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August 09, 2016

ディベート甲子園2016

ディベート甲子園の審判に行ってきました。

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第21回 全国中学・高校ディベート選手権(ディベート甲子園) 
主催
読売新聞社、全国教室ディベート連盟

協賛
パナソニック、日本テレビ放送網

特別協力
立教大学

後援
文部科学省

開催日
2016年8月6日(土)~8日(月)

場所
立教大学 池袋キャンパス 5号館 (東京都豊島区)           

http://www.rikkyo.ac.jp/access/ikebukuro/direction/

論題
中学校の部
「日本は地方公共団体の首長の多選を禁止すべきである。是か非か」
・ 人物が同一地方公共団体で通算3期以上、首長に就任することを禁止する。

高校の部
「日本は国民投票制度を導入すべきである。是か非か」
・ここでいう国民投票制度とは、18歳以上の有権者の署名により、法律の制定、改正、廃止に ついて請求する制度とする。
・投票の結果は法的拘束力を持つものとする。
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7日の中日です。8日最終日準決勝に行く学校を決める大事な日です。

私は高校の部の2試合をジャッジしました。

●予選リーグ第3試合
・肯定側:岡山県立岡山大安寺中等教育学校(岡山県・初出場)
・否定側:青山高等学校(三重県・初出場)
両方とも初出場とは思えない素晴らしいスピーチデリバリーでした。
岡山県の学校はなんと4人とも女子一年生です。来年、再来年には決勝リーグに出てくるのではないでしょうか。
立論はどちらも良いできでしたが、メリットの民意の反映よりデメリットの政治の質の低下の方が大きく取れてしまいました。国民はムードに流されやすい、カルフォルニア州の国民投票の結果のように財政破綻をもたらす、などの方がインパクトがありました。

●決勝リーグ
・肯定側:広島学院高等学校(広島県・4年連続4回目)
・否定側:創価高等学校(東京都・21年連続21回目)

高校ディベートの老舗・創価高校の登場です。
広島学院はプランに「税制・外交は取り上げない」「100万人以上の署名が必要」などを追加して、デメリットをブロックしていました(スパイクプランといいます)。
これに創価はどう対応するのか。
質疑で肯定側に「民意とは何か、国民が良いと言えば良い」のかとしつこく訊いていました。否定側はプラン後プロの官僚が決めている政策を素人の国民が決めるので政治の質が下がると説明していました。ここでもカルフォルニア州の例を取り上げています。これは税制の変更も含まれています。肯定側がそれをつくと「税制だけでなく、補助金に関しても同じロジックが使える、国民は自分の利益になる方に投票するのだ」と反駁していました。これも普通ならなかなか通りにくい議論ですが、21年の経験値(OBからいろいろ教えてもらうので)がものを言いました。

審判タイムの時、票は割れて、断然否定側という話でもなく、肯定側にも見るべき点はあったと思います。結局、創価高校は準決勝選ベスト4に入りました。

この試合と試合の間に中学生の試合を見学に行ったのですが、どちらも議論が拮抗し、私が見ても判断が難しかったです。松本茂先生が主審を勤め、どちらもうまく議論を主張し反駁していたと講評していました。負けた学校の子は泣いていましたね。

うっうっ、おばちゃんも悲しいよ、両方勝ちにしてあげたい(;_;)。

ここ2,3年で中学も高校も格段にうまくなっています。情報がうまく循環しているのでしょうか。私でもあのようなスピーチをできるかどうかわかりません。

酷暑の日曜日、爽やかな試合に触れられてよかったです。
(*^_^*)

ご注意:試合の内容はうる覚えで書きましたので正確でないかもしれません。

おばちゃんもディベートがんばるよぉ。//科学ブログランキングに投票してください。【押す】。ご意見ご要望は新掲示板にお書き込みください。家主が確認の上、公開いたします。

January 27, 2014

書談:佐久間賢著『交渉力入門〈第3版〉』

現在は第4版が出ています。
http://bizacademy.nikkei.co.jp/culture/books/article.aspx?id=MMACi4000015092011

事例が最新版になっているだけで基本は同じようです。

■『交渉力入門〈第3版〉』
著者:佐久間賢
価格:903円(税込)
出版:日経文庫
発行:2007年
【目 次】
はじめに
プロローグ いまこそ求められる交渉力
I ビジネス交渉を分析する
II 交渉力の基礎理論
III 交渉力理論を活用する
IV 交渉力とリーダー行動
V 交渉力シミュレーション
エピローグ 仕事ができる人とは
参考文献

Nikkeibunko_2

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買ってからしばらく放置していたようです。

途中で数値の入った図が入っていたので難しいそうと思ってしまったようです。

一度講義を聴いたのですっと入ってきました。
・交渉学入門
http://page-only-one.cocolog-nifty.com/imotora7/2013/12/post-5f0a.html

アメリカでは交渉学が進歩しているのでいろいろな理論があるのでしょう。でも基本は同じような気がします。それと相反するようですが、それぞれの著書から別々のことを学べます。

佐久間氏の主張は仕事ができる人とは、
1)問題点を見つけて
2)それを解決する複数の代替案を考え、
3)各代替案の長所と短所を検討し、
4)その代替案から最適なものを選ぶ、
ことができるのだそうです。

これに反論する人はいないでしょう。

つまり、それぞれの著者がこの手順を達成するために多様な記述をしているということです。

それ以前に交渉する母体がいろんな「引き出し」を持っていないと複数の代替案を持てないということになりますね。

中小企業やベンチャーでもWin-Winの交渉はできるのでしょうか。


交渉人となる我々がこのような本で勉強するのも一つの手段でしょう。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】≪応接室、ちょっと不具合が出ています。少々お待ちください≫

December 24, 2013

交渉学入門

竹本和広氏講師、

一色正彦先生監修

の「交渉学入門」講座に行ってきました。

*カテゴリー上ディベートに入れました。

実際に参加者が売買のデモ交渉を行い、理論、技術を学んでいくというものです。

以前から興味がありまして交渉学の本を眺めてはいました。習得したディベートを交渉に使え、ディベート技術の向上にもつながるのではないかと思います。

また、眺めていた本には「ディベートのように勝ち負けを決めるものではなくWin-Winの関係を作る、ディベートで勝っても交渉で負けてしまっては意味がない」なる主旨のことが書いてあってカチンときていました。

ディベートの試合として必ず勝ち負けがありますが、実際のビジネスでは、プロジェクトを採用するかしないか、工場の建設するか否かなど、On-Offで物事を決定するということは多々あると思うのです。

また、アカデミックディベートでは勝つことが目的ではなく、試合の過程において論理的思考、クリティカルシンキングを身に着けることが大事なのです。もしかしたら、ディベートが交渉学で誤解されているのではないか、相手に教わるついでにその誤解も説こうとも思いました。

その点に関しては、講師の竹本氏が「ディベートは意思決定手法として理解しています。双方向の発信という点では交渉学でも同じかと思います」と言われ一安心しました。

一色先生の推奨しているのはロバート・フィッシャーの交渉術のようです。

・フィッシャーとユーリーの交渉の技法
http://www.cscd.osaka-u.ac.jp/user/rosaldo/070525herhis.html

交渉学は戦争を避けるため、武力を回避するために始まったそうです。言論で物事を解決しようという点では一緒です。

まだ入り口に入ったばかりですが、これからも勉強を続けていこうと思います。


やりたいと思ったときに無料講座があってよかったです。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】≪応接室、ちょっと不具合が出ています。少々お待ちください≫

November 28, 2013

ディベートの効用

NHK『おとなの基礎英語』やZ会出版の『速読速聴・英単語』で有名な松本茂先生と、うちの秘密結社?の前会長・取出恭彦氏との対談です。

松本ゼミに味の素のお勤めの取出氏が協力しています。


産学連携によるグローバル時代の人材育成@立教大学

○味の素株式会社 研究開発企画部国際栄養担当専任部長 取出 恭彦氏

○立教大学 経営学部国際経営学科教授 松本 茂

グローバル人材の育成が急務とされる今、産学連携による人材育成に期待が寄せられている。そこで本稿では、立教大学と味の素株式会社が2012 年度に連携して取り組んだ科目「ビジネスプロジェクト」を紹介する。

松本「ビジネスプロジェクト」は、BBL(バイリンガル・ビジネスリーダー・プログラム)と呼ばれる経営学部国際経営学科のコア・カリキュラムの最終科目で、学生たちが学びの成果を実感できる特色ある内容です。BBLでは、1年次夏季に原則全員が3週間にわたり提携校への短期留学を経験するほか、さまざまな英語科目を履修し、2年次後期までに経営学の授業を英語で学習できる能力を習得します。その総仕上げとして3年次に履修する本科目では、経営学の知識と英語力を融合し、ご協力いただける企業からの課題に留学生を含めた少人数のグループで取り組み、立案したビジネス提案を英語でプレゼンテーションします。
(中略)
取出:相手に何かを伝えようとする際、確かにプロセスが重要です。お互いが正解にたどり着くまで、さまざまな意見を交わし、議論しないと納得してもらえません。しかし普段から結論を急ぐ日本人は、そこに到達するまでのプロセスに慣れていません。そのため、論理的な意見を交わせるよう、ディベート力を身に付けることが大切です。「チームワークの良さや和を重んじる心」という日本人ならではの良さにディベート能力が加われば、日本人は世界をリードしていけると思います。

松本:ディベートでは、あるテーマに対して賛成と反対の二つのチームに分かれて聞き手を説得するために議論します。その中で身に付くことの一つは、相手の意見を聞いた上で自分の意見をどう主張すべきかを即答すること。これはビジネスでもとても役に立ちます。相手の主張を踏まえつつ、きちんと議論することで、相手からも尊敬されるリーダーに成長していくのです。

詳しいことはwebをお読みください。

副業:ディベータとしては、最前線のビジネスパースンがディベート能力を活かしている点に注目していただきたいです。取出さんは私の所属するディベート団体の先輩で、初心者のころよくご指導いただきました。

彼がすごいというか、ディベート思考法がすごいのか;
とある即興ディベートで、一緒にチームを組んで議論するために話し合いをしていました。

肯定側として準備をしていたのですが、途中で、

「あれ?私たち肯定じゃなくて否定だね」

と衝撃なことを言われたのです。

ディベートを初めて何か月も経っていない私はあたふたしました。
しかし、取出さんは平然と、
「じゃあ、この論点を否定の立場に置き換えてみよう」
とメモを取り始めたのです。

私にはそれはマジックのように思えました。

議論をオセロの駒のようにひっくり返していくのですから。

このエピソードでディベートの威力が少しは分かっていただけたでしょうか。

(ディベートをする際)常に自分の立ち位置と反対方向からも見る目を養うのです。

ディベートの効用はいろいろありますが、

所謂、複眼思考、論理的思考ができるようになるということなのです。
(論理的でないと複眼思考はできないですよね)

ビジネスにも活かしようがいろいろあると思うのです。

ビジネスコミュニケーションに悩んでいる方はディベート入門書を読んでみてください。
何かヒントがあるかもしれません。

あの日がすでに十数年・・・。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】≪応接室、ちょっと不具合が出ています。少々お待ちください≫

March 24, 2013

'13 中高生春季ディベート大会

久しぶりに中高生ディベート大会のジャッジに行ってきました。

関東甲信越の春季大会です。夏のディベート甲子園と呼ばれる全国大会へのキックオフとなります。

論題は1ケ月ほど前に発表されました。

■中学:
「日本は飲食店にドギーバッグの常備を義務づけるべきである。是か非か」
・ドギーバッグとは自分の食べ残した料理を持ち帰るための容器をいう。
・客が店または自分のドギーバッグの利用を希望した場合、店は応じなければならない。
・客は自己の責任において持ち帰るものとし、持ち帰りによって生じた問題について店は責任を問われない。

■高校:
「日本は首相公選制を導入すべきである。是か非か」 ここでいう首相公選制とは、「首相公選制を考える懇談会」報告書(平成14年8月7日)の「Ⅰ 国民が首相指名選挙を直接行う案」とする。


中学は初めての論題です。ドギーバック自体なじみがないので、付帯事項でいろいろ限定しています。

高校の首相公選制は定番のディベート論題ですが、ディベート甲子園として10年ぶりくらいと聞いています。付帯事項が公的報告書となっているのは、高校生の知識では、この論題を網羅する範囲が広すぎるのでそれを狭めるためですね。中高ではカウンタープランを使えないので、使える議論が社会人のものより若干すくなくなります。

で、中学2試合、高校1試合審判しました。
前者は3人制、後者はリーグ決勝だったので5人制でした。

初めての大会だったから仕方ないかもしれませんが、まだメリット、デメリットの確定ができてないし、当然反駁も不十分でした。

中学はその中でもがんばって調べているな、という気はしました。
ドギーバック自体知られていないので(私も知りませんでした)そこからですね。メリット:食物の無駄をなくす、デメリット:食中毒が起こる、という感じです。無駄はどれくらい減るのか、どういう場合食中毒が起こるのか、まだ調べる余地があるようです。

高校は定番論題だから大丈夫かな、と思いましたが、昔の資料と最近の資料がごっちゃになっていて議論の一貫性がないことが見受けられます。熟練校も資料のストックがないようです。国、地方の政治が現行どうなっているか、どのような変遷をたどってきたか、を勉強することから始めないといけません。

夏の大会にどれだけ成長するか楽しみです。

会場の成蹊大学の桜がきれいでした。

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中高生に負けずにディベートの勉強がんばるぞ。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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August 08, 2011

ディベート甲子園2011

只今ディベート甲子園が開かれています。

http://nade.jp/

【論題】
中学:「日本は選挙の棄権に罰則を設けるべきである。是か非か」
* 公職選挙法で定めるすべての選挙を対象とする。
* 棄権とは、投票しないことであり、白紙投票は含まない。
* 1回の棄権につき過料1万円を課す。
* 病気等やむをえない理由による棄権は除く。
* 収入は選挙についての広報にあてる。

高校:「日本は道州制を導入すべきである。是か非か」
*現行の都道府県制を廃止して全国に7~11程度の道・州をおき、外交・防衛・通貨以外の権限を基本的にすべて国から道・州に移すものとする。
*地方間の財政的格差を調整するために、国が必要な課税処置をとることを妨げない。

やっているのは甲子園ではなく東京文京区の東洋大学なんですが。

アマサイも昨日審判に行ってきました。

高校生論題は、準々々決勝を審判しました(審判五人制)。さすがに全国大会の常連を据えた試合ですから、審判のし甲斐がありました。道州制にすると租税引き下げ競争が始まり、ゼロサムゲームとなる、なんて高度な議論も出てきました。

政治がこんな有様なので、行政システムを抜本的に変えようという1アイデアです。いろんな学者が主張していますね。大前研一はもうずいぶん長いこと言っています(この人、首相公選制とか、そういうのが好きなんだね)

中学生には、政治論題は難しいのかなという気もしました。
「で、肯定側さんにとっては、組織票は悪いことなんですか。なぜ悪いんですか」という質疑もありました。ディベートでの質疑は、自分に有利な議論を引き出すために、一種のひっかけ、みたいのをすることがあります。でも、この場合、彼らの素朴の議論なんじゃないかなとも思いました。

大人でも、投票率が低いのはどうしていけないのか、なんて論理的な説明はなかなかできませんね。しかし、中学生のうちから選挙、政治に関心を持つことは良いことであり、早すぎることはありません。

本日8日、決勝戦です。お時間がある方は東洋大学へ。

また、知財クラスタの@naosuzukake (http://naosuzukake.blog90.fc2.com/)さんの出身、北大ディベートクラブ(http://hokudeb.blogspot.com/)が、ディベート教育功労賞を取られました。

(^ ○ ^)お!(^ □ ^)め!(^ ◇ ^)で!(^ ▽ ^)と!(^ ・ ^)う!

彼自身もディベータです。一緒に審判もしました。

仲間が栄誉に預かって私もうれしいです。

知財とディベートは相性がいいわけですよ。管理人を喜ばすには⇒一日一回、人気ブログランキングぷちっとな。【押す】≪コメントはここ

January 11, 2010

ベーシック・インカム

ベーシック・インカム
目黒区の秘密結社の論題である。まだ、勉強したてなので誤解もあると思うが、今の考えを述べる。以外BIと略す。

・BIの支持者は、我々は共産主義、社会主義ではないと言うが、皆平等に貧富の差に関係なく基本生活費を現金で払う、これが共産主義でなくて何であろうか。

・資本主義との整合をとるべく「働いて収入を得てもよい」としているが、それは新型共産主義とでもいうべきものであろう。

・「いや、働こうにも労働市場は縮小している」との主張も妙である。だからBIなのだ、とのリンクが抜け落ちている。

・「今の社会保障制度は破綻しているから期待できない」という言説も同様におかしい。だとしたら、それを消去してBIに切り替える財源はどこから出るのか。

・このようにBIは、導入する動機がちぐはぐで制度として稼動するとは考えられない。

・かと言ってBIを全否定するつもりはない。労働したい人のみが必要な箇所でする。反対論者の言うように怠け者が続出して社会が成り立たなくなるとは思わない。人間は基本的に労働が好きだから。

・しかし、これは思想である。BI思想に国民ほぼ全員が同意しないと運営は不可能である。だから、BI主義を標榜する人達だけで建国したらどうか。嘗てのアメリカがそうだったように、同じ思想の者で立国するのは、十分可能である。それを世界が範とすれば、BI思想は根付く。

新党日本のマニフェストにも入っているらしいですね。人気ブログランキングぷちっとな。【押す】≪コメントはここ

December 17, 2009

書談:香西秀信『論理病をなおす!─処方箋としての詭弁』

Ronribyo■『論理病をなおす! ─処方箋としての詭弁』
著者:香西 秀信 著
出版:筑摩書房(ちくま新書)
発行:2009/11/09
定価:735円(税込)
ちくまHP

なかなかおもしろかったです。
詭弁という悪い印象しかないんですけど(まあ、普通そうだよね)、人間は詭弁を行う生き物だ、という香西さんの言には目から鱗です。

詭弁と論理は見分けがつかないというか、利害関係によって、どちらにでもなりうるというのが結論でしょうか。

例えばよく携帯電話を買ってくれという小学生がいます。
父「なんで、小学生に携帯が必要なんだ」
子「だって、みんな持っているもん」
父「みんなって誰のことだ」
子「A君も持っているし、B君もC君もそうだよ」
父「お前はみんなと言ったが、3人じゃないか。携帯など必要ない」
よく行われる会話です。
ここで香西さんは、父の言い分が間違いであり、詭弁だといいます。
この子にとって、携帯電話を持って話すとしたらA君とB君とC君なのです。もう彼らが持っているということは「みんな」持っているに等しいのです。隣りのクラスが例え全員持っていたとしても、彼には「みんな」持っているということにならないのです。

最も、父はうちの子には携帯はまだ早いという教育方針(あるいは家庭の経済優先順位に)があり、それを説くよりも、小学生の携帯所持はスタンダードではない、という実状を示した方が諦めがつくだろうという判断からこのように言ったのでしょう。まあ、だから、詭弁なわけだが。
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次の例は日常でも、我々のやっているディベートにも役に立つ思考です。
X高校の生徒が万引きで捕まったとします。近所の人々は、あの学校はがらが悪いから、レベルが低いから、などと非難します。で、これが1人だったら、それはあまりに過度な反応でしょう。では、5人だったら、10人だったら、、、、どこの時点であの学校は、と認定?するのが妥当なのか。これは人によって異なるでしょう。

また、それは偏見であって、そのようなことで学校の評価をするべきではない、という議論も成り立ちます(これは別の章の事例だったかもしれない)。そうであったとしても、盗みをする生徒が毎年何人か出るような学校に自分の子供を行かせたいか、となると別の話です。
--------------
日本人論、国民論の著書にも容赦なく切り込んでいきます。アマサイは会田雄次の本、昔何冊か読みましたが、『日本人の意識構造』の事例は、興味深かったです。

ある夫婦が、欧米からの留学生を滞在させます。夕飯は奥さんが必ず彼の食生活に合うものを作ってあげています。あるとき、そこの母親、おばあさんが亡くなってしまいます。それで、その夫婦は、法事やら親戚の対応に追われてしまいます。奥さんは、このような事態であるから、留学生は当然外食でもしてくれるだろうと思っています。しかし、彼はいつものように帰ってきたけれど、食事ができてないので怒り出します。その後、この夫婦と留学生の関係はまずくなり、彼はその家を出て行ってしまいます。会田氏はここから、察する文化とそうでない文化があると結論づけます。

香西さんは、この例だけで民族性を断定するには無理があると言っています。さらに、国民論(日本人論)はこのような端的な例で語られ、読む方も納得してしまう、とも指摘しています。

まあ、アマサイもそう思うのですが。この青年だけが、「空気の読めない」人間だったかもしれない。この奥さんも赤の他人を置いているのだから、「すまないけれど、こういう事情で」と言うべきでしょう。

ですが、会田氏は「日本人のように"察する"という文化を持っているのは、他にないのではないか」と仮説を立て、例えばこういうことがあるだろう、という事例を出しただけではないかと思うのです。この留学生の話は実在したのかもしれませんが、会田氏の都合がいいようにモディファイされた可能性が大きいです。ここで、他に○○ということもあるし、××ということもある、といくつも例示する必要があるでしょうか。会田氏は、幾つかの仮説を立て、日本人論というものを構築したかっただけではないでしょうか(アマサイもこの本を読んだはずですが、内容は覚えていないですが)。

しかし、香西さんもたぶんそれは認識しているでしょう。それこそ、1つの特殊な事例で結論を導き出すことは著名な書物でも行われている、という『詭弁』を使ったに相違ないです。

全体として、かったるい、そんなのちまちま言わなくても、というところもあるのですが、世間で言われている論理的と「理論上」の論理的というのは大きな隔たりがあることが理解されます。これを読んだからと言ってで議論がうまくなるとか、詭弁に騙されないという効用はあまり見込めませんが、議論学入門の1つとしては案外最適です。

★本書が手元にないので、記憶している範囲で書きました。記載を湾曲しているところが発見されましたら後で直します。★

目次
序章 馬鹿だから詭弁に騙されるのではない
第1章 詭弁なしではいられない
第2章 曖昧さには罠がいっぱい―多義あるいは曖昧の詭弁
第3章 弱い敵を作り出す―藁人形攻撃
第4章 論より人が気に喰わない―人に訴える議論
第5章 一を教えて十を誤らせる―性急な一般化
あとがきにかえて―語学の達人に学べるか?

わら人形論法(straw-man)という言葉を覚えただけでいい気なっている『論客』さんは読んだ方がいいね。。人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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August 05, 2009

ディベート審判心得帳

今年は、中高生ディベート大会・春のキックオフ大会(そういう名称ではないが)、関東予選1日目、2日目の審判依頼全て受けた。今週末の全国大会の中日、最終日の審判もすることになっている。

そろそろ、信頼すべき審判の1人となりたいものだ(それは、生徒さんや教室ディベート連盟の人が決めることである)。

それには判定理由が言えることである。

社会人ディベータとして十三回忌、いや13年の佳節を迎えるわけであるからそれくらいはやっているのであるが、よりディベータに判定の納得をしてもらうために再確認してみよう。

1)判定基準となった議論とそれをどう解釈して結論に至ったか。
私がディベートを始めた頃、先輩にそう言われた。まずは理由づけを言語として発しろということだ。

当たり前の話だが、初心者には最初の壁である。こんなことは議論の中核じゃないんじゃないのか。他の人は全然違う視点じゃないのか。といろいろ考えてしまうものだ。

しかし、大抵の技能の場合、初期段階は累積的に成長する。一回目より二回目、三回目というように。細部には拘らず全体を見られるようにすることである。

2)なぜ私は審判某氏の判定とは違うのか。
中高生大会の審判は3人あるいは5人である。全員一致で判定されればいいが、他者と違った場合、さらにはマイナーボーダーになった場合、「言い訳」は考えておいたほうがいい。もっとも、これは審判の必須事項ではない。判定を「より納得」してもらうという主旨からである。また個人指導でもしない限り議論A、B、C、全てに言及している間はない、という時間対効果のためでもある。

それぞれが経験を持っている審判なのだから、彼らの意見も取り込んで評価できれば有益である。

と何か抽象論に終始しているが各論はいずれまた(っていつだ?)。

久々のディベート話、だけど、人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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June 08, 2009

書談:松本茂他『英語ディベート理論と実践』

書談:松本茂他『英語ディベート理論と実践』
■『英語ディベート理論と実践』
著者:松本茂、鈴木健、青沼智
出版:玉川大学出版部
発行:2009.03.01
価格:4500円

批判的思考力や論理的思考力が重視され、高校や大学でも「議論」を展開する活動が積極的に取り入れられている。英語教育においてディベートをどうとらえるべきか、指導上のポイントを示し、実例からどんな理論を活用したうえで戦術や議論を準備し、論証すべきかを解説。日本のディベート教育をリードしてきた著者陣による一冊。

主な目次

【第1部 授業ディベート編】
1 指導者として知っておきたいディベートの基礎知識
2 何をどのように教えるか

【第2部 競技ディベート編】
1 1AC(肯定側第1立論)
2 1NC(否定側第1立論)
3 2AC(肯定側第2立論)
4 2NC/1NR(否定側第2立論/否定側第1反駁)
5 1AR(肯定側第1反駁)
6 2NR/2AR(否定側第2反駁/肯定側第2反駁)
7 Cross-Examination(質疑応答)
8 審査方法

参考文献
---------------
紹介するのをついぞ忘れていました。10万人のディベートファン待望の書です。

第一部は日本で教授される競技ディベートの概要、第二部は、立論から反駁まで各スピーチをディベートの英文原書を参照しながら詳細に説明しています。

日本語ディベータも通読しておけばESS出身者にも負けません?!(マニアックなお話)。

ちょっとこの価格設定はいかがなものか。しかし、内容は濃いので元は取れるでしょう。

ディベートを学んでいる人、ディベートでつくスキルとはいかなるものかと思ってる人にもおすすめです。

私が勉強を始めたころには、英語上達の道はディベートにあり、と言われそれは半ば常識ですらありました。

語学力向上としてのディベート、是非復権してもらいたいものです。

著者の氏名、姓+名3文字ですね。いや、別に意味はないですが、人気blogランキング・自然科学にぷちっとな。【押す】
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