心を募らせ暗躍する。そこにつけこんだ銀四郎は、式子を含む4人の女性と関係を結び私利私欲の布石としていく。事業拡大にむなしさを感じ始めた式子は、銀四郎の紹介で学校理事となっている白石教授を慕うようになった。銀四郎の「お膳立て」がすべて済んだころ、式子は、彼の本心を知ることとなる。
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本書は、山崎作品の2本柱、その後の『白い巨塔』につながる業界内情ものと、彼女の出身地を活かした船場老舗の嬢(いと)はんものと、が十分に楽しめる完成度の高い作品である。今のところアマサイのRecenty Bestである。この夏休みに読んで書評まで書いてしまった(それを間、間に埋め込んでいます)。

山崎さんにとって本作品は、初の新聞連載であった。連載には毎回ある種の盛り上がりと全体の流れの複線が必要だと考え、その点苦心されたそうだ。

うーむ、山崎豊子すごいぞ、そういうだけあってページをめくるのが楽しみであった。このころのファッション業界ってそうなっているのか、ふむふむ、丁度森英恵とか三宅一生なんか登場する一昔前である。当時は洋裁学校を持つことがデザイナーとしてのステータスなのだそうだ。
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銀四郎は、初めての服飾学院甲子園校設立後、すぐに学校のチェーン展開を考える。ブランチ校の発想はこの時代でも珍しいのではなかろうか。銀四郎のワルが発揮されるのは、式子だけではなく、彼女の内弟子、倫子、かつ美と痴情を結び新設校の校長にすえていくところである。女性にとっては唾棄するような人間である。しかし、女性たちにも黙って利用されるような愚かさはない。自分のステータスを上げるためであったなら、銀四郎も利用してやろうという魂胆である。「4人目」の女、富枝などは学校の職員になったときから、式子も銀四郎も野望の駒と考えて行動していたのだから恐れ入る。右も左も喰えないやつらばかりである。
------------------
やっぱりねん、山崎作品はこういう女同士の闘いにがみどころなのよねん。

映画では、
大庭式子:京マチ子 キョウマチコ
津川倫子: 若尾文子 ワカオアヤコ
坪田かつ美:叶順子 カノウジュンコ
大木富枝:中村玉緒 ナカムラタマオ
八代銀四郎:田宮二郎 タミヤジロウ
となっている。

京マチ子さんは当時のトレンド女優だったんだろうな。彼女を配役すれば、観客は入るって状態なんだろうね。一番小賢しい冨枝が中村玉緒って不思議な気がするが。週刊誌風にいうなら、京VS若尾、ですね。
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式子は、甲子園校設立の際、その建物の一面をスタンドグラスにして、自分の家紋を彫り入れる。式子はその紋章に船場の商人としての誇りと、芸術家として魂を埋め込んだ。しかし、彼女の人生は、その紋章ではなく、栄誉という勲章で飾られることになった。人は誰でも、心に紋章を持っているのだろう。だが、それだけでは満たされることはない。世間に自分の地位と富とを知らしめることのできる勲章を欲しがる。勲章がその重みで切れてしまうとき、同時に紋章をも失ってしまう。この小説は、人間どうしようもない性を示しながらも、その性ゆえに人は美しく、愛らしいのだということを描いているのだと思う。
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勲章ではなく、紋章。男の紋章、ってやくざ映画でしたね。勲章に対して精神性を表しているのがいるのが紋章なのかな。

ところで、読みもしないのに、駄作だとか、裏付けがなってないとかいう人間て多いですね。そういう輩って、たぶん読んでも評価できないでしょうね。いい大人になって読解力がないってみっともないなあ。新人作家のインタビューで「悪いけどあんたの本読んでないんだ。どういう小説なの?かいつまんで教えて」っていう頭すっからかんのことが真保裕一のエッセイに書いてありましたが、巷にはすっからかんが溢れているんだなあ。

いや、ほんの独り言です。

近頃、松本清張に続き山崎豊子に凝っています。今日も人気blogランキング、ぷちっとな。【押す】
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書談:『米原万里の「愛の法則」』

Yoneharaainohousoku■『米原万里の「愛の法則」』
著者 :米原 万里
価格 : ¥693 (本体 : ¥660)
出版 : 集英社新書
発行 : 2007.8
bk11.愛の法則
2.国際化とグローバリゼーションの間」
3.理解と誤解の間~通訳の限界と可能性
4.通訳と翻訳の違い

米原さんの講演集である。1と2は高校生に向けて話したものである。

1章だけでも女性は読まないけません。バイアグラを多量摂取して死んでしまう中高年男性。♀にはまったく理解不能な現象です。♂はあのことばかり知性というものがないんじゃないでしょうかね。まあ、その通りなわけです。これを読めばバイアグラ爺さんの心理が少しはわかります。そして、女性として生きていくことに誇りを持てるでしょう。

2章では、外国との交渉が全て英語で行われる奇異について言及しています。日本人はだれも不思議に思わないですよね。英語でもできれば御の字であると。米原さんは同時通訳の9割を占める英/日通訳者の大半は優等生でつまらない人たちと言い切ります。そんなこと言って大丈夫なんかい?英語習得は、言語や人間への興味というよりも、ビジネスツールの一つだからです。そして、英語以外の通訳者は三カ国語(日本語+英語+他外国語)を操るのに対して、英語(+日本語)のみでは世界が狭いと言っています。もちろん、それは2つより、3つの方がいいという単純さではなく、グローバルスタンダードがもたらす弊害のことを言っています。

英語のみより他の外国語も並行して学んだ方が両方上達する、という学習者へのアドバイスは、アマサイにとっても有益でした。よし、フランス語もがむばるぞ。

3章は、通訳なくしては、外国と通信できない多く日本人には、必須アイテムです。

4章では、自らの体験から、人間はコミュニケーションを欲して止まない生き物と結論づけます。これが米原万里を同時通訳として、エッセイストして突き動かした原動力でありましょう。

もう、生の米原節を聞くことはないのだと思うと寂しくなります。

「外国語と日本語の小説を楽しめるならば同時通訳はできる」という【米原原理】によってアマサイの英語学習法も間違っていないことが判明しました。今日も人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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書談:真山仁著『ハゲタカⅡ』

Hagetaka2_gekan■『ハゲタカ Ⅱ』
著者 : 真山 仁
価格 : ¥750 (本体 : ¥714)
出版 : 講談社文庫
発行 : 2007年3月
bk1

単行本のときのタイトルは『バイアウト』。経済小説家の先輩格である幸田真音さんに同名の小説があるんで遠慮したんでしょうな、出版社が。読者も同じタイトルが同時期に発刊されると紛らわしいったらありゃしない。真山さんには「ハゲタカ思想」では続編はできない、と思っていたらしいので、不本意かもしれない。

ここに書いたようにすぐ『ハゲタカⅡ』にかかったのだが、恒例のイベントが入り忙しくなってしまい、本書から気持ちが離れ、下巻2/3のとこでほうりっぱなしになってしまった。

本書は、放浪の旅から戻ってきた鷲津政彦が再び買収の世界に身を投じる。狙うは総合化学メーカーとなった鈴紡。ここで立ちはだかるのは、前回まで銀行マンだった鈴紡CRO(最高事業再構築責任者)芝野健夫。さらに金融界の妖怪、UTB銀行頭取・飯島亮介が入って三つ巴の闘いとなる。下巻ではいよいよ総合家電メーカー曙電機の買収劇に入っていく。

また、夫不在の家庭でアルコール依存症になってしまった芝野の妻や、いかにも大企業のテキトー社員村岡なんか加わり、物語をほどよくふくらませている。

おもしろい小説ではあるが、そんな大企業の買収なんて、中小企業に勤める庶民のアマサイにはどうだっていいや、って気にもさせる。なんか上の方でマネーゲームやってるわい。って感じですね。
真山さんは、前回は『武士道』を、今回は坂口安吾の『堕落論』をモチーフにしたと書いているが(章ごとに抜粋が引用されている)それがあまり活きていないんじゃないかな。大仰に構えすぎたというか、たかだかTOBの話だし。バイアウトに思想を持ち込むのには早すぎた感があります。

超近未来小説として楽しむのが正解でしょう。

ああ、そうそう、鷲津が買収業界に戻るのは親友であり、同志であるアラン・ウォードが暗殺される?という事件がきっかけです。この謎解きはⅡでは解決されず、Ⅲ?に続くようです。
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しかし、Ⅰ、Ⅱを読んでもどうしてこの小説の鷲津政彦が、テレビの鷲津政彦に再生されるのか、わからんなあ。テレビの鷲津は、物語以前、芝野の下で銀行マンをやっていて、顧客の工場に負債を追わせてしまい、工場長は自殺する、自責の念にかられ、遺族に土下座をする、ということが彼の原点になっている(そんでアメリカに修行に行くわけだ)。小説鷲津には、どこを探してもそんな要素はない。原作と映像とは別物と言ってもこれは納得できまへん。

先週、再放送してましたね、『ハゲタカ』。冨士眞奈美さんの女社長役は何度見ても爽快です。今日も人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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書談:竹内薫著『闘う物理学者!』

Fight_buturigakusha■『闘う物理学者! -天才たちの華麗なる喧嘩-』
著者 : 竹内 薫
価格 : ¥1,680 (本体 : ¥1,600)
出版 : 日本実業出版社
発行 : 2007.8
bk1

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(公式HPの記載)
量子の世界から宇宙まで
現代社会を支えている巨人たちの素顔!
“ 偉大な頭脳 ”の意外な苦悩とは? 天才アイン シュタインですら、勝てなかった相手とは?/ガリレオは「それでも地球は回っている」なんて言っていない?/インテリ科学者とボンゴの名 手は犬猿の仲?/「宇宙の始まりは時間が虚数だった」ってどういうこと?/マリー・キュリーはスキャンダルまみれ?/故国を追われた物理 学者が思想家に転向?……etc. 天才たちの“ 闘 い ”から読み解く現代物理学への道!
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■目次
・物理学に必要なのは実力か人気か
 ファインマン vs. ゲルマン
・350年にわたった無数の馬鹿者たちとの闘い
 ガリレオ vs. ローマ法王
・永遠にわかりあえない2人
 アインシュタイン vs. ボーア
・ビジネスモデルとしての物理学賞
 ノーベル賞 vs. フランクリンメダル
・異端の烙印を押された科学者
 ボーム vs. アメリカ「帝国」
・超秀才物理学者の独奏曲
 ランダウ vs. スターリン
・幾多の逆境と闘い抜いた生涯
 マリー・キュリー vs. 差別
・天才同士の苦悩と葛藤
 湯川秀樹 vs. 朝永振一郎
・違う世界に棲んでいる師弟
 ホーキング vs. ペンローズ
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まとまった感想を書こうと思っているが、なかなか書けず。竹内薫公式HPの掲示板に書いたのを転載します。
どの章が一番とは言えない。ガリレオの闘いの本質は今まであまり要約されていないし、フランクリンメダルなんて知らない人多いし、ペンローズはホーキングほど著名ではないと思うし、、、買って読んでまったく損はしないと思います。
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評価の最高値が☆5つならば、その☆の枠にはみ出すほどぐりぐり塗りつぶすくらいの、☆5つです。KAORUさんの著書の中でも最高峰であると思います。物理学者(科学者)のミニ評伝集は過去にも数々あったでしょう。しかし、本書には、登場する物理学者が紙面から躍り出んばかり、ビビット感があります(それでも願わくばランダウだけは紙面に収まっていてほしいものです)。

ボームの項に「システムとしての思考」の説明として『「私の考え」は本を読んでいる「あなたの考え」と切り離すことができない』とあります。当然のことながら、ファインマンであれ、ガリレオであれ、KAORUさんの目を通しての人物像です。各種いろんな妖怪?と現実世界で戦ってこられたKAORUさんだからこそ見える物理学者たちの戦いがあるのだと思います。闘う科学作家が闘う物理学者を描いた今までにない作品といえます。

ミツミマリさんのイラストもイカシテます。

理系や理系に進む人だけではなく、現実社会の苦難にあえぐ全ての人に読んでいただいて闘うことをおそれない心を持つ人なってほしいです(って、著者でもないのに)。

アマサイは夏バテのような夏かぜのような状態です。元気をくれぇ~!今日も人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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書談:松本清張著『隠花平原』

Inkaheigen■『隠花平原』
著者 : 松本 清張著
価格 : ¥540 (本体 : ¥514)
出版 : 新潮社
発行 : 1996.2
bk1

住宅街で銀行員が撲殺される。物取りではなく、怨恨の線もつかめない。捜査チームは早々の解散となる。しかし、被害者の妻の弟、画家の山辺修二は他の誰かと間違いで義兄は殺されたのではないかと考える。近所に住んでいたという若い女性、その元に足繁く通っていたという小太りの男性。この二人がないか関係があるのではないかと推理した修二は、二人の行方を追う。そこには都市銀行と新興宗教との繋がりがあった。
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本書は、『砂の器』に次ぐような名作ではないかと思う。正確にいえば、名作になりそこねた。もっと被害者と容疑者の血縁関係を深く描いてほしかった。描いてはいるが、もうちょっとなのである。

だから、「本書は新興宗教の金脈を描いたところは、現代のようであり、30年前の作品とは思えない」という誤解に基づいた書評が流れてしまうのだ。本書文庫の解説をしている森村誠一も、未来を見通す卓越した予見力なんてことを書いているが(※)、アマサイは、清張読みの清張知らずだなあと思う。新興宗教うんぬんの事件はその当時から、それ以前から存在しており(小説中にもそう書かれている)、それを取り上げること自体は、「予見力」ではない。テーマは古いイエ社会で生まれてしまった非摘出子の行方である。戦前の世界では、それらの子供たちはある意味暗黙の了解の元生活していたが、新憲法の元では、困難な生活を強いられたことが問題なのである(それでも、ここに登場する男のように、何人も女性をひっかえとっかえ、子供ができたらしらんぷりというのは一般的とは思われないけれど)。別にアマサイが穿った見方をしているわけではなくて、それは明示的に描かれており、事件解決のカギにもなっている。タイトルの「隠花」はそれを示しているとしか考えられないし。

殿方はそういう心情描写を読んでもなんとも思わないのかしら。不思議だわ。鈍感すぎます。

風光明媚に描かれる地方の風景や、清張作品には破格的な、計10人、後半には連続的に5人殺されるのは、近年の2時間ドラマを思わせるが、それらは、読者を引き込むアイテムともなっている(っていうか、2時間ドラマや清張以降に続く推理小説の原点?)。


清張の小説は予見性があると言ってもいいのだけれど、どちらかという現代をキリトリ、それを人間ドラマに仕上げるのがうまいのでしょうね。

※解説を読み直してみた。森村氏は同業業者だからネタばれを避けたのかなあ、と言えなくもない。しかし、今更松本清張のミステリ小説論なんて必要ないぞ。表題の小説について解説してくれ。

『影の地帯』『紅い白描』とまた松本清張に凝ってます。夏は清張に限りますね?!今日も人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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書談:東野圭吾著『夜明けの街で』

Yoakenomatide
■『夜明けの街で』
著者 :東野 圭吾著
価格 : ¥1,680 (本体 : ¥1,600)
出版 : 角川書店
発行年月 : 2007.6
bk1
内容説明
不倫するやつなんて馬鹿だと思っていた僕なのに、越えてはならない境界線を越えてしまう。しかも、彼女は15年前に起きた殺人事件の容疑者だった。事件はまもなく時効を迎えようとしていた…。『野生時代』連載を単行本化。
* * * * *

毎回作品の趣が違う東野さんであるが、今回は特にぶっとんでいる。不倫とは何か、ということを説いている、なんて言ったら、倫理学者のようであるが、『片思い』では男女の性別とは何かを追求していたし、『赤い指』では少子高齢化の縮図を描いていた。

主人公は職場に来ている派遣社員の女性と恋に落ちる。世の男性はこうして、女性にちょっかいを出すのか、となんか感心した。別に一度くらい関係を持ってもいつでも引き返せると思うらしいですな。第一、妻が夫の浮気を気づかないはずないのにねえ。

えっ、これはフィクションだろうって?そういう、そこの旦那、買って読んでみてくださいよ。この夏、どんなホラーよりも恐いでっせ。

↑ミニ解説にもあるように、相手の女性は殺人容疑がかかっています。正確にいうと彼女の父親の秘書が物取りに殺されたようなのですが、全然足取りはつかめず、捜査本部は解散、その中の刑事と秘書の姉が、彼女が犯人なのではないかと疑っているということです。根拠は秘書と父親が不倫関係にあり(というのも断言はできないが)、彼女が秘書女史を憎んでの犯行と思っているわけです。これにはどんでん返しがあるのですが、やっぱり謎解きではなくて、テーマは不倫でしょう。

一般の恋愛小説で語られる不倫よりよっぽどこの小説の方が深いと思うなあ。

一般論でしか語れないけれども、日本人は恋愛べた。家庭は一つの場所であって、お互い自由でいましょうね、なんてこと不可能だと思いますけどね。不倫は文化だとすんばらしいお言葉を吐いた三流芸能人がおりましたけれども、その文化を運用?できるほど成熟はしてないということです。

いや、ただのミステリ小説ですってば、そんなに怖がらなくても大丈夫です。(^^;)じゃ、ぷちっとな。【押す】≪コメントはここ

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書談:レイ・カーツワイル著『加速するテクノロジー』

Raykurzweil『加速するテクノロジー NHK未来への提言』
著者:レイ・カーツワイル/徳田英幸
価格 : ¥998 (本体 : ¥950)
出版 : 日本放送出版協会
発行 : 2007.5
bk1

実質80ページくらいなので、たらたら読んでも往復通勤時間、2,3日で読めてしまう。一流のテクノロジストの思想がそれでわかってしまうのだからお得である。

高校生のときにシンセサイザもどきを発表してから、OCR、画像スキャナー、音声変換装置など、あれもこれもかい!驚くほど多くの発明をし、技術の未来をも予測する未来学者である。ムーアの法則に匹敵するものをいくつも提唱しているのに、日本ではあんまり名前を聞かなかったような気がする。

ある意味かなりいっちゃってるオジサンだからかなあ。

ナノテクや遺伝子工学を使って、人体機能の一部を機械に担わせ、加齢などおそれるに足りない、とおっしゃている。跳躍力を伸ばすために足に機械いれちゃうのかい?

以下の引用はITmedia「『スピリチュアルマシンの時代』のカーツワイル氏に聞くナノテクの未来」より

20年間自分の体の生化学の再編を進めてきました。5年前からグロスマン博士と共同作業を行うようになり、より徹底的にやっています。私は毎日約250種類のサプリメントを飲み、毎週点滴治療を受けています。40歳のときに受けた生物学的老化度判定テストでは、38歳くらいと判定されました。56歳の今、広範囲な生物学的老化度判定テストを受けたところ、私の生物学的年齢は40歳という結果が出ました。つまり、過去16年間、あまり年を取っていないということです。

20年後のナノテクノロジーのキラーアプリケーションは、ナノボットです。ナノボットは、人間の体と脳の内部で病原体とがん細胞を破壊し、DNAエラーを修理し、毒素や壊死組織片を破壊することにより、または、老化作用を逆転させることにより、根本的な延命を実現するでしょう。ナノボットは、人間の血流中を移動できるほど小さなコンピュータベースのロボットです。

本書では、徳田氏が「機械を体内に入れるのは抵抗がある人が多いのではないか」という問いをしている。カールワイルにとっては何十回と聞かれた質問であるらしく「受け入れない人もいるだろうが、それは少数になるだろう。そうしなければ生きていけないとなったら抵抗する人はいない。また、そんなことをしたら人間とは言えないではないか、というなら、人工臓器や義足を使っている人は人間ではないのだろうか、そんなわけない」と一気に述べている。

臨界点というものが存在する。健常者であってもコンタクトレンズを入れるのに抵抗感を感じる人はほとんどない。しかし、視力の性能を上げるためにCCDカメラのようなものを挿入するようになるだろうか。

これは、あまり適切な例えとは言えなかった。運動選手が肺活量を上げるためにナノテクポンプを内蔵するだろうか。カーツワイルによれば、それはイエスなのだろう。たぶん、「CCDカメラのようなもの」もOKなんだと思う。

やはり、身体論が日本人とアングロサクソンでは違うんじゃないだろうか。アングロサクソンでくくるのも問題あるだろうが、化粧を変えるみたいに顔の整形を頻繁に行う日本人に多いとは思えない。もちろん、身体論なんて、もわっとした思想はなにかの拍子で簡単に変わるだろう。日本人はその生来に思想から脳死は認めないと言われていたが、これはほぼ受け入れられるに至っている(この場合、当初の前提に無理があったと思うが)。

しかし、カーツワイルの考える未来は、彼の予言通り数十年のスパンで実現はされないと思う。機械内蔵人間と素のまま?の人間との壁は、一見したよりも、厚く高いものだと思う。

理系に属する人もそうでない人もみんな読むべし。今日も人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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書談『基礎バイオ英語』『バイオ英語』

書談『基礎バイオ英語』『バイオ英語』
書談『基礎バイオ英語』『バイオ英語』
なんだか、忙しい、疲れる、忙しい、疲れるの繰り返しの連休であった。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐
バイオの英語教科書はないものかと何気にぐぐったらでてきた。バイオ技術者認定試験なるもののテキストである。英語が必修科目とはさすがである。

基礎編は科学の基本事項、数字とか実験用具なんかが半分くらいで説明してあって、後半は、生化学、遺伝子工学、細胞工学に関する英文が、1つ2パラグラフぐらい、10数個解説している。こんな具合。
Kisobaiobun

応用編(『バイオ英語』の方)は全部この形式である。
目次
1.細胞生物学
 1.1 細胞とは
 1.2 タンパク質とは
 1.3 糖質とは
 1.4 遺伝を担う分子―DNAとRNA
 1.5 タンパク質の機能
 1.6 酵素反応
 1.7 エネルギー代謝
2.生体の恒常性
 2.1 神経による調節システム
 2.2 ホルモンによる調節システム
 2.3 免疫システム
3.遺伝子操作に関する表現
 3.1 遺伝子とその発現
 3.2 遺伝子組み換えに用いられる素材
 3.3 DNAのクローン化
 3.4 DNAの解析技術
4.細胞工学に関する表現
 4.1 微生物の培養
 4.2 動物細胞の分離と培養
 4.3 植物細胞の培養
 4.4 細胞融合とモノクローナル抗体
 4.5 培養細胞における遺伝子組換え操作
 4.6 多細胞生物個体における組換えDNA

でも、なぜ全部大判=A4の大きさなのかわからんが。モバイルに不便ではないか。

内容はアマサイ所望のものである。物理記事ならスラスラと、ではないが、おおよその当たりはつけられる。
生物科学記事は単語をひいて訳語が出てきても、背景が分からんと分からんのである。当たり前。

本書があればかなり網羅できる範囲が広まるであろう、
ことを期待して。

各方面返事しないですまん。明日から復活します。
( ̄▽ ̄)v

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書談:竹内・藤井著『猫はカガクに恋をする?』

Nekokagaku■『猫はカガクに恋をする?』
著者 :竹内 薫/藤井 かおり
価格 : \1,470 (本体 : \1,400)
出版 : インデックス・コミュニケーションズ
発行 : 2007.6
bk1



竹内さんに会ったんで、猫カガク本の感想、ブログにアップしますね、と報告してあげた。

「アマサイさん、いつもありがとうございます」
「いえいえ、それより先生、あの本かおりさんとの共著になってますが、役割分けはどうなっているんですか」
「いや、それは一応営業秘密なんで」
「いいじゃないですか、別にそれで損するわけじゃないし」
「だめんなんですよ」
「じゃ、ヒントだけでも、原作は先生とか、」
「教えられないものは、教えられないんんですっ!!」
とか言って、(たいして大きくない)目ん玉ひんむいて、怒り出すんだよ。別に怒鳴らなくってもいいじゃん。日頃から感情の起伏が激しいな、男の更年期なんじゃないの、あのおっさん(物理の師匠とか言ってくせに、いきなりおっさん呼ばわりをする不肖の弟子アマサイ)。

ふふふ、でもいいのだ、これで、私のこの本のする推理が当たっていることになる。

----------------
本書は、透という青年が、香鈴という台湾出身の女性と出会い、エオウィンという不思議な猫によって、過去にタイムトラベルするというお話。しかも、行く場所はなぜか、科学の大発明・大発見が起こるところばかり。そうだ!事件は現場にあるのだ!このエオウィンは『シュレディンガーの猫』でトンネル効果を起こすから、らしい。目が黄色と青の色違いなのだがいきなり緑になると時空の扉が開くのである。

そこで二人(+一匹)は、二千年前のコンピュータ・アンティキテラの設計図を持って帰ったり、動物学者・ローレンツのフラッグを失敬してきたり、『ガリレオの指』を本人に見せたり?ちょっとばかし、歴史を変えるような余計なことばかりしてくる。

二人が何かするというより、エオウィンがいろいろきっかけを作ってしまうのだが。

本書は、科学のやさしいお話、とは違うものだ。科学者にもそれぞれ人生があり、それは現代の私たちとは、かけ離れたものではない。自分の仕事が認められないときは腐るし、自分の子供はかわいいし、尊敬される父親・母親でありたい、という心情は同じである。全てに通じる人間ドラマなのである。透と香鈴の「漫才」ばかりを気にしていると、ラストシーンに通じる「符号」を見落としてしますぞ。新感触のファンタジーなのである。
-----------------------
ふふふ、それでさ、登場人物には全て自在のモデルがいるわけであるよ。腹の出たサイエンスライターは明らかに、明らかだし?台湾出身でも、暴力癖の元夫がいるわけでもないが、ヨガインストラクターはアマサイと仲良しのあの人であるし、オタッキーの健史は、知る人ぞ知る、実在の透の教え子で現役システムエンジニアのGさんなのである。

で、エオウィンは、モデルどころか、そのものが、竹内家にいるのであ~る。つまり、本書は、実際に竹内家の猫が『シュレディンガーの猫』として家人を過去のあっちゃこっちゃに連れて行っているという「旅行記」なのだよ。だから、二人の著者の役割分担などないのだ。リアルタイムトラベルを原稿に落としているだけなのだから。ふふぉふぉふぉふぉ。。。

そして、先日、アマサイは、竹内家からエオウィンを連れ出してきたのだ。ほれほれ、目の色違うではないか。これが緑色になったら、アマサイもタイムトラベルができるわけである。うーん、どこがいいかな。そうだ、ワトソンが、ロザリンドの成果を盗む現場をとっつかまえてやる。エオウィン、これを見なさい、にっくきワトソンが二重螺旋の模型を作ってご満悦のところだ。こいつの研究室に行きたい。ほれほれ、時空の扉を開けなさい。うーん、やっぱり、透と香鈴じゃないとダメのかな。呪文とかないんだっけ。うーむ。餌をやればいいのか。お前はシュレディンガーの猫なんんだろう。ほい、どうした、ほれ。。。。

「私、文章倶楽部のまなべさんに連れてこられた「にゃあちん」なんだけどな。エオウィンって名前じゃないし。お目目の色が違うのは、今ちょっと結膜炎なの。こんな家に連れられてきてほんとに迷惑。なんかわからないけど。ぷちっとな。」【押す】
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書談:松本清張著『球形の荒野』

Kyoukeikouya■『球形の荒野』
著者 :松本 清張
価格 : \620 (本体 : \590)
出版 : 文芸春秋(文春文庫)
発行 : 2003.7
bk1

素敵な題名なのでいつか読んでみたいと思っていた。題名と同じくらい素敵なお話だった。

芦村節子は夫・亮一の学会出席に付き添い関西が赴く。その合間に一人奈良の唐招提寺を訪ねたとき、その芳名帳に大戦中の外交官だった亡き叔父・野上顕一郎の独特な筆跡を見た。名前は違っていたが、中国のある流派を組む文字体を書く者が、他にいるのだろうか。叔父は生きて日本に来ているのではないか。節子は、その思いを野上未亡人・孝子とその娘久美子にうち明ける。皆取り合わないが、久美子の恋人である新聞記者・添田彰一は、その出来事に興味を持つ。

清張作品に限らずこの時代の推理小説には、新聞記者が良く出てくるなあ、と思った。今のように芸者や旅館の女将、フライトアテンダントが探偵ができない時代(?)だからではなく、民間で一番情報収集力のあったのが新聞社に勤める者だからである。

今の新聞記者は、ソースのはっきりしない内容の怪しげな伝聞を平気で記事にしたり、素人のブログをそのままぱくったり、事実関係を確かめもせず科学的事実と偽って載せたり、権威ある肩書きの人と酒を飲むとインタビューしてきたと勘違いしたり、折角著名な学者と会ってもコミュニケーション技術がないもんだから、別のテレビ番組出演の所見を恰も自分で言質を取ったように書いたり、する人もいますからな。いえ、誰と言わないが。

結末は結構複雑な国際関係がネタとなっている。平成の今ともなれば、さもありなんという気がするが、発表した当時(1960年)はどのような反響があったのだろうか。清張は社会派作家らしく、戦争がテーマとなる小説を多く書いている。『砂の器』でも、先の大戦は重要なアイテムの1つのなっている。

本書はそんな難しい政治がらみのことよりも、あの時代、大黒柱を失った女所帯がどのように生活していたか、そっと教えてくれる。主が外交官だけあって、貧しくはないようだが、だからといって派手ではなく、慎ましく母娘が暮らしている。ときどき、親戚の節子などが来て、亡き主の思い出をひっそりと語らう。平穏だけれども、大きな欠落感を持って生きている。そんな情景が胸に迫ってくる。

顕一郎はさぞかし、妻に会いたかったであろう。しかし、彼の理性が対面することだけはぎりぎりくい止めた。それは彼女を最も不幸にしてしまうことだからだ。そんな思いを胸に父とは知らずに(でも心の奥底では感じていたに違いない)、娘と一緒に歌う「七つの子」はなんともしれない情緒がある。

メインキャストの添田彰一が野上家に入ったとき、顕一郎の欠損が補修されるのかもしれない。

これは、映像化したらものすごくいいだろうと思ったら、やっぱりなってました。
球形の荒野(1975) - goo 映画

清張ファンにはシャーロキアン、みたいな素敵なネーミングができないか、考え中。今日も人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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書談:熊野純彦著『メルロ=ポンティ』

Merurokumano■『メルロ=ポンティ 哲学者は詩人でありうるか?』(シリーズ・哲学のエッセンス)
著者 :熊野 純彦
価格 : \1,050 (本体 : \1,000)
出版 : 日本放送出版協会
発行 : 2005.9
bk1

先々週くらいに読み終わった。100頁ちょっとのものであるが、内容は濃かった。話が網羅的ではなく、主著『知覚の現象学』に絞ってあったのがよかったのかもしれない。

船木亨さんのは、なかなか本題に入らない感じでちょっといらついた。本書でワンステップついたので、船木ちくま新書⇒現代思想の冒険者たちで読んでいこう。ああ、ちくま学芸文庫のコレクションも忘れずに。

シュナイダーの症例・幻肢からどのような身体論を導き出したかったか、とか、
描写された図面、遠近法や立体図示と実体物の差異、なんかがよく説明されているが、それと彼の哲学の関わり合いが理解できた。
(立方体を図示したとき、我々はなぜ、実物の立方体を想致できるか、なんて何かおもしろいんだろう、と思っていた)

しかし、また、メルロ=ポンティの実際の文章は、他の哲学者たちと同様に、難解である。それに対して本書は非常にわかりやすい。時々、哲学者の説をわかりやすく、「翻訳」してもよいものだろうか、と思う。

難解な絵画とか、音楽とか、この世には多く存在する。しかし、それを解説することで理解できるだろうか。哲学は言語でできている。その解説を言語ですることに意味があるだろうか。ならば、絵画を絵画で、音楽を音楽で解説することは可能であるだろうか。よく語られることであるが、本書が優れていた故に、そのことを強く思った。

・哲学者の業績を記述するのも難しい。取り敢えずウィキペディアにはこうある。

モーリス・メルロー=ポンティ(Maurice Merleau-Ponty, 1908年3月14日 - 1961年5月4日)は、フランスの哲学者。現象学を学び、その発展に尽くした。

彼の哲学は「両義性の哲学」「身体性の哲学」「知覚の優位性の哲学」と呼ばれ、従来対立するものと看做されてきた概念の<自己のの概念>と<対象の概念>を、知覚における認識の生成にまで掘り下げた指摘をしている。 例えば、「枯れ木」があるとします。 子供の頃(最初に見た時)は、「枯れ木」という存在を眼で見て、「枯れ木」は<名前のない現象として>知っていますが、「枯れ木」という言葉(記号)を知って初めて、恒常的に認識出来るのですね。そして、「枯れ木」という現象が「枯れ木」というものの(同一言語下で)共通した認識を得るのですね。

≪それは、「枯れ木」を含む場景を見て知っていたが、「枯れ木」という言葉を知らなかったので、「枯れ木」を知らなかった。≫という言葉に理解を求めたい。

今は本を読む時間がとれるので幸せです。ああ、本の紙魚になって暮らしたい。今日も人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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書談:佐倉統著『進化論の挑戦』

Shikaronchousen
■『進化論の挑戦』
著者 :佐倉 統
価格 : \630 (本体 : \600)
出版 : 角川書店(角川ソフィア文庫)
発行年月 : 2003.1
bk1

『総合情報学』の参考文献になっているので読んでみた。佐倉さんの著作や共著はいくらか読んでいた。『現代思想としての環境問題-脳と遺伝子の共生-』(中公新書)なんかはおもしろく読めた。生物学者(*)ってこんなこと考えてんのか、と科学史学徒としてのアマサイに少なからず影響を与えた。ご多分に漏れず、内容はすっからかんに忘れてしまったが。

*心理学専攻でサルの生態を研究していて、その後、三菱化学生命科学研究所のポスドクとなるので、生物学者でいいんだと思う。HPには「専攻は進化生物学だが、最近は科学史から先端科学技術論まで手を広げて、何が専門なんだかよくわからない状態」と書いている。まあ、今は社会学者ってカテゴリにしてもいいと思うが。

で、本書。まだ途中である。後半から読み始めて、最終章→中間章から1章へ向けて遡ってページをめくるという変則的にやってます。基本的におもしろく興味深い。なんだけれども、社会学とか心理学ってどうもなあ、とアマサイは思ってしまう。

例えば、都市部で「人はどれくらい親切か」という調査を行う。通りすがりの人に「駅はどこですか」とか「両替してもらえませんか」とか言うのである。そうすると大抵の人は好意的に答えてくれるというのである。これはなぜだろうかと考える。家庭や学校で「人には親切にしよう」と教育することはあるだろう。しかし、なぜ親切にするように教えなくてはいけないのか。そう考えると、人に親切にするよう元々遺伝的にプログラムされているのではないか、と記載されている。[本書187-188頁]

また、どこの国の人でも自然を愛でる特質がある。これもまた人間には自然を好むことは遺伝的に決まっているのではないか、と主張されている。[本書221-223頁]

ふーむ、他の論理で説明できないと、遺伝的に、か。そう言われると、ニセ科学支持者と論と似ていると思うのは、私だけσ(^^;)。

これは科学で説明できないではないか、ならば、オーラが作用しているから、水は言葉を知っているから、という言説と似ているような。

もっとも、ここだけ切り取られると、怪しい感じがするが、「第三章 社会行動の影に遺伝あり」「第四章 人はなぜそう振る舞うのか、」に社会進化論の考え方が書いてあるので、そこを踏まえれば、さほど不可解な話ではないのかしれない。

まあ、我が愛する物理学においても、宇宙論を語るばやい、新しい数学が創造されれば、新しい宇宙論が見いだされる、数学的に存在するものは実在する、と聞いたときはかなり眉唾だなあ、と思ったものだ。わたくしの頭の中にあるものは、その外の世界にも実在するなんて感じで、なにか教祖様のお言葉のようであります。

最先端は誰も知らないわけだし、少し怪しい香りのするのが、サイエンスなのかな、と最近思ったりもする。

Moshasnoo
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書談:『理系なら知っておきたい生物の基本ノート 生化学・分子生物学編』

ここの講座であるが、分類でいうと生化学というものらしい。毎回講義もあるので、なんのための実験かはよくわかる。しかし折角の機会なので、自分でも勉強してみようと思いました。高校生物の参考書でもいいと思うのですが、生物学専門書の棚も見てみました。太田次郎先生の本なんかは非常に良いですね。さすがに、大学の生物・医歯薬系の教科書は読みきれる自信がありません。高いのにちょっとしか読めないともったいないですから。で、これを見つけたわけです。

Rikeinosibutu
■『理系なら知っておきたい生物の基本ノート 生化学・分子生物学編』
著者 : 山川 喜輝
価格 : \1,680 (本体 : \1,600)
出版 : 中経出版
発行 : 2005.4

アマサイは高校で生物Ⅰまでしか取得していません。生物の教員は、生命の大切さがわかるためにも必要な勉強と言っていましたが、こんなんで、そんなものわかるかよ、と批判的でした。細胞の核がどうの、メンデル法則がどうの、って退屈に思いました。今思えば浅はかです。それでも、分子生物学や進化論の本はブルーバックスで読んでいましたが、理解していなかったようです。本書をパラパラみていて気づきました。生物学、なかんずく生化学はとても重要な知識です。一般の人の科学への興味も、物理や数学よりも、生命、生体に関することですね。サイエンスライターを目指す人は生物をやった方がお得です。

で、本書は私のように、生物を学び直したい人、大学の授業にイマイチついていけない人を対象にしているようです。

がしかし、
「物理で受験した医学部生など、大学に入ってはじめて生物が必要になる人の場合」
うんぬんと前書きに書いてあります。
ふーむ、物理が得意だから、物理で受験、というはむしろ好ましいと思うのですが、そうではないようです。生物をちゃんと勉強しないで医学部に入っていいものでしょうか。高校では、志望に関係なく、○○が得意だから、そっちに進学しろ、と指導しているとききます。

高校の必修科目捏造が問題になりましたが、教育の現場で、最低限の学習倫理が果たされていないようです。それに比べれば、ゆとり教育の弊害などたいしたことではありません。

先のアマサイの生物教師のように、「なんのために学ぶのか」教授することが重要です。そのときに生徒はわからなくても、学習の内容を忘れてしまっても、「なんのため」は必ず心に残ります。

うーん、でも生物は専攻したくないですね。実験とかたいへんそうですし。人気blogランキング自然科学部門へ1日1回ぷちっとな、お願いしますね。【押す】
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書談:折原一『被告A』『沈黙者』

Hikokua■被告A (ハヤカワ文庫 JA)
著者:折原 一
価格 : \777 (本体 : \740)
出版 : 早川書房
発行年月 : 2006.9
bk1

内容説明
連続殺人犯として逮捕され、冤罪を主張する男が、裁判で放った逆転の秘策とは? 一方、わが子を誘拐された母親は、警察は別人を逮捕したと信じて、たった一人で犯人に戦いを挑む。新趣向の誘拐&法廷ミステリ。

Tinmokusha■沈黙者 (文春文庫)
著者:折原 一
価格 : \570 (本体 : \543)
出版 : 文芸春秋
発行 : 2004.11
bk1

内容説明
「おまえはいったい誰なんだ!?」 警察でも裁判所でも、そして刑務所でも、自分の身元を一切明かさぬ謎の男。そして2家族6名を一夜にして殺害した凶悪殺人事件の真犯人は? 巧緻を極めるミステリー。

--------------------------------
『沈黙者』の方を先に、ゴールデンウィーク前かな、読んだわけですが。『失踪者』など一連のシリーズものの1つです。どれも週刊誌の記者の取材ノートがベースである、という設定のようです。『冤罪者』は某書店で、陪審制の参考資料?として他の法廷関連書と並べられていました。

万引きで捕まり、刑事に尋問を受けている青年、片や、自分の街で連続殺人が起こり、その第1発見者となった新聞配達員の学生、二つの事象が交互に記載され、物語が進んでいきます。となれば、これは関連をあると、どこかで、接触すると思うでしょう。しますよ、もちろん、しかし、その接触の仕方が、、、うーむ、さすがですね、こういうくるとはね。ちょっと頭の中を整理しないと何が何だかわからなくなります。それが折原さんの手なんでしょうね。『~者』シリーズの中で一番短いから選んだのですが、こりゃ、他のも期待できますな(長いと読むのに夢中になって、早く読もうとするあまり、他のことができなくなっちゃうんで)。

で、『被告A』。ここでは、息子(と言っても成人男性)の誘拐犯と交渉する母親の姿、他方は、連続殺人の容疑をかけられた被告Aの裁判に至るまでの経緯、とが並行している。前者と後者の関係は母親が説明してくれている、が、がである。ここが叙述ミステリのポイントというべきか、登場人物の推理など信用してはならない。アマサイはこの母親は妄想を語っているのではないかと思った。たぶん、読者がそう思うように折原さんは仕組んだんだろうな。

で、結末なんだが、「なんだ、こりゃ」と誰もが思うのではないか。叙述ミステリが嫌いな人は本をぶんなげるのではないかと思う。

アマサイはこういうのもありかな、と思うが、ちょっと評価ポイントが下がりますね。
まあ、読んでみてちょ。

ロジックに基づいて書いてあるので、ミステリ好きに理系が多いと言われていますが、これはどうかな?人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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書談:奥田英朗著『イン・ザ・プール』

026464590000■『イン・ザ・プール』
著者:奥田 英朗
価格 : \500 (本体 : \476)
出版 : 文芸春秋(文春文庫)
発行 : 2006.3

ここでテレビ見たから読む気しないとかえらそーに言っていますが、文庫になったので読んでみました。
bk1でも人気です。

昨年放映されたのはシリーズ第2弾の『空中ブランコ』でしたが本書の作品も織り込まれています。そして、直木賞受賞作。デビュー10年未満で受賞しちゃう人もいるんでしゅね。賞レースは水モノです。

・収録作品
「イン・ザ・プール」「勃ちっ放し」「コンパニオン」「フレンズ」「いてもたっても」

「コンパニオン」は確かTV版のエピソードとしても使用されていました。ストーカーに怯えるコンパニオン。実は単なる被害妄想だったのですね。「先生、私が妄想だったわかってたんですか」「うん、一目みてわかったよ。でも、そういうのは言ってもダメなんだよね。自分で気づくまで待つしかないんだ」みたいな会話が交わされます。それを気付かせるために、伊良部医師もドラマオーディションなんかに出たりするわけです。患者のために体張ってって憎めない奴です、伊良部という男。だから、そんなにたくさん診察できないんだろうな。

うーむ、なんといってもおもしろかったのは「たちっぱなし」。。。
付いていないので(!?)殿方の気持ちはわかりませんが、たってもたたなくても具合が悪いんでしょうね。
あう、乙女アマサイとしたことがなんとはしたない(^_^;)

ほんとにあるんでしょうかねえ、そのままの状態がずっと維持されるというのは。
この患者さんは言いたいことを言えない毎日で、それを爆発したら元に戻ったという結末でした。

じゃあ、ストレスをためていると逆の現象が、、、ないでしょう。

このまま書き続けるとはどんどんオゲレツになるので、止めましょう。

まあ、心の病って結局直らないわけかなあ、なんて思うけど。日常生活が送れない入院状態でなかったら、病んだら、病んだまま生きるのがいいのかなって気がしましたね。ううぅ、ノイローゼだぁ、って思うこと自体ビョーキなんだし。伊良部がいなくても、他の医師でも友達でも、語れる人を身近に持つことですかな。それも、本音を語る!みたいな片意地張らず。

素のままで生きるって難しい世の中だなあ。でも、みんながみんな素であけっぴろげでも困るしさ。

なんかおもしろくって、ほっと癒される、そんな短編集でした。

これ漫画にだったらおもしろいな、と思ったらもうコミックスがでてました。じゃあ、今日も、人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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書談:土屋賢二『ツチヤ学部長の弁明』

Tutiyagakubucho
■ツチヤ学部長の弁明
著者 :土屋 賢二
価格 : \560 (本体 : \533)
出版 : 講談社(講談社文庫)
発行 : 2006.10
bk1

ツチヤケンジという男はとんでもない奴である。哲学者と名乗っておきながら、大学で講義をしたり、駄文を出版させたりしている。哲学者とは何も生産しないものなのだ。しかし、講義は仕方ないだろう。哲学者と言えども、メシを食ったり、雨露しのげるプレハブは必要だし、外に裸で歩くわけにもいかないから青山のスーツくらい買える金は必要であろう。

しかし、一連のツチヤシリーズの駄文はなんなのだ。彼のテーマは主に女性である。女性に関して駄文を書くと言ったら、
こうしたら、デートをしてくれたとか、
こうしたら、プロポーズを受けてくれたとか
こうしたら、○らせてくれたとか
数少ない女性と成功体験を書くものである。

ところが、このツチヤと来たら、女とは理解できない、不可解である、わからない、ということを延々書き続けているのだ。それをオヤジ向け週刊誌に書いてるくらいなら許せよう。ところが、それを綴じて単行本にして売りつけた上、品切れになると文庫に下ろすとしう悪行を積み重ねている。

こんな暴挙が許されようか。

しかも、ツチヤは独立学校法人、お茶の水大学の教授を長年やっているのだ。さらに一時期は学部長という地位までせしめている。このような不埒な者の発言を一切認めてはなならぬ。

土屋賢二と名のつく書物はすべて不買運動しようではないか。

ツチヤ学部長の弁明「私は家庭及び職場で抑圧され、虐げられている。これ以上の攻撃は人権侵害というべきものである。せめて活字では好きなことを言わせてくれ」

文調のまねっこって難しいですね。1日1回ぷちっとな、お願いしますね。【押す】
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書談:折原一著『螺旋館の奇想』

Rasenkan
■『螺旋館の奇想』 (文春文庫)
著者:折原 一
価格 : \540 (本体 : \514)
出版 : 文芸春秋(文春文庫)
発行 : 2005.6
bk1

小池さんの短編集、アマサイ未読、が文庫出ていたので読んでいた。今までと同様、小池ワールドは満足できるものだった。

だがしかし、多くのラブストーリーにはオチがない、この作品集もそうである、当たり前のだが。
(小池作品にはミステリ仕立のも多いのだが、これはそうではなかった)
ちょっと今は刺激がほしいなあ、と手に取ったのは本書。

折原作品は T_NAKAさんが紹介していらしたので、気まぐれに買ってみたら非常におもしろかった。以来、そこそこ読んでいる作家である。

叙述ミステリとか呼ばれるもので、そんなのミステリじゃねえ!と嫌う人もあるらしいが、アマサイとは相性がいいみたいだ。

アマサイもすれてきているので、そうか!そうだったのか!とは思わないが、どっぷり折原ワールドに浸れるので、気分転換とストレス発散になる。ミステリが好まれるのはその点にあると思う。

老作家が、山奥の山荘に篭り、10年ぶりに長編ミステリの作成にかかる。担当編集者が1ヶ月1度程度ご機嫌伺いに行く程度で外界との接触は極端にさけている。講師をしていた小説講座の受講生の女性がやってくるあたりから、なにかが起こりそうな気配がする。作品は無事できた、らしいが、思わぬ事件に見舞われる。

全体としては三重くらいの入れ子構造になっている。最後に2,3回のどんでん返しが味わえる(←カウントに仕方は個々違うと思うので)

二晩か休日1日で読めるから、結構愉快な余暇になるのではないかと思う。「初心者向き」ではないというネット書評家もいるが、折原作品にはビギナーもなにもないと思う。たぶん、全作品、はずれはない。

綾辻の館シリーズにかけているとか、実在の作家を皮肉っているとか、レギュラー配役がいるとか、そういうことにはこだわらず楽しく読めばいいだけの話である。

好みの作家を発掘するとうれしいですね。ああ、また楽しみが増えると思えるから。人気blogランキングにぷちっとな。【押す】
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書談:『女流作家-私の履歴書-』

Joryurirekisho
■『女流作家-私の履歴書-』
円地 文子/瀬戸内 寂聴/佐藤 愛子/田辺 聖子著
価格 : \1,365 (本体 : \1,300)
出版 : 日本経済新聞出版社
発行年月 : 2007.4
bk1

私の履歴書が文庫になっていたとはのう。
女流作家特集ということで早速買った。それぞれ単行本になっていると思う。
お聖さんのは『楽天少女通ります』には「私の履歴書」を加筆したと書いてあるし、瀬戸内さんは、私小説をいくつか書いているから、ほぼ同じ(ご本人は飽くまで小説だから、全て本当ではないと記載しているが)。円地文子さんは名前だけで作品を読んだことはない。昔友達が読んだというので、どんなこと書いてあんの?と聞いたら「女の情念、どろどろしたやつ」と言っていた。若いころは、どろどろねちゃねちゃ?はいやだったが、今は読んでもいいいかなと思っている。この「履歴書」からさらに興味を持った。

この中では佐藤愛子さんがマイヒーローである(女性形はヒロインだが、ここではヒーローでなくてはならん)。田辺聖子さんとともにアマサイが20代のころに親しんだ作家なのである。「娘と私シリーズ」は長いことan-anに連載されていた。さすがにリアルタイムではなく、文庫になってから接したのだが。

多くの女流作家のように佐藤さんも波瀾万丈だ。

流行作家・佐藤紅緑と女優だった母との間に生まれ、何不自由なく育つ。父や異母兄弟・サトウハチローの所行を交えた自伝的小説は有名で、複数回テレビドラマ化もされたはずだ。父が亡くなり、最初の結婚が終焉し、母との二人暮らしになると、自立すべく作家を志す。そこで遠藤周作、川上宗薫、北杜夫らと交流する。のちに文芸仲間Tと再婚する。おぼっちゃま育ちのTは会社を起こすが、利益らしい利益も得ずに会社を倒産させてしまう。このころの佐藤さん心情を表す文章がアマサイはとっても好きだ。

 夫は朝早く家を出ていったきり、帰りは深夜か、あるいはどこにいるのか外泊したまま連絡もなかった。債権者が尋ねて来て彼はどこにいるかと詰め寄ってもわからないものはわからないというしかない。
 私は吉田一穂先生を訪ねた。貧乏を誇っている先生に窮状を訴えたところで何の足しにもならないことはわかっていたが。
「先生、夫の会社がつぶれました」
 いきなり私は言った。一瞬先生はポカーンとした顔になり、それからみるみる真っ赤になって怒鳴った。
「Tの馬鹿野郎が!馬鹿野郎!馬鹿野郎!」
 破れ鐘のような怒号をきくと涙がどっと溢れ、私はワンワン声を上げて泣いた。
 私が泣くと先生の馬鹿野郎の声はますます大きくなり、恰も「馬鹿野郎」と鳴き声との競演といった様相を呈したのである。
 吉田先生は詩人であったから「馬鹿野郎」という以外はなんのアドバイスもできなかったのだ。だが、その先生の怒号はどんなアドバイスよりも同情よりも私の孤独に染み入って、私を泣かせ、私を慰めたのである。

これを初めて読んだころ、結婚とか家族を持つということになんのリアリティもないアマサイだった。今もそうか?誰もが二度結婚して、その二度目の夫の借金を背負うとは思われないが。、女性には多かれ少なかれ、佐藤さんのような困難は降ってくるような気がした。そのときは心して立ち向かわないければならない。そんな憂鬱と勇気が佐藤さんの文章から感じとった。今でも多くの女性を勇気づけるのではないだろうか。

※朝ドラ『芋たこなんきん』で佐藤さんとおぼしき役を岡田茉莉子がやってました。役名、加藤舞子。
(^^;)

最近『我が老後』なんかをまた読み始めました。じゃあ、今日も、人気blogランキングぷちっとな。【押す】
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書談:『大学生のための「読む・書く・プレゼン・ディベート」の方法』

Shigerudebepre■『大学生のための「読む・書く・プレゼン・ディベート」の方法』
著者:松本 茂/河野 哲也著
価格 : \1,470 (本体 : \1,400)
出版 : 玉川大学出版部
発行 : 2007.3
bk1

ちょっと違和感のあるタイトルである。
「読む・書く・プレゼン・ディベート」が一行に並ぶことはないからだ。
章立ては
第1章 テキストの読解と要約の方法
第2章 レポート・論文を書く方法
第3章 プレゼンテーションの方法
第4章 ディベートの方法
となっている。

学部で学ぶ程度の勉強ならば、今の時代独学で十分修得できる。放送大学は無料で授業を流しているし、対応する教科書も販売している。インターネットで検索すれば、大学の履修要項を見つけることができるし、それに対応する教材のみならず、授業そのものを動画でアップしているところさえある。公式の学位にこだわらないなら、本代だけで学べると言っても過言ではない。

しかし、論文・レポートの書き方は習って実際に書いてみないと修得できるものではない。当然、学卒程度であれば、レポートの類は書けるものと思う。が、しかし、実際は書けないのである。私の扱うのは発明提案書と呼ばれるものであるが、「おめぇは卒業研究して論文とか書かなかったのかよぉ~」と言いたくなるようなものが、大量に手元に来るのである。特許/発明ってなんだかわからない、という未熟な点を差し引いてもひどいのである。

発明の記載の仕方というのは、

・現状 ⇒ ・現状の問題点 ⇒ ・解決する手段 ⇒ ・実際にその手段を適用した事例
を書きさえすればいいのである。文学・哲学研究とかはわかんないが、理系及び社会学系の学問もこういう感じで論文とかできているんではないんだろうか。

おお、そして、あ~ら、不思議。ディベートで最初に行うスピーチ、立論もこのようになっているわけです。

事例:.原発全廃

○現状に問題があります。(内因性)
 原子力発電所で事故が起きています。
     ↓
○それは重要な問題です(重要性)
 作業員が死亡したり、周辺の環境を汚染します。
     ↓
○プラン(論題を肯定)を導入します。
     ↓
○前記問題が解消します(解決性)
 事故の根元となる発電所がなくなるわけですから、事故はおこりません。

つまり、ディベートの立論が作成できれば、レポートが書け、
きちんとした論理が展開できれば、レポート・論文は怖くない、というわけである。
プレゼンなんかはちゃんと筋が通っていれば、度胸とパワポの操作ということになる。
(^^;)
ということが書いてある本なのである。

大学生のための、と表題にあるが、社会人でも十分使える。
そして、ディベートを学ぶとビジネスに役に立つんじゃないかと思われている人を一読しておくといいかもしんない。


しげる先生、いつも著書を贈呈していただいてありがとざんす。じゃあ、今日も、人気blogランキングぷちっとな。【押す】
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書談:土屋×森『人間は考えるFになる』

Fninaruobituki■『人間は考えるFになる』
著者 :土屋 賢二×森 博嗣
価格 : \520 (本体 : \495)
出版 : 講談社 文庫
発行 : 2007.3
bk1

暇つぶし、ほとんど期待しないで読んだのだが思いの外面白かった。土屋さんのことはまったく知らなかったのだけれど、森さんは、『臨機応答・変問自在』を読んでいたので、それに+αのノリかなと思っていたが。

こうゆう対談本は以前はよくあったものだ。文系有名人×理系有名人みたいなの。
昔でいうと
竹内均×梅原猛
である。ああ、これ高校生のとき担任の教師に借りたんだな。あれから、ん年経っているが返していないような気がする。○○はあげるけど、これは読んだら戻してね、って言われたような気がする。ごめんよ、K先生。

で、本書であるが、
森さんは小説書きをビジネスと考えている。デビュー前の一作目は楽しんで書いていたような気がするが、それ以降は仕事として割り切っているそうだ。
土屋さんが、どうすれば売れる本が書けるのか、という問いに、
文章がうまかったら売れるでしょうね、
というあっさりとした答え。

森「よく女性の気持ちがわかりますね、とか言われますが、わかりません(笑)。でも、外国人や犬の気持ちよりは、日本女性の気持ちは想像できます。」
土屋「僕は犬の気持ちの方がわかる(笑)」
ミステリなんて誰でも書けるとも言っている。
そんなもんなのか?
作成の秘訣なんか言語化できたら、作家はみんな売れっ子になってしまうだろう。

友達は必要か、の章は結構ワカモノに勇気を与えると思う。
友達なんかいなくていいんじゃないですか、たくさんいたらつきあうのたいへんだし、
何年かにいっぺんやってきて、じっくり話して帰っていく
というのが両先生理想らしい。

それには同意するが、十代のころって、友達がいない、とか少ないとかで悩むんだよね。
真の友情とは何か、とか平気で語っちゃうし。

大人になると、仕事とか家庭とかあって、敢えて友達がどうのこうの、とか思わなくなるね。それだからこそ、たまに会う学生時代のクラスメイトと話すと安堵するというか。
ああ、やっぱり友達は大事です。(^^;)

また、ここでは、女性って男性と違って友情より恋愛を取りますよね、友達の恋人を取るっていうのは男には考えられない、ってな話が出てきます。

それって一般的なことなのかなぁ。略奪愛はまれにあるから取り上げられるんではないか。男は友達の女を奪うことはない、
いや、それもどうなんでしょうね。
アマサイにはよくわかりません。

まあ、とにかく、軽い割に示唆に富むエッセイでした。よろしかったらご賞味ください。

ツチヤ教授にも興味を持ちました。彼の単著書も読んでみたいと思います。
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書談:"Critical Thinking: An Introduction"

Crithinintoroorigin
■Alec Fisher"Critical Thinking: An Introduction"
amazon.co.jp 

アマゾン内のリンクを辿っていったらみつけた。ペーパバックである。ということはポピュラーでノンネイティブでも読みやすい可能性が高いことを示している。
ぐふふふ。。。良い本を見つけたわい。と喜ぶアマサイ。
本文だけだったら200ページもない。11章、2ヶ月もあれば十分読めてしまうな。
購入してからだいぶ経っているはずなのに、まだ3章目である。
不思議である。まあ、いいや。

そして先日、また、ネット書店をあさっていると、

うん?

アレク・フィッシャー、

クリティカル、、、入門!?

翻訳されているではないか。。。

別に驚くことはない。著名なテキストであれば、日本語版ができてもおかしくはない。
しかし、である。原書はソフトカバー、訳本はハードカバー、よくあるパターンではある。しかし、クリシンを世に広めたいなら、こりはまじゅいでしょう。おまけに高いのだから目も当てられない。

あと、クリシンの本にありがちなのだが、大抵の場合、ビジネス書・思考法のとこにあるのだが、一部心理学の書棚にある。本書もそうである。クリシンが心理学に分類される根拠、がアマサイはよくわからないのだが(どっちかっていうと哲学?)、販売戦略としてはどうなんだろうと思う。

それで、内容はだな、目次を一部コピペしとくので、ご自分でご判断ください。
アマサイは、それほど英語が達者なわけではないが、原著で十分のように思う。
日本語にするとどうも小難しくなってしまうである。

Crithiintro■『クリティカル・シンキング入門』
著者:アレク・フィッシャー
訳者:岩崎豪人他
出版:ナカニシヤ出版
発行:2005.12
価格:\3,570 (本体:3,400)
ナカニシヤ出版のHP

目次

第1章 クリティカル・シンキングとは何か、どうしたら上達できるか
 1.1 クリティカルシンキングの伝統から、いくつかの古典的な定義
  1.1.1 ジョン・デューイと「反省的思考」
  1.1.2 エドワード・グレーザー――デューイの考えに基づいて――
  1.1.3 ロバート・エニス――広く使われている定義――
  1.1.4 リチャード・ポールと「思考についての思考」
 1.2 クリティカル・シンキングの基礎となる技術――幾つかの基本的能力――
 1.3 役に立ついくつかの例
 1.4 クリティカル・シンキングの最後の定義
 1.5 クリティカル・シンカーの態度と価値
 1.6 「批判的‐創造的な思考」
 1.7 この序論についてのまとめ

第2章 理由と結論を見分ける――推論に用いる言葉――
 2.1 推論の有無を決める
 2.2 推論の単純な例
 2.3 「推論に用いる言葉」①
 2.4 「したがって」テスト
 2.5 「推論に用いる言葉」②
 2.6 どうすれば自分の議論を明確に表現できるか
 2.7 書き手の言おうとしていることの見分け方――推論の構造――
 2.8 まとめ

第3章 推論を理解する――さまざまな推論のパターン――
 3.1 最も単純な場合
 3.2 並立的に理由を示す
 3.3 推論の「連鎖」
 3.4 結びあわせられなければならない理由――「結合的な理由」――
 3.5 もっと複雑なパターンの推論
 3.6 少し脇道にそれて――仮言文とその他の複雑な文――
 3.7 議論と説明の違い
 3.8 2つ以上の結論を引き出す
 3.9 まとめ

第4章 推論を理解すること――前提、文脈、シンキング・マップ――

第5章 表現と考えを明確にし、解釈する

第6章 理由の受け入れ可能性――およびその信頼性――

第7章 情報源の信頼性を判断する技術

第8章 推論を評価する――前提及び関連する他の議論――

第9章 推論を評価する――前提及び関連する他の議論――

第10章 因果的説明についての推論

第11章 意思決定――オプション、結果。価値とリスク――

かぜは回復の兆し。人気blogランキングぷちっとな。してくれれば益々元気になります。【押す】
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書談:田辺聖子『残花亭日暦』

Zankatei
■『残花亭日暦』
著者 :田辺 聖子
価格 : \500 (本体 : \476)
出版 : 角川書店(文庫)
発行 : 2006.7
bk1

とむ影さんが紹介していらしたのアマサイも読んでいましたが、途中で辛くなって、読むのを止めてしまった。

NHKの『芋たこなんきん』もカモカのおっちゃんが亡くなって終わったし、また本書をひもといた。

どこまで読んだかなと思ったら、こういう箇所だった。

「夜おそく、誰もいないリビングで、私はスヌーにいってみる。スヌー、もうあーたんは死にたいよ。スヌーは垂れ目をきっとみひらき、<あーたん、そんなこと、おっしゃらないでくださいまし、あーたんになにかあったら、ぼくたち、どうなるのでせう。無責任なご発言と思ひますう・・・・>私はふき出したが、いっしょに涙もこぼれた。私にとっていつも、(実は)非現実的なこの子たちが、一ばんの現実」

o(;△;)o ぉぃぉぃぉぃ。。。。。。

これが泣かずにいられよか。涙で潤んで読めんがな。

がんばって、ページをめくったら、

「<かわいそに。 わしは あんたの。 味方やで>
--ここでわっと泣ければよかったのだが私は涙が引っこんで、思わず笑ってしまい
<なにも五七五でいわなくてもいいやないの、パパ!・・・それ、川柳のつもり?!>
うるわしい夫婦愛の愁嘆場がお笑いになって、彼もにやりとした。そして再びいう。
<アンタかわいそうや、いうとんねん>
<?>
<味方って?>
彼は疲れたように目を瞑り、口もとざす。静かだ。窓の外の夕焼けは蒼褪めて、トリたちが街の低い屋根の上を、声もなく渡っていく。」

うぅぅ。。。( p_q) 

これは、夜一人では読めん。

とやっと、今日、喫茶店で読み終わりました。

『芋たこ』でカモカのおっちゃんが死ぬとこは、本書にのっとっています。実際は半年ほど入院生活を送っています。それ以前に医者を引退していますから、テレビでは、闘病生活のあとしばらく二人で悠々自適の生活を送り、臨終を迎えるとなっています。タイムスパンは短いですが、これも現実のおっちゃんとおせいさんを踏襲しています。

現実のおせいさんは高齢の上仕事を抱えて、おっちゃんの病室にほぼ毎日通います。おせいさんもおっちゃんも戦っていたのです。でも、仕事があったから、看護もできたのかしら。ふーむ。半年、1年未満、という短期決戦?だからできたのでしょうか。どこの夫婦も多くは晩年にこういう戦いをするわけですね。苦楽共に合わせて、でございますねえ。

日記の名をかりたフィクションとしていますが、大半は事実でしょう。スヌーに愚痴をこぼしたのを含めて。

なんだかしんみりしつつも元気の出るエッセイでした。

文庫本を介しておっちゃんと同時代に生きていたことを誇りに思います。

田辺さんにはこれから1日でも長生きして、作品を残していただきたいと思います。

『芋たこ』で板尾なんたらやっていた町子の作家仲間って藤本義一だったんですね。それはそれとして、アマサイに1日1回ぷちっとな、お願いしますね。【押す】
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書談:カモカのおっちゃんよ、永遠に!

Kamokaochan
『ああカモカのおっちゃん』
著者:田辺聖子
出版:文春文庫
発行:1981.10.25
価格:476円+税

やっと、カモカシリーズが再発行した。おそいちゅうねん。

おお、アマサイがこれを読んだのはまだ学生のころ。
おせいさんとカモカのおっちゃんに男性論、女性論、恋愛・結婚観などを学んだ日々でしたぁ~(とおい目)。

●おっちゃんの古代文明論(要約)

おせいさん「インカの1500年前、石で切ってあるのがどこまでも直線とありますよ。幅20センチ、深さ2メートルの溝を岩盤に沿って掘ってる。これが人間にできますか。山中20キロの直線水路なんて」

おっちゃん「やってやれないことおまへんやろ。ひまあるねんから。なぜ、直線か。それは太古支配者は女だったからです」

おせいさん「へー、女は直線でいきますか」

おっちゃん「男は野や山や谷の地形に沿い無理なくウネウネと蛇行するでしょうな。考え方が柔軟やから、しかし女はいかにせん、考えがせまく、頑固狭量、ここへ水を通すとなると一直線を引き、さぁこの通りにやれということになる、その通りにせな、首が飛ぶ」

おせいさん「うーむ」

おっちゃん「これは、僕のかねてからの仮説ですが。遠い古代、太古に人類の支配者はすべて女だったのです。女に支配され、虐待され、迫害されていた。その記憶の名残が今も男にあるのです」

おせいさん「そうかなあ!」

おっちゃん「そうでなかったなら、男は何も悪いことをしていないのになぜ女房(よめはん)がこわく、心やましいのですか。太古の女はよっぽどおそろしい存在やったのや」

うーむ、フェニミズムおばちゃんが目を剥きそうでありますが。
よめはんは恐い、という結論は、柔らかな女性差別として(蔑視ではない)ほほえましいではないですか。

何事も極論はよくないです。なあなあ、ぼちぼち感覚が大事でんなあ。

これはこれでなかなかの時事放談であります。現代でも通用するもの多々あり。

諸兄諸姉の皆さん、ぎすぎすとした21世紀をソフトに生きる知恵を本書で身につけるべし!

ああ、テレビのカモカのおっちゃんももうすぐ死んでしまうねんなあ。寂しいなあ。もう来月になると、昼にNHK入れてもカモカのおっちゃんに会われへんなあ。それはそれとして、アマサイに1日1回ぷちっとな、お願いしますね。【押す】
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書談:荒井裕樹『プロの論理力!』

『プロの論理力! -トップ弁護士に学ぶ、相手を納得させる技術』
著者:荒井 裕樹
税込 : \1,365 (本体 : \1,300)
出版 : 祥伝社
発行 : 2005.9
bk1

荒井祐樹氏が『情熱大陸』に出たときのことは以前書いた

本書も非常に参考になりました。
騙されてはいけないのは(?)論理力と行っても「こう畳みかければ相手は納得する」とは荒井くんは書いていない。

・相手が年上であったなら礼儀を尽くさなくてはいけないし、

・いくら裁判が金銭を要求すると言っても普通のOLさんにいきなり金の話はしないし、

・ちょっとイカレタ893まがいの人間には、感情的にならずに、自分の意志を通す、

など具体的例を挙げている。そこはロジカルシンキングなどの机上の理論を説明しているのとは決定的に違う。レトリックの本にもディベート教本の多くにもそれは見られない。言われてみれば当たり前だが、洋風のロジカルシンキング、クリティカルシンキングが、言葉が流布する割には一般的でないのはそこいらへんであろう。

「弁護士が教えるビジネス交渉術」みたいな本にも似たようなことは書いてあるだろう。

「資格○冠王の時間管理術」みたい本にも似たようなことは書いてあるだろう。

しかし、荒井くんのように具体的ではないではないか。
彼が上げる事例は常に自分が直面した経験である。それが親しみを持たせている。

また、彼には個人の力を強化することによって、世の中は変わっていくという信念の持ち主である(文言は違うけどそういうことである)。彼にとってはそのための論理力である。ならば、多くの人が論理力をつけて、このかったるい日本を変えていこう。

こういう若者が増えれば世の中はよくなっていくに違いない(ちょっと「おっきいおねいさん」ぽい言い方でしたな)。

誰にとっても一読の価値あり、と思います。

* * * *

1)「こんな高額な報奨金を認めていれば企業はつぶれてしまう、なんてうそである」

2)「出願されて特許を全部評価はできない、という企業側は語るに落ちた、と言ったところである。そもそも、評価していない、しようと思っていないのだ」

と書いていますが、これは職務発明に関する裁判の原告発明者側の弁護人の弁明である。彼はそういう立場だから、こう明言するのはかまわない。しかし、升永センセのように、【自分の担当の事件】だけから職務発明、発明のあり方を語るのは間違っている。いや、語ってもいいのだが、それは偏狭な一説にしかすぎない。
ってことはアマサイ何度も書いています。

升永・荒井の担当した事件、即ち中村裁判は、一定の評価はできると考えています。
ってことはアマサイ何度か書いています。

あんまり、職務発明のあり方についてもう語りたくないので、ここまで。

* * * *
荒井くんとは、違う見解であると思うが、アマサイは論理力はビジネスに役立つだけで、生きて生活する上で、非常に有益だと考えている。

一言で言えば、感情を排し、最良の決断ができるという点である。

感情的、多情的、というのは、別に悪いことだと思っていない。むしろ人間性として尊ばれてよいことだと思っている。それは、情熱という言葉に置き換えられるだろう。しかし、自分の進路、会社を辞めるとか辞めないとかになると、感情はある程度押さえるべきである。というか、その感情さえも論理で推し量る。簡単にいうと、あんな上司の下で働けるか、という感情は一時的なことなのか、自分の生存権を圧迫するほどの重大事なのか、という価値の比較をするのである。

大事な選択の時は誰しも、合理的な判断をするであろうが、それを意識するとしないとでは大きな違い、と思うわけである。

ん~、ちょっと説得性に欠けるわかりにくい説明だったかな(^^;)

追記:アマサイが言いたかったのはこういうことであるよ。うむ。

論理力を鍛えるにはディベートを学ぶことが一番です。じゃあ、今日も、ぷちっとな。【押す】
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最終章に突入『華麗なる一族』

最終章に突入『華麗なる一族』
アマサイの小説読みの方も下巻に入りました。丁度テレビでやっている所です。

うーむ、万俵家誰も幸せになりません。あんなことになってはねえ。

次女はまあ我が道を往くことができます。母寧子さんは、今よりましな生活となります。

小説のラストは良いです。ブンガクです。ドラマは大介さんがギャフンというとこまでやってほしいです。

小説では大介さんにも同情の余地はあるのですが、北大路・万俵は憎らしいのでやっつけちゃって下さい。
( ̄▽ ̄;)

小説中には銀平が、大介と鉄平との骨肉争いを戦国時代ではあるまいに、と父大介を責めます。似ている点もありますが、現代の方が複雑ですね。

策謀合戦は現代では日常茶飯事ですなあ。

山崎豊子さんというのはすっごい作家さんですなあ。人気blogランキング自然科学へ、ぷちっとな。【押す】
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書談:香西秀信『論より詭弁』

Ronyorikiben
『論より詭弁-反論理的思考のすすめ-』
著者 :香西 秀信
価格 : \735 (本体 : \700)
出版 : 光文社
発行 : 2007.2
http://www.bk1.co.jp/product/2756636


香西さんは本書の冒頭から
「①正直言って、私は、真面目な動機から、論理的思考について学ぼうとする人間が好きではない。②そういう人間に限って、論理的思考力の効能を固く信じ、正しい議論を真剣なってやろうとする(ディベートの訓練をしている人など、大抵そうだ)。③だが、議論に世の中を変える力などありはしない。④もし本当に何かを変えたいのなら、議論などせずに、裏の根回しで数工作でもした方がよほど確実であろう」(P.9)
とおっしゃっている(数字はアマサイが便宜上つけました)。

香西さんの専門は修辞学と国語教育である。明治図書出版(教材や教育学の出版社)から『反論の技術』や『議論の技を学ぶ論法集』などの書籍を出している。主に国語教員向けの出版物であるが、10年前はまだディベートを学ぶための手引き書が不足していたので、ディベート学習者、指導者も購入したことであろう。アマサイも両方とも持っている。香西さんは別にディベートを念頭にして書いたわけではないので、私たちの所望のテキストではないのであるが。

というわけで、香西さんは論理的思考教育の一端を担われているになぜこのような発言①をするのか不思議である。

で、②の文。そりゃあ、学校の必修ではなく、自ら進んでディベートを学ぶ人は、何らかの効用を信じているだろう。文章を書く際、ビジネスパースンでいうと企画書や会議で発言する際、役に立つと実感している人は多い。ただ「正しい議論を真剣に」にやるのはルールに則りディベートに熟知したジャッジが最低1人含まれる場だけである。ビジネスの現場や友人との間「正しい議論」などあるはずもない。

で、③の文。ええ、別に世の中を変えようと思ってディベートやってないですから(^^;)。国会なんかで野次や牛歩戦術じゃなくて、ちゃんと討論をすれば、政治はよくなる、くらいは考えてます。

で、④の文。根回しで世の中変わんないでしょう。それ現状そのもの、困ったちゃん状態だから。

------------------
香西さん、かなりディベータ、ディベート経験者が書いたと思われる論理思考の本がお嫌いなようである。
本当にあったとは思われないが、
入社試験面接で、人事担当者と受験者でその会社のCMを巡って討論となった。担当者は議論をうち切り「このCMは我が社の方針に基づいて作られている。それに従えないのなら、入社は諦めてもらう」と宣言した。ディベートで鍛え上げた受験者は「虚偽だ、詭弁だ、非論理的である。力で訴える議論で思考停止だ」と金切り声をあげた。担当者は「詭弁で結構だ」と彼を退出させた。少なくとも私ならそうする、
という事例を上げている。

まず、あり得ないないでしょう(^^;)。なぜ、入社面接でCMの話題になるのか。おそらく(これが本当なら)担当者が「我が社CMについてどう思うか」と聞いたのでしょう。それで、受験者は否定的なことを言ったんでしょうな。ディベートを学んでいるか否かにかかわらず、こういう場合、3つくらい褒めて、1つくらい欠点を述べるのがいいでしょう。彼はそうは答えなかった。大学や関係機関で面接のシミュレーションをしている今の学生がマニュアル通り答えないはずはないではないか。まあ、彼は変わった人なのでしょう。だとしても、面接した担当者はおばかさんである。面接の場で君は雇えない、ってルール違反でしょう。にっこり微笑んで書類に×でも付ければいいのだ。受験者が詭弁だ!と叫ぶのもおかしい。まして、ディベートを学んだ者が「詭弁」という言葉を使うとも考えられない。それこそ、思考停止である。

まあ、この事例は香西さんが作った「捏造」事例でしょうね。ディベート学んでいる学生はこうするに違いないという思いこみですね。まとめると、

・入社面接は、自分がいかにその会社に適合しているかをアピールする場である。論理的思考で答えることが適っていればそうするし、よいしょ、が必要だったらそうする。今時の学生がそれがわからないはずはない。

・ディベータは常にディベート試合のように発言するという先入観。ありえないです。ディベートのスピーチみたいに常にしゃべっていたら、友達なくします。
( ̄▽ ̄;)
(ああ、学生ディベータはディベートサークル以外の友達少ないかも。。。)

・ディベートにおいて、相手の発言を詭弁と非難することはありません。意味ないですから。修辞学での定義は知りませんが、詭弁=屁理屈と一般的に理解されます。詭弁とか、屁理屈という批判は、論理的思考ができない者が、論理的思考を行っている者によくいう台詞です。

みなさんも親や学校の先生によく言われませんでしたか?
「お前はどうしてこんなことしたんだ」
「それは○○で、××だから、、、」
「屁理屈いうんじゃないっ!」
って(聞いたから答えただけなのに理不尽であります)。
教育の場面では、理屈を言うな、ということが効果的な場合もあるでしょう。

この本については、まだ書きたいことがありますが、この辺で。

結局論理的思考入門書には変わりありません。人気blogランキング自然科学へ、ぷちっとな。【押す】
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書談:小池真理子『無伴奏』

025167250000■『無伴奏』
著者:小池 真理子著
価格 : \540 (本体 : \514)
出版 : 新潮社
発行 : 2005.3
※本書は94年に集英社文庫に収録されています。他社の文庫に再録するってどういう契約形態なんでしょうね。

60年代末の仙台。女子校に通う響子は、ジュリーやレイコととも制服廃止運動に携わるが、バリバリの運動家というわけではない。日常をけだるく生きるある意味普通の高校生である。ある日クラシック喫茶「無伴奏」で美青年渉とその友人裕之介、エマと出会う。渉に影があるのは、不遇な生い立ち故だけではなかった。響子はそんな渉に惹かれていき、思わぬ方向に響子は導かれる。

私のブログをいつも読んで下さる人と小池真理子の小説を読む人は見事に交わらないようである。(^^;)

いや、コメントがないとかじゃないくて、アクセス数とか「ぷちっとな」から何となく。東野圭吾や田辺聖子や松本清張の本のことを書いているときは、そんな感じはしないんだが。

まあ、別に世間に何かを問うわけじゃなくて、元々好き勝手なこと書いてるだけだし。

学生運動というと何かドロドロとした時代という感じだが(私にはね)、主人公が女子高校生のせいか、そんな隔世の感はない気がする。何かすぅーと、『無伴奏』の世界に吸い込まれるような気がする。時代も場所も明らかに私の高校時代とは違い、響子とも同じ特性は見いだせないんだけれど、ハイティーンの女の子には、共通の潜在志向(そんな言葉あるのか?)があり、それを感じるわけです。

三田誠広を一時期、結構長い間読んでいたのだれど、『僕って何?』はノンポリ青年の話だったけど、なんか時代がうねっている感じが読みとれました。それは、時代背景じゃなくて作風のせいなのかもしれない。

これもよかったです。深い感動に浸りました。うーむ、もっと若いころは、本を読んで感動すると、1ヶ月くらいはその中いることができたし、友達にもばしばし薦めていたりしたんだけど、最近は保たないなあ、感動が。

渉ってそういう奴なのかなというのは、結末で以前でわかりますが、それは別に感動を損ねない。ネット評で「80年代後半に書かれたにしては、オチが保守的ではないか」というのがあった。いや、別に保守的じゃないでしょう。っていうか、ミステリじゃないんだからオチとか言うの止めなさい。( ̄▽ ̄;)

なんか居るんだよね、ストーリーマンガとか、長めの小説読んで、途中で人間関係的なオチ(誰と誰が実は血縁だったとか、特殊な性癖があるとか)すぐわかってしまい、「あれつんまんない、すぐそれわかったもん」とか言う奴。小説読む権利ないとか思っちゃいます。文学ってそうもんじゃないのに。頭いいんじゃなくて感性が鈍いんだと思う。

それはさておき、これは響子が40歳になるころ、かつて高校時代を過ごした仙台に行って回想するという形態になっています。尋ねるのは、同級生ではなくて、渉の姉勢津子。これも小説の技巧としてうまいです。読者は勢津子がいかなる人物か、彼女をひたすら追います。だから、結末に続く50ページはちょっとある意味、ミステリのどんでん返しです。ミステリ作家が純文学を書くと鬼に金棒ですね。

小池さんはあとがきに書いています。
「本書には大それたテーマはない。時代の総括などということも頭から考えていなかった。私はただひたすらかつての自分を思いだし、かつての自分をモデルとして使いながら、時代をセンチメンタルに料理し、味わってみようと試みた。(中略)本書が少しでも多くの読者に歓迎され、忘れかけたことを思い出す手助けになるよう祈りつつ・・・」

ふむふむ、確かにそういう小説でした。石田衣良氏の解説もよく書けてます。

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橋元時間論本の私的付録

◆余談コメンツ◆


◆橋元さんはだいぶ以前に『シュレディンガーの猫は元気か』というエッセイ集をだしている。これは確か、ScineceやNatureの記事を抜粋して解説したものだ。その傾向からして竹内薫さんの志向が似ていてサイエンスライターとして活躍されるのかなと思ったけれど、予備校の物理講師を経て大学教授になった。SF作家でもある。受験物理の本もたくさん出している。
まあ、今の日本でサイエンスライターして生きていくってほとんど奇跡だろうな。


◆マクタガードの時間論は本書の参考文献一覧にも書いてあるように、入不二基義『時間は実在するか』(講談社現代新書)に詳しい。ってか、他に多分日本語文献ないと思う。入不二さんも昔予備校の英語講師をされていた。うん、アマサイ、受験生じゃなかったけれど、入不二さんの本は持っていた。ここにある『<思考する>英文解釈』。大学受験英語は昔から論評みたい長文読解で出題されるから、哲学専攻の人が先生になる場合が多いんだね。ってか、哲学博士もっていても就職はなかなかできんからねえ。そんなの理系のポスドクの比じゃないよ。
私が現役の時、文系の子はラッセル対訳本とか読んでましたな。


◆『カオスから見た時間の矢』(ブルーバックス)は複雑系の試験関連で読んでいた。統計力学は、時空論で重要なんだ、ってことがわかりかけてきた。熱力学が好きじゃなかったせいもあるけど、エントロピーの話ってなんだか、なんだか、なあ(←いつもこれで済ますアマサイ)と思っていた。杉本先生の『いまさらエントロピー?』は非常に役に立ちました。熱力学が好きになりました。


◆記事にしてなかったけど竹内薫『図解入門よくわかる最新時間論の基本と仕組み』は歴史、哲学、生理学、物理の横断的時間論になっています。


検索してたらこんなとこが見つかりました。

時間学研究所@山口大学

いや、初めて知った。これすごいと思うけど、宣伝不足じゃないの。
どの本にも「日本では時間論をやっている研究者は少なく」って書いてあった。
少ないかもしれないけど、こういう組織があるって画期的だと思うが。

ああ、こうとこの論文もすぐ読めるってインターネットって便利だよね。

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書談:橋元『時間はどこで生まれるのか』

027395820000■『時間はどこで生まれるのか』
著者 :橋元 淳一郎
価格 : \693 (本体 : \660)
出版 : 集英社新書
発行 : 2006.12


橋元さんは本書はアマチュアからの(哲学者への)ラブレターと称し、
「ぼくが渇望していることは、こうした現代物理学を踏まえた上での斬新な哲学的時間論の登場である。本書は、そのような著作が現れてくれることを期待し、そのささやかな呼び水にでもなればと意図したものである。」
と書いている。

まあ、それなら許せるかな、という気がする。(文系の)新書ということで厚さも記載の仕方も限定されてるので仕方ないとは思うが、物理的時間論のほんの間口だからである。

「ああ、時空論だとそういうこと書いてあるよね、量子論、相対論、統計力学。おっと、そこんとこよく知りたいんだが、ここで終わりかい!」ってな感じなのだ。

この倍の量使って、完全なる橋元時間論/時空論を書いてほしいと思う。でも、橋元さんも時間論が専門ということではないので、物理屋として知りうる時空論になったのは仕方がないだろう。

(内井さんも言っていたが、時間は単体で論じられるものではなく、空間と時間がセットになっており、時空論として語られるべきものなのだ。)

また、橋元さんは哲学者マクタガードの説を基本にしながら時間論を展開する。
 A系列:主観的時間(人間が感じる時間)
 B系列:客観的時間 (歴史年表のような時間)
 C系列:単なる数値配列

Aは現在依存する時間。人間は常に今現在を生きていると感じている。そういう主観的なものを指す。
Bは年表で人類の誕生、古代、中世、近世、2つの世界大戦を経た現代、と記されるような時間である。Aに対して客観的な時間といえるだろう。
Cはカレンダーのような1月1日、2日、3日、というような時系列ではなく、単なる、1,2,3,、、、が続くものである。

マクタガードは「A系列、B系列の時間は存在しない、C系列は実在する可能性がある、しかし、C系列は「時間」とは言えないから、時間は存在しないと結論づけている。

橋元さんはマクタガードが「見切りをつけた」C系列に時空論を見いだそうとしている。
アマサイが理解したところによると、C系列即ち数列上に分子のようなものをおいておき、その中で自在に動くものがあったのなら、それは細胞、生物である。生物だとしたら意思を持つ、その意思こそが時間なのである、ということである。
うーむ、著しく言葉を省いたな>自分
これは真に受けないでください。興味のある人は本書を買うか、「第6章主観的時間の創造」をちょっくら立ち読みしてみてください。

なんか最終章、「第7章 時間の創造は宇宙の創造である」は騙されて気がする(^^;)
ほんとにそうかなあ???ぐらいである。

ずぅーと悪口を言っているようだが、そんなつもりは別になくて、物理の知らない人は、その知見を高めるし、時間論に興味のなかった理系の人は今持っている知識を深めると思う。そして、アマサイは自分なりの時間論を思索するツール集を手に入れたと思っている。統計力学の大切さを知ったのはごく最近のアマサイである。

橋元さんは新たな哲学的時間論を、と言っているけれども、それは物理的な時間論がいいというわけではなくて、哲学的思考を合わせてこそ、新時間論が構築できるのではないかと思う。

※長くなるので、本記事の付録は明日の日付でアップします。

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書談:小池真理子『妻の女友達』

10004923430■『妻の女友達』
著者:小池 真理子著
価格 : \490 (本体 : \467)
出版 : 集英社
発行 : 1995.4



さすがにジュンク堂にはありました。集英社文庫のはほとんど揃っていたみたいです。
表題は小池さんの出世作。第42回日本推理作家協会賞受賞。

公務員勤めの平凡な男。その夫に従う従順な妻。幼児がいる家族3人の平和な家庭。しかし、有名エッセイストと名乗る妻の友人が現れてから、徐々に歪みが起こり始める。
って言ったら普通妻の友達との三角関係だと思うよね。それが違うわけだよ。これが。ん?いやある意味三角関係かな、普通とは違うけど。

いや、怖い、ほんと怖いですよ。うちの奴に限って思っているそこのお父さん、マジ気を付けた方がいいですよ。本書を読んで勉強してください。
(^_^;)

その他5編が収録されています。

・菩薩のような女
女と菩薩は無縁です。

・転落
何が起こるかわかりません。身辺はきれいにしておきましょう。

・男喰いの女
迷信にだまされないよう。全ては人間の仕業です。

・間違った死に場所
悪いことはできません。身内・友人・恋人は大切にしましょう。

・セ.フィニー 終幕、
今時、ビデオで映画は見ないってありえないですが。それ以上にありえないのは妻の情事を知らない夫でしょう。


ホントは書きたいことがあったんだけどあまりに危険なので保留にしました。人気blogランキング自然科学へ、ぷちっとな。【押す】
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書談:内井惣七『空間の謎・時間の謎』

Uchujikannazo■『空間の謎・時間の謎 -宇宙の始まりに迫る物理学と哲学-』
著書:内井 惣七著
価格: \840 (本体 : \800)
出版: 中公新書
発行: 2006.1
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橋元 淳一郎の『時間はどこで生まれるのか』を手に取ったのだが、これより前に読むべきのがあったはず、と思い出したのが本書である。科哲とか勉強していると、物理一辺倒の時間論はなんだか物足りない気がするのだ。なのになぜこれを売り出したときに読まなかったかというと竹内さんの『よくわかる最新時間論の基本と仕組み』を読んでいたからだ(あれ、これは記事に取り上げていないね)。

で本書の内容。
第1章 空間とは?時間とは?
第2章 ライプニッツとニュートンは何を争ったか
第3章 ニュートンのバケツから相対性理論まで
第4章 マッハ流力学の行方
第5章 宇宙と量子

本書の基幹理論は第2章である。著者内井さんは、17世紀にニュートンとの論争に負けたかに見えるライプニッツに物理理論は現代に活きていると主張している。
例えば以下のように

「ライプニッツはエネルギー概念の支持者、ニュートンらは運動量概念の支持者だと考えて大過ない。ところが、悪いことに「力」というアイマイな言葉を使って論争がおこなわれることもしばしばで(たとえば、運動エネルギーは「活力」と呼ばれた)、いろいろと行き違いが起きたのである。ちなみに、ライプニッツの力学論文では、力が「能動的、受動的」と二分され、それぞれがまた「原初的、派生的」と二分されて実にややこしい構成となっている。

ライプニッツが「腕の悪い時計職人」の比喩を使ってかみついているのは、「宇宙の中で運動が失われる傾向にある」というニュートンの見解である(『光学』問い 31)。たとえば、惑星系において彗星などとの相互作用が重なって運動が失われれば、不規則性が生じて増加し、「やがては改革を必要とする」(『光学』問い 31、終わりのほう)。この「改革」とは、神が自然現象に介入する(「時計職人がネジを巻く」)ということではないのか。

これに対し、ライプニッツ自身は「能動的な力は世界において保存される」と一貫して主張する。この「能動的な力」をどう解釈するかという問題はあるが、十九世紀に確立されたエネルギー保存則のようなものを十七世紀末にすでに予見していたライプニッツの慧眼には目を見張らされるものがある。ライプニッツも運動量が世界において必ずしも保存されないというニュートンの見解には同意するのだが、別種の力の保存が成り立たなければ、神の設計が不完全となるので、そのようなことはありえないと確信しているのである。この「別種の力」とは現代の言葉でいえばエネルギーである。したがって、世界を神の作った時計にたとえるのなら、この時計は神の介入や改革を必要とせず、完璧に動くものでなければならない。これがライプニッツの言い分である。」

(内井さんが昨年までいた京都大学科学史・科学哲学研究室発行のニューズレターNo.60 本書のテーマを講義している。)

長く引用してしまったが、ここまで書かないとちょっと要旨がわからないので。で、具体例は本書を読んでくださいということになる。

専門論文の内容を一般市民対象の新書に昇華しようとの努力は見られるのだが、思い切って非専門者対象と割り切った方がわかりやすかったように思う。ライプニッツの理論の説明にもっとページをさいて、その反映を相対論的宇宙論に絞った方がよかったのではないか(5章はいらないという考え)。

が、また、しかし、この種の本を誰が読むかというと、私のように科哲傾向が強い物理ファンではなく、宇宙論一般、物理一般に興味がある人、即ち物理オタクであろう。その人達を満足させる、インフレーション宇宙、素粒子論はなくてはならなかったのかもしれない(5章は必須という考え)。ネット書評を見ても、宇宙論の入門書として評価している人が多いようだ。そういう人には他の物理啓蒙書とは違う切り口なのでおもしろいかもしれない。

今のアマサイは、時間論を哲学と物理学から言及している著書を読みたいのである。と探してみたら

ホーウィッチ・ポール『時間に向きはあるか』丸善
がよさそうだ。

因みに内井さんはイラストが得意らしく、科学者の似顔絵?も自分で書いている。
因みに(その2)内井さんが訳したラプラス『確率の哲学的試論』岩波文庫を入手しようと思ったら、発刊してから10年も経っていないのに、目録から抹消され、品切れ絶版のようである。で、アマゾンのユーズドでは2500円という3倍以上の価格が付けられていた。
( ̄▽ ̄;)そういうのってどうよ、岩波さん。

この記事、karaokeguruiさんにお褒めいただいているようです。

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書談:小池真理子『欲望』

Yokubou■『欲望』
著者 :小池 真理子著
価格 : \700 (本体 : \667)
出版 : 新潮社
発行 : 2000.4
bk1

青田類子は、学校図書館に20年勤める司書。何気なく入った写真展に見覚えのある光景を見つける。それは15年前、三島由紀夫邸を模したと言われる精神科医袴田の邸宅。袴田の年下の妻・阿佐緒は類子、邸宅の造園を行った正巳とは中学時代の同級生。音信不通だった三人を袴田邸が結びつける。そのころの類子は妻子ある男性・能勢と関係を続けていた。正巳は事故で不能となり、阿佐緒は夫袴田の愛情が信じられずにいた。

* * *

1970年代が背景なので、その時代の匂いは十分にするが、(当たり前であるが)現代的小説である。本当に面白い小説には感想などない。面白かった、感動した、ただそれだけである。それじゃ、記事にならないんで、なんか書くか。

こんなに「欲望」というものを見事に説明した小説もないんじゃないかと思う。男性の不能に至ってはなんで、そこまでわかるのか、と不思議でならない。肉欲が満たされることと精神が満たされることとの相違が能勢と類子、類子と正巳との関係から描かれる。

袴田は三島由紀夫の形式美を愛したというが、そのへんはイマイチわかんない。わかんないけど、三島が好きって公言する人ってこういう人かなって気がしないわけではない。

三島由紀夫がこの小説の複線となっているわけだが、複線は飽くまで複線であって、これは三島文学を知らない人の方がトクなんではないかと思う。文庫の解説者・池上冬樹が長々と三島について説明しているが、文芸評論家ってだからダメだよな。この小説を解説するのに、三島文学を語る意義なんて全然ないのである。引用されていた『豊饒の海』にだけちょいと触れればいいだけなんだ。まあ、評論家の小説解説なんてろくなもんじゃない。

って書いているうちに、歯がゆくなってきた。やはり、良い小説は良い小説としか言いようがなんだなあ。

これは、小説だけにしか表現しえないことだろう、とか思ったら映画化してんじゃん。

http://www.mediasuits.co.jp/yokubo/index.html

えっ、一昨年?全然知らない、覚えてない。興業的に失敗したんじゃないのか。そうそう、映画化したら、そのもののシーンばっかで、正巳の苦悩とか、類子の移ろう心情っては出てこないように思う。

こまいことだけど、ホテルニュージャパンとか、70年代当時のカフェバーとか、「小道具」の使い方がうまいと思った。

三文小説というネット評もあるけれど、私は、小説という形態の広がりとか奥深さを知らしめたすごい作品であると思う。

『愛ルケ』なんかよりよっぽど優れた小説ですけどね。人気blogランキング自然科学へ、ぷちっとな。【押す】
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書談:『宇宙のランドスケープ』

■『宇宙のランドスケープ』
-宇宙の謎にひも理論が答えを出す-
著者:レオナルド・サスキンド
訳者:林田 陽子
価格: \2,310 (本体 : \2,200)
出版: 日経BP社
発行: 2006.12

http://www.bk1.co.jp/product/2742116

うーむ、買っても読みきらんと思ったが、かなり魅力的な内容なので気づいたらレジに並んでいた。
著者のレオナルド・サスキンドはひも理論の先駆者であり、あの南部陽一郎博士と共同研究をしている。うーむ、これは読まねばいかんだろう。おまけに他の欧米科学者は、名前知らないんじゃないかと思う、長岡半太郎先生の記載があるではないか。うーむ、これは読まねばいかんだろう。

表題はひも理論とインフレーション理論が結びつき、無数の種類の宇宙が無限回出現するということを示している。物理法則の可能性全体の空間を「風景」に見立て、その「風景」の中で、宇宙はボール玉のように転がってゆく。この状態はマルチバースという言葉で宇宙論では示されているが、スキランド教授はその用語が気に入らないのだそうだ。物理学でそのネーミングが非常に重要である。インパクトのある名前であると、業界のみならず、一般の人にもよく広まる。ビッグバンしかり、ブラックホールしかり、クォークしかりである。誤解され、間違って広まるというリスクもあるが。

ページはあるが、物理啓蒙書を何冊か読んでいる人なら、さほど苦労なく読めると思う。1章がちょい長めなので、達成感を得るために後から読んでいる私であるが。第12章のブラックボール戦争は、あの有名なホーキングVSソーンである。さらに理解が深まる。

序章で全体のバッグランドを説明しているのはよいことである。数式は出てこない。が、しかし、そろそろ、数式は少しあるが、易しい物理書というのは作れないのだろうか。言語で説明するとややこしくなるということもあると思うのだが。うーむ、が、しかし、宇宙論で使う数学というと高校数学では収まらないことは必須だから無理なのかな。最近、数式が無い=易しいとは思えなくなってきた物理オタクのアマサイである。

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書談:『ジョゼと虎と魚たち』

『ジョゼと虎と魚たち』
著者:田辺 聖子
価格: \500
出版: 角川書店(文庫)
発行: 1987.1

bk1の解説
足が悪いジョゼは車椅子がないと動けない。ほとんど外出したことのない、市松人形のようなジョゼと、管理人として同棲中の、大学をでたばかりの恒夫。どこかあやうくて、不思議にエロティックな男女の関係を描く表題作「ジョゼと虎と魚たち」、他に、仕事をもったオトナの女を主人公にさまざまな愛と別れを描いて、素敵に胸おどる短編、八篇を収録した珠玉の作品集。解説・山田詠美

収録作品
・お茶が熱くてのめません
・うすうす知ってた
・恋の棺
・それだけのこと
・荷造りはもうすませて
・いけどられて
・ジョゼと虎と魚たち
・男たちはマフィンが嫌い
・雪の降るまで

ワタクシも妻夫木くんの映画でこの作品の存在を知ったわけである。田辺さんが若者向きの作品を書くとは意外である。読んでみると意外でも何でもない。直球田辺ワールドである。か弱き二人の若者が片寄せ合って生きていくロマンチックかつ現実的な物語。もちろん身障者への哀れみなんて微塵もない。あるとした生きていく哀しさである。関係者ならだれしも映像化したいだろうし、読者ならジョゼと恒夫を画面で見たいと思うのは当然であろう。短編なんで、これだけも読んでミソ、と言った感じである。

このレベルの作品を40年以上も書く続けるのは今更ながら驚異である。
(市民文学賞を取った時から換算すると52年となる)
それも28歳~36歳の修行時代が支えている。文才がある人でも8年の修練が必要なのか。ふむふむ。
作家はなんであんなにお話が出てくるんだろうか。不思議である。

どれもいいが、年下とのつかの間の恋である「恋の棺」と、境遇の違う二人の男の共通点「男たちはマフィンが嫌い」が良いと思った。

(ちょっと今本の現物がないので取り敢えずの感想)

まだ正月休みのアマサイです。じゃ、自然科学ランキングにぷちっとな。【押す】
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書談:小池真理子『蜜月』

Mitugetu■『蜜月』
著者:小池 真理子著
価格 : \460 (本体 : \438)
出版 : 新潮社文庫
発行 : 2001.4



美男で才能溢れる画家・辻堂環。44歳で死亡する。その訃報を聞いた6人の女性。その誰もが辻堂と関わり合いがあった。6人のそれぞれの回想で構成される連作。

小池真理子初心者のアマサイであるが、これは傑作のうちの1つじゃないかなあと思う。読ませる。6人に実際にあった気さえする。それぞれつき合った年代がずれているので。6人とも年代に大差はない。当たり前かもしれないけど、そういう人間の書き分けが、恋愛作家の恋愛作家たる所以かな。

でも、こういう形態の小説の特徴なんかなあ。関係者の言葉でしか、辻堂環が語られないので、その魅力がイマイチわからない。会ったとたん恋におちるような、男には思えない(有吉佐和子の『悪女について』は同じ形式)。6人目ともなると、そうかなあ、いい男だったのかなあ、という感じはしてきた。

恋愛小説嫌いも、楽しく読めると思います。

休みだからあんまし更新しないけど、ぷちっとなはよろしくね。【押す】
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書談:『コマ大数学科特別集中講義』

書談:『コマ大数学科特別集中講義』
『コマ大数学科特別集中講義』
著者:ビートたけし×竹内薫
出版:扶桑社
発行:2006.12.28
価格:1000円

同名の深夜番組の文字通り特別版
問題の解説もありますが、たけしと竹内さんの対談がメインです。(竹内贔屓だから言うのではなく)良質の対話となっています。「何の仕事だって数学は必要なんだよ」というたけしの弁は非常に説得力があります。

数学好きと数学嫌いいのための一冊です。

* * *
数学とは直接関係ないけれど、
米国の学校で一番難しいのはアメリカ史だとか。200年しかないから簡単なように思うけど、短いので細かいとこまで学習されられるのだそうだ。歴代の大統領名暗記は当然。「暗記は悪」というのは極論だったのですね。まあ、移民の国だから国への忠誠心は根幹ですな。

みんな休みだと思うけど、ぷちっとな、宜しくね。
( ̄▽ ̄)vどの記事の【押す】でもよいのだ。

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書談:小池真理子はおもしろい!

Kiokunokakurega■『記憶の隠れ家』
著者 :小池 真理子
価格 : \540 (本体 : \514)
出版 : 講談社文庫
発行 : 1998.1
bk1


一応、話題になっている作家は読むようにしているが、「世の中、こげなものが流行っているのだなあ」以外の感想はあまりない。恋愛小説に至っては、

いつになったら殺人が起こるねん!

と完全に読み方が間違っている。だってさぁ、情景描写が延々と続くヤツが多くて退屈なんだもん。

と、なんの気まぐれか、小池女史の短編を手に取ったら、おもしろかった。

エッセイはこれを読んだことがあるし、
新聞の文化面にはよく名前が出ている。旦那との往復の書簡、みたいのもやっていたよね。

トップに出したのは、その名のとおり、家と記憶にまつわるお話、ミステリ?サイコサスペンス調になってます。

一等最初の「刺繍の家」が一番怖いかな。
私もよく昔と変わらないと言われるが、中学生のときの同級生が、二十数年後もそのままだったどうよ。怖いよ~ん。

「獣の家」なんで、獣なんかなあ、と思ったら、ラスト、そ、そんなことできるんかい?と思うところがケモノなんだな。

「封印の家」子供が犯罪に加担するってネタよくある。それも、本人が忘れてるってのもよくある。現実にもあるんかなあ、って考えてた作品。

「花ざかりの家」若くて美しい継母。ありがちだから普通は封印しているわけだな。

「緋色の家」ラブロマンス的にはよかった。こういうのは非常にいい。

「野ざらしの家」旦那の不倫相手の失踪、ってのがあるんだが、こう見ていくと一番真っ当な話?!

『水無月の墓』と『蜜月』ももう読み終わるが、正月休みはなんか長編を読んでみようと思う。

ファンサイトなど、小池さんの作品の一覧がわかるものがあったら教えてください。

恋愛は家庭の外で。( ̄▽ ̄)v非常によい指針です。では人気blogランキング自然科学へぷちっとなと投票してください。【押す】
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書談:根本香絵他『ようこそ量子』

Ryousinemoto■『ようこそ量子-量子コンピュータはなぜ注目されているのか-』
著者:根本 香絵/池谷 瑠絵著
価格: \798 (本体 : \760)
出版: 丸善(新書・丸善ライブラリー)
発行: 2006.12



Kimball兄ぃが紹介なさっていて、早速買って読みました。
根本さんはここで紹介した若手物理学者、池谷さんは文系のライターさんです。

まず、
字が大きい( ̄▽ ̄;)こんなに大きくていいのか。
最近の新書の流行?通常のが10.5ポイントだとすると12.5ぐらいのイメージがあります。中年以降の年代を狙ったのか。

量子ビットの説明に
あまい←→からい、こい←→うすい
という味覚を導入したのは初めて見た気がする。
量子山手線というのもおもしろかったです。
味覚と同じで新宿←→東京、と品川←→日暮里の軸を使って、恋人が行きたい場所と量子力学における測定を論じているのもよかった。

Spin
よくあるこげな図のこと。別冊・数理科学『量子情報科学とその展開』今井浩執筆ページより。



この調子で量子暗号・量子コンピュータまで説明しているのは画期的である。

科学啓蒙書としてナツメ社の図解雑学シリーズなんかがある。しかし、あれさえも、量子力学がなんたるかがなんとなくわかっている人が買うんではないか、量子力学がぼんやりとわからないとこれらの本にたどり着かない(浜崎あゆみを何者か知らないおじさんがCD屋に行って彼女のCDを買うなんて考えられんじゃろ)。

量子力学は相対性理論に比べ知名度が低いからである。

そこへ行くと通常の新書に量子力学を放り込むこと自体なかなかすごい。なになに、量子コンピュータって最近聞くけどなんだろう、と偶発的に手に取る人を相当量見込める(帯のおねいさんの顔写真で買う人もいるであろう)。
( ̄▽ ̄;)

それには、ここまで内容を砕く必要があろうというものである。

でも、これで量子暗号がわかったという人が増えるのはなんだか、なんだかだなあ、と思わないわけでもないが。
( ̄▽ ̄;)


最近は読む本、見かける本、全て紹介したくなります。では人気blogランキング自然科学へぷちっとなと投票してください。【押す】
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書談:東野圭吾『使命と魂のリミット』

Tamasisimei『使命と魂のリミット』
著者 :東野 圭吾著
価格 : \1,680 (本体 : \1,600)
出版 : 新潮社
発行 : 2006.12
bk1



研修医夕紀は、帝都大学付属病院で西園教授の元で心臓外科医を目指す。夕紀は大動脈瘤で父を亡くしている。その執刀医は西園だった。名医の誉れ高い西園はなぜ父を救えなかったのか。医師なることで夕紀はその謎を解き明かそうとする。そんな中、帝都大学付属病院を何者かが狙う。
* * * *

ありえない、ありえない、この題名はありえない。小説のタイトルはまず作家の意思が通ることは少ないと聞く。これも新潮社の編集者が決めたものだろう。ブンガクってのは比喩とか暗示とか使ってさあ、まあ、いいや、もう東野ブランドで本が売れるんだから。うーん、でも、表紙カバーもどうよって、気がするんだが、ドキュメンタリーじゃないんだからさ。まあ、これもいい。

東野さんは、「女性を描くのが苦手」と言っているわりには女性主人公多いよな。男性より女性の方がドラマチックじゃけんのう。

医療現場が舞台なのでその描写は細かい。もう、現代において専門分野の知識を導入するのは当たり前であるが、「それをどれほど読ませるか」がミステリ作家の力量である。本書の描写を読者を退屈させない(『天空の蜂』はちょっと辛かった)。海外ミステリってあまり読まないんだが、名のある欧米作家はきっと、そういうのもうまいんだろうな。日本では東野圭吾くらいしか思い浮かばない(すいません、日本の作家もそんなにたくさん読んでいるわけじゃないんで)。

もうひとつのファクタ、電気・電子機器関係。これもなかなかおもしろく記述できるのではないか。本当の専門家(アマサイのように「似非理系」ではなく)の意見も聞きたいところである。

夕紀とその家族の歴史、サブキャラクタである譲治と望の日常、そして病院で起こるさまざまな出来事。これらが微妙にからみあい、全体を重厚に仕上げている。東野作品には珍しく?登場人物はみんな「いい人」である。メインテーマが「人間の使命」ということだから、そうなっているだろう。それを夕紀の父に言わせているので説教臭さ、押し付けがましさはない。

最新作が常に最高作品と言わしめる(アマサイが言っているだが)東野圭吾ならでは出来となっている。

次に映像化するのはこれだな。

本当の理系を語るのは『理系白書』じゃなくて東野圭吾ら、理系作家である(この言葉好きじゃないんだけど仕方がない)。じゃあ、ランキング「自然科学」に ぷちっとな。【押す】
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書談:田辺聖子『私の大阪八景』

019671570000■『私の大阪八景』
著者:田辺聖子
価格:\945 (本体 : \900)
出版:岩波書店(岩波現代文庫 文芸)
発行:2000.12
bk1


岩波に収録されるということは末永く販売してくれるっちゅうことかな。
著者の自伝的エッセイ。太平洋戦争にある時代の大阪下町。開戦から終戦までを軍国少女トキコの日常で描く。夢の中で女兵士となり天皇陛下をお守りするトキコ。『宮本武蔵』を尊敬し、女も武士道をもって生きなくてはいけないと友人に説くトキコ。大人達のおちゃらけに非国民と怒るトキコ。どれもほほえましく楽しいのだけれど、戦時下であり、誰もが死と隣り合わせになっていると思うと何かがこみ上げてくる。

NHK朝ドラマ『芋たこなんきん』の町子少女時代は、このエッセイがベースのようだ。

大人になってしまったアマサイは、「トキコちゃん、そんな一所懸命になっても日本は負けるんやで」と言ってみたくなる。「なにゆうてんの。今は日本国民が一丸となって戦うべきときなんよ。そんな日和見みたいこと言ってどないすんの!」と叱咤されたくなる。

東京と大阪では、戦争観・天皇観が若干違うような気がする。大阪の方がそれは「ゆるい」。東京のような悲壮感は薄い(別のエッセイのカモカのおっちゃんの言によれば、そんなゆるいのは大阪だけのようだ)。

反戦!と声高に叫ぶのは必要だけれど、
平和というのは、自分の家族と、モノと、風景を守ることなのかなあと「ゆるく」考えさせるのは、田辺聖子ならではだなと思った。

同著者『残花亭日暦』はさくさく読めない。先に進むとカモカのおっちゃんが臨終に遭遇するから。悲しくって読めない。(;_;) ぷちっとな。【押す】
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書談:『現代物理学の創造』

仁科記念財団編集

そう言えば仁科賞ってありますね。
今年は
田島 俊樹(日本原子力研究開発機構)
西森 秀稔(東京工業大学大学院理工学研究科)
三島 修(物質・材料研究機構)
だそうです。
(詳しくは財団HPを見てください)

そして、問題の『現代物理学の創造』ですが。
ここの記念講演の有名どころ編集したようです。
湯川・朝永両先生は複数回登場されていますし、日本での講演はまず聴けないだろうという南部陽一郎、縁深きハイゼンベルグ博士の講演も収録されています。

物理ファンとしてはかなりそそられます。3巻ともほしいです。でも買うと飾っとくだけになってしまう、いや、すでに本棚は満杯。
(-_-;)

Nisina01Nisina02Nisina03

* * *

* * *



◆第1巻
原子論の発展:朝永振一郎
太陽と電離層:青野雄一郎
電子冷凍の理論と応用:菅義夫
放射能の話:朝永振一郎
宇宙の考古学:小田稔
割れ目の話:平田森三
エレクトロニクス時代とトランジスタ:鳩山道夫
仁科先生と朝永さんと私:湯川秀樹
量子電気力学の発展:朝永振一郎
コラム:ニールスーボーア博士のこと:朝永振一郎

◆第2巻
現代科学における抽象化:W.ハイゼンベルク(柳瀬陸男訳)
電子計算機の得手と不得手:後藤英一
原子核物理の思い出:朝永振一郎
物理学者群像:湯川秀樹
宇宙観の変遷:朝永振一郎
仁科先生と私:朝永坂一敗 藤岡由夫
X線星とブラックホール:小田稔
自然現象と非線形数理:戸田盛和
宇宙塵と惑星の誕生: 長谷川博一
極低温の世界:中嶋貞雄
動く遺伝子:本庶佑

◆第3巻
“素粒子’ は粒子か?:南部陽一郎
素粒子の素粒子“クォーク” をさぐる:西川哲治
大型加速器で素粒子を探る:菊池健
放射能で年代をはかる:木越邦彦
金属電子の特異な振舞:近藤淳
量子の世界を見る:外村彰
仁科記念賞で見る物質科学の進歩:伊達宗行
仁科芳雄と日本における素粒子物理学の原点:酉島和彦

日本が"物理帝国"になったのは仁科先生世代の尽力によるものでしょう。井戸を掘った人を忘れてはいけません。んじゃ、今日も人気blogランキングぷちっとな。【押す】
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書談:『「ブルー・オーシャン戦略」がわかる本』

Blueocean■ポケット図解
「ブルー・オーシャン戦略」がわかる本
著者 :中野 明
出版 :秀和システム
価格 : \630 (本体 : \600)
発行 : 2006.8
bk1


-----------------

事務所から企業に移ってから、経営学の書棚をよく見るようになった。ちょうどMOT(Marnegment of Technology)が台頭してきた時期と一致しているせいもあるのだけれど。MBAに関してはケーススタディの本は読んでいてなかなかおもしろかったけれど、それ以外は項目は騒ぐようなことだろうかと思う。こんなものアメリカくんだりまで行って金と時間をかけ学位を取得するなんてそんなに価値があるなんて思えない。いや、学位を取るのはいいけれど、他の政治学とか、教育学とか、経済学とかよりも抜きんでて評価されるのがよくわからんのである。まあ、80年代は、MBAの思考方法とでもいうのだろうか、そういうものがあまり知られておらず、画期的な教育課程であったのかもしれぬ。

MBA取得者がビジネスができるとは限らないと言われるが、そんなの当然である。経営学修士であるだけなのだから。法学修士とっただけで、法律実務に卓越しているか、とか、政治学を修めたら政治家になれるか、とか、考えれば、自ずとわかることである。

いや、アメリカくんだりまで、MBA取りに行ったお友達は何人かいるので、悪口はこのくらいで。
(^^;)

要はですね、経営学ってなんのなのよ、当てはまる事例だけピックアップして、そこから何か理論めいたものを書けば、経営学理論ができるわけでしょう。それって毎年いくつもいくつも出るわけでしょう。自然科学では多くの理論(仮説)が出るってのは、まだ、科学の分野として未熟というか成立していない、なんてことを言いますよね。で、経営理論はいつまでその発展途上の道を辿っているのでしょう。

いかん、これも、MBAの悪口になるではないか( ̄▽ ̄;)

で、本書を手に取ったのは、今一番ホットな経営理論と書いてあったので。どう考えても元本『ブルー・オーシャン戦略』は読めそうにないし、買う価値があるかもわかんないし。

主旨は「競争のない世界を創造する」WIN-WINのビジネス関係をつくりましょう、ということらしい。その戦略がブルーオーシャン、製品の均一化で激しい競争をしているのが、レッドオーシャン(血まみれ)、前者の方がいいでしょうっていう話。簡単にいっちゃうとそういうことです。興味ある人は読んでください。600円だし、すぐ読めちゃうし。
経営学に限らず社会科学で成功する理論ってネーミングが大事ってことですかね。「暗黙知」や「パラダイムの変革」は科学哲学で生まれた言葉ですが、うまく社会科学に乗っていますなあ。

良い名称を付けて、あとは既成の経営理論の組み合わせ、つなぎ方次第です。

ありゃ、これじゃ、経営学の学徒、専門家全部を敵に回してしまいすなあ。
( ̄_ ̄;)

ドラッカーはいいと思います。技術のこともわかってるみたいだし。じゃあ、今日もぷちっとな。【押す】
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『数理科学』素粒子特集

Surikagaku522数理科学
2006年12月号 No.522
特集 : 素粒子像の探究
― 統一への地平をたどる ―




---------特集の目次--------------
・現代の素粒子像-湯川・朝永から弦理論まで-
 米谷 民明
・量子力学における素粒子像-ボゾンとフェルミオン-
 大貫 義郎
・中間子の予言-湯川英樹生誕百年-
 九後 汰一郎
・クォークは誰が見たか
 小平 治郎
・ニュートリノは宇宙の果てまで
 谷本 盛光
・ヒッグスの謎
 林 青司
・超対称理論における素粒子像 スーパー粒子
岡田 安弘
・モノポールを求めて
 荒船 次郎
・アクシオンは存在するか
 山口 昌弘
---------------------------------------

買ったばっかでまだ読んでないですが。
『本特集では,湯川・朝永生誕百年を節目に,量子力学から始まる素粒子像の変遷とその理論の進化を多彩に捉えていきます.』
まあ、そうでしょうね。科学雑誌は総力をあげて湯川・朝永特集をせねばいけません。いや、一般誌もやるべきなんですが、どうも、ほとんどの総合雑誌は科学にはご興味ないようで。しかし、これも科学発信媒体の責任ですよ。毎回どっかが、去年からが望ましい、ユカワ・トモナガ、ユカワ・トモナガ、ユカワ・トモナガってやっていれば彼らも気付くはずです。

科学コミュニケーションとか科学技術立国とか理系力復興とか言っている割には実行していませんな。それぞれのムラで騒いでいるという感じです。学術学会から、そういう内輪のお祭り気分を解消していただきたい。

アマサイもしっかり勉強いたします。

こういうビッグスターをどんどん利用すればいいのに。じゃあ、今日のとこはぷちっとな。【押す】
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書談:『クリティカル・シンキングと教育』

12206■『クリティカル・シンキングと教育』
 -日本の教育を再構築する-
編著:鈴木 健/大井 恭子/竹前 文夫編
分筆:松本茂・他
価格:\1,995 (本体 : \1,900)
出版:世界思想社
発行: 2006.11
bk1


分筆者の松本茂先生からいただきました。
しぃーげる・まつもろ先生、いつもありがとうございます。
( ̄▽ ̄)v

題名どおり、学校教育現場で「クリシン」をどのように教えていくかという実践的な教育論である。しかし、社会人たる私たちにも十分に役に立つ。

松本先生の分担は当然、ディベート部門である(『第6章クリティカルにディベートする』)。
ディベートの様式、ディベートを行う意義が端的にわかって非常にいい文章ではないかと思う。特に3.1 章は、私たちが(肯定)立論の3要素と読んでいる、
・内因性
・重要性
・問題解決性
ということを平易な言葉で表現している。これが、理解できれば、ディベートをわかっていると言っても過言ではないだろう。
言うは易し、行うは難し、であるが。


もう一つ、おもしろいと思ったのは、竹前文夫氏が西欧と日本の発想の違いの例として

京で一番 糸屋の娘 /姉は十六 妹は十四
諸国大名は 弓矢で殺す/糸屋の娘は 目で殺す

という文書を英訳する場合

京で一番 糸屋の姉妹 /姉は十六 妹は十四
人を殺すに 大名と違い弓矢を用いず 目で殺す

と日本語に変換するとよい、という話であった。
(この原典は成瀬武史『対話への旅路』1988)

「和文和訳」というのは、翻訳に携わる者であれば誰でもやっているし、気の利いた英語の先生なら英作文の時間にこのようなことは教えるであろう。外国語を学ぶのは、海外旅行に行って一人で買い物できるのが目的ではなく、このような異文化理解を深めることなのであーる。

話がちょっとずれました。クリシンの本をお求めの方は、海外の学者が書いたものや、ビジネス向けの実践書を購入する以前に、まずこれを読んでみてください。

ちなみに、クリシンの基本書といえばまずこれです。

『クリティカル進化(シンカー)論 -「OL進化論」で学ぶ思考の技法-』

漫画じゃん、と侮ることなかれ。


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書談:異端者が書いた異端の本(^^;)

Itannono■異端の脳がホンモノ! (だいわ文庫)
著者:竹内 薫 茂木 健一郎共著
価格 : \780 (本体 : \743)
出版 : 大和書房
発行 : 2006.11
bk1


あやしいおぢさんが二人写った帯も載せたかったので、表紙を写メールしました。10年前の単行本『トンデモ科学の世界』を編集して文庫化したもの。
現在は、お二人とも有能な科学ライターであるが、この一書によって波瀾万丈の幕開けとなるのである。特に組織的後ろ盾の無いタケウッチーは。それは本書の前書きを読んで下さい。

竹内薫執筆部分を読みましたので、感想みたいなものを。モギケーンのとこは後で読んであげます。

「科学業界」から異端と指さされた「偉人」たちの紹介。異端と言っても、ちゃんとした実績を他に上げていたり、後年正当性を証明さたりと、実はちゃんとした科学者だったりする人たちである。UFO好きのコンノさん部門の話は出てきません。念為。

例示されているのは。、ウェゲナー、ヴェリコフスキー、シッチン、ジョセフソンなどである。

ヴェリコフスキーの理論はカール・セーガンが自著(確か邦訳『サイエンス・アドベンチャー』)で徹底的に論破していたので、近寄ってはいけないニセ科学と思っていた。しかし、実際は理論が他の科学者によって検証されたわけではなく、その著書『衝突する宇宙』を読まずしてバッシングされたというのは驚きである(セーガンはちゃんと読んだと思う)。

彼の理論はB.C.15~8世紀の間に地球に大型天変地異が起こり、その原因は、太陽系で起こった惑星同士の衝突というもの。その根拠が、各地の古代文明がこの点に関しては同様の記述をしているからという主張である。あれ?以外に普通ですね。

で、科学者(天文学者)は一体何が気にいらないのであろうか。古書によって、その時代の気象を調べるのは長きに渡って行われていたことである。まあ、だから、困るのかな。反証材料がないから。違うけど、説明できない。だから拒絶。これは現代科学というか知識人にも見られること。違うから違うんだぁ~、とか、全然関係のない部分を理論武装するとか。

カール・セーガンの反論は忘れてしまいましたが、「古代の文献は多義的解釈で記述され、そのような天変地異があった、と言えばそのように読めてしまう」だったような気がします。

本書は旧題から勘違いしている人も多いが(実は私もそうでした)、立派な科学系啓蒙書なのである。通常の科学史なんかから完全に抜け落ちている部分、人を網羅している。
ウェゲナーは違うだろ、という声が聞こえてきそうだが、そういう人はちゃんと本書を読んでください。70年前の時間軸だとウェゲナーは間違いなく、ヴェリコフスキーであったし、ジョセフソンの心霊現象の研究が70年後大陸移動説にならないとも限らないではないか。

ということを教えてくれる本です。


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書談:『よくわかる最新量子論の基本と仕組み』

Quantum_theory■『よくわかる最新量子論の基本と仕組み』
著者:竹内薫
出版:秀和システム
発行:2006年11月


第1章 シュレディンガーの猫(量子論の確率解釈)
第2章 ボームの量子ポテンシャル(異端の量子論)
第3章 ファインマンのくりこみ(無限大の困難)

なんか、今日も堅い話題ですが。
本書の特徴はなんと言ってもボーム理論を紹介しているところです。通常の物理の教科書にはまず出てきません。私が彼の理論を知ったのは『パラダイムブック』。なんの不思議もなく、ハイゼンベルグと同じ様に物理理論として紹介しているのになぜ一般書には?と思っていました。まあ、異端の理論だからですな。

でも、これが異端だと分かるには、「量子力学の哲学」を勉強しないとわかんないんじゃないかな。

かくいう私も科学哲学と物理学の学徒でありながら、コペンハーゲン解釈はよくわかっていなかった。

勉強せねば、と思い、本書の参考文献
『量子力学の基本原理-なぜ常識と相容れないのか』デビット・Z・アルバート

『量子理論の限界』ピーター・ギビンズ
を購入。

また、「必修科目」が増えてしまいました。

秋の夜長の読書です。

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書談:『速読速聴・英単語 Daily 1500』

Sokudokusokucho『速読速聴・英単語 Daily 1500』
監修:松本 茂監修
著者:松本 茂、Gail Oura、Robert Gaynor著
価格 : \1,995 (本体 : \1,900)
出版 : Z会
発行 : 2006.10
bk1
Z会

しぃ~げる・まつもろ先生からご著書をいただいたので宣伝します。
1パラグラフの文章によって、単語もリーディングもマスターするという本は、Z会は昔から出していますな。主に大学受験用。
本著は、高校生、社会人初中級向きの語彙です。が、しかぁしぃ、知っていることと使えることは別でありましょう。ここでは、日常で使える英語を目指しています。日常会話と言っても"Hello,How are you?"じゃないよん。内容のある大人の会話を訓練できます。
(帯のTOIECなんたら、英検なんたら、は気にすることはないでしょう)

CD付きで2000円しないって破格値!!

諸君も買いたまえ。

うむ、わたくしは他のバージョンで自腹切ってますから、売り上げに貢献しています。

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書談:B.バーナンキ『リフレと金融政策』

Bernanke『リフレと金融政策』
ベン・バーナンキ 著/高橋洋一 訳
価格:1,995円(税込)
発行:2004年1月  
出版:日本経済新聞社
日経ブックス

なぜこげな本を読んでいるかというとうちのグループの指定論題が
「日本はインフレ目標を導入すべき」だからである。
先週終わったけど、
終わったら思っていることとか書こうと思ったけれど、
気分が重すぎて書けない。
思うような議論ができなかった。
結構準備したのに。
JDA大会に出場しないし、ジャッジもやらない。
おもしろい論題だったけど、もうしたくなくない。

でも、何か書かないと次に進めないような気がするので、書いておこう。

* * *

英語でもやるので(やったので)対訳があればそのまま使えると思って、これを読んでいた。講演集なので、読みやすかったが、あんまり試合の証拠資料になる文言は見つからなかった(それは私の場合であって、資料の宝庫だ、と思う人も当然居るだろう)。ただ、インフレ目標政策は、国民に政策を説明するコミュニケーション戦略なのだ、という話は面白かった。それを核に議論を作ればよかったのかもしれないが、どうも、経済心理学っていうの?インフレ期待を盛り上がれば、インフレになるっていう【だけ】では弱いような気がして。
伊藤元重が言っているように、買いオペとかやって実際に金が回らないとインフレにはならないんじゃないかな。

って考えてると、また気が重くなってしまうので。

インフレ目標政策については、推進派の中心人物である伊藤隆敏氏が経済財政諮問会議のメンバーにもなったので、これから本格的に審議されると思います。

少し元気になりました。今日もランキングぷちっとな、お願いします。【押す】
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書談:松本清張『霧の旗』

2週間前に読んだのだが。
『砂の器』『点と線』の次くらいに語られるのですごーく、期待していたのだ。

が、しかし、この展開と結末はなんだろうか。

法律とはなんなのかと考えさせる、とか裏表紙に書いてあるのだが、これ、別にそういう話じゃないだろう。

柳田桐子の兄、正夫は無実の罪を宣告され獄死する。その代理人を引き受けなかった弁護士に復讐を試みるというものなのである。清張の書くものだから、そりゃ、悪徳弁護士だろと思うのだが、この人いい人なのである。弁護士の大塚が桐子の依頼を断ったのは、費用が用意できなかったからである。場面は昭和30年代だから今とは状況が違うが、正規料金の半分でやってほしいというは無茶ではないか。まあ、それはしょうがないとして、獄死したのは大塚のせいじゃないし、復讐のターゲットを大塚にむけるという心情はどうも理解できない。そして、桐子はかなり酷いやり方で大塚を貶めることに成功する。

文庫の解説、「清張は、読者が桐子の行動に違和感を持つことを織り込む済みである」と書いている評論家もどうも苦しげだ。

しかし、この小説、ほかの清張作品と同様おもしろのである。一気に読めるのである。どんなに社会正義、論理性を持っていたとしても、おもしくなかったら意味がない。

これは、つまり、法のあり方、とか書いた編集者が間違っている。

桐子という、ちょっと偏狭な人間が起こした顛末と考えればさほど違和感がない。ネットで、これってストーカー小説?って書いている人がいたが、それが一番ふさわしい称号であろう。

ある意味30年後の世界を予見した小説なのだろう。

という、私の見解もちょっと苦しげ( ̄▽ ̄;)

見なかったけど、9月にテレビドラマ化されたようですね。
http://www.tbs.co.jp/kirinohata/
いやー、星野真里ってこの役にぴったり。
2時間ドラマ、清張原作ものに結構出ています。
キャストをみると昭和の香りがする人たちばっかりだなあ。

古くは倍賞千恵子、山口百恵が柳田桐子をやっています。

http://www.shochiku.co.jp/video/dvd/2005/da0665.html
http://movie.goo.ne.jp/movies/PMVWKPD18775/index.html

多忙状況は終焉したのですが、まだ疲れています。アマサイを元気つけてください。ぷちっとな。お願いします。【押す】
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書談:『アルキメデスは手を汚さない 』

■アルキメデスは手を汚さない
著者:小峰 元
価格 : \620 (本体 : \590)
出版 : 講談社文庫
発行 : 2006.9

言わずと知れた、青春ミステリの金字塔である。
私が高校生のころから文庫で売られていたが、そのころはミステリに興味はなかったので、変わったタイトルだなあ、としか思わなかった。

今では、直木賞作家!!!東野圭吾をミステリ作家にした小説、として知られている。
(東野ファンとしては喜ばしいことである)

一人の女子高校生が病死する。中絶に失敗し(実際は子宮外妊娠で、その処置に肉体的、精神的に耐えられなかったとされている)死に至ったことはたちどころに知れ渡る。娘の敵討ちとばかり、父親は「犯人」探しを始める。これがメインかと思ったら、まもなく、クラスメイトの弁当に毒が入るという事件が起こる。そして、関係者のある男が殺される。

てっきり、少年探偵団のような話かと思っていたら、全然違っていた。実は担任の教師が首謀者ではないかと推理までしてしまった。
( ̄▽ ̄;)
青春というか、その当時、70年代の高校生の風俗模様、、、まあ、そういうの青春小説っていうな。

21世紀の今、こういう動機は成立しないな、と思ったけれど、そうでもないかも。

若者には時代時代の代議名文というものがあるから、マイナーリペアすれば、今でも使えるシュチエーションである。

驚いたのは、東野圭吾のほとんどの作品は、この『アルキメデス』の精神を踏襲していることだ。
それはオリジナルがないということではなく、「大人のやることなんて全部うそっぱちだ」みたいな『理由なき反抗的な精神』を持っているということだ。

小峰元も東野圭吾も普遍性を備えた作家だと思う。

みなさんは週末どう過ごされましたか。人気ランキングぷちっとな。【押す】
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書談:『神様のパズル』

Kamisamapazzle
■神様のパズル (ハルキ文庫)
著者 : 機本 伸司著
価格 : \714 (本体 : \680)
出版 : ハルキ文庫
発行年月 : 2006.5


物理学科4年生、劣等生の綿貫はゼミの鳩村教授に、同じゼミ生である16歳の天才児・穂瑞沙羅華の「お守り」を依頼される。すでにドクターレベルの能力をもっている穂瑞は、「宇宙は作ることができる」という命題に挑戦する。お人好しの綿貫は彼女の片棒を担がされるのである。でこぼこコンビ、穂瑞と綿貫、ついに宇宙の生成法を発見。果たして彼らは宇宙開闢を発表することができるのか。

こんな小説が今までなかったことが不思議である。作者機本氏は物理学科卒のPR映画のディレクター、本作品は46歳にしてデビュー作である。ネタの中心である「宇宙の作り方」を半年間、仕事の終わったあと各種専門誌を読み、うんうんうなって考え続けたという。そこまで思索した甲斐あって、穂瑞の宇宙論の弁は誰もが引き込まれることだろう。
残念なのは、人物の書き込みがイマイチ薄いことである(SFとしては十分だという意見もあろう)。主人公は穂瑞でも綿貫でもなく、宇宙論なのだから仕方ないと思うが。

来年、映画化の予定だそうである。その際は人間ドラマとして描かれるのだろうと思う。『神様のパズルExtra』となることを期待する。

穂瑞や聴講生の橋詰老人のように、宇宙がどうして存在するのか、わからなくては死んでも死にきれない、と思っている人、結構いるのではないかな。過去の天文学者はその衝動を抑えきれず、研究に邁進したのだろうと思う。

宇宙論で語られる人間原理は思いの外真実に迫っているのではないかと思った。

登場人物全員が、明るい未来を獲得したラストシーンはとてもいいものだった。物理劣等生の綿貫が、穂瑞との研究で新しい人生観を見いだしたのは感動すらしてしまった。 日本のSFに一石を投じうるすばらしい作品だと思う。

こんな小説なら書いてみたいな。それはともかく、今日も1日1回ぷちっとな、しといてください。【押す】
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書談:松本清張『塗られた本』

■塗られた本
著者: 松本 清張〔著〕
価格: \650 (本体 : \619)
出版: 講談社文庫
発行: 1987.5
http://www.bk1.co.jp/product/473107


また、松本清張を読んでしまった。これはミステリじゃありません。殺人はありません。純愛物語というかメロドラマですね。そういえば『黒革の手帳』も別に推理小説じゃなかったですね。清張氏は結構女性誌にも連載を持っていたようです。清張⇒おじさん好みではないようです。

水商売上がりの女社長・紺野美也子、下心しかない作家・青沼禎二郎、あたりは清張作品の常連キャラクタという感じがする。

詩を愛する心優しき男性美也子の夫・紺野卓一、美也子が愛するもう一人の男性銀行頭取井村重久が、この作品を通常の清張作品とは別軸においている。

新興出版社の社長、紺野美也子はつてを辿って流行作家青沼禎二郎に書き下ろしの約束を取り付ける。美也子が出版社を興したのは夫卓一の詩集を出すためである。出版社を中堅どころに引き上げるため美也子は日々奔走する。しかし、出資借財は以前関係のあった井村の口利きで行っている。誰も不幸にならないぎりぎりの均衡を保っていたが、ある事件をきっかけに登場人物の全てが坂を転がり落ちてしまう。

昭和59年にノベルズになったというから、清張作品として晩年のものである。古代史の作品を続々と発刊していたころにこういうのも書いていたんだね。現在文庫に収録されているものは、昭和30年代のが大半であるから、それに比べれば現代に近いかな、という気はする。

最終章はしんみりする。清張は一途な女性というのが好きなんだろうな。美也子タイプは形を変えて他の作品にも登場しているような気がする。

読みながら、これを映像化したらいいだろうな、と思った。1クールドラマじゃ間延びしてしまうかな。でも、2時間じゃ短いし。3時間ぐらい丁度いいかな。

主演は誰がふさわしいのか、全然思い浮かばない。米倉涼子は止めてください。
( ̄△ ̄;)
今時、銀座のホステスを過去を何となく漂わせながらも貴婦人的な女実業家ってどうよ。水商売のプロアマの境界線がない(とよく聞きます)21世紀に無理な注文である。

美也子と卓一のエピソード1が知りたいな。

私が清張作品を読むのは、ぐいぐい引き込まれる文章に魅せられるからだが、それ同時に幼いころにうっすらと記憶にある昭和の風景を見たいからなんだろうと思う。清張を読破しようとしているオジサマたちもそうなんじゃないかと思う。

結局おじさん化傾向が止められないアマサイであった。
( ̄▽ ̄;)

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書談:松本清張『ガラスの城』

『ガラスの城』
著者 :松本 清張
価格 : \600 (本体 : \571)
出版 : 講談社
発行 : 1979年
bk1

週末は科学モードにならず、予定していた科学啓蒙書を読めなかった。
買い置きしておいた本書を手にとる。

表題は、一流大手企業の外形とその中の人間関係の空虚さを意味してしている。優秀な女性が会社組織では出世できないことを「ガラスの天井」(上が見えるけれど阻まれる)と呼ばれた時期があるが、延長するとそういうことも示している。

とある建設会社の営業部長が殺される状況を二人の女性、三田と的場の手記、メモによって語れる。なかなか当該事件にたどり着かないのでちょっとイライラした。が、そこは清張節、企業内の男女関係が興味深く描かれる。

最初手記が異様に長いのはさておき、途中でこれは誰かに書かされているのか、ということは気づく。この女は首謀者の一人か、それとも殺されるのか。そしてその手記は完結しないまま、的場のメモに移る。ここからは、だっーとクライマックスにいくわけである。ここで状況が逆転、また逆転していくのが清張の真骨頂である。

二人ではなく、せめて三人くらいの手記にすれば、もっとよい構成になったと思う。たぶん初めはそういうつもりだったのではないか。人気作家ともなるといろいろあるんではないか。

本書の解説者氏が「清張は女性を描くのがうまい」と評しているが、それには同感である。職場の湯沸かし器の部屋で交わされる会話など非常にリアルに感じる。男性作家が誰でも書けるとは考えられない。

清張作品の水準から言っても十分におもしろい。

※これは新潮文庫ではなく、講談社なので注意されたし。

3日更新を休むとちょっといたいですな。まあ、今日も「人気blogランキング」ぷちっとな。【押す】
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書談:『頭がよみがえる算数練習帳』

Sansutakeuchi■頭がよみがえる算数練習帳 (ちくま新書)
著者:竹内 薫
価格 : \756 (本体 : \720)
出版 : 筑摩書房
発行 : 2006.9
bk1

最近流行のいわゆる大人の算数みたいな本は買ったことがない。これは師匠の本ですから一応。
そういうひいき目を割り引いてもいい本じゃないですかね(以前の竹内作品でもそう言いましたが)
やはり、竹内氏の物理学博士としての観点が入っているからでしょう。算数レベルで「時空図」という言葉は使わないでしょうね、普通。他の算数解説本より一枚上手、だと思います。新書で二色刷というのも読みやすいですね。

三田誠広の作品に『パパは塾長さん』というのがあります。彼の次男の私立中学受験につきあったときの記録です。もう17,8年前のものなので品切れかもしれませんが、入手できれば読むといいと思いますよ。

その中で彼は「これら有名中学は受験者に何を希望しているのだろうか。TVのニュース解説を家族で見て話し合う、週末は図書館や博物館で時間をすごす、そんな家庭の子弟を想定しているように思える。彼らは、塾で不眠不休で勉強してきた、延びきった秀才よりも、素質のいい天才肌の子供をほしがっているのだ」みたいなこと書いています。

イギリスの名門校のようにそこから、将来ノーベル賞科学者や国政の指導者を生む、そんな中学高校を目指しているというのです。その当時よりも少子化が顕著になった今、私立中学はどのような世界像を描いているのでしょうか。

中学受験の算数は、そういう学校側の世界戦略?の重要なツールのように思えます。

そこまで行かなくてもやはり、小学生、恐るべし、です。

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書談:『誰が本当の発明者か』

Daregahatumei
■『誰が本当の発明者か』
-発明をめぐる栄光と挫折の物語-
著者:志村幸雄
発行:2006/08/20
出版:講談社ブルーバックス
定価:987円

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大江秀房氏の件で、ブルーバックスから科学史本が倦厭されるのではないかと心配したが、このような本が出版されてほっとした。
以前から執筆依頼をうけていただだろうし、中村修二の裁判の影響だろうとは思うが。

"発明の歴史は「人と金と裁判の歴史」だった"
と帯に記載してあるが、まあ、そういうことです。先取権争奪戦ですね。

講談社HPでピックアップしているタイトルの内容を書いてみます。


●エジソンは白熱電球の25番目の発明者!?

 日本人的にはエジソン電球といえば京都産の真竹ですが、白熱電球を完成させたのは英国生まれのジョセフ・スワンです。エジソンは改良して長時間使用に耐えるようにしたわけです。それよりも、エジソンの功績は白熱電球の大量生産化、事業化したことでしょう。エジソン自身も自分の最大の発明は?という問いに「白熱光による照明と送電システム」と答えているそうです。


●ワットは単なる改良家!?

 蒸気機関の実用化に成功したのはニューコメン。その機関の熱効率を上げるために、シリンダーから冷却機を分離したのはワットです。どうでしょうね。ワットを「単なる」改良家と位置づけるのは(だから!?がついているわけですが)。教科書的記述だと、○○の発明者は××というふうに一人に限定して書くのが誤解を生んでいるでしょう。パパン、サヴァリーまで書かなくても、蒸気機関の実用化に貢献したニューコメン、ワット、くらい挿入しても罰はあたらないでしょう。


●アークライトは発明の盗人!?

 水力紡績機の事業化でナイトの称号を得たリチャード・アークライトですが、素行のよくない人ですな。特許訴訟で負けるのはともかくも、他の技術者を脅して設計図を手に入れるとか、模倣、盗作、えっ、成功すればそれでOKなの?
 本著には「紡績機の発明者ではなかったが、紡績産業を生み出したのは高く評価されてよい」と書いてありますが、そうなのかなあ。


●2時間差でベルに敗れた男とは!?

 イライシャ・グレイですね。当時の米国特許局に申請するのが二時間遅かったと言われています。一説にはベルの顧問弁護士がグレイの発明関係を察知して、独断で出願したとあるそうです。
 最近はあまり言われませんが、一刻でも早く特許出願を、という教訓によく使われました。今は日にちだけで同日で時間を争うということはないので。


●高峰譲吉はなぜ「発明者」になれなかったか!?

 欧米中心の科学研究の時代において、極東の日本人のやることなど鼻から無視されていた。これは学術的な研究上だけであり、産業界ではあまり関係なかったようです。高峰は新しいアルコール醸造法を発見し、米国のウイスキー会社に招聘されています。結局は、米国の競合他社に商売敵としてバッシングにあうわけですが。
(本書にはアドレナリンの発明者としての高峰が主に描かれています)
 高峰、北里柴三郎、鈴木梅太郎、長岡半太郎など、明治期に創造的な科学者を生みながら、近年、日本に、物まね・後追いのレッテルを貼られるのを見ると、何か高峰に周辺にその縮図を見るような気がします。つまり、米国等の研究者のお墨付きをもらって研究していく以外、世界の科学研究の舞台に登ることは不可能である、好きで改良だけをしているのではなく、折角基礎研究をしても、世界舞台にお披露目することはない、その対抗策として、海外研究結果重視になっているのではないでしょうか。
 無論、現代は、海外からの縛りが顕著でないにも関わらず、日本人が「自主規制」をしているところに問題があるのです。

 このような昔の事例だけではなく、トランジスタラジオ、光ファイバ、青色ダイオード、パソコンに関して言及しています。

 通読して損はしない一冊です。

技術発明はいかに事業化できるか、まで考えないと先取権は取得は難しいようです。まあ、今日も「人気blogランキング」ぷちっとな。【押す】
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夏の日の読書

携帯からなんで簡単に(17日に補正)

●飯田隆『クリプキ』NHK出版
前段階の「グルー*」の話は面白いが、「懐疑的解決」はあまり納得できなかった。クリプキという哲学者は興味を持った。
⇒主著『ウィトゲンシュタインのパラドックス-規則・私的言語・他人の心-』 は入手可能。

*http://members.aol.com/Philosdog/Goodman.html
あるいはgrue(グルー)&Goodman(グッドマン)で検索。

●森博嗣『虚構の逆マトリクス』講談社文庫
 森さんの短編は読んでます。私にとっては柿ピーです。以下自粛

●岡嶋二人『そして扉が閉ざされた』講談社文庫
 岡嶋はやっぱりすげー
⇒書談にアップの予定。

●東野圭吾『赤い手』講談社
 圧巻です。東野圭吾は最新作が代表作です。
⇒書談にアップの予定。

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書談:『シリコン・ヴァレー物語』

Lsiliconvalleystory■シリコン・ヴァレー物語
-受けつがれる起業家精神-
著者 :枝川 公一著
価格 : \798 (本体 : \760)
出版 : 中央公論新社(中公新書)
発行 : 1999.12
bk1
1 谷間の曙光
2 約束の地・カリフォルニア
3 マイクロプロセッサへの道
4 「自家醸造」パソコン
5 アップル対IBM
6  マーケットを制する
終章 日本へのメッセージ

ここで読んでいると言っていた本のうちの1つである。
半導体の曙、躍進、ソフト台頭、インターネットまでツボをよく押さえてまとまっている秀作である。
ジャーナリストとして優れていればこれだけ書けるのである。科学記者とか科学技術ジャーナリストとか呼ばれる人、の中で名前負けしている人、見習ってください。

この枝川さんという人、アメリカ大好きおじさんでもあるらしい。結論を「パソコンの進化はアメリカ的なるものである」とするあたりは、好みが分かれるが、まあ、それはいいんじゃないかなと思う。

「泳いでいたプールが狭く感じ、もっと泳ぎたいと思ったら別のプールに移る、あるいは作る」という発想が日本人にはあまりないというのはうなずける。
(それは単なる開拓者精神の欠如だけではなく、日本の起業の環境の悪さもあると思うけど)

私としては、何か1つのテクノロジーを開発して、そこから新しいマーケットを作っていくという人、ビジネスモデルが好きなんだけど、ゲイツのMSソフトとか、エリソンのオラクルとか、口先三寸で決まってしまう物語っていやなんだよね。まあね、ショックレーとか、偉大なる発明家、科学者は、素のままんまじゃ成功しないわけであるが。

大企業がやらないことに挑戦し、マーケットの開発あるいは凌駕していく物語は爽快で夢がある。それはまさに冒頭のスタンフォード大学の建学の精神である。

枝川さんは日本にもシリコンヴァレーをという考えなのだが、日本にシリコンヴァレーはいらないと思う。飽くまで日本的経営を改変していくしかないと思う。
そもそも野口悠紀雄さんが自著で述べているように「日本に第2のシリコンヴァレーを」という発想自体がシリコンヴァレー的ではないのだから。

6年前の著書であり、現時点では改訂・補訂の余地もあるかもしれない(日進月歩の世界だかんね)。だが、いまだからこそ、「珪素から始まる物語」の評価ができる、ということもある。

台風被害皆さん大丈夫ですか。取り敢えず、ぷちっとな、宜しくお願いします。【押す】
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『最新哲学がよ~くわかる本』

Testugakuwakaru『最新哲学がよ~くわかる本』
小島 優子著
価格 : \1,260 (本体 : \1,200)
出版 : 秀和システム
発行 : 2006.7
bk1

* * *

哲学をかじった者として、こんなものは手にとってはならない、
が、買ってしまった( ̄▽ ̄;)
便利な本である。本格的な哲学史の本を読むときそばにおいたら、頭の中が整理しやすいだろう。事実そういうふうに使っています。また、次はこの哲学者の著作を読んでみようかな、とかガイドブックにはなると思う。

この人が参考にした本って私結構読んでます。放送大学の(過去の)印刷教材が4冊入っていますし。ああ、だから私の学んだものとタブっているので、使いごこちがいいんですな。昔の10年前くらいの放送大学の哲学講座ってすばらしかったです。

同様に参考文献としてあがっている、峰島旭雄さんの『西洋哲学史』ってとってもいいと思うだけれど、今手に入るのかなぁ。

初心者がこれを読んで「よ~くわかる」と思ったならそれは勘違いというべきものである。
せめて、各思想を解説した新書を読まないと、その哲学者の苦悩とか生き方はわからないと思う。もうそれさえも読むのが面倒になったんだね。

多くの哲学書はそのまま読んで、そのまま理解できるほど容易ではないので、このような類の本が生まれるのは仕方ないのか。それでも、やはり、哲学なき時代に哲学が求められているという証です。

「哲学とは何か」「古代哲学」から現代、分析哲学まで網羅している点は評価できます。

夏休みだからなぁ~、ブログ読んでる人少ないよな。まっ、「人気blogランキング」向上のために1日1回ぷちっとな、お願いします。【押す】
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書談:『チョコレートゲーム』

Chocogame『チョコレートゲーム』 (講談社文庫)
著者:岡嶋 二人〔著〕
価格 : \540 (本体 : \514)
出版 : 講談社
発行 : 1988.7

* * *
名門秋川学園大付属中学3年A組の生徒が殺される。小説家の近内泰洋の息子もそこに通っていた。息子の不審な行動は事件と関わりがあると疑う近内。だが、やがて彼の息子も犠牲者となってしまう。事件の発端は自分の息子なのか、苦悩のうちに独自で捜査を行う近内に「チョコレートゲーム」という言葉が立ちふさがる。
* * *

中学生が次々と殺され、結末はかなりどぎつい。が、しかし、作品全体には陰鬱な雰囲気は感じず、良質のミステリとしてさくさく読める。
のが、いいのか、どうかわからない。
それは、未成年者がターゲットになる残忍な事件が現実に起こり、それに慣れてしまったせいではないのか。
そんなことを思うと余計陰鬱になるから、純然たるフィクションとして捉えよう。

主人公の近内が小説家であるところをみると、岡嶋さんのどちらかの近影から発した物語であろう(『おかしな二人』に書いてあるかもな)。自分の子供は、学校でどういう生活をしているのだろう。教室で事件がおきるのをニュースで目にするが、うちの子もそういうことに関わってはいないだろうか。親なら誰しも気になるところである。

学校は毎日「事件」の連続だ。普通の中学校に「チョコレートゲーム」が成立しても何ら不思議はない。

『チョコレートゲーム』とは何だろうか。それはノンフィクションである。フィクションであるけれども、現実にあり得る、ではない。『チョコレートゲーム』 の中に我々は生きているのである。自分を守るために殺人さえも厭わない空間である。私も含め、それに遭遇していない者は幸せである。それが普通なのでなく、親として目覚めた近内泰洋のような者に守られているからである。

書かれてから20年ほど経っているが、トリックを楽しむミステリ小説以上の何かを押してくれる一冊である。

Relaxsnoopyまたもやすぬーです。アマサイが「すぬーが出るとぷちっとな、が増えるんだ」って言っていますが、ブログってそういうもんじゃないと思うんですよね。でも、むげにもできないんで、ぷちっとなしてやってください。人気blogランキングです。【押す】
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書談:『僕たちの好きなウルトラマン』

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『僕たちの好きなウルトラマン』
-初代ウルトラマンからウルトラマンコスモスまで-
宝島社文庫
752円税別
※画像は別冊版

おお、こげな便利なものがあったとは。
ムック本で出てたらしいですな。

まずは、我らがウルトラマンジャックの項。
帰ってきたウルトラマンのことですがな、奥さん。
私の認識と大体同じですな。
セブンから3年を経て新機軸をもったウルトラシリーズ。主人公・郷秀樹の人間的成長が、ウルトラマンとして戦うジャックに反映される。
うむ、これは、その後のウルトラシリーズの全てに挿入されるコンセプトです。
まあ、ヒーローなき時代のヒーロー像の先駆けですな。

セブンは人間の科学文明に対峙してきた。他方、ジャックは公害問題というフォーカスを当てている。
うむ、そうですな。子供ながらに地球は環境破壊によって無くなってしまうのではないか、と思わせたのはこの番組でした。

また、主人公の家族を扱ったのもこの回が初めてでした。世話になっている自動車工場の坂田家族との交流が基軸になっています。

郷秀樹がモテモテというのは、気づきませんでした。子供だったからな。ダンとアンヌのラブロマンスはしっかり認識していましたが。かっこいいお兄さんだとは思ってましたよ。TVのアイドルより断然、ウルトラマンです。団次郎氏はドイツとのハーフなんですね。

ウルトラマンエースがジェンダーフリーを目指していたとは知りませんでした。
少年達はエースに変身、北斗と南の合体、はHっぽいと思っていたらしいですが、私は新鮮に感じてましたね。女性でもウルトラマンになれるわけで。MATの隊員になりたいと思っていたアマサイには明るい未来が持てたような気がしました?

オールドファンから大不評なウルトラ兄弟大放出ですが、それ自体はアマサイはいやではないですが、ちょっと大人になっていくのか、もうウルトラマンじゃないだろうというお年頃にさしかかっていました。南夕子が月に帰ってからはあんまり熱心に見なくなりました。最終回も覚えていません。タロウに至っては、もう気分だけは大人で、私も昔は(2年前までは)よく見ていたわ、ウルトラマン、というノリになっていました。

単なる解説研究本ではなく、編著者たちのウルトラシリーズへの愛情が満ちあふれています。ウルトラ本の中でも卓越した一冊であります。

どうぞ、一家に一冊お持ちください。


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書談『なんでも屋大蔵でございます 』

書名:『なんでも屋大蔵でございます』
著者:岡嶋 二人
価格 : \540 (本体 : \514)
出版 : 講談社文庫
発行 : 1995.7

『七日間の身代金』を読んでいたがイマイチ乗り切れず岡嶋から少し離れていたアマサイである。

これは短編なのでよいだろうと思ったが、さくさく通勤電車の中で読み切ってしまった。文庫本の解説をしている宮部みゆきが解散した岡嶋の片方井上氏に「続編は書かれないのですか」と聞いてのが分かる気がする。シリーズ化を持たないというか嫌うというか、その点は東野圭吾似ている。
(真保裕一と講談社で抱き合わせ売られる東野さんだが、どっちかというと岡嶋二人に作風が似ており、岡嶋ミステリの後継者、と言っては怒られるだろうから、同じ本格派ミステリのカテゴリである。)

題名とおり、何でも屋(この当時は同種の職種がなく、便利屋というのもまだ一般的ではないようだ)を営む釘丸大藏が、日常業務(引っ越しのお手伝、留守中のペットの世話、雨漏りの修理)から殺人/盗難事件に巻き込まれ、 ベテラン刑事に従いつつも事件を解決してしまうというものである。

大藏の年齢は40前後、と言った感じ。本人が言っているのだから風采の上がらないオジサンなのだろう。

ミステリを映像化するとき、主人公を男から女へ性転換?する場合がままあるが、それはやはり、見栄え、という観点からだろう。胡散臭い中年オヤジを毎週見せられるよりも、フカキョン(『富豪刑事』)や深津ちゃん(『カバチタレ』)の方がいいに決まっている。

しかし、活字ではおっさんの方が断然安心感があるのである。見た目もおっさんの方がよい。

「パンク・ロックで阿波踊り」で出会う、少女たちにも、「尾行されて,殺されて」の記憶喪失の青年ともおっさんとならしっくりいくのではある。もちろん、」「白雪姫がさらわれた」の近所の猫ばばあや同じおっさんたちとも気が合うである。「そんなに急いでどこへ行く」で優秀な助手をゲットするのもおっさんの人となりである。

大作家宮部みゆきは大藏に菅原文太(10年前くらいの解説)を映像化する際のキャストにあげているが、アマサイは

釘丸大藏:Kimball兄貴
を当てたいと思う。

ちょーローカルでしょうか? ですね( ̄▽ ̄;)

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書談『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』

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■『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』
著者:米原 万里
価格 : \580 (本体 : \552)
出版 : 角川書店(文庫)
発行年月 : 2004.6

お互い米原さん信望者?ということで意気投合したpiaopengさんの一押しということで読んでみました。

米原さんは1960-1965の5年間、当時チェコスロバキアの首都プラハのソビエト学校(小中学校くらいだろうか)に通う。米原さんのお父さんは、日本共産党員として、その代表として、ここプラハにある国際的な共産主義運動理論誌の編集員として勤めている。
この状況が説明もなく、なんとなくわかる日本人は私の年代くらいまでであろう。もうソビエトはないし、プラハは現在チェコ共和国の首都である(実はちょっと知識があやふやだったのでぐぐって確認しました)。

このソビエト学校には近隣の社会主義、共産主義国の子弟が多く通う、つまり異邦人の学校なのである。えーと、日本は過去も現在も共産圏になったことはないですよね( ̄▽ ̄;)。まあ、彼女は彼女で微妙な立場なのである。そこいらへんも描かれています。

本書はその中で米原さんが仲の良かったギリシア人のリッツァ、ルーマニア人のアーニャ、ユーゴスラビア連邦のヤスミンカ、3人の女の子と各との当時の交流、そして、その後の「プラハの春」、及び約四半世紀後に起きた共産圏の崩壊のおいて、彼女たちがたどった道を記したものである。

もう私は21世紀に生きているので、この可憐な少女たちが過酷な運命をたどるのはわかっている。彼女たちはどう生き抜いていくのだろう。それはある種ミステリを読むかのようなどきどき感があった。

3人それぞれ個性的なのだが、私が好感を持ったのはリッツァである。勉強はさっぱりだが、男女や性の知識にはかなりなスペシャリスト?日本の学校にもリッツァのような子はクラスに一人くらいはいるのではないか、というのがお気に入りの理由である。明るくて頼りになる。彼女のような子とは一番に友達にならなくてはいけない。そんな、彼女も「プラハの春」によって大きく運命を変えられてしまい、一家離散を余儀なくされる。

大人になった米原さんは80年代の後半に、リッツァを含む嘗ての同級生を捜す旅に出る(順番から行ってリッツァを一番先に見つけたということだろうか)。なんとあの勉強嫌いのリッツァが名門の医学部を卒業して医者になっているという。彼女の努力は並々ならぬもので、尊敬すべきものであったろうが、政変はそれだけ彼女の人生に過剰なプレッシャーをかけたとも言える。

物心つく前にギリシアを出たはずのリッツァであったが、そのギリシアの青い空のすばらしさを少女のころから自慢していた。今となっては、そのギリシアに住めるはずだが、彼女が夫と子供と住んでいるのはドイツである。リッツァだけでなく、他の二人も祖国を愛しながら、そこに住居はない。

米原さんは三人との友情は切々と語るが描写は飽くまで淡々としている。それによって余計に、20世紀末に起こった政治変革の重大さを私たちに伝えてくれる。

彼女たちはもう50半ばを越している。しかし、彼女たちの体験は昔話ではない。今も継続している現実である。私が晩年を迎えるころには彼女たちの物語は昔話になるのだろうか。そのころには新たな悪夢が始まっているのではないかと心配でならない。

本書が偉大な異文化コミュニケーター米原万里の名前と共に、半永久的に読み続けることを切に願っている。

いや、そんな暗いお話じゃないんですよ。米原節が一番効いている美しいエッセイです。皆さんも是非お読みください。じゃあ、今日も『人気blogランキング』ぷちっとしておいて下さい。【押す】
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『犯罪報道の犯罪 新版』

Asanokenichi

●『犯罪報道の犯罪 新版』(新風舎文庫)
浅野 健一著
価格 : \935 (本体 : \890)
出版 : 新風舎
発行 : 2004.6

次回のディベートが「実名報道原則廃止」なので読んでいる。『犯罪報道の犯罪』の正・続は講談社文庫から出ていたが(その前は学陽書房)品切れ絶版状態になったなので、新情報を加えて、この出版社から発刊されている。

浅野氏が冒頭に書かれているとおり、報道による被害は以前より少なくなるどころか、拡大し、深刻化している。浅野氏自身が最近はマスコミ内で報道倫理の教育が全くなされていないと嘆く。

新版、最初の章は文春発禁の件である。何かと思ったら、田中真紀子の長女のプライバシー侵害の件である。ああ、そんなこともあったか。私の中ではなんだかあれは芸能ニュースなのか何なのかわからないうちに終わってしまった。 特に考えることもなかった。

しかし、実際マスコミの中ではジャーナリスト達が信じられない暴言を吐いていたのである。タチバナ某さんは「これは司法による言論弾圧だ」とか、「二世、三世が選挙に出るのだから、真紀子の長女は公人だ」とか、ヨシオカ某は「結婚を報じてよいのに、離婚はいけないというのは道理に合わない」などと全く道理に合わないことを言っている。「娘の結婚生活がうまくいかないのは真紀子の外交手腕が問われる」に至っては芸人のネタかと思ってしまう。

いかにジャーナリストと言われる人間が○キかよくわかる発言である。

全くこの国には人権も道理も、
それに表現の自由という真の意味も
通用しないのだから恐れ入る。

アマサイはこの手の論題は好きではない。殺人事件とか強姦事件とか幼女誘拐が容赦なく出てくるから(うーむ、そういうとこはセンシティブなんだよな)。でも、ディベート抜きでも目をつむってはいけない現実である。

浅野氏は、「こういう本は「古典」として収まる方が健全な社会だ。メディアがよくなるどころか、悪くなっているので、今もこの本は不可欠だ。いやますます必要になってきている。」と述べている。

それは同意するものであるが、さらには、本書のあとを継ぐような書籍が出ていないのも残念なことである。大手出版社は自らの恥部をあらわにすることなんでしないんでしょうね。

厚いがそれなりの内容は詰まっている本です。

※読者にはどーでもいいことですが、「書談」としなかったのは、本書を元に実名報道について語りたかったからです。試合が終わってからまた書きたいと思います。

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書談:『脳をめぐる冒険』

Noumegubon
『脳をめぐる冒険』
著者:竹内 薫 文
    藤井 かおり 文
    モリナガ ヨウ 絵
価格 : \1,260 (本体 : \1,200)
出版 : 飛鳥新社
発行 : 2006.5

本書は、竹内、藤井、モリナガ、三氏の共同作品と言っていいだろう。誰が欠けても他の誰かになっても本書は成しえなかった。
猫好きの青年カオルが、謎の少年アキラとともに自分の脳を旅する。
ホムンクルスのへんてこなお爺さん、言語野にはなぜかDJ風のお兄さん、左脳は律儀なホテルマン、右脳は萌えるメイドさんなど、各脳領域にあったキャラクタが案内してくれる。
本書を脳科学の入門書として読むか、ファンタジー小説として扱うかは読者の自由である。最終章では、カオルだけでなく、読者の誰もが大切な何かを見つけるだろう。

初夏の風に運ばれた、喧騒の中に生きる現代人へのちょっとした贈り物。
キザにいうとそんな爽やかな一書である。

年齢を問わず楽しめるところがまたいい。

* * * *
物語以前の「エピソード1」は必読です。
出版社のHPに掲載中
http://www.asukashinsha.co.jp/

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書談:『科学者という仕事』

Sakaikuniyoshi
■『科学者という仕事』 独創性はどのように生まれるか
著者:酒井 邦嘉
価格:\819 (本体 : \780)
出版:中央公論新社
発行:2006.4
bk1


こういうものが新書から出るということは、科学と科学者に対して世間の興味が大きいということだろう。

内容は重厚だが、新書にふさわしく読みやすく書いてある。中でも引用文献を詳細に記載しているのは感心させられる。

科学とは何か、研究者、研究室の現実、科学の倫理、過去の科学者の思考方法。
一般人が知りたい科学の世界がすべて書いてあると言ってもよいだろう。認知脳科学が専門の著者ならではの広い学術教養がいかんなく発揮されている。

訊いたことある話だなと思ったら、NHKで言語と脳についてレクチャーをされていた方であった。

現役の科学者がこのようなもの書いては、科学論や科学史、科学社会学の専門家が問うことはないではないかとさえ思う、というのは言い過ぎでした。中島秀人さんの『日本の科学/技術はどこへいくのか』と読み比べるとさらにおもしろい。

因みに帯には、
問題1)何かおもしろい問題を考えよ。
問題2)問題1で作った問題に答えよ。
これが解ければ、あなたも研究者
と書いてある。

実のところ、問題1)「問いを作る」ということが出来れば研究者になれるのである。どの分野も問題提起を待っている。回答は優秀な同業者がやってくれる。その中に自分も入っていれば、尚よろしいわけである。

ただ、本書を読んで次世代に優秀な学者が出るか、科学者集団が拡充するは別の問題である。私などは、ああ、やっぱりたいへんな世界やねえ、と思うばかりである。


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書談:『アメノナカノ青空』

Amenonaka
■アメノナカノ青空 (角川文庫)
原作:イ オニ
編訳:竹内 さなみ〔ノベライズ〕
価格:\540
出版:角川文庫
発行年月 : 2005.11
bk1


病弱な高校生ミナが母と暮らすマンションに、カメラマンを夢見るヨンジェが越してきた。戸惑いながらも優しくて面白いヨンジェに惹かれるミナ。けれど二人に残された時間は僅かだった…。初めての恋の未来はどこに?

うーむ、さくさく読めるので感想をすぐアップするはずだったのだが、遅くなりすぎてまった。。。
さなみさん、ごめんよぉ~
韓流の好きな人もそうでない人も楽しめるラブロマンスです。
ノベライズだから読みやすいです。
(なんか単調な褒め言葉やな)

映画はもう公開が終わってしまったが、映像が浮かぶような文章です。
好き嫌いを言わず買うように!
(今度は脅迫か?!)

さなみ嬢は、大河ロマン『千年医師物語』や欧米恋愛モノの訳やノベライズを多く手がけておられます。
竹内さなみ作品[竹内薫(←兄上です)サイト内]

何でもいい、次回は金城武が関わる作品を手がけてくれ!
そんでもって主演・著者対談を実現しよう。私は第1秘書としてついていく!
約束だよん!(全部私益やなあ)

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Bokusukimiyabe
『僕たちの好きな宮部みゆき (宝島社文庫)』
別冊宝島編集部編
価格 : \650 (本体 : \619)
出版 : 宝島社
発行 : 2006.3
bk1

宮部みゆき研究本?です。
この中で、ニフティ読書フォーラムからのお友達・とむ影(かげ)さんが『理由』の書評を書かれています。
(さっちゃん、「とむえい」さんじゃないよ。君は赤影(あかかげ)を知らないのか)
元はMOOK本ですが、文庫本になって再登場です。
とむ影さんは一ファンとしての文章です。こういう構成が宮部っちぽいなと思います。

宮部ファンなら一家に一冊。お買い求め下さい。

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書談:ルクール『科学哲学』

■科学哲学(クセジュ文庫)
著作:ドミニック・ルクール著
翻訳:沢崎 壮宏、竹中 利彦、三宅 岳史
価格:\999 (本体 : \951)
出版:白水社
発行:2005.8
bk1

科哲・科史の学徒ならこんな入門書買ってないで本人の論文や著作を読め、と自分につっこみを入れているのだが。
これはいいのである。何がいいかというとフランス語圏の科学哲学に言及しているのだ。あたりまえだけどな、仏哲学者の翻訳を白水社から出しているんだからな。

通常の科哲の本にはパシュラールやカンギレムなんて出てこないし(と思う)、オーギュスト・コントさえも記載してないんじゃないかと思う。英米哲学が中心だからね。
両者の著は金森修さんが訳さなかった私は永遠に知ることはないだろう。

ルクールの訳書って他にもあるんですね。
『科学認識論』
『ポパーとウィトゲンシュタイン』

仏科学哲学には、英語圏(日本も含む)にはない鉱脈がまだあるんではないかと思う。フランス語もう少しまじめにやっていればよかったな。いずれやりたいと思うけど。

薄い割になかなか良くできた入門書です。

追記:と思ったけれど、これはある程度・科哲あるいは一般哲学を知らないとイマイチわからないだろうな。
全くの初心者にはこれがよろしいでしょう。
『科学哲学のすすめ』 高橋 昌一郎著
bk1

目次
第 一章 哲学のなかの諸科学
第 二章 科学哲学の始まり
第 三章 「エピステモロジー」という語
第 四章 征服する哲学 - オーギュスト・コント
第 五章 危機の哲学-エルンスト・マッハ
第 六章 科学的哲学?
第 七章 論理実証主義に反対するウィトゲンシュタイン-誤解-
第 八章 アメリカのウィーン - カルナップからクワインへー
第 九章帰納の問題
第 十章 予言から投射へ-グッドマン-
第十一章 認識論の自然化?
第十二章 科学哲学から思考の哲学へ
第十三章 科学の論理学か、方法論か?
第十四章 洗練された方法論 - ラカトンュ
第十五章 告発された方法論 - ファイヤアーベント
第十六章 歴史的要請 - ハソソンとトゥールミン
第十七章 クーンと社会学的試み
第十八章 フランスの伝統
第十九章 発生的認識論-ジャン・ピアジェ
第二十章 生物学の哲学と生物学哲学
第二十一章 二つの伝統が遭遇する可能性
第二十二章 諸科学のなかの哲学


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書談:松本清張『影』

↓これに収録されている短編
■『眼の気流 』(新潮文庫)
著者:松本 清張著
価格:\500 (本体 : \476)
出版:新潮文庫
発行:2003.9
bk1

文学青年・宇田は、作品を採用してくれる文学誌がなく、鬱々とした日々を送っている。そこにやってきたのは編集者・江木。以前一度だけ宇田の作品を認めてくれた。しかし、江木が持ってきた仕事は彼への依頼ではなく、時代小説の売れっ子笠間のゴーストライターであった。。病気のためかけなくなった笠間の穴埋めである。純文学志望の宇田は大衆文学に汚れたくないと拒む。江木から一度だけ、しかも、多額の報酬を打診され、しぶしぶ代筆を始める。宇田,江木,笠間それぞれ誰も利益を得、誰も損はしないはずだった。しかし、回を重ねたことによって、転落が始まる。

清張の作品には、文学青年(くずれ)や市井の考古学者なんかがよく登場する。本流にいこうとしていけなかった人たちには私も哀愁を感じる。

宇田は自分と全く文体も理念も違う人間に成り代わって文章を書いていた。そのうち、自分本来の個性に戻れなくなってしまった。それは、なんとなくそういう気がする。

シュレ猫文章クラブで聞いたのだが、プロの作家の中には、自分の書きたいものは全くなく、(編集者が)なんかテーマをくれれば、それについて書く、いうタイプがいるらしい。かなりマイナーな部類の人だと思うが、にわかには信じられない。自分で表現したいものがあるから作家になるんじゃないのか? 不思議であるが、ゴーストライターをもっと「前向き」にやるとそうなるのかもしれない。

現代においては、小説はそれほど大きな力は持っていないし、笠間のように支えなくてはいけない大作家ももはや皆無であろう。笠間がダメでも、他に代替物はいくらでもいるというのが今の文壇だと思う。この設定では、笠間が書くよりも宇田が書いた方が良いというのだから、昔からそうだったのかもしれない。

江木タイプの編集者は、そこいら中にいる感じはするけれど。

TV番組の「世にも奇妙な物語」でもゴーストライターの話が出てくる。

これまた売れない文学青年の母親が交通事故に遭う。その加害者は老年に差しかかった高名な小説家。その青年は事故のことを口外しない代わりに自分の名前で小説を書くように言う。初めは拒んでいた小説家も仕方なく代筆をするようになる。青年は一躍有名作家になる。しかし、それは老年小説家の死とともに終わる。自分で書かざるえなくなった彼の小説は全く売れなくなって忘れ去られてしまう。数年後、ある地方の文学賞授賞式。そこには、彼が立っていた。どん底まで行って、文章修行を重ねた日々を語る。どんな賞よりもこの受賞がうれしいと語る。

どちらもフィクションだが、文学の世界には実際に魔物が住んでいるのだと思う。

* * * * *

清張作品を読んで気になるには

「男も50になると老境にさしかかり、嫉妬や欲などはもうないのかもしれない」
とか

「その女は35,6歳に見え、若いときはかなりきれいだったと思われるが、目の下に弛んだ皺があり、やはり年相応に思えた」
とか

の表現である。今と3,40年前とでは、年齢の感覚が干支一回り以上違うんじゃないかと思う。

まあ、私も幼少のころは、50歳のおじいちゃん、と思っていたけれど。


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藤原正彦

【この人物のオモテとウラ】藤原正彦

藤原センセのエッセイは『若き数学者のアメリカ』からすっと読んでいる。
『数学者の言葉では』に収録されているコロラド大学での彼の教え子「ハナのこと」は、丁度私自身専攻のことで悩んでいたときだったので、心に沁みる話だった。
(ハナは博士課程で数学者として生きるかどうかの問題だったので、学部で戸惑っている私とはレベルが違うのだが)

授業を受けたことはないのだが、藤原センセは書籍を通じての心の師である。なんて、アマサイ読者なら「むちゃくちゃ師匠を多いやっちゃな」とつっこっみを入れたくなるだろうが。

そのセンセが右とも見間違う『国家の品格』などでブレイクするのはちょっと複雑である。

武士道のことはだいぶ以前からおっしゃっていたのですけれど。

語学については、英語だのドイツ語だので独り言をいうのが練習法だとラジオインタビューで答えていました。

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書談:準素人のための素粒子物理学

↓これを書店で見て、素粒子物理学を勉強したくなりました。
因みに表題の準素人とは、純然たる素人、物理を知らない人が素粒子に深い興味を抱くわけもないので、物理の素養がある、あるいは自学自習している程度の素人という意味です。

Soryusisikumi

■『よくわかる素粒子の基本と仕組み』
(How‐nual図解入門 Visual Guide Book) 高エネルギー物理学と巨大研究プロジェクト著者:横山 広美
価格:\1,680 (本体 : \1,600)
出版:秀和システム
発行:2006.3
bk1

で、財布を見たら、そんなになかったので、ブルーバックの棚に行った。素粒子と言ったら南部陽一郎でしょう。ってなわけで

Qauknanbu

■『クォーク 第2版』素粒子物理はどこまで進んできたか
著者:南部 陽一郎
価格:\1,155 (本体 : \1,100)
出版:講談社ブルーバックス
発行:1998.2
bk1

ああ、これ1版買った覚えがあるよ。その当時の私には難しかった。今でも南部は非専門書の中の基本書だーねえ。

しかし、私も物理学徒の端くれ、専門書も読んでみたい

Soryusiphysic

■素粒子物理学
(裳華房テキストシリーズ-物理学)
著者:原 康夫
価格:\2,940 (本体 : \2,800)
出版:裳華房
発行:2003.7
bk1

ホントはファインマンの素粒子物理学読みたいんだけど、計算カリカリはしてられないから。これがさぁ、一番数式少なかったわけよ。今まで全然注目してなかったけど、裳華房テキストシリーズ、いいわぁ。


買っちゃったけどさ、いつ読むんだよ>自分
時間ないじゃん。
でも、余裕がなければないほど、本分とは違う勉強したくなるんだよね。

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皆まで言うな!

某掲示板へのレスとして書こうと思ったが、ちょっとした「動乱」でタイミングを失ってしまった。今は沈静化されたけれども間が悪いのでここに書くことにする。折角だからだらだら書こう。
(^^)

T_NAKAさん

竹内 薫『99.9%は仮説』http://www.bk1.co.jp/product/2645250
竹内一郎『見た目が9割』http://www.bk1.co.jp/product/2603174
が並んで陳列してあって個人的にうけてしまった、と書かれていた。

本のタイトルをつけるコツとして、

ええっ、ほんと、そうなの?
ええっ、なに?どういうこと?

と思わせるのがいいと思う。素人考えだけどね。

仮説本はその定理?を活かしていると思う。

ええっ、じゃあ、ほとんどのことが仮説ってこと?

という驚きがある。手にとってみようと思うじゃないか。

それとは反対に

皆まで言うな!

というのがあると思う。それが『見た目本』だと思う。

このタイトルをみて、ええっ、とか思うだろうか。ないと思う。考えるとしたら、やっぱりね、だと思う。誰だって見た目から入るでしょう。それに9割っていうのもあまり意味がない。驚きがない。

それで思い出したのが、80年代に書かれた女性観の翻訳本である。キャリアウーマンとかいう言葉が開発されたころである。まあ、仕事に生きる女性たちの姿が書かれたものらしいですな。ですな、というのは読んでいないからです。うーむ、別に読む価値ない。だって、タイトルでだいたいわかっちゃうから中身。
例えば、


『いい男はみんな結婚している』http://www.bk1.co.jp/product/234582

。。。。
をいをい、こんなの誰が買うんだよ。
そんな絶望的なことタイトルにするなよ。(^^;)

きっと結婚に幻想を抱くと失敗するって意味でしょ。

だからさ

皆まで言うな!


こういうのもありました。

『賢い女の愚かな選択』http://www.bk1.co.jp/product/422362


語呂がいいですね。
高学歴でキャリアを積んだ女性はなぜか、恋愛、結婚で大きく躓くという内容らしい。
いや、別にsachiさんのことだとは誰も言っていないですから。
最良のパートナーを見つける方法でも伝授してくださるなのだろうか。大きなお世話である。
佐藤 綾子訳の時点で私は読みませんが。

これは、やはりタイトルを見てドキッとする女性がいたんですかねえ。

でも賢い女は賢い選択をする場合があるし、
愚かな女でもいざとなったら、どうでしょうねえ。

内容はともあれ、ちょっと女性を貶めるようなニュアンスを含んだタイトルだと思います。


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ブルーバックス回収・絶版の件

講談社のページ:緊急のお知らせ
「...女性たち」だけでなく「忘れられし論文」まで絶版・回収になってしまったようです。
以前の投稿で、結果が出たらアマサイもなんか書くよと言いました。以下は実名で登録
しているMLに投稿したものです。そのお約束を以下に代えたいと思います。
科学と科学史を愛する者としてアマサイは心底悲しいです。。。
------------------------------

安満採@メーカー知財部です。

私のブログで「...女性たち」の方を紹介したところ関係者らしき方から2月某日に
「本書に無断引用が多いのご存じでしたか」
なる主旨メールが来ました。
私は科学史を学んではおりましたが、専門家でも教員でもありません。
当初はそのような一読者に告発?とも言える文書を送られて困惑しておりました。
また、普段は連絡掲示板とかしているこのMLがこのような問題で投稿が増え、盛り上がるのも複雑な思いで眺めておりました。
(失礼ながら皆さんの投稿は詳細には読んでいません)

工作舎さんがこのMLも含めネットを通じて講談社への抗議を促すというのもいかがなものかと思います。工作舎さんは、被害者と言っていいのかもしれませんが、伝統ある【企業】なのですから、もう少しスマートに対処していただきたかったと思います。

そしてまた、伝統ある講談社ブルーバックスシリーズから2冊も回収、絶版が出るというのは科学ファンにとって悲しい限りです。
どうして「忘れられし論文」の時に気づかず「...女性たち」に至ったのでしょうか。
これは著者というより、講談社の出版に関する方針に疑問を感じ、怒りすら覚えます。

このような【悲惨な】結末を迎えないように、出版、著作者の方々は留意していただきたと思います。

安満 採
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書談:『太平記 鎮魂と救済の史書』

■『太平記 鎮魂と救済の史書』
著者:松尾 剛次
発行:中公新書
出版: 2001.10

http://www.bk1.co.jp/product/2086907

季節の変わり目、自律神経がへろへろのアマサイである。昨日も朦朧としたまま午後出勤いたしました。

また、太平記に興味を持ち始めました。平家物語と違って、こちらは一般向けの啓蒙書があまりありません。学術・研究書とかは当然あるでしょうし、モチーフとした小説もそこそもあるようです。

で、本書は唯一と言っていいほどの新書。

よくまとまっていておもしろかったです。最終章の作者の話は、あまり興味が持てないのでさほど読みませんでした。太平記の世界をディープにわかっていくと重要な項目なのかもしれません。

太平記はよく首尾一貫性がないので、複数の作者の作品だとか、出処が怪しまれております。それは後醍醐帝が怨霊となって出て来る章をさしております。井沢元彦の逆説の日本史シリーズの愛読者としては、やっぱり、というか、未だになのか、という感想を持ちます。というのは、井沢氏が学者でもないのに歴史書を書くのは「日本には怨霊信仰が明確にあるのに、学者は一切それを認めようしない」からなのだ。まだ日本の史学界はそんなことやっとんのかな。あほやなあ。

松尾氏はそんな第一部:儒教的道義論、第二部:仏教的因果応報論、第三部:怨霊世界観は一貫しているものだと説く。また、太平記が鎮魂であることは周知の見解だと思っていたが、そう説く人も学界ではメジャーでないらしい。形は変わっても平家物語と同等と思えば納得がいくことだと思うが。

ところで、室町時代がおもしろいのは、太平記時代後、せいぜい日本国王義満まである。その後はどんよりどろどろ、籤引き将軍が暗殺されたり、応仁の乱に突入したまま戦国時代に入ってきて歴史書なんか読んでいてもくらーい気分になってしまう。

太平記の平和祈念は効力がでなかったらしい。これも崇徳帝と後醍醐帝のダブル呪いのせいでせうか。

[引用不明瞭につき改訂予定]

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大江秀房氏の著書について

私が感想を書いた
『科学史から消された女性たち』大江 秀房著

中村桂子監訳『お母さん、ノーベル賞をもらう』(工作舎、1996)
「10人の女性ノーベル賞受賞者」
(無断)借用が非常に多いとのメールを10日ほど前にいただきました。

抗議文が工作舎さんのHPに載っているそうです。
(03年ベストエッセイ集『うらやましい人』に収録)
http://www.kousakusha.co.jp/KEC/mp071.html

当該HPは読みました。

しかし、この事実関係、アマサイは確認できておりません。
うーん、確認するには、当該元本を購入して読み比べねばならないです。
大江さんの本を実費で買って、素で「ああ、おもしろい本だなぁ」と思った一市民が、そこまでする必要性があるのかなあ。別に無いような気がする。

サイエンスライターとか科学史を専門とする学者であったらなら、少しは考えた方がいいかもしれない。

送り主さんも
「(無断)借用が非常に多いこと」
とおっしゃっているだけで、盗用とまでは記していない。

非常に悪質なまでの無断借用が多いと判明したら、アマサイも何かブログに表示します。

故に、本件関して事実関係が明らかでない以上、アマチュアサイエンティストブログ及びその家主たるアマサイは、中立の立場です。

だから、本件を記載した記事をアマサイの記事にトラックバックを打ったり、引用したりするのは止めてちょうだいね。これは、お願いです。トラバはこちらで削除できるけど、引用はこちらで解析しきれないから。

これをしっかり検証してくれる人がいるといいんだけど。
どうですか、雨崎さん

※昨日まで手紙の文面を載せていました。ごめんなさい。著作権に触れるのでは、とご指摘いだきました。そ、そうだよね。知財人にあるまじき失態(-_-;)。雨崎さん、ありがとう。

まっ、とにかく『人気blogランキング』の方は1日1回ぷちっとな。宜しくお願いいたします。【押す】
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書談:さいとうたかを『太平記』

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■『太平記』上・中・下
 マンガ日本の古典 18,19,20(中公文庫)
著者:さいとうたかを
税込価格 : \620
発行年月 : 2000.11

同シリーズの『平家物語』、『吾妻鏡』ときて、『太平記』まで読んだ。
何れ、吉川英治の『私本太平記』を読むつもりである。
『新・平家物語』もな(と以前のエントリに書きました)。

登場人物が多く複雑な物語である、というのは噂通りであった。劇画なので、それでも間引いてあると思うのだが。

足利尊氏はしょうがないと思うのだが、後醍醐天皇までやけに毒々しい。まあね、在世中には立川流っていう怪しげな信仰をしてて、死後は怨霊になって後世まで化けてでるんだから、この形相が正しいような。

実は尊氏ももうちょっとさっぱりした印象があるのだが。当然、大河ドラマの真田広之の影響である(好感度の高い彼が悪漢ぽいサムライを演ることで話題になった)。そういえば、天皇も片岡孝夫だったね。うーむ、15年前かぁ。

すげぇーよ、こんなの作る人いるんだね。
太平記大全

合戦モノなので、いくさシーンが多い。当たり前である。さいとうたかをは、あとがきに合戦モノこそ、劇画にふさわしいの自賛していらっしゃる(映画化したらそりゃ、いくらあっても足りないであろう)。確かに戦場ごとにアングルや人物を細かに書き分けている。さいとうプロダクションの威力を見たり。

まあ、多くの女性読者には、そんなのどうだっていいんですが(そもそも婦女子は太平記好きじゃないと思うんですが)。
側室の阿野廉子(後村上・恒良・成良らの母)がやけに政に口を出すなって気はしました。皇子はたくさんいるんだから自分の子供を天皇にするのは命がけですな。

対立に次ぐ、対立、平穏な時など丸でない。それは義詮が二代将軍になってからも終わることはない。乱世突入の中、鎮霊、平和を願って「太平記」と名付けられたのがよくわかる。

こっちも並列で読んでいる。
『マンガ日本の歴史 19 南北朝動乱のなかの京と田舎』
石ノ森 章太郎著/出版:中央公論社/発行年月:1991.5/

『ドラゴン桜』で「古典はまずマンガで読め」という指針があるらしい。マンガはおもしろいから読むのである。それでいいじゃないか。

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書談:『科学史から消された女性たち』

ニューホライズンというと英語の教科書を思い出してしまう昭和某年製造のアマサイです。

マスマテカ嬢のお勧めもあって、これ読んでいます。

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書名:『科学史から消された女性たち』
著者:大江 秀房著
出版:講談社ブルーバックス
発行:2005.12

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アマサイはこの手のもの避けていた節があります。女性科学者の業績だけピックアップしても、科学史の全体像はわかりらないですし(数が少ないので当たり前ですが)、社会学(女性学/ジェンダー論)の人のバイアスがかかっているようで好きになれなかったのです。

それは極端な指向性であり、正眼視にかけるというのはわかってはいたのですが。

まだ、一章しか読んでいませんが、いい感じですね。
大江さんの『早すぎた発見、忘れられし論文』もわかりやすくてよかったです。ブルーバックスのマジョリティな読者を理解している気がする。

一章は、女性科学者と言えば、この人ロザリンド・フランクリン(1920-1958)。

1940年代当時新規技術だったX線回折技術をパリ大学で習得し、その道のエキスパートとなる。ロンドン大学のランドル教授の研究室で特別研究員として招聘される。ここでDNA二重らせんの撮影に成功する。ワトソンとクリックはこの写真を不正な方法で取得し、論文を書いたと言われている。彼女の功績がなければ、彼らは二重らせんの発見者になることもノーベル賞を得ることもなかった。ロザリンドは、その後研究室を移り、37歳で亡くなるまでポリオウイルスの研究に尽くした。ワトソンが自著でロザリンドを貶めるような描き方をしたのは有名な話である。

一言感想。

ワトソン、きっさまぁ~、むちゃくちゃ汚いやんけ!

である。

まあ、なんか元々強欲な感じがするよな。面構えからして(これは単なる偏見だな)。

昔、この話を聞いたとき、ワトソンってやつは名誉欲が異常に強く科学者の典型だなと感じたのを思い出した。ああ、そうだ、この手の話は読んでいて不愉快だったから、遠ざかってしまったのだった。

先日、松本清張氏の「古代史は情報量が少なすぎて、実体がよくわからない。現代史は情報量が多すぎてどれが本当かわからない。わからないという点ではどちらも同じでだからこそ作家の想像力を発揮する余地がある。」の言葉が紹介されていた。

この章を読んで、同じことを思った。個々のことは、私が聞きかじったこととは微妙に違うので、あれ?と思うことが少なからずあった。DNA第3の男、ウィルキンズの立場、言動などはそうである。

まあ、この辺が違ったとしても、

ワトソン、きっさまぁ~、むちゃくちゃ汚いやんけ!

というのは変わらない。

ロザリンドが不幸な女性科学者だと思わない。寿命は天命である。長生きが無条件ですばらしいわけではない。彼女がノーベル賞級の仕事をしたことを認めない者はこんにちではいない(皮肉なことにこれはワトソンが自著で彼女を悪役として登場させたことによって、知名度を高めてしまったのだ)。最後まで研究に情熱を燃やし、充実した人生だったに違いない。

そして、彼女の跡には真理の探究を後継する者が生まれ、このように語られることによって、多くの女性を勇気づけているではないか。それは先駆を拓いた彼女の願いではあったと思う。

ってな具合に、一人づつ感想をアップする、予定ではありませんが、気づくことがあったら二章以降も感想を述べます。

『ジェンダーと科学-プラトン、ベーコンからマクリントックへ -』
これも持っているのですが、ちょこっとしか読んでいなかったな

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書談:『人間主義の大世紀を』

■『人間主義の大世紀を-わが人生を飾れ-』
著者:J・K・ガルブレイス/池田大作
出版:潮出版社
発行:2005年9月


ガルブレイスの著書は、書店であまり見かけなくなった。彼は90歳を越えているとはいえ、近年でも旺盛に執筆活動をし、それらは邦訳もされている。しかし、あまりメインな位置に平積みされていない。この度『不確実性の時代』を再読しようと思ったが、講談社文庫では品切れ絶版状態であるようだ。あの名著を増刷しない出版社の気がしれない。

彼の経済思想はもう枯れたものなのであろうか。そんなことはない。むしろ、21世紀こそ彼の至言が必要なのである。本著を読めばそれが理解される。

「国際貿易や経済関係を否定するつもりはありません。しかし、それは文化的関心情報に比べれば、まったく二次的なものだと思うのです」

「文明社会にとって、最も大切なものは何か、それは他の人々、そして人類全体に対して、深い思いやりをもつ人間の存在です」

「多くの人々、とくに青年に忘れてほしくないのは、現代世界の多くの悲劇的"死"は貧しい国々で起こっているという事実です。富める国の青年は、こうした現実への責任を自覚してほしいと思うのです」

この対談を要約するならば、これらの言葉に代表される。対談相手であり、共著者である宗教家の池田氏に合わせて、人道主義を並べているわけではない。著名な経済学者であり、米国の政府のブレーンを歴任したケネス・ガルブレイスと一介の庶民出身の池田大作とは人間主義という点で哲学のすべてが一致しているのである。

ガルブレイス「大衆と特権階級という分断は、現代の政治につきものですが、政治家には、ごく一部の幸福な人々の側ではなく、大多数である大衆の側に立ってほしいと強く願っています」

池田「今の世の中は、多くの場合、反対です。常に大衆と共に-それこそ、すべての政治家が絶対に忘れてはならない原点です。下の立場の人を見下すのではなく、反対に支えていくのが指導者です」

また、ガルブレイスは経済学を経済学としてしかみない同業者に怒りすら感じているようだ。

「経済学が現実離れして見られるのも、多くの経済学者たちが、古い理論にいつまでもしがみつこうしているからではないでしょうか。そのために、"現実世界が融通のきかない経済学理論に合わせられてします"という現象が起こっているのです」

哲学者である池田氏は、その孤独な経済学者の苦悩に万全なる答えを持っている。

「(アルフレッド・マーシャルの言葉「冷静な頭脳と温かい心」)その両者を兼ね備え、社会の苦悩を救っていく人材を育てていくためには、根本に哲学が必要です。さらにまた、「何のための学問か」「英知を磨くのは何のためか」と常に問いかけてゆく、強靱な精神闘争が不可欠だと思います」

そして、この二人の巨人の最も多くを語り、人々に伝えたいのは真実の平和である。アジア諸国及びアメリカの現状を細かく分析し、個々への解決策が語られている。これらがなければ、人間主義は虚妄となってしまうであろう。ここでも、政治外交のエキスパートである経済学者と民間外交に尽力してきた哲学者との言は一致しているのである。

ガルブレイスの著書が書店に並ばないわけ、すこし理解できるような気がする。人々は恐いのではないだろうか。金に踊らされている自分たちを正義の経済学者がしっかりと指摘していることを。真実の経済学は、真実の人間哲学であることを認めるのが。

21世紀になってなおも複雑に交錯した現実社会を私たちは生きねばならない。本著は、その指針となる著書である。私たちは経済に見合った幸福と平和を手に入れ、人類全体で共有しなくてはならない。

安満 彩(科学技術アナリスト)

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東野さんの受賞について

また、東野圭吾受賞ネタですが、森山和道さんからご質問があったようなので(別に個人的にご指名されたわけじゃないが、ファンに言っているらしいので)。

「そういやって、今年の直木賞は『容疑者Xの献身』で取ったんだっけ。あれはお仕事で読んだしそれなりに面白かったけど、直木賞のレベルなのかなあ。ファンの人から見ても、あれがベストだとは思えないんじゃないだろうか? 直木賞はほんと、「そろそろこの人にあげたらどう?」で出してるとしか思えない。まあ出版業界からすれば何だって良いんだろうけれども。」

あんまし、文学/文学賞のこと知らなかったんだなあ、森山さんって。

直木賞は作品っていうより、その作家の功績に与えるって言われてるんだよね。まあ、芥川賞もそうだけど、直木賞はよりその色が濃いと言われている。「そろそろこの人」にって言い方はずれてはいないんだけど、ちょっと失礼だよな。そうなるとあげなくちゃいけない作家もっとたくさんいるわけだし。東野さんは下馬評では大穴って言われてて、こんどもダメかと思われていた。やはり、今回取れたのは過去の作品がよかったのに加えて『容疑者Xの献身』が優れた作品であった証拠だと思う。それにさ、直木賞レベルの作品ってどういうことを言っているのかな。音楽賞とかも同じで、ライバル、他の作品もあるわけで候補作の中で一番優れていたってことでしょ(その人にとってベストで、候補中でベストだったら言うことないはな)。じゃあ、今年の候補作が全部、直木賞レベルじゃないってことになるよ。それを言うなら、誰々の方がよかったんじゃないの、と言ってほしかったですよ。

「出版業界からすれば何だって良いんだろうけれども」っていうのは文筆業をしている人の言としてはいかがなのものなのかな。そういう中途半端な言い方はしないでもらいたい。批判するなら批判するでもうちょっと緻密してもらいたい。森山さんの日記は影響力強く、広いと思うので。

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東野圭吾、直木賞受賞!

やったー!まじうれしいっす!


東野圭吾さんが

直木賞受賞しました。

私が受賞したわけじゃありませんが、感激です。

東野さん、おめでとう!!

10年近くファンでよかった。

絶対いつか取ると思ったが。

今回なんか大穴とか言われて不安だったんだが。

東野さん、本当に本当に

おめでとう!!!


これからもいい作品をどんどんばかすか書いてくれーー!!

・毎日新聞 直木賞 東野圭吾

追記
ただいまみなさんと喜びを分かち合っています。
まいねさま  blog
パンダ大元帥さま blog
さとみさま 「やっぱり物理がすき」
niwaoさま 30 on the spot
ちょろいもさま blog
とむ影さま 海の底の昼下がり

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書談:『物質をめぐる冒険』

『物質をめぐる冒険-万有引力からホーキングまで』
竹内薫著 NHKブックス 2005年11月発行

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本書を物理啓蒙書、あるいは科学解説書として読んではならない。読者が物理学史の中で思想を見いだせるように著者が案内をしている。それが本書の正体である。

ニュートンやマクスウェルによって世の中の事象からモノ観が確立される。その後、アインシュタインの重力場理論によって、モノからコトへの大転換が行われる。相対論と量子論が現代の物理観を確立したのは疑いのないところである。そして、近年は、超ひも理論やループ量子重力理論によってモノ観はほとんど消滅し、コトでなくては物理は語れなくなった。また、すでにコトさえも通りすぎて、メタフィクションの世界に突入している。これほどダイナミックに思想が転換した分野が他にあるだろうか。いや、これは、物理学固有の理論を展開しているのではない。私たち自身とこの世界がモノからコトへそしてメタフィクションに変換しているのである。

著者は「はじめに」と「おわりに」に大学時代に出会った友人の死と哲学者大森荘蔵の言葉を綴っている。

「人が死ぬとモノとしての人体はなくなるが、その人が生きていたコト、言いかえると、その人の生き様は残る」と。

人間は400年近くに及んだ科学革命を経てようやく生老病死の実体に近づいているのである。本書は、メタフィクションの時代に人はいかに生きるか、を問いかけでもある。

(553文字)

安満 彩(あま さい・科学技術アナリスト)

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書談:『あした天気にしておくれ』

AshitaTenki
■あした天気にしておくれ
著者:岡嶋二人
出版:講談社文庫
発行:1986年

あらすじ
名馬セシアが事故により骨折する。関係者はそれを隠蔽するため、誘拐事件に仕立て上げる。「犯人」は身代金を手に入れられないためにセシアを殺害する、という筋立てで万事うまくいくはずであった。しかし、関係者以外から「脅迫状」が舞い込むことにより急展開する。

岡嶋の処女作を読めて幸せである。デビュー作は乱歩賞を取った『焦茶色のパステル』でこれは、その前の年の候補作なのだそうだ。

秀作と誉れ高い本作品、同じトリックの前例があるという理由で受賞し損なったそうな。トリックには先使用権も著作権もないだから、別にいいと思うが。

あらゆるところに複線あり、という感じで楽しめる一品。

でも、競馬とか馬とかに興味がない私にはわくわくどきどきではなかったなあ(私がミステリーに慣れてきたせいか)。映像化するとまた違うのかもしれない。予期せぬ脅迫状のとこなんかスリリングである。ああ、もう馬券の販売方法が違うんで、映像化はできないか。そんなことよりJRではなく国鉄、国鉄と連呼していることが昭和だなあと思った。

それだけが違うだけで、『コンピュータの熱い罠』でも書いたが、全然時代性を感じないとこ岡嶋作品のすばらしいところである。著者自身が書いているように、二度読んでも楽しめる。

トリックはミステリの素材であって、本質ではない。ストーリー展開、人物描写こそ、ミステリがエンターテイメントである所以である。

最後の二重、三重のどんでん返しはまさに人間模様である。

* * * * 

「わ れ こ そ は た ま ず さ が お ん りょ ー」
が何かやっと分かりました。

八犬伝は昔辻村ジュサブローの人形劇だったのですねえ(年齢限定話題)。
最初から見ていたわけではないので、背景設定がわからなかったのです。

♪いざとなったら玉をだせ、力があふれる不思議な玉を。
と坂本九が歌っていました。

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書談:『さいえんす? 』

■『さいえんす? 』東野 圭吾 (著) 角川文庫
amazon

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JR駅構内の書店に行ったら、新刊として平積みされてました。文庫オリジナルなので知りませんでした、

エッセイですね。『ダイヤモンドLOOP』とか『本の旅人』(←多分角川のPR雑誌でしょう)。
えっ、私LOOP取ってたけどじぇんじぇん気づかなかった。

東野さんが好きなら文句無く読めます。『あのころ僕らはアホでした』のノリです。東野さんを知らなくても問題ない。理系作家(←めっちゃ嫌いな言い方だけど)、つまり、数字に強いだけでなく、ブンガクもできる人の頭の構造を見てみたかったら、読むとよろしい。

さくさく読めてしまうので、特に解説は必要ないのである(パーソナルゾーンの話は知っている人は知っているのでしょうけれど面白かったです)。

因みに最後の「?」は他社から出たエッセイ『ちゃれんじ?』に模したのであろう。

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東野圭吾、このミス一位!

東野圭吾『容疑者Xの献身』
が2005年度のこれミス、『このミステリーがすごい』に一位になりました。

おめでとぉーございます。

偉いぞ圭吾。
さほどミステリファンではない、アマサイには、本誌の威力がイマイチわからないのだが、すごいことに違いない。この調子で次期の直木賞捕れないかなあ。
また候補歴更新か。

****

『世界ふしぎ発見』のアインシュタインよかったです。日本滞在記に絞ったのが「勝因」でしたね。あれほど日本と日本人を愛していてくれたなんて感激です。ヒロシマ・ナガサキのショックはいかほどのものであったでしょうか。誰も推し量ることはできません。
あれで、アルバートくんのファンがまた増えるのでは?
でも、世界物理年あと10日で終わるんですけど。なぜ今頃放映なのだ。

世界物理年のシンボルマーク初めてテレビみたような気がする。

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書談:『ロシアの科学者』

『ロシアの科学者 -ソ連崩壊の衝撃を超えて -』

rosia-kagakusha
著者:小林 俊哉〔著〕
価格:\630
出版:東洋書店(ユーラシア・ブックレット)
発行:2005.10
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所謂ブックレットという100ページ未満の小冊子である。学術レポートといった感じで取り分け面白いわけではない。だが、科学史家もどき(がんもどきのようなものである)のアマサイとしては、一応目を通しておかねば、と思った次第。

副題はでかいが、そんなに凄いことが書いてあるわけではない。このタイトルに見合う書物を書くと相当な大著になるであろう。日本語では需要と供給から言ってかなり高価になってしまうなあ。

ソ連崩壊後、結構な数の科学者に日本に職を求めてきたというのは知らなかった。筆者・小林氏はそれをロシア科学者の「避難所」と呼んでおり、日本の学界のニーズとマッチして有効に働いたと書いている。

何ともネガティブな言い方で腑に落ちない(だって、ひ・なん・じょ、だよ)。またとない頭脳流出・流入なのだから、日本にとっても彼らの有効利用があるのではないか。最もロシア科学者の流入先大手は、米国、イスラエルなのだから仕方がないか。ロシア本国でも、「元々ソ連は科学者が多すぎた。科学者として不適切な者は、転職するか、海外に職を求めた方がよい」という意見があるそうだ。
(後日、本書の引用を加え補正予定)

えっ、じゃあ、日本で働いている科学者って。。。

小林氏は、ソ連の科学及び経済は、
1945~1960年代 発展期、
1965~1985年 衰退期であり、
現在は衰退期を脱し、再び発展に向かっていると述べている。

アマサイは、科学・芸術・文化は何らかの抑制・限定の中で発展し、それらが抑制・限定が過度になると衰退するが、嵌めをはずすことによって以前よりもさらに充実するのではないかと考えた。ちょっと乱暴な議論ですかのう(^^;)。日本の江戸鎖国時代から開国明治、暗黒の昭和戦前を迎え、戦後の発展と模したのである。ここまでは、ソ連とのアナロジーが使えるが、そのさらに後、自由を満喫した後、科学は如何に発展するか。つまり、平成の日本で、科学はどのように変容し、どのような結果をもたらすか、興味深いことである。

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書談:『コンピュータの熱い罠』

『コンピュータの熱い罠』
著者:岡嶋二人
出版:講談社文庫
単行本発行:1986年、カッパノベルス

事実上、品切れだった講談社文庫の岡嶋二人作品が次々と増刷されている。めでたい、めでたい。

[あらすじ]
夏村絵里子はコンピュータシステム会社に勤め、とある結婚相談所のデータベースを担当している。ある日、そのデータを照会させてほしいと名乗る中年女性が現れる。彼女は、翌日何者かに殺されてしまった。絵里子は、その原因をデータベースに求める。次々と浮かび上がる不審な人間関係。絵里子は、遂にその元凶を突き止める。彼女が見た「犯人」とは。

当時のコンピュータ事情が記されていて、それだけでも私にはおもしろかった。

ディスクとかテープとか旧式コンピュータの用語が出てくるが、20年前に書かれたとは思えないほど、現代に通じるテーマである。個人情報管理は、先頃本格的に法制化されたばかりではないか。

あんなにうまく複数の人間を殺せるものか、と思うが、たぶん、執筆当時クローズアップされた事件から情報を得たのであろう(どういうものかはネタばれになるので記さない)。

よく、この手のミステリは、人間の掘り下げ方が浅いというが、その批判は場違いである。この小説のテーマは情報化社会なのだから、社会派小説として評価するべきである。

と言っても、ミステリとしてよく人物が描けていると思う。特に、主人公の絵里子は、コンピュータ技術者という当時あまりいない女性職業人の一面と、いわゆる普通のOLの側面が、無理なくストーリーに活きていた。あまり比較したことはないが、岡嶋は、男性作家の割には、女性を描くのがうまく、小説における女性主人公の利点をよく理解している。
この前読んだ『どんなに上手に隠れても』でもそう思った。

理系作家という変なカテゴリがあるが、その類で行けば、岡嶋は理系作家(理系ネタをメインにしている点において)か?それにしても現代の理系作家と呼ばれる人たちは、専門分野を深めすぎていて、学術界の悪しき細分化を文学界に転移させているような気がしないでもない。理系でも文系でも作家になった限りは、まずは"ブンガク"を習得してほしいものである。

Biblo Styleさんのこのページが岡嶋作品を手際よく紹介している。

昨日は、4位を確保したのも束の間、またセキララ助教授の下位となってしまいました。っていうか、sachiさん、セキララ、アマサイの科学屋御三家(素人だけど無理矢理アマサイも入れる)全般的にポイント数落ちています。
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書談:「平家学」のお勉強

過去のエントリで触れたように、平家について学んでみようと思ったアマサイである。別に学術研究をするわけではないので、主に新書を中心に。

●『平家の群像』(塙新書)
安田 元久著 出版:塙書房 発行年月:1973
・ジュンク堂に行って探したらこれが一番手頃でいい感じ。「はなわ」書房とは余り聞かないが、国史、文学なんかを扱っている出版社。

●『平家物語 内から外から』(新日本新書)
 正木 信一著  出版 : 新日本出版社 発行年月:1996.12
・これも手頃。

●『平家物語の虚構と真実』 上・下 (塙新書)
上横手 雅敬著 発行年月:1985.11
・ちょっと私の趣味に合わなかった。タイトルはハッタリと思う。そんなすごいことが書かれているわけではない。

●『平家物語を読む-古典文学の世界-』 (岩波ジュニア新書)
 永積 安明著 発行年月:1980.5
・買った覚えがある。

●『平家物語 あらすじで楽しむ源平の戦い』(中公新書)
  板坂 耀子著 発行年月:2005.3
・これは、読んだ。ブログにちょっと書いた。良書だと思う。

●『男は美人の嘘が好き -ひかりと影の平家物語-』
 大塚 ひかり著 出版:清流出版 発行年月:1999.3
・まいねさんご推薦。

●『往生の物語 -死の万華鏡「平家物語」-』(集英社新書)
林 望著  発行年月:2000.6
・今度、本屋さんで探してみる。

●『実は平家が好き。-目からウロコの「源平」、その真実-』
(ダ・ヴィンチ特別編集)三猿舎編
 出版 : メディアファクトリー 発行年月 : 2005.6
・大河狙いの特集本。悪くはない。でも、内容は少し薄い。

平家物語自体あるいは現代語訳は入れていません。
現代作家が翻案したもの(宮尾登美子とか吉川英治とか)も入れてないけど、よいものがあったら教えてください。上記のノリ解説書みたいのも同様に。

* * * * 

昨日のアクセス数400以上あったらしい。たぶん、カウンタ設定以来最高/日である。何が起こったのか。ってアマサイがここから誘導したんだっけ(^^;)。だって、元ネタ提供はアマサイだもんなあ。ソースは明らかにしておかないと。

snoopy1109


「アマサイの部屋は汚いから帰りたくない」と主張し、母のうちに居座るすぬー。アマサイのうちに来た初めてのすぬーなので、『兄すぬ』と呼んで欲しいと本人が希望している。


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書談:『ホーキング、宇宙のすべてを語る』

■『ホーキング、宇宙のすべてを語る』
著者:スティーヴン・ホーキング、レナード・ムロディナウ
翻訳:佐藤 勝彦
出版社: ランダムハウス講談社
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まあ、読んで損はないなという著書である。宇宙論の過去、現在、ちょっと未来が書かれているのは案外ない。宇宙論を何冊か読んでいる人にとっても有益だと思う。オンライン書評家が「肩すかし」と述べていたが、そんなことはないだろう。玄人は玄人として、素人は素人として得るところはあるはずだ。邦題の「すべてを」は私もうそつき!と思うが原題は"A Briefer History Of Time "なのだから、合っている!わけである。

本著だけでも満足できるし、好奇心のある人にはもっと勉強したいと思わせる、やはり良書であろう。相対論、量子宇宙論、超ひも宇宙等を深く知りたければ、それらの啓蒙書が出ているのだからお買い求めになればよいわけである。

「第1章 宇宙について考える」「第3章 科学理論の本質」は本書に重厚さを与えている。歴史を時系列に並べているだけではないのだ。一貫して、宇宙の誕生に神は必要ないよ、言っているようにも思えるのだが、深読みでしょうか。

私だけでなく、多くの人がそう思っていると思うが、
ホーキングの著作・論文をムロディナウさんが編集したわけでしょ、と。
ええ、もちろん、そうであっても、共著に違いないですけどね。

本著の最も正しい使い方は、
原著とオーディオCD(アマゾンさんで売ってます)も購入して、
英語の教材とすることである。間違いない!

序文
第1章 宇宙について考える
第2章 進化する宇宙像
第3章 科学理論の本質
第4章 ニュートンの宇宙
第5章 相対性理論
第6章 曲がった空間
第7章 膨張している宇宙
第8章 ビッグバン、ブラックホール、宇宙の進化
第9章 量子重力理論
第10章 ワームホールとタイムトラベル
第11章 自然界の力と物理学の統一
第12章 結論


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【アマサイは勝手に2005年国際物理年に参画しています】
(^_^)リンク集をここ作ってあります。

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国語教科書の中のサイエンス2/2

セキララ先生より
【面白くない】ブログとご認定いただいたアマサイです。

(まあ、アマサイが先生を「おじさん」呼ばわりしたのが原因であるが。M.K博士もクオリアおやじと命名したアマサイである。「オヤジ」「おじさん」と呼ぶとそんなに機嫌を損ねるものであるか、おじさん族は。もちろん、アマサイをおばさんと呼ぼうものなら、ただでは、すまんがのう!!!)

で、先の話は、ヒットアニメのみつばち○ッ○と同じことだよね。
あのエピソードに中で、
女郎蜘蛛が○ッ○に諭されて獲物を助けるというのがある。
ありえねえ!、ありえねえ!、ありえねえ!。
とアマサイは幼心に叫んだものである。
あれ、「昆虫物語」というのがタイトルに入っていた。
昆虫の生態を学べる、のだろうが、弱肉強食による生態系を教えなくてどうするよ。
そもそも母親蜂の探しに行くって設定がなんだか、なんだか、なんだけどね。
その点、みちばち○ーヤはよくできていました。

これが、アニメだとメディアリテラシーの学習できるが、テキストとなってしまっては、批判さえもできなくなるというわけである。

また、石原は、環境問題の教材に関して特殊なレトリックが使われているという。
「私たちは自然を大切にしなければならない。」
「私たちはできる限り自然のバランスを壊さないように考えなくてはいけない」
「私たちはリサイクルをできるように方策を考えるべきであろう」

「私たち」とは、「社会」とか「人類」とかを示している。それは即ち、政治とか国であるはずである。「私たち」と置き換えることで免責を果たしている。

さらに、このような教材には、「私たち」ととも「一人一人」という主語が使われているというのだ。先の例文の最後には
「一人一人ができることをしよう」
となっているのだ。
公的機関、権力は免責され、「私たち」「一人一人」の責任が追求されいる。

非常によくできたレトリックである。

国語教科書の思想、とあるが、科学社会学についても考察できる一書である。
石原氏は国語テキストを用いて、いくつか新書を書いている。他のも読んでみようと思う。

面白くなくてもいいじゃないか。人間だもの(アマサイ!また外したな!)。『人気blogランキング』引き続き応援お願いします。1日1回、ぷちっとな。【押す】

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国語教科書の中のサイエンス1/2

●石原千秋『国語教科書の思想』 (ちくま新書)
 http://www.bk1.co.jp/product/2599404
を読んだ。非常興味深い内容であった。
国語の教科書(ここでは主に小学校)道徳的イデオロギーが隠されている。イデオロギーが前面に出ていれば、批判したり、再考したりすることができるが、見えない形で盛り込まれていることが問題である、と石原氏は指摘している。
このことを柱にいろんな角度から国語教科書の欺瞞を掘り下げていく。

この1冊だけで、当アマサイブログの記事を3つぐらい思いついた。それだけ、様々な問題を解析している。

最も、面白いと思ったのはサイエンスの扱い方である(石原はそのようには括っていないが、重要な項目であることは確かである)。

低学年の教科書では、動物を擬人化したものや、動物を主題にしている。子供が大人より動物に感情移入しやすいといえるが、それにしても、これだけ多いのはなぜだろうと石原は問いかける。

動物物語、即ちそれは、自然に帰ろう、昔に帰ろう、という懐古主義の現れであるとしている。反語として都会生活を否定し、現代文明を否定している。非常に保守的な内容というわけだ。石原は、さらにこれらの保守的な思想に、同意できること、反対する意見に表出しないことが、これらの教材を理解し、読解力があると見なされる力が働くこと指摘している。

「自然なんかそもそも身近にないし」
「昔の方法がいいとは限らない」
と申し述べていけないのである。

強いては
「受動的で与えられた環境に対して従順な人格をつくり上げることに一躍買っている可能性が高い」である。

「共生」というテーマでは、さらに欺瞞に満ちた言葉で語られる。
1つの教材にあたかもライオンとシマウマが共存共栄しているかのように語られるものがあるという(しているとは書いていないことがミソである)。
ここで、
「どうせ、ライオンは大きくなったらシマウマを食べるんでしょう」
などとは発言できないようになっている。
なぜならば、そのような考えは、テキストを正しく理解していないから起こることだからである。

(続く)

1日1ぷち運動ご協力ありがとうございます。アマサイのようなブログにこれだけご投票いただいていいのだろうか、と思うくらい、多くの方々にぷちっとしていただいているようです。多分とある著名ブログの支持者の方がこちらも支援してくださっているのではないかと。あとは3位のセキララおじさんを1回でも抜ければ、うれしいかな。
(^^;)

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ブックバトンを渡してから

ブックバトン、考え始めると考え込んでしまうだろう。
ぱっぱと思いつくままに書いてよかった?か。

思い入れのある本には、

トーマス・クーン『科学革命の構造』

中山茂『天の科学史』(実際に読んだのはこの元本となるNHK市民大学のテキスト版なのだけれど)

をいれるべきかなと後悔した。

科学史とか、科学哲学と分野を知らないで年を重ねてしまったら、私の精神史は大きく異なったものになっていたであろう。

都筑卓司先生の本、『物理学は難しくない』とか新書/ブルーバックスを入れてしまうと、止めどなくなってしまう。
しかし、ファインマンさんの『物理法則はいかにつくられたか』は必須だったかなあ。これを面白いと思うんだから、工学部に行っても大丈夫と判断したわけだし。
理系進路ガイドブックみたいのに、進学決める前に読んでおきたい本のリストに入っていたのだ。真面目だったから、そのリストの本は全部読んだ。全部興味持てたけど、悲惨な学生生活だったな。。。一人で回想(-. -)
他に『接着の話』と半導体草創期の企業研究者の方の著作が印象的でした。

松本亨『英語と私』も結構インパクトがあった。おお、そしたら松本道弘『速読の英語』も入ってしまうではないか。こういう本は人生論としても読める。

感動した小説はたくさんあるが、思い入れとは違うものなあ。

まあ、愉快なバトンでした。とむ影さん、ありがとう。


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ブックバトンです、よろぴく(from アマサイ)

ブックバトンをとむ影さんからいただきました。
薫先生とシュレ猫文章クラブのメンバーにトラックバックしまぁーす。
活字&ネット中毒のみなさんならもう受け取られたかもしれませんがよかったら同じ質問に答えて、誰かに回してくださーい(5人じゃなくてもいいみたい)。

1. Book(s) reading right now.(いま読んでいる本)
2. The last book(s) I bought.(最近買った本)
3. Five novelists (or writer) I read a lot, or that mean a lot to me.(よく読む、または思い入れのある5人の作家または小説家)
4. Five books I read a lot , or that mean a lot to me.(よく読む、または思い入れのある5冊の本)
5. Five people to whom I'm passing a baton.(バトンを渡したい5人)

↑これが質問一覧。

↓ここからがわたくしめの回答。

1. Book(s) reading right now.(いま読んでいる本)

●フィリップ.K.ディック
 『ディック作品集 マイノリティー・リポート』ハヤカワ文庫
 ミステリ/SFを書くためのお勉強。短編集だったから。

●アメリカ探偵作家クラブ『ミステリーの書き方』講談社文庫
 こんな本が文庫であったんですね。もちろん、これも小説を書くお勉強のため。

●山崎豊子『ムッシュ・クラタ』新潮文庫
 はまってます、山崎作品。これはいいです、とってもいい。

2. The last book(s) I bought.(最近買った本)

●S.ホーキング、レナード・ムロディナウ、佐藤勝彦訳
 『ホーキング、宇宙のすべてを語る』
 今日買ったばかり、あの~原題は"A BRIEFER HISTORY OF TIME"なんですけど。それが「すべて」とは?!まあ、いい邦題とは思いますけど。h世界的ベストセラーになったのは"A BRIEF~"でしたね。ムロディナウさんは作家さん/ライターさんのようです。


3. Five novelists (or writer) I read a lot, or that mean a lot to me.(よく読む、または思い入れのある5人の作家または小説家)

●東野圭吾
 はまり続けて5年以上。ヘビィファンです。

●竹内薫
 ええ、もちろん、師匠ですから。

●山崎豊子
 最近ですが、これからはまっていくのでしょう。

●藤原正彦
 数学者さんですが、エッセイ集10冊ぐらい出しているんじゃないでしょうかね。立派な作家さんです。

●永井路子
 何れ全作品を読みます。

4. Five books I read a lot , or that mean a lot to me.(よく読む、または思い入れのある5冊の本)

●東野圭吾『白夜行』
 名作です。早く直木賞を取るんだ!圭吾!

●竹内薫『よくわかる最新宇宙論の基本と仕組み』
 昨日終わった朝カル竹内塾のテキストですから"read a lot"ですな。

●さいとうたかを『ゴルゴ13』
 "read a lot"に違いない。

●井沢元彦『逆説の日本史』
 既出は全部読みました。でもじゃまなんでだいたい捨てました。でも文庫でまた買ってます。

●藤原正彦『数学者の言葉でいうと』
 学生時代心の支えになったエピソードが入っているのですよ。作品としては『若き数学者のアメリカ』が好きですけどね。

なんか「よく読む」に引っ張られてしまった。「思い入れの5冊」と言われるとちょっと難しかったかもしれない。

5. Five people to whom I'm passing a baton.(バトンを渡したい5人)

竹内薫さん、K妻さん、マル太さん、水谷さん、真鍋氏、よろしく。


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書談:『容疑者Xの献身』

■『容疑者Xの献身』東野 圭吾著
税込価格 : \1,680 (本体 : \1,600)
出版 : 文芸春秋
発行年月 : 2005.8

bk1
-----------------------

あらすじ
石神は数学研究への思いを断ち切れないまま、高校の教員として勤めている。彼の楽しみは、ある数学理論を構築するため勉学を行うことと、アパートの隣室の花岡母娘と挨拶を交わすことである。ある日彼女たちは、殺人を犯すはめになる。そのことを知ってしまった石神は母娘を救うため壮大な計画を思いつき、実行する。このまま、誰もが何事もなく、過ごせるはずであった。しかし、その計画を崩したのは、ある人物の以外な行動であった。

うーむ、久しぶりに東野圭吾ばんざーい!と叫びたくなってしまった。柱となるトリックの綿密さ、複線の合理性、登場人物の人間性、どれをとっても過不足ない完璧なものだ。良質のミステリは良質の科学理論のようだ。うーむ、あんまり誉めているような表現ではないな。

私としては石神という人物に一番惹かれる。数学一筋だが、うちに秘めた大感情がその五体には眠っている。こう描かれると好感を持てる人物なのだが、実際はもてないでしょう。いや、自分からアプローチすれば何勝かできると思うんですけどねえ。ゴリラタイプで、頭がよくて、シャイで、っていいと思うんですけど。えっ、それはアマサイの好みでしょうって?いや、私は飽くまで阿部ちゃんなんですけど(^_^)。それにしても構築しようとしたのはどんな数学理論?東野さん、そこまでは考えていないだろう。っていうか、これはミステリなんだからそこまで書いちゃいけないな。この人なら書くかもしれん。

東野さん、以前は女性は描けない、って言っていたけど、結構うまく書いてるよね。まあ、この花岡靖子って女性もステレオタイプっていう感じがしないでもないが。物語が異質にできているかそれでいいのでしょう。『白夜行』や『幻夜』では非凡な女性が主人公でした。今思うと、あれは男性的性格を女性に移し替えたのかな。邪推ですね。。。

言い忘れましたが、ここではガリレオシリーズの湯川学が出てきます。物語では中立的立場、補完的な立場と思います。これに湯川が出なかったらのっぺりとしたメリハリのない話になっていたでしょう。

もう、とにかくお勧めです。ミステリを軽んじるつもりはない、でも、これはブンガクと呼ぶのがふさわしいと思います。

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書談:偉い技術書たち

アマサイのお仕事は、要は、自分とこの技術をわかりやすく第三者に伝えることなんである。科学技術コミュニケーターと違って対象は一般人じゃなくて、審査官という肩書きのある人たちなわけであるが。

そのアマサイに強力な味方なのは、専門書、教科書なんである。その分野の基礎的ことを把握しておかないと説明する文章は書けない。開発者でも、そういうことを知らない場合がままある(知らなくても実験とかできちゃうから)。アマサイたちは知っておかないと権利取得に支障が出る場合がある。

今日は、よくぞ、作ってくれたという書籍を2冊ご紹介。

●『わかりやすいCCD/CMOSカメラ信号処理技術入門』
鈴木 茂夫 著 日刊工業新聞社
価格: ¥2,310
Amazon.jp
何が良いって、ハードウエアのことも信号処理のこともCCD/CMOSのことは、一応全部網羅してあるわけだよ。目次を見てもらえればわかる。

第1章 光学系の基礎
第2章 CCD/CMOSイメージセンサ
第3章 カメラ信号処理プロセス
第4章 電子回路の基礎
第5章 ビデオ信号の伝送、カメラシステムの評価
第6章 色の再現性

『CCD/CMOSイメージ・センサの基礎と応用』も良書なんだが、CQ出版の『トランジスタ技術』の特集を編集しているんでどうもお得でないんだな。トラ技は、だいたい毎月買ってるし。
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この分野の前っていうと、テレビジョン工学ということになる。その分野はなし崩し的に画像処理工学の一部みたいになったので、基本書が充実しなかったんだと思うんだ。でも、もっと早く出てほしかったわい。今までいろんな文献を照合してたいへんだった。

●『マイクロ・ナノマシン技術入門―半導体技術で作る微小機械とその応用』
藤田 博之 著 工業調査会 価格: ¥2,730
Amazon.jp

MEMSというのがナノテクの一分野と知ったのはだいぶ後から。なんだ、マイクロマシンなら多少知っているぞ、と思ったが、ほとんど無知だった。散財する前にこの本と出会えてよかった。

第1章 マイクロ・ナノ機械の発展の歴史
第2章 マイクロ・ナノ機械の特徴と利点
第3章 マイクロ・ナノ機械の応用分野
第4章 光技術への応用
第5章 バイオ・化学分野への応用
第6章 マイクロ・ナノマシーニング(製作技術)
第7章 マイクロアクチュエータ

このブログを読んでいる人にはほとんど関係ない気がしないでもない。

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書談:『花のれん』

●『花のれん』
 山崎豊子著 新潮文庫

○あらすじ
多加は、商売人の娘としての気質を見込まれ、大阪船場の河島屋呉服店・吉三郎の元に嫁ぐ。夫・吉三郎は、先代が亡くなったとたん、放蕩三昧。ついには店を潰してしまう。多加は、夫の放蕩の原因である芸事に目を付け、寄席小屋を買い取って、川島家の再起をはかる。事業は苦戦ながら徐々に拡大していくものの、間もなく吉三郎は妾宅で死亡してしまう。通夜に「二夫にまみえず」を意味する白い喪服を着る。それは多加が、女として、母としての人生を捨て商いに生きるという決意であった。

『女系家族』からさほど時間をあけずに本著を手に取った。いいですね、いいですね、船場の商人もの。本書は女性の生き方を描いており、その力強さには共感します(いや、商売はしないけど、結婚して未亡人になっても白い喪服なんか着ないけど)。窮地に立たされても、機転と粘りとど根性で問題を解決していきます。浪速の商人というと、どんくさーいような気がしますが、女性を主人公に据えることによって朝ドラのような爽やかな小説に仕上がっています。

朝ドラが爽やかか否かは異論がでるところでしょう。

また、本書は、わたし的には「声に出して読みたい日本語」です。心理描写や商売の駆け引きが、上質の日本語で語られていると私は感じます。後で記載しますが、多加が贔屓客の国会議員・伊藤に思いを寄せる場面、伊藤が死んで、悲しみとともに、「私はあんな寂しい死に方はしない」と誓う場面、非常にいいです。

多加のモデルは吉本興業の創始者・吉本せいと言われています。出雲の片田舎の住む人たちを安来節の芸人としてスカウトし、エンタツ・アチャコのしゃべくり漫才をプロジュースするというのは、実話のようです(後者は、実弟の林正之助氏の業績らしい)。

落語家が「噺」を借金の形にするとか、小屋の店員(お茶子だっけな?)の重要性、大阪と東京の芸の違いとか戦前までのこの業界の風習がなんかがわかってそれもおもしろかったですね。

幼少のころ、TVドラマでやっていた『細うで繁盛記』を思い出します。結構すきなのかこの手のもの⇒自分

他の山崎作品と同様舞台化、映画化されています。見たいなあ。淡島千景の多加。
・gooムービー『花のれん』

・ヨミウリネット・ホントの旅
『花のれん』の舞台としての通天閣を紹介している。


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書談:宮部みゆき『誰か』

■宮部みゆき『誰か』光文社 857円(税別)

今多コンツェルン会長・今多義親の運転手梶田信夫が事故で死亡する。今多の娘婿・杉村三郎は義父から梶田の娘たちの手助けをしてくれと頼まれる。探偵さながら梶田の過去を追うことになった杉村だが、、、

ミステリは文庫落ちする前に新書で出る、ありがたいなあ。
宮部っちの小説にはいつも市井の人々への暖かいまなざしを感じる。
ヒールで駅の階段を駆け上がるOLだって、
終電でへべれけになっているオヤジだって、
幼子2人をそれぞれ小脇に抱えて横断歩道を走り去るお母さんだって(※)、
ランドセルしょって歩きながらゲームボーイする子供だって、
その他大勢じゃない、一人一人のかけがえのない人生を生きているんだ。
そんな感動を覚えた。
こんな何気ない(そうではないエピソードもあったけど)事柄でミステリを書ける、人を喜ばせるってすごいなあ、と素直に思った。

杉村って、ほんとにいい奴だ。奥さんは幸せだろう。事実杉村家は一家和楽の典型。でも、それは全然嫌味に感じない。どこか現実にいないのか、杉村三郎!それには映画館で痴漢に遭わなくては(本書参照)。

これ、映像化したらとってもいい。名作になると思う。でもなあ、あのトリックはどう表現するかは問題だ。

どんな辛いことがあっても、投げちゃいけない、くさっちゃいけない。宮部っちの小説はそういうことを教えてくれる。

宮部みゆきがいる限り、日本はそんな捨てたもんじゃない。
ちょいとオーバーでしたか?

※隣の家のお嫁さんがそのような行動をしていたのを見たのじゃ。母は強し、いや、かなりずごく強い、と思ったのさ。

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植草甚一に憧れて

植草甚一という人が昔いてジャズとか映画の評論をしていたらしい。
私が物心ついた時(そういうものに興味を持てる年代)は、故人となっていらしたので、よくはしらない。けれど、その当時河出文庫でエッセイ集なんか出ていたから、1冊くらいは読んだ記憶がある。
植草甚一作品一覧

自著ではないけれど、彼を語った一文に
「植草さんというにはすごい人で、初めてニューヨークに行ったとき、あそこの角を曲がると○○っていう店があって、その向かいには、老舗の料理屋があるんだ、ああ、やっっぱりあった、とかいうんだよね。全部日本にて洋書で仕入れた情報でそこまでわかっているんだ。」
とかいうのがあった。

※この本がその成果なのかな。
『ぼくのニューヨーク地図ができるまで』(晶文社)

私この手の話、かなり好きなのである。かの地に住んでいてそこに精通しているのは当たり前で、行かないのに知っているなんてExcellent!って思っちゃうのである。

まあ、その昔は海外に気軽に行けなかったから、そうなっちゃうわけで、今そんな人がいてもすごいっていうより、よく言えばオタク、悪く言えば偏執狂なわけだけれど。

でも、なんか、そういうのって活字中毒を極めた!気がするよね、いや、するわけだよ、私は。

こんな達人のようにはいかないが、私も似たようなことをしようと思いついちゃったのだ。

題して
『X-file』超常現象のアメリカを行く。

続く...

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総領娘。

そういえば、『女系家族』最後まで読んだことをご報告してませんでしたな。
生前相続がキーだというのはHPでも言っていたし、文庫の解説なんかにもありましたからこう来るな、というのは予想できました。
が、しかし、最後の最後方はさらに衝撃的です。
高島礼子はあの藤代をどうやって演じるんでしょうか。

へへへ、もう原作読んじゃったから怖がることはありません。安心してドラマを見てられます。見てられますが、昨日の三姉妹はやっぱり怖かった。

「どうなの!子供をおろすの!それとも本社に来るの!?」
おいおい、どういう選択肢だよ。

「この墓には母も眠っているのよ。貴方が来ること母はどう思うかしら。父の墓に来るのはもう今日限りにしてちょうだい。さあ、どうぞ、存分にお参りしなさい」
存分にってあんた、それは。。。


女系家族、これは、娘が優秀な男を婿取りするから問題になるわけで、娘が女主人なればいいじゃん、と思う。息子でも娘でもできる者が後を継ぐ。そうしたら女系家族であっても歪みは起こらないんじゃないかなあ。女性が商売をやることはあっても、まだまだ、後継者に関してはそこまでさばけてないよね。

でも、長女に生まれた者として憧れちゃうなあ。
贅沢三昧の
船場の総領娘。

矢島藤代(高島礼子)はそんなに嫌いじゃない。


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歴史はロジックだ

尊敬する歴史のおばば・永井路子さんの新刊書が文庫落ちした。
『美女たちの日本史』早速購入。

NHKカルチャーアワーの収録に加筆したものだそうだ。奈良から江戸時代まで、各時代で活躍した女性を13人取り上げている。
今年読んだ『波のかたみ』の平時子、
永井歴史小説に欠かせない北条政子、
戦国一の愛妻家?毛利元就の妻
などの話がダイジェスト版で読めて満足度の高い一冊である。

女性だから女性を書いてきたのではありません。男性中心史観で女性が正しく描かれていないから書くのです。
という一文に永井さんの一徹な哲学が伺える。

はた、と考えた。私はなぜ永井さんのエッセイ、小説が好きなのだろう。本書を読んでいて気が付いた。たいへんロジカルであるからだ。

逸話ではこう書いてあるが、信頼度の高い歴史書○○にはこう明言している、というのはごく当たり前な論証だが、

・○○と書いてあるが、これは当時の政治状況から考えるとこう解釈すべきであろう。

・この件については何も触れられていないが、当時の風習から類推すると、こうであったことは間違いない。

というふうに不明な点も確定できる洞察力をお持ちなのだ。

・歴史書がこうであるからこうなのだ⇒歴史学者

・この時代はこんな感じだけど、こうあってもらいたいから書いちゃうもんね⇒一部の歴史小説家(良く言えばファンタジー志向、悪い言えばいい加減)

永井さんはアカデミックタイプの歴史小説家なのだな。

点と点は合っているが結ぶ線が違うなんて言うが、点だけでは元々何も決めることはできない。
y=f(x)という方程式を立ててこそ、事実に基づいた小説が書けるのだ。
※式というのは例えです。○次方程式なのか?なんて問わないように。

史学というのは元々ロジカルなものであり、歴史小説はロジカルじゃないと面白くないはず、なんだなあ。-アマサイ史観、文学観。

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だれが一番、、、

ちびちび読んでいた『女系家族』の原作の方だがもうじき読み終わる。なんだか一気に終わるのはもったいない気がしたので50ページほど残っている。

要は女同士の遺産争いというすごいシュチュエーションなわけだが、結構普通のことなのかなという考えるようになった。もう(私自身が矢島姉妹に)毒されてしまったのか。攻撃は最大の防御というか、単に自分の取り分を多くと考えているわけではなく、そうしないと自分の立場自体が危うくなってしまうという状況なのだ。

・出戻りという負荷を背負っている長女としては、家にとどまるにしても、再婚するにしても、総領娘としての威厳はなによりも大事なものだ。これからの人生・生活を左右する。僅かな妹たちとの差にもこだわってしまう。

・次女に至っては、夫婦に暖簾譲ってもらわねば、ほとんど明日の暮らしにも困ってしまうのは事実である。

・三女は姉さんたちを見ていたら欲が出てきた、というのはすごいが、ここで確保を怠ると今後の嫁入りに差し支えることになる。

・叔母(TVでは浅田美代子)は、なんとか三女に取り入って分家の商売を立て直さないといけないという使命?がある。

自分の立場を守るために人を陥れる、実は遺産が無くったって組織であれば、誰でもやっているような気がするな。陥れるまでいかなくても、「うまく立ち回る」の延長上なのだ。番頭の宇吉なんてその典型。

まあ、強突張りには違いないんだけどさ。
「そんなえげつないこと」
「そこまで強欲ではあらしまへん」
みたいなセリフが良く出てくるわけだが、
言っている本人がどいつもこいつも、

えげつないんだってば!

しかし、因果応報、人に泥を被せて守った身にはその倍以上の泥を浴びることになる。

殺人は起きないわけだが、人間の欲が何よりもミステリ、だったりするわけである。


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竹内薫講演会+サイン会

竹内師匠が初の?サイン会をするので宣伝をば。

------------------

■講演会タイトル■
「竹内薫 講演会 ~ループ量子重力入門 刊行記念~」

■講演会日時  8月19日(金曜日) 18:30開演 (18:00開場)
*講演は1時間程、その後ご希望の方にはサインも致します。

■講演会会場  三省堂書店神田本店8階特設会場

■参加条件   三省堂書店神田本店5階にて、上記書籍お買い上げの方先着60名(最大80名) に整理券を配布

------------------

普通、いつも難しいものを書いている人は一般向けにターゲットを広くして書いたものでサイン会を開くのだが、ループ量子重力ってわかる人、何人いるのか。大丈夫ですか、先生。

補足:ぐぐってみたがループ量子重力を適切に解説しているらしい日本語ページはないようだ。師匠の仕事はこの分野の先駆的なものとなっている。

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『女系家族』

文庫本買いました。ドラマの初回は後半しか見ていないので、
・長女が出戻ったのはなぜか、
・次女の婿は如何にして社長候補になったのか、
・亡くなった主は如何なる人物か、
など分からない点が多い。これから明らかになることもありましょうが。しかーし、ドラマはやっぱ無理がある。昭和三十年代を今にして、舞台を大阪から東京日本橋にするなんて。。。
すでに小説の背景となっている時代に矢島家は「他の家に比べても異常」であったわけなので。今の日本橋にあんなに手広く商売をできる家などあるはずがない。。。

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書談:『新しい物性物理』

●『新しい物性物理
-物質の起源からナノ・極限物性まで-』
著者: 伊達宗行
発行:2005/06/20
出版:講談社ブルーバック
定価:1,092円

読み始めたばかりだけど、結構いい感じの本なんでご紹介します。

物性というと範囲が広く、どんな材料が出ているかなかなか網羅できない。これ一冊読んでいれば、エレクトロニクス技術者としてはまあ、安心できる。

宣伝文句には、
物性物理学が教えてくれるこんなこと、あんなこと
光る原子/トンネル効果/半導体レーザー/金はなぜ黄金色か/半導体メモリー/超伝導電磁石/バイオ素子/青色発光ダイオード/人工原子/量子通信

と書いてあるが、これだとちょっと誤解を受ける。いや、これらのことはコンテンツとして含まれているだけど、そういうトピックス解説よりも教科書に近い感じ

第1章 物性物理学の誕生
第2章 物質の起源
第3章 物性の出発点
第4章 物質の構造
第5章 電気伝導の世界
第6章 磁気の世界
第7章 物性の新局面
第8章 極限科学

1~4章は、物性物理を理解するための序章。後半は現実の材料について理論的な説明がなされている。別に物理の知識はいらないんだけど、しろうとが読むにはちとつらい。その前にしろうと(物理知識の少ない人)が物性に興味をもつだろうか?という疑問があるが。科学ファン、技術者は読んでおくとよい。7章、8章から始めてもいいだろう。

進路として半導体物理の研究分野がいいかなと思った時期もあったが、ならなくてよかった。なんかたいへんそうなんだもん(あっ!でも半導体分野の知財業務はできますから。○ECさん、○芝さん、宜しく?!)。本書を読んで再確認した。中村修二氏の仕事がまさに物性の仕事で、まず第1に肉体的にタフなことが要求される。

あと文系とか理系でもバイオの人なんか知らないみたいだけど、物性は物理であるけれども、化学でもある。どちらかというと化学の割合が多い。実際にそうかどうかは知らないけれど、感覚的に研究に物理・化学二倍の重圧(?!)がかかるって感じ。

新しい物質を作り出すというのは科学者、技術者としてロマンがあるが、それだけに難事業なのだよねん。

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書談:『アバウトアインシュタイン』

●『アバウトアインシュタイン
-アインシュタインをめぐる70のミステリー-』

著者:竹内薫
定価: 1,470円 (本体 1,400円)
発売: 2005/05/27
出版:秀和システム
出版社の解説

竹内薫師匠の本であるというひいき目を割り引いてもいい本だと思うのでご紹介します。

相対性理論入門に良い本はないか、
難しいことはいいから、アインシュタインってどんな人なの、
どちらの要求も満たす著書です。

相対論の初心者向けというと図解がまず書いてあります。でも、なんかはしょっているんですよね。わかる気になるだけで次の理解に繋がらない。師匠の記載はイラストぽくても(イラストはイラストレータが描くんだけどさ)そのへんは緻密に通常専門書とかなり近い説明をしています。売り場にある他の入門書と比べてみてください。しろうとでもよくわかると思います。

また、時空図がないとまず相対論は理解できません(*)。数式を放っておいても、時空図は描かないといけません。本著は入門書にしては異例(?)時空図の解説に多くのページを割いています。これだけでもお得な本です。
先生が講師の朝カルを受講したからそう思うわけだけど、これは本当の話。時空図を描かないと大学教授でも計算を間違えるそうです

アインシュタインの人となりは、物理説明と同様見開き、コラム形式で書いてあります。アインシュタインの人生、思想が全て網羅されていると言っても過言ではありません。もちろん、分量からして、ポイントではありますが。

この手の本は、物理理論、伝記的要素、どちらかに偏ってしまうものですが、本書どちらの側面もうまく抽出しています。竹内薫は要約能力(*)にたいへん優れた作家といえましょう。
なんか社説を○字で要約せよ、みたいなノウハウを連想するけど、換言すれば、本質を掴み且つそれを第三者に説明できる力といいましょうか。サマライズアビリティとかカタカナにするとちょっとは高級そうかな(笑)。例えば電磁気学を半日で講義しろ、と言われてできるのは竹内先生とあと数名くらいしか日本にはいないんじゃないでしょうか。

ってな具合に一家一冊、読まなくても飾っておいてもイケテル科学書です(でも買ったら読んでね(^^;)。

こういう入門書は仮にも科学ファン、物理ファンは「いまさら読めるか」と思っちゃうんだけど(別に相対論が完璧にわかってわけじゃないのに)、これはそんなことないんだよね。他の図解シリーズだとか、よくわかるシリーズと違って、竹内科学書は一枚上手っていうか全体としてプラスαが必ずあるから、安心して購入できる。
ってのは明らかに弟子のひいき目ですが。。。

次は、本格的な相対論理論書を読むも良し、伝記を読むも良し、
↓これなんかもいいよ
図解入門 よくわかる最新宇宙論の基本と仕組み

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作家が作家であるために

最近、小説(文学)に力が無くなった。以前はあったのか?うーむ、私はあったんではないかと思うんだが。ベストセラーと呼ばれるものは、多くの人の生き方を変える力があったんではないか。社会にインパクトを与えることができたんではないか。最近上位に上がるモノってハウツウばっかじゃないの。あと電車男とハリーポッターかい?まあ、元々私、ベストセラーになる小説読みませんが。

でもね、小説家ってのは、力があるんじゃないかと思っている。前段と矛盾しますが。職業としての小説家ってことです。最近(って言っても4年前か)直木賞を取ったこの人
山本一力
確か、借金返すため、生活ために小説書きだしたって言っていたよね。いや、そういう動機で小説書いて成功するなんて何人もないとは思うけど。私の好きな東野圭吾あにぃも乱歩賞を取ったとき、給料が安いから小説書こうと思ったって明言してますわな。

つまり、ある程度年齢のいった人間(若くてもいいんだけどさ)にとって小説家は「身を立て、名を上げる」ための最後の砦、永遠のロマンなんではないかね。

で、またもや松本清張である。『半生の記』の後半に
内職もないときの日曜日は、どこに行くあてもなかった。家に居てもいらいらし、外に出ても空虚さは満たされなかった。人の集まる街なかを歩いても、わけもなく腹立つだけだった。将棋や麻雀をしても、仕事をしていても、私の額からは冷たい汗が流れ、絶えずタオルが必要で、仲間に笑われた。神経衰弱になっていたのかもしれない。夜もあまり睡れなかった。(中略)その浜辺に腰を下ろして沖を眺めたり、松林の間を歩き回ったりした。もし、私にもっと直接的な動機があったら、あるいは自殺を企てたかもしれない。だが、そういう強いきっかさえ身辺にはなく、ただ苛立たしい怠惰の中に身をひたしていた。心はとげとげしいのに、身体はけだるく、脳髄はだらけていた。
とある。個人の感じる閉塞感、そしてそこからの突破、そういう心理が、清張文学を作ったらしい。

金のためと言っても、単に金儲けではなく(それだけだったらもっと効率のいい商売がありそうだ)こういうせっぱ詰まった脅迫観念みたいのが付随した時、人は作家になりたいと思うのかなあ。

なんか作家論を語ろうと思ったが中途半端になってしまった。すまん。

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書談:松本清張『山峡の章』

アマサイ、松本清張しか読んでいないのか。
そんなこともないけど、当たらずとも遠からじ。

これは清張作品の中でもちょいと異色なので書いておこうかなと。
女性誌に連載されたものなのだ。
1/3ぐらいに渡って
・新婚の女性が「結婚生活ってこんなはずではないのに」という心理描写と、
・実家にいる妹の素行の心配と、
が描かれている。
ミステリなので、当然この2つの事象は関係があるのだけれど。

導入からして、清張さんってこんな女心も描けるんですかい、
と少々驚いた。
彼の作品には悪女と呼ばれるような女性がよく出てくるが、この主人公は、ごくごく普通の(当時の)20代である。『ゼロの焦点』の主人公に近い。

その夫と妹が不倫心中のような死に方をする。
そんなはずはない。あの二人にそんなつながりはないはずだ。自ら究明に乗り出すのである。
他の作品だと、この事件が結構前の方に出てきて、全般を推理紀行にあたるのだがそうはなっていない。解決編は役人の悲哀とちょいと国際問題も出てくる。

やはり、読者の奥様層に受け入られるよう工夫されている。
その、新婚家庭の愚痴みたいのも退屈しない。読んでいて、いつ殺人事件が起こるのかしら、とはあまり思わないと思う。普通の大衆文学のように楽しんで読める。

そして大事なポイント、結果的に主人公も、夫も、実妹も不倫行為はしていないということ。まあ、小説ながら、そういうのはいや~な感じがするものではないか。今は違うけれど、女性誌に連載されているものにそういうものは求めていないんではないか。いや、反対にその手の物語はうんざりするほどあるので、清張さんはわざと避けたのかもしれない。もっと言うと、こういう女性誌を読むご婦人方はあまりにどろどろしているのは好まないという清張の女性像があったのかもしれない。

あと、夫ではなく、実の妹のために事件解明した、ってのもこの小説の特徴。
もう結婚直後から夫に嫌悪感を持つという設定なのだ。
それも結構現実味があったりするのかしら。

清張ファンも読んだことない人でも、本書はちょっと読み得かもしれない。

※これを書いたとき、本が手元に見あたらなかった。掲載した女性誌とは『主婦の友』、掲載機関1960.6~61.12でした。40年前の女性誌の潮流はわからないけど、やはり、不倫どろどろモノは載せなかったんでしょうね。

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書談:松本清張『ゼロの焦点』

『点と線』『砂の器』と並ぶ清張の代表作。
もう読んでたかなと思ったら、読んでいなかった。
『点と線』はたぶんトリックの巧妙さが受けたのだろう。
(鉄道トリックの初期のムーブメントと聞いたような気がしたが)
それに対し『砂の器』と『ゼロの焦点』は本格社会派、人間ドラマが主題と思う。
インパクトとダイナミズムからいうと『砂の器』の方が上かな。

ここでも戦争とその後の生活がキーとなっている。
連載が昭和33~35年で小説の舞台もそのころらしい。
問題となるのは、昭和24,25年の婦女子の生活である。
つまり、戦後4,5年までと戦後13年を経た世相の違いから物語りが生まれた。
今の感覚からいうと、そんな10年未満の違いなどわからない。戦後の混乱期だから1年1年が大きい。
犯人とその動機が明かされてもちょっとぴんとこなかった。
ふーん、そういう時代だったのかあという感じである。
実際現代でも同じ動機で殺人が起きてもおかしくないが、その当時の深刻性はイマイチ理解できなかった。いや、さすがに想像はできますが。

これを世相ではなく、実際の人に置き換えてみると理解の助けになるかな。
「20代のころはバカやってたけど、私も30過ぎたんだから落ち着かないとね」
みたいな感じ。

うーむ、ネタばれしないように感想を書くのはちょっとたいへん。
文庫の裏表紙のあらすじの欄以上のことを書くと、核心に触れてしまうので。新妻が失踪した夫を捜す話なんだが、犯人自体は物語の前半に登場する。
まあ、有名な作品だし、昔映画化されたから、知っている人も多いと思うけど。
それに清張作品はプロセスが大事で、犯人探しじゃないからね。

映画化作品の検索していたら、
有馬稲子が主役に抜擢されたにもかかわらず、キーパーソンの室井社長夫人をやりたいとごり押ししたなんて話が出てきた(主役の新妻は久我美子)。
そうだろうな、室井夫人の方が高度な演技を要求されるし、有馬稲子のイメージにぴったりだもん。

次は『霧の旗』でも読むかな。

今は短編集『水の肌』が通勤のお供。

ところで、清張作品はいつも題名がイカシテるが、これはどういう意味だろう。ゼロとは合焦点がないということか。それとも散乱していた複線が一点に集まるということなのか。

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真保裕一

真保裕一『連鎖』を読んだとき
「この本の感想に、あまり知られていたい食品Gメンのことがよく調べられてあってすごい、ってのがあるけど、それは多分作家は喜ばないでしょう。ミステリ作家としては、人物像とかストーリーの展開とかに心血を注いでいるはずだから、そこを評価しないといけないと思う」
なんてことをニフティの読書フォーラムに書いたことがある。
先日話した『夢の工房』に真保氏が私と同じ主旨のことを発言していたのでうれしくなった。
曰く、
皆さん私の付け合わせのポテトがうまい、おいしいと言ってくれるのはありがたいが、私としてしては、オードブルやデザート、もちろんメインディッシュを出しているのである。付け合わせのポテト以外はお気に召さないのかとかんぐってしまう(文意)

そうであろう、そうであろう。やっぱり真保くんはそう思っていたか。
私って作家の心がわかる読書なのだなあ、とつまらないことでうぬぼれてしまった。

そりゃ、そうだ、ノンフィクションライターや特許技術者(*)じゃあるまし、取材ネタだけ誉められたところであまりうれしくはないだろう。この一記事だけでも妙に真保氏に親近感を感じてしまう。

我々の仕事を言ってみれば、いろいろ調べて書く仕事なんである。ものぐさな発明者のために、こういう技術のことだよね、とかちょっと書いてあげると、そうそう、さすがアマサイさん、僕の言いたかったのはそういうこと、とお褒めにあずかる(単に乗せられるだけ?)。その上、調べているうちに、この技術も新規発明なんじゃないかしら、とか分かって指摘すると実質的に私の株も上がるわけなんである。

また、このエッセイ集ではインタビューの作法に触れているのもおもしろかった。される側は誰しもこのように思っているのだろうが、あまり文句を書いた文はみたことがなかった。

ちょっと話が変わるが、先日、NHKの英語番組で戸田奈津子さんがインタビューの悪い例として
○○ってどうですか、と尋ねることを上げていた。
「これは貴方の主演三作目ですが、どうですか」、
という聞き方のことである。
相手に好きな様にしゃべってもらいたいという日本人特有の例だが、欧米人には全く通じないことだそうだ。もっとディテールで質問しないとだめなのだ。
「この作品のここの場面でこういうアクションがあったが、どのようにして撮ったのか。危険ではなかったのか」みたいな質問がよいのだそうだ。

真保氏もそのようなことを述べている。
インタビュアーの中には、私は貴方の作品を読んでいない、どういう内容でどういうことを主張したかったのか聞かせてくれ、とかいう言い方をするのがいるそうだ。
ずいぶん、ひどい業界である。言葉を使って糧を得ているのに言語に対する冒涜ではないか。

....私の中の天使ちゃんが、
「息抜きはいいからそろそろ勉強しろ」
と言っているので、今日はこのへんで。

『夢の工房』小説好き嫌い、真保作品未読者、ファン問わずおすすめの一冊である。

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面白い小説を読んでいるのではあるまいな。

あと丸一日経つと本番だと思うと緊張して吐きそう。
吐かないけど。毎日もりもり食べてるけど。
ほとんど、1ヶ月でやるべきことを1週間でやろうとしている。
勉強など予定通りにいったことはないのだが、今回は仕事というやむ終えないことが挟まってしまった。

時間がないのにも関わらず娯楽本を読んでいる。
そうしないと神経がもたないから。

*******

作家にとって戦争はあった方がいい。
いや、誤解しないでね。戦争賛成じゃなくて、ネタとしてこれほど、有益なものはないという意味。
松本清張の短編集『失踪のあとに』
に読んでそう思ったわけである。ここで戦地にいったものでしか知り得ないことがネタとなっている。
『砂の器』なんて時代背景をずらしたりはできない。昭和の戦前・戦中・戦後がないと絶対成り立たないものだから。だからこないだやったドラマは絶対失敗。中居くんがどんなにがんばっていたって、スタッフが優秀だって無理なものは無理。あれ、あんまり批判がなかったのが不思議。ラストの渡辺謙の説明どうみてもこじつけだと思うが。清張の遺族は寛大なのだろうか。

*******

真保裕一、もっと読んでみたいと思うが、なかなか間がない。長編が多いからというのもあるが、ノリ、波が来ないのである。そのときの心情にあった作家、作品というのがあると思う。2,3冊は読んだけど、それ以後ノリが来ない。

エッセイ集『夢の工房』
というのを見つけたので、それをぱらぱらと。来週には『震源』あたりを読もうかな。


そんなことを言って、
まさか、この時期に面白い小説を読んでいるのではあるまいな。
一瞬も惜しんで勉強せねばなるまいぞ。
ともう一人の私に叱られた。

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書談:『プラスティック』

『プラスティック』(講談社文庫)
著者:井上夢人 
bk1

忙しいと言いながら、ミステリを読んでいる私。
もちろん、厳選しないとね。厚いのはだめでしょう。あとすごーくじゃなくて、ほどほどにおもろくないと。
ってわけで、井上夢人。

フロッピィに収められた数人の男女の手記で物語りが構成される。
これだけで分かる人には分かるんだろうな。
(私は、1/3まで読んだときの後のページが見えてしまって、そこにキーワードがあったのでわかったのだが)
トリックはすぐわかるけど、その意味ではトリックがメインじゃないのだねえ。ミステリは動機が命!だが、この小説もいたるところに動機がちりばめられている。
単行本が94年だから連載開始は90年代初頭、この手のものが流行るかどうかってときだから、夢人氏は、さすがである。洗練された職人芸という感じがする。

最終章はあっ、というか、うーむ、というか考えさせられてしまうねえ。

ミステリはネタばれ厳禁がお約束なので、ここまで。
ところで、なんでタイトルがプラスティックなのかなあ。

岡嶋二人のは在庫が見つからないので、夢人氏の文庫落ちを読んでいくことにしよう。

井上夢人の一覧を見ていたらみつかりました。
ここで書いた、私が岡嶋二人に第1接近遭遇した本。

『ミステリを書く!』
bk1

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書談:『クラインの壺』

今更、岡嶋二人?『クラインの壺』

うーむ、今頃、岡嶋二人を読み始めるとは。不覚である。
リアルタイムで読んでればどんなによかったことだろう。
東野圭吾を読む前は、ミステリーなんてじぇんじぇん知らなかったのである。
ホームズ、アガサクリスティ、どーんと飛んで、
山村美沙、西村京太郎、という具合だったのだぁ~。


なんかすばらしすぎないか、岡嶋二人。
(実際は、この時点で片方の井上氏の作品であるのは有名な話)
一回、岡嶋を読もうと思ったのだよねえ。
それはミステリ作家の仕事部屋、みたいな本で井上夢人の項目を読んだとき。
確かそう。
何を読むべえ、と思ったところに『おかしな二人』という二人の顛末記を書いたのがあるというので、それをまず入手しようと思ったのさ。でも、品切れ絶版だったのかなあ。未だに入手できず(いや、アマゾンのユーズドで注文したからくるはずなんだけど)
せめてあのとき読んでいればなあ。この人もはずれがない作家なんでしょ。

で、『クラインの壺』。
まず、すごく懐かしい。あのころのIT状況がわかって。これはすぐ後に読んだ『99%の誘拐』でもそう思った。いくら、パソコンがOA器機として普及してきたとはいっても、まだまだゲテモノぽさが残っていたものなあ。未知の可能性みたいなもの。

で、これってテーマ、マインドコントロール?バーチャルリアリティ?
いやはやすごいよ。
子供の頃、誰しも思うよね。この自分の生活している世界は映画のセットなんじゃないかって。自分以外は役者でこの世界を作っている。そしてどこかで、それをカメラで撮っている。あの町はずれのビルの裏側はもう一つの世界になっていて、そこでも別の映画が撮られているって。そんな思想を小説化したようなものだ。

バンの走行トリックのところでやっと思い出した。これのテレビ版見たことある。検索したらやっぱありました。井上氏は、映像化できそうだけど、実際にやると難しい作品を目指しているとインタビューで語っていた。そう、その通り。そのテレビドラマはちゃちかった、ような気がする。主人公がゲーム機に入った世界、現実と思っている世界、を表現するのは至難のわざだ。

実際の文章書きは井上氏がやっていたそうだが、細かい、細かい。全て計算しつくされている気がする。

二人で小説を合作するというのはなかなかよいビジネスモデルだ。もちろん両者に力量があることが前提だが。二人の化学反応が起こって、効果倍増。が、このコミニケーションを長く続けるのは、岡嶋作品の映像化より難しい。やはり二人は破局を迎えるのだが。

もう、読めば読むほど、リアルタイムで岡嶋二人をリアルタイムで知りたかった。推理作家協会賞、吉川英治文学新人賞を取ったとき、評論家の論調、一般読者の感想、知りたかったなあ。

でも、いっか。この世はすべて「K2」が作った世界なんだから。


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書談:東野圭吾『黒笑小説』

東野圭吾作品の新キャラクタ・予選落ち男 寒川心五郎
『黒笑小説』bk1

これの前の最新作は『さまよう刃』である。
bk1
数年前から東野さんの本は発刊直後に買って読んでいる。でも、これはちょっとテーマが重い、重すぎるのでまだ手を付けられずにいる。

本書『黒笑小説』を本屋で平積みされているのを見てほっとした感がある。
『怪笑小説』から続くシリーズはずっと書きためられていたのか。
まあ、内容は『怪笑/毒笑小説』と『超・殺人事件』とを足して割った感じである。
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帯の文言にある出版業界を皮肉ったものは、全体の半数。連作になっており、他のテーマとサンドイッチ状態になっている。作品中の作家・寒川心五郎は東野さんと似てもにつかない、どんくさいおっさんだが、本質が同じなのでファンとしてはやるせない。ああ、やっぱり東野さん、直木賞がとれなかったのが悔しいのだな~、って直木賞をほしくない作家はいないけれど。確か、3、4回ノミネートされているものなあ。表紙に自分まででっちゃって、やけくそかい。ファンだって残念に思っているのだぞ。『白夜行』でとってほしかったと未だに思うのだ。

短編集の宿命であるが、やはり、好き嫌い、できのよくないものとかはある。1/3まで読んだときは、なんじゃこりゃ、酷評してやるぞ、と思った。でも、半分すぎるとさすが東野圭吾と思わせる水準の高さだ。

インターネットがらみだとどうしても、オチのノリが同じになってしまう(オチがワンパターンというのではない)。

『モテモテ・スプレー』は途中でオチがわかってしまった。似たような作品、書いてなかったかな。

『インポグラ』はなかなか盲点をついたロジックでおもしろい。

『巨乳妄想症候群』なんかはコンセプトも展開も、貴様、なめとるかと思う。世の♂はおもしろがるのだろうか。

『ストカー入門』は傑作の部類だ。ラストはあり得るような気がして、おもしろ、怖い。

『臨界家族』はたわないもない話だが、そういう結末かぁ~と少々感心させらる。

『奇跡の一枚』はなんとなくネタは想像できたが味わい深い一編である。

『シンデレラ白夜行』は自作とかけているのか。そう思うとファンは一層楽しめる。

先日、かなりのミステリファンの方に「アマサイさんはどういうの読むんですか」と聞かれたので「東野圭吾」と答えたら「ああ、おもしろいの、好きなんだね」と言われてしまった。明らかに『超・殺人事件』が東野さんの代表作と思われている。そうに違いない。
いや、これらの作品集は、東野さんの一面なんです。もう彼はブンゴウの域なんです。誤解しないでくださ~い。

自分はブンゴウと思いこんでいるけど、世間ではブラック短編の作者と思われている「西野研吾」のおもろい話なんてどうでしょう。次回の短編集に加えてもらへんやろか、東野さん。

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書談:『ヤング 島耕作』

『ヤング 島耕作』の3巻をコンビニで売っていたので買ってみた。
おもしろかった。
1巻を読んだときは、ふ~ん、別にぃ~って感じだったのさ。
3巻になると(私の知らない)70年代の雰囲気がディープに味わえるような気がする。2巻も先日見つけたのだが、これがなんか1巻と3巻との中間って気がするのだ。いや時系列的に中間じゃなくて、掘り下げ方がイマイチという感じなんだな。つまり、作者の弘兼憲史は、片手間に始めたかどうかまではわからないけど、徐々に深みにはまっているのではないかな。漠然とは思っていただろうけど、ヤング島を書くことが自分の原点を明確にすることであり、それに本腰を入れ始めたのではないか、と勝手に思っている。

私は自分が幼かった70年代を知りたいと思っているし、(私の研究課題の)技術論、技術史的にも重要なんじゃないかと考えている。だからこのシリーズは、ちょっとしたネタの溜まり場という感じだ。マンガだから資料には適さないけど。

うーん、もっとヤング島が読みたいけれど、単行本はこれ以上出ていないし、実際の?『モーニング』連載の島は取締役になっちゃてるし。あんまり、大人になった島耕作は趣味じゃないだよね。と思って本屋行ったら
『取締役 島耕作』第8巻 
最終巻!つい訪れる大きな転機!という帯で売っている。
なんじゃこりゃ、今度は社長ですか?
取締役編には全然思い入れがないので、買って読んでみた(全然読んでないけどプロセスわかんなくていいんで)。

ふーむ、島耕作、次は常務だそうです。
普通の取締役より専務って偉いの?という世間知らずの私のような者のためにその解説もコマ中にありました。

島耕作、団塊の世代の星、なんですかね。

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専門書は売れていないのか。

人気blogランキングの自然科学部門に登録している。他の人のブログなんか見たりする。その中で著名な専門書の絶版を嘆いている人、復刊しようとしている人なんかがいる。物理関係だとランダウあたりが有名(名前はすごーく聞いたことあるけど実物は見ことないという意味で)。


私が勉強している国家試験なんか、基本書と呼ばれる何冊かが絶版状態なのだ。しばらくオンデマンドで出していたが、それも無くなったらしい。それも13版が出たのが、4,5年前じゃないのか。著者が亡くなって、弟子みたいな人が補訂しながら2回ぐらい出していたのだが。ひどいのは某科目で、20数年前に著者が亡くなったきり、改訂されていない。それなのに、今での最有力基本書。後を継ぐのを書く人が居ないのである。他の著書や受験機関教材を参照しながらみんな勉強しているんだが、そんなことでよいのか?この業界。


また、物理に戻るが、短小軽薄な教科書が出てきたので、重厚な専門書が圧迫を受けるのだと、その難解でない教科書をなじる人がいる(ネットのしろうと書評家のいうことだから気にすることないんだけど)。それはお門違いというべきことだろう。わかりやすい教科書が出て悪いはずがない。最近はすばらしいことに"単位が取れる本"とまで明言している。そうですよ。複素解析とか微分方程式とか量子力学なんてもっと簡単に説明できるはずだとずっーと思っていたよ。「大学は高校とは違う。自分で勉強するものだ」なんて怠慢な教師のいいわけだとずっーと思っていたよ。奴らは教育なんて考えてはいないんだ。現在、ちゃんとした大学の教員がこれらの本を書いている、書けるのが何よりの証拠だ。
(まあ、私の現役時代もこういう類の本はあったのだが、今はおおぴらになってきたということである。深刻な学力低下という現実に危機感を覚え、そうさせたんだけどね)

わかりやすい物理学、工学は時代の要請なわけだ。

ランダウが必要なら、物理学会が請け負って、オンデマンドとか、物理学科の学生分だけ出版してもらうとかいろいろ方法があると思う。そうでなかったら原書あるいは英語翻訳版(あるのか?)で読めばいいわけだし。ランダウが本当に必要だと思っている人がどのくらいいるのか。それの方が問題である。


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今日の小ネタ

サイエンスライター森山和道さんの日記

>▼そして、青木さやか写真集が、ついにアマゾンでランキング
>1位になったのを目撃。なぜ。

いや、書店で買えないからでしょ。恥ずかしくて。
あれ、書店でも売ってるの?えっ、怖いもの見たさ?

「どこ見てんのよ!」

『数学オリンピック選手を育てた母親たち 』
bk1
これってなんかやな感じ。
東大生を育てた母親たち、みたいなノリで。
たぶん、個性を伸ばすという点でお勉強とは違うということなんだろうけど。

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書談:英語・ビジネス両方学べる本

良書なのに、検索でひっかからないし、洋書売場にあるらしいが見たことないです。普通の経営学書の棚に、専門書に挟まれてちんまり陳列してあるのを発見しました。
『マグロウヒル・バイリンガルブック・ビジネスシリーズ』
Amazon
(↑これは特集ページなので、そのうち消えると思います)
見開き対訳になっています。松本先生が訳されています(だから勧めてるんだけど、原文もとってもよいのです)。洋書扱いなのに、監訳者が日本名だからヒットしないんだよね。前は「松本茂」でリストアップしたのに。

1. The Welch Way
Jeffrey A. Krames (著), 松本 茂 (翻訳)
価格: ¥980 (税込)

2. How to Manage Performance
Robert Bacal (著), 松本 茂 (翻訳)
価格: ¥980 (税込)

3. Dealing with Difficult People
Rick Brinkman (著), その他
価格: ¥980 (税込)

4. How to Motivate Every Employee
Anne Bruce (著), 松本 茂 (翻訳)
価格: ¥980 (税込)

5. The New Manager's Handbook
Morey Stettner (著), 松本 茂 (翻訳)
価格: ¥980 (税込)

私は取り敢えず4番のモチベーションのを買いました。
タイトルはすべて日本語訳が大きく載ってます。
Dealing with Difficult People⇒困った人たちと付き合う方法
うーむ、これを一番最初に買うべきだったかな(^_^;)

文章が平易で読みやすく、かつビジネス用語が盛り込まれているので、社会人の英語学習には最適です。音読練習用に使っています。話し言葉っぽいのでスピーチ練習にもなると思います。
以下、続刊だそうです。

6. Finance for Nonfinancial Managers
7. The Sales Success Handbook
8. Computer Security

松本先生がコンピュータセキュリティ、って大丈夫?とか思ってしまいますが(^^;)。ああ、いけませんな。英語の先生にはコンピュータはわからんだろうという偏見は。

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数学と文学

小川洋子さんの『博士の愛した数式』は今世紀(まだ5年だが)もっとよかった小説である。
bk1
読んだことない作家のもの単行本で読むことはまずないのだが、本書は売り出して間もない頃見つけて「これはおもしろいはずや!」と買って一気に読んでしまった。
あまり好きな言い方じゃないけど、ハートウォーミングなお話。
川上弘美さんの『センセイの鞄』と比較されるけれども、当たらずとも遠からじ。
bk1

記憶を失った数学者とその家にお手伝いとして通う私、そして私の息子の3人の交流。
私は数学者が「私」に「そんな小さい子を家に一人にしておくなんて。明日から一緒来なくてはいけない」と説教をたれるとこと、数学者が息子に"ルート"と名付けるところが好きである。

「ツボ」だよねえ。うまいよねえ。
なんでこんな素敵なお話が書けるのだろう。小説家ってすごいなあ。

と思ったのは私だけではない。
なんと!日本数学会もそう思ったのだ。
・小川洋子さんら9人に「日本数学会出版賞」
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20050330ic03.htm
・日本数学会
http://wwwsoc.nii.ac.jp/msj6/index02.html
・日本数学会出版賞について
http://wwwsoc.nii.ac.jp/msj6/sugakutu/902/pubprize.pdf

数学会結構、偉い!
つーか、小川さんの作品でこの賞を思いついたんと違うのかい(^_^;)。

科学と文学はたまに語られることがあるが、
数学と文学の相関関係はついぞ聞かない。私はね。
藤原正彦氏がエッセイの中で書いているくらいじゃないかな。

『博士の愛した数式』で数学のイメージアップしたことは確かだろう。
理科離れをくい止める、にはもっと理数系科目を教える人ががんばらないとね。

小川さんはこの作品で全国書店推薦賞(正式名称は忘れた)も取っている。
なんたら文学賞ももちろん取っている。
『博士』効果は小説の域に止まらない。

とにもかくにも、小川さん、おめでとうございます。

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書談:竹内薫著『夜の物理学』

(文庫の解説風に書いて見ました。)

『夜の物理学』解説
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科学はナイトでないと。


著者によれば、ナイト(夜の)サイエンスとは、
「論理的な思考なんかじゃなくて、直感(思いつき?)や霊感めいたものに閃きを得て、そこから出発していくようなこと、」
だそうである。
どのようなものが、ナイトなのか。ぱらぱらと本書から拾ってみると。
「宇宙動物園説」
「多世界と赤ちゃん宇宙」
「無からの宇宙創成」
「ホイルの定常宇宙説」
などなどである。

F・ホイル卿の学説までナイトなのかと、古くからの宇宙論ファンは、いぶかしげにおもってしまうが。

それはさておき。なるほど。私たちが知っているサイエンスとはすべて昼間の、ということなのか。
しかし、ここで、はて、と思ってしまう。
著者の竹内薫氏の著書リストを見てみると、

『アインシュタインとファインマンの理論を学ぶ本』
『ペンローズのねじれた四次元 -時空をつくるツイスターの不思議』
『熱とはなんだろう』
『ゼロから学ぶ相対性理論』
『「ファインマン物理学」を読む 量子力学と相対性理論を中心として』
などなど。

ほんの一部だが、どれも昼間の物理学本。やさしくは書いてあるが、大学の専門課程の副読本にしてもいいくらいの正統中の正統である。特にファインマン物理学の解説書は続刊が待ち望まれるものである(2005年3月現在)。
その竹内氏がなぜナイト、なのか。
彼は宗旨変えをしてしまったのか。
それも本書で明かされる。

彼は実はナイトサイエンティストなのである。
彼がカナダのマギール大学で博士号を得たという超ひも宇宙論というのが、実はナイトな科学。本書では「準定説」という分類が成されているが、実験物理学者(彼らは昼間も昼間真っ昼間の科学者たちである)から「理屈はいいから証拠をみせろ」と言われるびみょ~な学説なのである。

しかし、再び考えてみよう。初めから昼間を主張できる科学などあるだろうか。古くはガリレオから20世紀のアインシュタインに至るまで始まりはみんなびみょ~、もしくは怪しいものなのである。そして、それらの中から昼間に昇格する学説が生まれるのである

だから、ナイトはナイトで終わらない。科学そのものと言えよう。

また、本書では、異端説、準定説、定説という分類が成されている。定説もきちんと紹介されているのが特徴である。そこがまた、夜も昼間も知っている竹内氏が著書である所以であろう。

さらに第Ⅲ章では「科学者だって人間だもの」と題して彼らの人間的側面が記されている(Ⅰ及びⅡ章でも竹内氏と直接交流があった著名学者の逸話が込められている)。人生の軌跡だけを記す伝記本でもなく、科学的観点を事細かに書き込まれた科学史本とも違う、それこそ、生身の科学者を知ることができる。アインシュタインやファインマンの「愛情物語」は有名であるが、何度読んでも心をうつものである。

文系にも理系にも好まれる物理学書である。

タケウチカオル、タケウチカオルと唱えるとみんな物理が好きになる。

アマサイ(科学技術戦略評論家)

補足:竹内氏の初期作品は茂木健一郎氏と共著の科学本。題名は『トンデモ科学の世界』。竹内氏はもともとナイト出身であることが明かされている。『よるぶつ』は宗旨替えではなく、回帰現象なのかも。
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書談:英会話の本

■『英会話 本当にほしかった表現1000』
著者:松本 茂(監修・執筆)
   綾部 功(執筆)
   ロバート・ゲイナー(執筆)
価格: \1,995 (本体: \1,900)
出版:講談社インターナショナル
発行年月:2005.3
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------------------
松本先生からいただいたので、誉めます(^_^;)。
(共著の方とも面識があります)

英会話の決まり文句集、よくある本です。
しかし、しかし、本書は日常会話からビジネスプレゼンテーション、議論までできるような表現を網羅しています。社会人は両方必要ですものね。
また、このような本は、一文対訳羅列型と、会話説明詳細型との2つに別れますが、本書はその中間をとっており、お手頃です。
電車の中でぱらぱら読むもよし、全文暗記するもよし、音読教書として役立つと思います。
さらに、本書はCD付きです。折角、内容が優れていてもCDがないと購入意欲が失せてしまいます。そういう意味からも読者本意の表現集と言えるでしょう。
書店でとにかく手に取ってみてください。
他書の違いがわかるはずです。

ネット書店では、素のままのイメージ画像になっていると思うので、写真撮りました。帯付きです。

050317

綾部さんとゲイナー先生の名前が隠れてしまうのだが。


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書談:エレクトロニクスを学ぶために(1)

一応、科学系(or読書系)ブログのつもりなので、これ。
たまにはまじめな話題でも。

エレクトロニクスとい言っても広いわけで。
ここではアナログ回路、光学、画像処理を取り上げます。
つまり自分が関わっている分野です。この三分野は関連性があるので、勉強してるとおもしろいですね。
急な部署替え、これらの分野の人と共同研究、そして私のような特許関係者に役立つと思います。


■『アナログ電子回路設計入門』
著者: 岡山 努著
価格: ¥2,730(本体:¥2,600)
出版:コロナ社
発行:1994.12
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薄い専門書というのは、わかりやすそうでいて使えない、というのが定石。でも、これは違うんだよね。設計っていうくらいだから、それ相応のことは書いてある、けど、入門、っていうのがすごいところ。今でも参照しています。


■『図解 わかる電子回路 -基礎からDOS/V活用まで-』
著者:加藤 肇〔ほか〕
価格:¥1,260 (本体:¥1,200)
出版:講談社ブルーバックス
発行:1995.9
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ブルーバックスなんです。びっくりでしょ。ブルーには工学系のもの少ない、だけどどれも役に立つのです。みかけによらずかなり詳しく出ているいます。懇切丁寧です。それに一部コンピュータプログラミングも掲載しています。電気系の弁理士さんも参照しているくらいです。


■『パルス回路の基礎演習』(絵とき電子回路演習シリーズ 4)
著者:菅谷 光雄、中村 征寿
価格:¥2,345 (本体:¥2,233)
出版:オーム社
発行:1991.2
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演習書なんだけれども、まとめの部分が便利。この対応の教科書もいいのだれど、これで十分なような気がします。


■『はじめての画像処理技術』(ビギナーズブックス 15)
著者: 岡崎 彰夫著
価格: ¥2,100 (本体:¥2,000)
出版:工業調査会
発行年月:2000.10

正しくはじめて買った画像処理。CMOS/CCD固体撮像素子の説明も簡単にだけれども書いてあったから。撮像素子の説明は特許文献を検索するとわかりやすいものが出てきます。はじめてシリーズ、いいですね。


■『ディジタル画像処理入門』
著者: 酒井 幸市著
税込価格: ¥2,310 (本体:¥2,200)
出版:コロナ社
発行年月:1997.12

『はじめて』と同じレベル。こちらの方が数学的説明が多い。酒井先生の本は間違いない!


■『図解レンズがわかる本』(Visual engineering)
著者: 永田 信一著
価格: ¥1,680 (本体:¥1,600)
出版:日本実業出版社
発行:2002.11

レンズ光学はこれ1冊でOK!っていうか、他に実用的な本がにゃーい。大学の幾何光学の教科書を買ってしまった私の立場は。。。プリンタとか液晶プロジェクタとかの光学も簡単に説明しています。


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『よるぶつ』専用カバー

朝カル竹内塾に行ったら
「ほんとに作ったんですか(そんなもの)」
と言われてしました。

だから写真撮りました。
・使用前
 わかりにくいので帯をずらしました。
 040311B






・使用後
040311A
どうでい!まるっきし同じだろうが。
カラーコピーだし。それが狙いだし。





読み終わったら、他の本につけて持ち歩こう。

あほらしいとお思いでしょうが、よかったら押してください。ぷちっとな。【押す】

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最近読んだマンガなど

最近『めぞん一刻』に夢中である。
Big Comic Comapct というやつで隔週で発刊している。
コンビニや駅の売店のみで売ってるやつである。
小学館のHPに行ったが紹介されてはいないようである。
なんかいいよ、めぞん一刻、いいよ。
昭和末期の東京ってあんな感じだよ。
経済やファッションの中心とは別の居住空間って感じ。
読んでいるとほっこりしてしまうなあ。
あのころはよかった、とかじゃなくて、ああいう空間を経て今を生きているって感じかな。別世界じゃないんだよね。同空間の時系列ってことかな。

高橋留美子、うまいよね、ストーリーも、人物描写も、絵も。
(一時期より減ったけど、絵が下手な漫画家が多いのはびっくりしてしまう)

今週の4号は入手したんだけど、先々週3号買い忘れてしまったのだ。がっくりしてたけど(ほんとそんな感じ)、昨日コンビニで見つけて、小さな幸せを感じております。

尚、小学館に問い合わせれば、バックナンバー郵送してくれます。

* * * * * *

"X-File" 好きなんである。
♪であごすてぃーに♪でDVD売り出しましたな。
http://www.de-club.net/xfd/index.php
創刊号除くと1790円。安いとは思うけれど、全シリーズ集めるといくらになるのか。

HPによると9シリーズ201話、49号まで発刊するそうな。
締めて8万6千710円。

* * * * * *

『おそ松くん』を買う。
bk1
『もーれつア太郎』が一番好きなんだけどね。
子供のころ、アニメやってたから。
たぶん、一番好きなアニメ。
ギャグマンガって世相を反映するっていうか、結構ブラック。
ア太郎を見て大人の世界を学んでいたよ。私は。

ところで、この『おそ松』に収録されている「チビ太の金庫破り」、
明らかにチビ太には非がないと思うが。

さらに、六つ子のお母さんがかっこい男性として、
「中井貴一みたいな人」を上げている。
再収録するのに名前を編集したらしいが、そんなの意味あるのか。


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竹内薫非公式FCより

こういうのは、ダブルポストとか言われて、嫌われるのだが。
向こうは掲示板で、こっちはブログだから別にいいでしょう。
宣伝になりますし。

■『夜の物理学』
著者:竹内薫
価格:\1,575 (本体: \1,500)
出版:インデックス・コミュニケーションズ
発行年月:2005.3
bk1

* * * * * * * * * *

『よるぶつ』こと『夜の物理学』をお買いあげありがとうございます。
まだ、未入手の方、慌てることはありません。まだ出荷したばかりですので、売り切れになることはありません。

『よるぶつ』発売記念としてみなさまに特別付録をご提供いたします。
全員にお渡しすることはできないので、ノウハウを開示することにします。

『よるぶつ』専用ブックカバーです。

(1)『よるぶつ』のカバーのみ取り外します。帯も一緒につけてください。

(2)カラーコピー機のあるコンビニ、あるいは職場のフロアにいきましょう。

(3)コピー機の「フルカラー」と「A3用紙」を選択してください。選択の仕方は各社コピー機マニュアルを参照してください。

(4)カバーをコピー台に設置しましょう。カバーの幅がほぼA3の長手方向長さになります。折り返し部分が少しはみ出ますので、カバーの背をA3の中心に合わせます。A4の印がついているコピー機であれば、その線に合わせるとよろしいでしょう。物理学はすべて近似値です。あまり細かいことは気にしないように。

(5)余った白い部分をハサミで切り取りましょう。

はーい、あっという間に『よるぶつ』専用カバーの出来上がり。

これをして電車の中で読めば、『よるぶつ』の宣伝になります。かつ、本のカバーは汚れません。わたくしのように、リックに網のポッケがついているならば、そこに常時入れておけば、歩く宣伝カーです。

蛍光塗料や銀粉状のつぶつぶ材料がある方はそれを塗布するのもおしゃれですね。
今はいろんな材料に印刷できる機械もあるので、プラスチック・ビニル形の用紙にコピーすると防水機能もあり、見た目にもきれいです。

みなさまもオリジナルの『よるぶつ』カバーを作ってくださいね。

* * * * * *

余談ですが。
ちょっと、書店で本書を開いてみて、それが、26ページや93ページだったりして「なんだよ、難しそうなことが書いてあるじゃないか」と思ってしまった貴方、そこの貴方。読み始める場所が違っています。中表紙の次にあるショート・ショート、第★章を読んでから第Ⅲ章を読むのが王道です。Ⅰ章、Ⅱ章は気ままに読みましょう。湯川ファン、竹内物理初心者、ヘビー竹内ファン、みんな、みんな「科学者だって人間だもの」を読むべし!


----------------------------------------------
K-K F.C.(Kaoru Kotoist Fan Club) i.e. 竹内/湯川薫非公式ファンクラブ事務局

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書談:『義経の登場 王権論の視座から』

■『義経の登場 王権論の視座から』
著者:保立道久
出版:NHKブックス
価格:1200円(税別)


義経ミニ知識本、研究本がたくさん発売されている。
本書は、義経だけでなく、その人間関係、父・義朝、母・常磐のことが多く書かれている。
知らないことがいろいろわかった。
知らなかったのは私だけでない。義経研究自体が遅れており、日本中世史研究の障壁となっているそうだ。

常磐は、公家の従女であり、当時としてはそこそこの身分であったこと、常磐親子が生き延びたのもそのコネクションが平清盛に利いたこと、などは私にとって有益な発見であった。

頼朝の助命も、池禅尼が死んだ息子に似ていて不憫に思った、とは少し違うようだ。池禅尼の親戚筋と頼朝とにつながりがある。それ以前に平治の乱が源氏と平家を二分するものではなく、両家がもっと複雑に絡んでいたことである。清盛も「義朝は我が敵にあらず」と述べているらしい。清盛は戦後処理を委託されたわけである。いろいろ諸先輩方の意見を聞かないと源氏の遺族の処遇は独断できなかった。清盛の判断をうんぬんされるのは、その後の平家の興隆から対源氏のような構図が生まれたためであろう。

特筆すべきは、当時の女性は夫や父に依存する弱い存在ではなく、政治力を持っているということが伺える点である。

と半分弱読んだだけでもいろいろ得るところの大きい本である。
頼朝、義経以前の歴史が知りたくて同じNHKブックス元木泰雄著『保元・平治の乱を読みなおす』を読んでいたのだが、知らない人ばっか出てきてなかなか進まなかった(藤原忠通とかそういう人)。これで少し筋道がわかるので、再読できる。保立氏も元木氏の説を参考にしている。

日本人って自分の国結構好きなのかなって思う。歴史啓蒙書(新書版とかのことね)は毎年たくさん出版されている。大河ドラマもなんだかんだ言って視聴率を稼いでいる。意識下で自分のオリジンを確認したいではないかな。
日本史にふれる度に日本人の精神性の深さを感じるアマサイでした。

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文系・理系を越えて

アマゾンのリストマニアで、
理系・文系の枠を越えて、ということで、文系がわかる理系の本、理系が納得できる文系の本、または両者の橋渡しを論じた本なんかを紹介している。
ここなのだ!

二値化の意味は取り敢えず追求せず、
10冊ぐらいは、ぱこぱこ浮かぶだろうと思っていたが、どうしてどうして、リスト作り、難航してます。

1つは、こういう問題の考えるときに(わたし的に)必読だと思われる本が品切れ絶版なのだよなー。入手可能でも表紙の画像がないとつまらんしね。
私がこの問題(と言っていいのか)を考えるきっかけになった。
太田次郎先生の著作
『文科の発想、理科の発想』bk1
の名称があったのはうれしい。

あと、科学一般書のリストをざっと見て「君、これまだ読んでないの、だめじゃん!」と自分につっこみを入れることもままある。
チャールズ・パーシー・スノーの著作は当然入れておくべきだが、bk1
まだ、読んでいないのである。

私は文科、理科に物事・人を峻別すべきである、と言っているんではなくて、それは当然あるものとして、そこから越えるとか、融合するって考えてくと次世代が見えてくるんじゃないかなと言うとるわけよ。そこらへん間違えないように。

クオリアおやじ(茂木健一郎氏の愛称?)の本も何冊か読んだら1冊くらい入れてあげます(^-^)。

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書談:環境科学を学ぶために

去年から追加して3冊買った。
書店に行ったとき試験1週間を切っていたので、全部読むとつもりははじめからなかった。さわりを読んで安心しようと思っただけ。

■『京都議定書と地球の再生』
著者:松橋隆治
出版:NHKブックス
発行:2002年9月

松橋さんは環境工学(言い方にいろいろあるが)の専門家、東大新領域創成なんたらかたらの教授。
工学サイドから議定書の内容を解説している。環境経済学みたいのも勉強する予定だからこの程度のことは知っとかないと。まあ、環境問題は政治力学の効果だけどね。

■『海洋の科学-深海底から探る』
著者:蒲生俊敬
出版:NHKブックス
発行:1996年12月

濱田先生が「海洋学というべきものを確立すべきである」と印刷教材に明言しているのでこの手の本は必須だと思った。でも、なかなか海洋科学の本というのはないのだ。改訂もされなないまま品切れ絶版になることが多い。本書も○ュンク堂の文庫・新書売り場にはなかったんである。

■『本音で話そう、地球温暖化』
著者:(社)日本化学会
出版:丸善
発行:2002年6月
価格:1600円(税別)

なんかタイトルがなんだかな、って感じで、それが社団法人編著ってのもなあ、と思うけれども、どうして、どうして、良書と判断しました。
環境工学の各分野の専門家にインタビューしており、大学研究所だけでなく、社団法人、官庁、企業の人の話も載っているのが良いです。大型では準大型書店(芳林堂近辺の店)の理科系書棚で見つけました。

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書談:司馬遼版『義経』

■『義経』 上下
 著者: 司馬 遼太郎
 価格: \700(各々)
 出版:文春文庫
 発行:2004.2(新装版)

司馬遼太郎は、義経、そんなに興味があるわけじゃないのかな、と思った。上下二巻じゃ、ちと短い。義経が奥州に行くまでを書いていない。壇ノ浦後は、小説というより歴史解説みたいになっている。この部分は司馬遼が好きか嫌いかわかれるとこだ。嫌いな人は能書きが多いという。私は元々史学好きなので全く問題ない。

でも、読み終わって、ああ、と思った。司馬遼は、鎌倉・武家システムと京都・朝廷システムの違いを書きたかったのだ。義経という"新物質"によって二つのシステムの不整合が如実に現れてくる。それを記述するのに登場人物にセリフを言わせていては間に合わない。それで、例の司馬遼節が出てくるのである。

先に書いたように私は判官びいきならぬ、右兵衛(頼朝)びいきなんでこのへんのことは平均的日本人よりよく知っているつもり。でも、なぜあそこまで頼朝は義経を追いつめたか(一応同父の兄弟なのにね)、ってのはこれを読まないとわからなかったかもしれない。

幕末ものを多く書いている司馬さんとしてはここを抑えておかなくてはいけなかったのだ。ここから幕府が始まり、信長・秀吉・家康を経て、3つ目の武家政権が滅ぶところまでが、日本の精神的骨髄になっているわけだから。

勧進帳(伝説らしいが)まで書かなくても、司馬さんのお仕事は十分なんだろう。でも、ラストは頼朝がこれで悪は滅んだと言わせ、「悪とはなんだろうか」とつぶやいて(つぶやかせて)終わるにはちょいとまた解せないでごんす。

二つのシステムの違いとして貞操観念を描いていたのもおもしろかった。北条政子の嫉妬は有名だが、それは関東武家独特の結婚観。半貴族の頼朝には理解できんかったのね。

義経は性欲のままに生きてるし。これ、そのまんま描いてエロい映画とか作ったらおもしろいよね。(見てないけど)『カリギュラ』より高質な映像になりそうだ。大河はここいらへんどう描くのか。女好きをロマンティストとして婉曲に描くのか、それとも女性関係は静と良子に限定するのか。

「義経」で検索したらおもしろいの当たった。
http://www.rbsaika.com/yoshitsune/
大河を見ていて、お父さん、お母さんが、あれだれだっけと言っていたら教えてあげましょう、コーナー、最高です。

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書談:『波のかたみ 清盛の妻』

『波のかたみ 清盛の妻』
著者:永井路子
出版:中公文庫
価格:895円(税別)

いつのころからか、源頼朝が好きだった。
日本史を習った小学生のころだろうか。
平家は貴族風の暮らしをしていて、ずるっこしい、という印象がある。
琵琶法師の「平家物語」ってのは陰気くさいなあと思っていた。

源氏好きなのは、関東地域に育ったからのようだ。鎌倉が近いから。
関西以西は平家好きで、北陸東北は義経好きなのかなあとか思った。

平家には平家の義、があるらしい。
そんななよなよした家系でもないことが本書からわかった。

清盛・時子は、ベンチャー企業の二代目社長夫婦といった感じ。
上場はできたので、全国展開をはかる。その当時は「事業家」になるには、政治家でもあれなばならなかったのね。
政治力を獲得するのに腐心したが、結局その政治工作が仇となり、自らの敗退を招いた。後継者が育ちきらないうちに当主が死んじゃったからねえ。

この後に読んでいる司馬版『義経』に書いてあるのだが、
平家は源氏と違い、情緒豊か。頼朝、義経らを生かしたのもその情からくるものである。後生に「平家物語」が生まれるのも、その心情が民衆を惹きつける。
そういえば、源氏も三代で滅ぶが、そんな情緒的な物語はないものなあ。
北条家が実質的に政治力を継いだという権力の構造だけではなく、人々が懐かしむ詩情が源氏にはないのだ。(そこが私は好きなんだけどね)

本書にはなぜか、義経のことは全然出てこないのだ。頼朝が伊豆に流される過程はそれなりに出てくるんだけど。義経の母、常磐御前に時子は嫉妬するんじゃないだろうか。平家が滅ぶ直接的原因は義経にあるんじゃないだろうか。時子は幼少の義経にも会っているはずだが。平家物語を450ページに収めてあるのだから、詳細を触れない人物もいるのだが、義経は省いていいもんなのだろうか。

という疑問は残るが、読んでよかった作品だ。
さすが「歴史のおばば」である。
『北条政子』という大作を書いた永井さんが平時子に着目するのは必須といえよう。
偶然かもしれないが、政子にも義時という政治的に有能な弟がいて、時子にも時忠という義弟がいる。これはまたまた興味深いことである。

政治で失敗しなければ、時子も安徳天皇も死なずにすんだんような気がする。
永井さんは時忠に「敗れたには武門の平家であって、我が血筋の公家平家は生きている」と言わせている。

つまり、武門と公家政治と融合した(はずの)システムはバグを起こしてしまって、平家は滅びたのである。

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書談:『「義経」完全ガイドブック』

書談にタイトルアップするようなものか、とも思うが。

大河のガイドブックってNHKだけから出ているんじゃないんだね。
TVガイド系2社から出ています。
これはそのうちの1冊。
年表や歴史に則した人物解説が充実したのが選んだポイント。

いや、それよりも阿部ちゃんのやっている平知盛が主要人物として中井貴一・頼朝と同じくらい大きく扱っていたのだぁ~(^o^)。他の2冊とは大きな差!
今までは清盛の子供たち、という認識しかなかったが、個別の性格がわかってきた。ここにある家系図と照らし合わせながら『波のかたみ』を読んだからだけれども。

うむ、うむ。知盛は重要な役割なのだな。満足じゃ。

義経を中心とすると、源氏、平家、天皇家、奥州藤原が一遍にわかるんだね。

これで大河ドラマが2倍楽しい。

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書談:松本清張『渦』

■『渦』
著者:松本清張
出版:新潮文庫
価格:714円(税別)

あんまりどろどろしてなくて暗くならない推理小説、を所望していたので、ぴったりだった。でもあっさりしていて清張らしくなかった。おもしろ度:中(この人に限って「低」というのはありえない)。

ある劇団主催者がファンの一通の手紙から「視聴率」に興味を持ち、仲間と探偵ごっこをしていくうちに関係者が不可解な死に方をしていく、というものである。いかに憎悪の凶悪殺人とかはなさそうで、たいへんよろしい。最終章では、車を利用したトリックが明かされていく。私は推理小説を読んでもあまりトリックには興味ないし、車には乗らないのでなおさらダメである(最近のミステリはトリックではなく、人間模様・動機がメインと思う)。字面をみて、ああ、細かいなあ、さすが清張だなあと思う程度である。この小説の主人公は「視聴率」であろう。未だにその「トリック」は明かされてはいない。解説に当時の関係者が「清張氏のような著名な作家が視聴率不信を煽るような小説を書かれては困る」と発言したことにふれている。やはり、話題をまいた作品なのだろう。

仲間たちの調査経過が少々まったりしていると感じるのは新聞連載小説の所以か。

ちなみに表題の渦とは、視聴率測定器の配置家庭が、都心を中心として郊外、周辺県に向かって蚊取り線香のような渦を書くような線上に点在していることからきている。


ところで、清張の小説をいくつか読んで発見をした。

「既婚男性の3人に1人は愛人を持っている」

浮気とかじゃなくて、家を買ってやったり、パトロンをするような、かなり「大がかり」なものである。これは、単に、登場人物が富豪とか有名芸能人がいるからだろうか。はたまた、「昭和」ってそういう時代だったのだろうか。

この割合が事実と近いとしたら、興味深いことである。

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書談:ドラえもん

■ドラえもん (むかし話編)
 著者:藤子・F・不二雄
 出版:小学館コロコロ文庫
 価格:460円(税込)

いまさらドラえもんでもなかろうと思うが、買ってしまったので。
コロコロコミックスですか? ♪小学館の学習雑誌♪以降も連載されていたんですねえ。当たり前だけど。表題のものはセレクト集の1つ。10巻ぐらいあるようです。
2/3ぐらいは読んだことある、っていうか、何度も読んだお話しでした。たぶん「てんとう虫コミックス」の20巻以降は私の知らない世界です(大人になってコロコロ系を買うのが恥ずかしくなった)。

これには載っていないのだが、「7人のドラえもん」というタイムトラベルものが一番の秀作だと思う。

ドラえもんって「日本」だと思う。外国人に日本を知りたければドラえもんを読むべしと言える。
80年代に東南アジアのどっかの国が輸入されたドラえもんコミックを批判していた。
「この漫画は、持つもの(ドラえもんのことらしい)と持たざるもの(のび太のことらしい)を描いており、日本の悪しき資本主義を我が国に導入せしめんとたくらんでいる」というロジックがよくわからないものであった(私の記憶があやふやなせいもあるが)。しかし、ドラえもんが「日本」と考えればなんとなくそうかなあ、という気はする。

ドラえもんは私が幼少のとき連載が始まった。だからそう思うのかなあ。私の年代以降は手塚治虫じゃなくて藤子不二雄(FとかAとかはつかない)がヒーローのはずだ。


(テヅカがなくなったとき、私より若いミュージシャンが鉄腕アトムが大好きでした、っていうのは違和感があった。それは何かの間違い?!確かにリメイク版が2度くらい作成はされていたが。また、「アトムを作りたかったんだぁ~!」と言って、メカトロニクスの道に進んだ人は絶対私より年長であるはずだ)

藤子先生の弟子になる、と言っていた幼いころが昨日のことのようである。

ところで、野比のび太くんは、本書によると昭和39年生まれだそうだ。
へぇ~×5

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書談:書談はかくあるべき

■『お父さんは時代小説が好き』
 『お母さんは「赤毛のアン」が好き』
 著者:吉野朔実
 出版:角川文庫
 価格:514円(税別)

これらは漫画で語る書評集である。吉野朔実さんは漫画家である。その昔『ぶ~け』という少女漫画雑誌があった。そこに連載を持っている人は全てストーリーも絵も実力派ばかりである。その中でも吉野さんはピカイチ、私のお気に入りであった。『月下の一群』や『少年は荒野をめざす』などは文学と呼んでも差し支えない。それもそのはず、かなりの本読みなのだ、ということはこれら書評が単行本化されてわかった。

以前、ここで、書評といいながら自説を展開することを目的としたものを批判したが、吉野さんのものは、それらと正反対である。その本を語りながら、その書評自体がしっかりとしたエッセイ、作品となっている。ここに収録されているものは、大半が英米翻訳モノというやつで私の範疇ではない。が、読んでみたくなるではないか。実際ここに収録されてる本を読んでみたりもした。これが私の目的とする「書談」である。まあ、たぶん達成することはできないだろうが。

吉野さんは、その豊富な読書背景を元にして、最近描かれるものはサイコサスペンス調のものが多い。ちょっと、私の好みとは違う。80年代の作品のように元気で明るくかつ繊細な青年少年少女を描くモノに戻ってほしいのだが。無理かな~

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書談:今日買った本20041231

■『渦』
 著者:松本清張
 出版:新潮文庫
 価格:781円(税別)

ミステリが読みたくなった。でも暗いのはいや。だいたい怨恨で人が殺されるわけで陰鬱になるのが普通である。これはテレビ視聴率の怪に挑むというもので、そう重くはないだろう。今年は中居くんがドラマをやったせいで清張づいている。短編集が主で、長編は『砂の器』『点と線』に続き3冊目かな。夢中になっちゃうので、こういう長期休みじゃないとね。

※修正『ゼロの焦点』も読んだかも。

■『工学部・水柿助教授の日常』
 著者:森博嗣
 出版:幻冬舎文庫
 価格:571円(税別)
森博嗣は別に好きじゃない。QA本はおもしろかった。これもなんだかノンフィクションぽいから。


■『HSPでつくる3Dゲーム』
 著者:悠黒喧史(ゆうこく・けんじ)
 出版:工学社
 価格:2300円(税別)
新しいパソコンを買うと必ずこの手の本を買う。うーみゅ、今度こそCGプログラミングマスターじゃ。

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書談:今日買った本20041230

■『宇宙のシナリオとアインシュタイン方程式」
 著者:竹内薫
 出版:工学社
 価格:1900円(税別)

竹内師匠が「ここ10年で宇宙論が大きく変わったんですよ。10年前の本なんか全部捨てた方がいいです」とおっしゃっていた。まだ捨ててないが、新しいのは何がいいかと考えたら師匠の本でした。もう来年のアインシュタイン年を狙って本屋ではフェアを始めている。そこで目立つにはやっぱ、師匠の著作でした。『アインシュタインとファインマンの理論を学ぶ本』の3章を読み直すとデューク・ゴトウと約束したのだが、数式があって読むのが面倒。約束ははたせそうにない。


■『義経 大いなる謎』
 著者:川口素生(すなお)
 出版:PHP文庫
 価格:552円(税別)

お気楽に読めるものを探して。大河ドラマに即した歴史人物、○時間でわかるといった手合いの本である。読みやすいものは、それだけしかの価値しかないな。でも、「歌舞伎『勧進帳』の見所は?」とか「義経ジンギスカン伝説はどのように生まれたか」とか歴史書、啓蒙書には書いていないこともあっておもしろいことはおもしろい。

NHK出版の『義経』(登場俳優の写真が盛りだくさんのやつね)を買おうかどうか迷っている。タッキーと阿部ちゃん狙いである。でも、義経より頼朝様の方が好き。


■『英語で日本のことを話そう』
 著者:翼一郎 監修
 出版:宝島文庫
 価格:629円(税別)

この本を見たら、1ヶ月くらいまともに英語の勉強をしてないのに気づいた。ほとんど衝動買いである。

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『BeeGees Number One』を買う。
次にドラマで使用されるのはビージーズと思う。

まさか織田くんがWham!を歌うとはね。
"Last Christmas"は許されるが(私もカラオケで歌うから)、
"Wake Me Up Before You Go-Go"はいかんな。
全く別の歌じゃで。